Kaigai Risk
TRAVEL RISK ARCHIVE

ドゥシャンベのスリ バザールと空港の外国人狙い【2026】

ドゥシャンベのスリ・置き引きの手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.05.04 KAIGAI-RISK

ドゥシャンベは外務省の渡航レベルでは「レベル1(十分注意)」の街。一見するとソモニ広場の整った街並みで、中央アジアの首都の中でも落ち着いて見える方です。ところが外務省「安全対策基礎データ」と在タジキスタン日本大使館「安全の手引き」(令和6年10月版)を読むと、外国人狙いのスリ・ひったくり・置き引きが、観光客が必ず通る場所に集中しているのが分かります。バザール、駅、空港、ホテルロビー、ルダキ通り。ここで荷物の持ち方を一段階引き上げるだけで、被害確率がぐっと下がります。

Travel Alert 01

海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです

詳しくみる →

バザール・駅・空港 --- 外務省が「外国人をねらった」と名指し

外務省「安全対策基礎データ」が、犯罪発生場所をはっきりこう書いています。

犯罪被害危険地域として、注意を要する特定の地域はありませんが、ドゥシャンベ市内をはじめ、強盗、窃盗などに遭う危険性がありますので、夜間の一人歩きや乗合タクシーの利用は避けてください。特に多くの人が集まるバザール、観光地、空港、駅周辺等では外国人をねらったスリやひったくり被害が発生しています。

「外国人をねらった」と書かれているのがポイントで、これは現地人が日常的に使う場所ではなく、観光客の動線にスリ・ひったくりが張り付いているということ。具体的に押さえておきたいスポットはこの5つ。

  • コルホーズバザール(緑バザール / Mehrgon Market) --- 屋根付きの大型市場、観光客もドライフルーツやスパイスを買いに立ち寄る
  • ドゥシャンベ駅周辺 --- ロシア・ウズベキスタン方面の長距離列車発着駅、ロビーでの置き引き
  • ドゥシャンベ国際空港 --- 到着ロビーと出口付近、白タクの声かけと置き引きが同時進行
  • ホテルロビー --- チェックイン待ちで足元の荷物から目を離した瞬間
  • ルダキ通り・ソモニ広場周辺 --- 観光ハブで人が集まる、外国人狙いのスリ

夜間の一人歩きについては、「危険地域はないがレベル1全土で強盗・窃盗の危険」とまで書かれている時点で、昼と夜は別ルールで動くのが基本姿勢です。

防犯三原則と「後ろポケット禁止」

在タジキスタン日本大使館「安全の手引き」が、外出時の防犯対策をこう書いています。

オ バザール、駅周辺などでは、スリ、ひったくり、置き引きなどが多く発生します。犯罪者は「ターゲット」の隙を窺っています。周囲に自分のことをじっと見ている人がいないかどうか気をつけてください。ズボンの後ろポケットやバックのサイドポケットに貴重品を保管しないでください。

「後ろポケット」と「バッグのサイドポケット」は名指しでNG。バックパックの外ポケットやスマホをジーンズの後ろに突っ込む癖がある人は、出発前に持ち方を矯正してください。財布・パスポート・スマホはこのどれかで運用するのが現実的です。

  • 前抱えのウエストバッグ(ファニーパック)でジッパーは体側
  • 首から下げるネックパウチ(服の内側)
  • ジャケットの内ポケット(ジッパー付き)

スマホは外ポケットに入れて歩かない。地図確認は店に入って立ち止まってから、終わったらすぐ仕舞う。これだけで体感の被害確率が大きく変わります。

Travel Alert 02

海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?

詳しくみる →

ひったくり対策 --- 車道側に荷物を持たない

「安全の手引き」がひったくりについてもう一つ重要な指示を書いています。

カ ひったくり対策として、荷物は車道側には持ない、体の前で抱えて持つことが大切です。スマートフォンの操作中などは特に注意が必要です。

歩道で歩くときのバッグの位置を意識したことがある人は少ないと思いますが、車道側に持っているとバイクや車が後ろから走り抜けるタイミングでヒモごと持っていかれます。歩道では必ず建物側にバッグ、ストラップは斜めがけにして体の前で抱える。スマホ操作中は意識が画面に集中して周囲が見えなくなるので、立ち止まって操作するか、操作中はそもそも歩かない。これは旧ソ連圏全体で共通する基本動作です。

駅・空港・ホテルロビーの置き引き

外務省「安全対策基礎データ」がこう書いています。

また、駅、空港、ホテル等のロビーでは、置き引き対策として、貴重品、手荷物等を体から離さないよう注意してください。

置き引きで一番狙われるのは「荷物から手を離した1〜2秒」。具体的には、

  • ホテルのチェックインで足元にスーツケースを置いて、フロントの書類に集中した瞬間
  • 駅・空港のロビーで椅子の隣にバックパックを置いて、スマホを見た瞬間
  • レストランで椅子の背にカバンをかけて、料理が来た瞬間

対策はシンプルで、荷物のストラップを足や椅子の脚に絡めるスーツケースの上に片足を乗せるロビーで荷物を放置して両替・トイレに行かないの3つ。同行者がいれば必ず誰かが荷物番に残るルールにする。

TESTIMONY · 旅行者A
バザールで買い物中にスマホをジーンズの後ろポケットから取られました。混んでて押されたとき、何も気づきませんでした。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在タジキスタン日本大使館『安全の手引き』バザール周辺のスリ・ひったくり事例(後ろポケット禁止)に基づく構成

これは「気づかれずに抜かれる」のがスリの本質で、被害に気づいたときには相手はもう人混みに消えています。後ろポケットとサイドポケットを「貴重品置き場」として使わないこと、これが一番効きます。

Travel Alert 03

無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も

詳しくみる →

車上狙い --- カバンは駐車場に着く前にトランクへ

レンタカーやハイヤーを使う場合の車上狙い対策も「安全の手引き」が触れています。

キ 車上狙い対策として、車内に貴重品を置かないでください。どうしてもカバンなどを置く場合は、駐車場へ着く前に予めトランク内へ置いてください。

ポイントは「駐車場に着いてからトランクに移すのは遅い」というところ。駐車場に入ってきた車を見ている人がいて、移動中の動作(後部座席→トランク)を見られた段階で標的になります。出発時から貴重品はトランク、または持ち歩く前提にしておくのが安全です。

強盗に遭ったら抵抗しない

万が一エスカレートして強盗に発展した場合の対応も、大使館がはっきり書いています。

万が一、強盗被害に遭ってしまった場合は、生命の安全を何よりも最優してください。金品の出し渋りや不用意な抵抗は相手を刺激する恐れがあります。

財布の中身は失う前提で動くこと。これを成立させるためには、

  • 現金は1カ所に集中させない(メイン財布/非常用ポケット/ホテル金庫の3分散)
  • パスポートはコピーを別に持つ、現物はホテル金庫
  • クレジットカードは正規・予備の2枚を分けて保管

この運用にしておけば、強盗に遭っても渡すのは「囮の財布」で済みます。被害届と保険請求のために、被害状況・金額・場所はメモアプリで時系列に記録しておくこと。 タクシー移動中の白タク強盗・ぼったくりはドゥシャンベの白タク・タクシートラブルにまとめています。

Travel Alert 04

知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?

詳しくみる →

手口早見表

手口起こる場所対策
バザール内のスリコルホーズバザール、緑バザール後ろポケット・サイドポケット禁止、前抱え
路上のひったくりルダキ通り、ソモニ広場周辺車道側にバッグ持たない、スマホ操作で立ち止まる
駅・空港の置き引きドゥシャンベ駅、空港ロビーストラップを足・椅子に絡める、放置しない
ホテルロビーの置き引きチェックイン中の足元足を乗せる、同行者で荷物番ローテ
車上狙い駐車場、路上駐車出発時からトランク、見える場所に荷物置かない
後ろから声かけスリ観光地、人混み振り返らず立ち止まらず、距離を取る

被害に遭ったときの対応

  1. その場の安全を確保 --- 人通りの多い場所か店内に移動
  2. 警察(02)または最寄り警察署で被害届 --- タジク語/ロシア語必要、ホテル経由で通訳手配
  3. 被害届受理証明書を必ず受け取る --- 保険請求と紛失パスポート再発行に必要
  4. 大使館に連絡(+992-44-600-54-77 〜 80) --- パスポート被害は領事援護、夜間は +992-938-800-023 / 938-800-024
  5. クレジットカード会社に連絡 --- 海外不正利用窓口に即停止依頼
  6. 保険会社の事故受付に電話 --- 24時間日本語窓口、被害届の写しを送る

Travel Alert 05

空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?

詳しくみる →

出発前にできる3つのこと

  • 持ち方を矯正: 後ろポケットとサイドポケットの常用をやめ、前抱えウエストバッグかネックパウチに切り替える。日本にいるうちから新しい運用で歩いてみるのがおすすめ
  • 現金とカードを分散: メイン財布/非常用ポケット/ホテル金庫の3分散ルールを決めておく。日本円→米ドル/ユーロは出発前に銀行で(タジキスタンでは日本円両替不可)
  • 海外旅行保険に加入: ドゥシャンベは医療水準が外務省に「全く不十分」と書かれる国で、被害に遭った時の医療搬送+現金被害の補償が両方必要。詳しくはヨーロッパの海外旅行保険

ドゥシャンベの治安全体タジキスタン全体も合わせてどうぞ。

よくある質問

ドゥシャンベでスリが多い場所は?

在タジキスタン日本大使館「安全の手引き」と外務省「安全対策基礎データ」が名指ししているのは、コルホーズバザール(緑バザール)などのバザール、ドゥシャンベ駅周辺、ドゥシャンベ国際空港、ホテルロビー、ルダキ通り・ソモニ広場など多くの人が集まる場所です。「外国人をねらったスリやひったくり被害が発生」と外務省が明記しています。

スマホをひったくられないためのコツは?

大使館の手引きが「ひったくり対策として、荷物は車道側には持ない、体の前で抱えて持つことが大切」「スマートフォンの操作中などは特に注意が必要」と書いています。歩道では建物側にスマホを持つ、ナビ確認は店に入って立ち止まってから、操作は短時間で切り上げる、この3つが効きます。

置き引きはどの瞬間に狙われる?

ホテルのチェックインで荷物を足元に置いた瞬間、駅・空港のロビーで荷物から手を離した瞬間、レストランで椅子の背にカバンをかけた瞬間が定番。大使館は「駅、空港、ホテル等のロビーでは、置き引き対策として、貴重品、手荷物等を体から離さないよう注意してください」と書いています。荷物の上に足を乗せる、ストラップを椅子の脚に絡めるだけでも違います。

強盗に遭ったら抵抗していい?

抵抗しないでください。大使館「安全の手引き」が「金品の出し渋りや不用意な抵抗は相手を刺激する恐れがあります」「生命の安全を何よりも最優してください」と明記しています。財布の中身は失う前提で、現金は分散保管・パスポートはコピーを別に持つ運用にしておけば、被害は財布1個で済みます。

警察に被害届を出すときの注意点は?

被害届は警察(電話 02)または最寄り警察署で出します。タジク語またはロシア語が必要なため、ホテルのコンシェルジュか大使館の領事窓口に連絡して通訳同行を依頼するのが現実的。被害届受理証明書(証明書番号入り)は必ず受け取ってください。海外旅行保険の請求にも必要になります。

出典

NEXT READS · ドゥシャンベ