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インドの治安 睡眠薬強盗・白タク詐欺・麻薬厳罰【2026】

インドの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在インド日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.13 KAIGAI-RISK

タージ・マハル、ガンジス川、カレーにヨガ、そしてバックパッカーの聖地。インドは国土が日本の約9倍、人口は世界1位の14億人という超大国で、文化の濃度も旅の刺激もケタ違いです。ただ、「物価が安くて面白い国」というイメージだけで行くと痛い目を見ます。空港に着いた瞬間から声をかけてくる白タク、親しげに近づいてきて飲み物に睡眠薬を入れる男、日本人女性を標的にした性的暴行事件――どれも外務省と在外公館が繰り返し警告している、実際に日本人旅行者が遭っている手口です。

治安の全体像、法律・マナー、都市別のリスク、医療費の実態まで、渡航前に押さえておきたいポイントをまとめました。

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インドの治安の全体像

危険レベル

外務省の危険情報では、インドの大部分は危険レベルの発出なしですが、ジャンム・カシミール準州、北東部の一部、対中国境地帯など、レベル1〜3の危険情報が複数地域に出ています。観光客が多いデリー・ムンバイ・ゴア・アグラ・ジャイプール・コルカタ・チェンナイ・ベンガルール等の主要都市には、現時点で危険レベルの発出はありません。

一方で外務省は、2023年に人口世界一になったインドについて「社会情勢は比較的安定」としつつも、「一部の地方州では過激派組織によるテロ活動や治安部隊との衝突も発生」と明記。2008年のムンバイ同時多発テロ(邦人1名を含む165名死亡)のように、日本人が都市部でテロに巻き込まれる可能性は否定できないとされています。

犯罪発生状況

外務省 安全対策基礎データは、インドの一般犯罪についてこう書いています。

インドの都市部では、地方からの人口流入、失業者の増大、貧富差の拡大を背景として、一般犯罪の発生件数が増加傾向にあります。窃盗、強盗、詐欺、強制性交等の犯罪が多発しており、いずれも日本の主要都市と比べるとかなり高い水準にあります。

ムンバイ市警察本部の統計(2024年11月末)だと、殺人101件・強盗448件・恐喝182件・強制性行等958件(前年比+80件)窃盗7,808件(前年比+1,675件)。女性に対する犯罪は増加傾向にあると記録されています。「インド全体は危険」のイメージと観光地(デリー・ムンバイ・ゴア等)の現実の温度差が大きい国なので、体感治安と統計のズレも合わせて読むと位置づけがブレません。

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マナー・法律・NG行動

1. 麻薬=懲役10〜20年、最悪は死刑

インドの麻薬取締法「NDPS法」は外国人にも容赦しません。

単なる麻薬所持であっても、罰金に加え10年から20年の懲役刑に処せられることがあります。密輸の再犯などの悪質なケースは死刑になる可能性もあります。

  • ガンジャー(マリファナ)、チャラス(ハシシ)等の所持だけで逮捕
  • 罰金は10〜20万ルピー(約15〜30万円相当)
  • 有罪判決まで1年以上拘留されるケースが珍しくない
  • 日本人にとっての刑務所は「夏は40度超え、冬は0度近い狭い雑居房」
  • 密告制度(売り手が買い手を通報して報奨金をもらう)が存在
  • 本人が知らないうちに荷物に麻薬を入れられて逮捕された事例もある

特にゴア州北部のアンジュナ・ビーチ、カラングート・ビーチの夜間麻薬パーティーでは、外国人が参加して逮捕される事例が繰り返し発生しています。「現地で軽くやってみる」が人生を終わらせます。見知らぬ人からもらった物や預かり物は絶対に口にしない・持たない。

2. 衛星電話・GPS専用機器・電子たばこの持ち込み禁止

  • 衛星電話・GPS専用機器:事前の許可なく国内で所持・使用するのは法令違反。荷物検査でトラブルになり、出国が差し止められた事例あり
  • 電子たばこ・加熱式たばこ:国外からの持ち込み・携行・保管・持ち出しが法律で禁止

3. 服装・マナー

  • 女性は肌(特に足)の露出を避ける — タンクトップ、ミニスカートはNG。男性もショートパンツは好ましくない
  • 左手は不浄 — 物の授受は右手で
  • 撮影禁止エリア — 空港、軍事施設、港湾、橋梁、ダム

4. 現金・両替・税関

  • 入国時に合計10,000米ドル相当額を超える外貨は税関申告必須。無申告は罰則・罰金対象
  • 両替は銀行・ホテル等、外貨買取証明書(Encashment Certificate)が発行される場所で。街中の非公認両替屋は偽札混入の可能性
  • 金銀は少量でも輸入禁止。邦人が金密輸で検挙された事例あり
  • たばこは紙巻100本・葉巻25本・刻み125gまで、酒類は2リットルまでが免税

5. 立ち入り制限地域

アルナチャル・プラデシュ州、ナガランド州、マニプル州、ミゾラム州、シッキム州、ヒマチャル・プラデシュ州やウッタラカンド州の対中国境地帯、ジャンム・カシミール準州の管理ライン沿い、ラジャスタン州の対パキスタン国境地帯など、「保護地域許可」または「制限地域許可」の事前取得が必要な地域があります。2024年12月にはナガランド・マニプル・ミゾラムの3州が治安悪化で再指定されました。

6. 不法滞在に注意

観光査証で入国して滞在期限を過ぎると、悪意ありと判断されれば犯罪関与の有無が確認されるまで出国が止まるケースがあります。期限前に出国すること。

主な犯罪・トラブル

外務省と在外公館が特に警告している手口をまとめます。

睡眠薬強盗

外務省は「見知らぬ人から勧められた飲食物は決して口にしないでください」と明記。使用される睡眠薬は強力で1〜2日間意識が戻らない場合もあり、入院に至った事例もあると書かれています。

在ムンバイ総領事館の「安全の手引き」には、2014年グジャラート州バス内、2014年マハーラーシュトラ州バス内、2015年ムンバイ市ショッピングモール(同様被害3件)、2016年ゴア州、2018年ゴア州ビーチと、年月付きで複数の事例が記録されています。

白タク・偽観光局員の詐欺

在インド日本国大使館「~インドを旅行される皆様へ~」は名指しで警告しています。

ニューデリー鉄道駅前、パハールガンジ地区やコンノート・プレイス等旅行者の集まる場所には、インド政府観光局の者と名乗って近寄ってくる者に悪質な旅行会社に連れて行かれる被害が後を絶ちません。インド政府職員が声をかけてくることは絶対ありません。

空港の違法タクシーに乗ると悪質旅行会社に連行され、「あなたが予約したホテルは閉鎖されている」等の虚偽を言われて、別ホテルや高額ツアーを強要されます。日本円で3千円の出迎えサービスを節約した結果、予約ホテルの何倍もする宿に変更されたり、十万円超の詐欺ツアーを強制された事例が後を絶たないと書かれています。

宝石詐欺・クレジットカード詐欺(アグラ、ジャイプール)

アグラ、ジャイプール等ではクレジットカードを利用した宝石詐欺や絨毯詐欺で邦人旅行者が騙されています。

「商品を日本まで運んで指定店に届けてくれたら数倍の礼金を払う。とりあえずクレカで支払っておいて」と迫る手口。断ると脅されたり、数日間軟禁された事例もあると記録されています。運び屋を引き受けること自体が犯罪になり得ます。

性犯罪

インドは、従来より女性の性暴力被害が多い国です。外国人女性が被害に遭うケースも多く、デリー、コルカタ、アグラ、ジャイプール、リシケシュ、ブッダガヤ等では、日本人女性旅行者が性的暴行を受けた上に金品等を奪われる極めて悪質な事例が発生しています。

日本語で話しかけ、日本語の勉強や日本滞在経験に言及して安心させてから犯行に及ぶ手口が典型的。女性側が2人、相手側も2人の複数対複数でも油断は禁物、と書かれています。

列車・バスでの強盗・盗難

バラナシ〜コルカタ間の夜行寝台列車(4人用一等コンパートメント)で武装集団に襲われ、旅券・航空券を強奪され顔面に暴行を受けた事例、デリー〜バラナシ間の列車内での現金・パスポート盗難、長距離バス就寝中の窃盗など、外国人旅行者の利用が多い主要都市間ルートで相次いでいます。

TESTIMONY · 旅行者A

空港に着いたら「プリペイドタクシーだ」と声をかけられ、乗ったら「予約したホテルは閉鎖されている」と言われ、別のホテルに連れて行かれました。そこから法外な料金のツアーを強引に組まされました。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在インド日本国大使館「~インドを旅行される皆様へ~」

TESTIMONY · 旅行者B

ゴアのビーチで声をかけられて一緒にカフェに行き、出されたコーヒーを飲んだら意識を失って、目が覚めたら旅券入りのバッグが消えていました。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在ムンバイ日本国総領事館「安全の手引き」令和7年3月版

都市別の詳しい情報はこちら:

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医療費の実態

外務省 世界の医療事情「インド」は、医療について「公低私高」と表現しています。公立病院は設備・衛生面の観点から受診を勧められず、大都市の私立総合病院(デリー、グルガオン、ムンバイ、チェンナイ、ベンガルール、コルカタ)は欧米で研修を積んだ医師が在籍し、一定の医療水準があります。

ただし前払い必須で、緊急手術や集中治療室入室は高額。外務省は以下のように明記しています。

もしもの場合に備え、治療救援費用が3,000万円以上の海外旅行保険に加入しておくことを強くおすすめします。

損保ジャパン off! の実際の支払事例ではこんな数字。

事故の概要支払保険金
オールドデリー駅前にてトランクを盗まれる(携行品損害)70万円

盗難1件で70万円の損害。医療費なら数百万〜数千万円は当たり前。大気汚染・感染症リスクも踏まえた備えが必須です。

主な感染症リスク

  • 経口感染症(細菌性胃腸炎、腸チフス、A型肝炎、コレラ等)— 水道水は飲用不可、氷や生ものも避ける。腸チフスとA型肝炎のワクチンは渡航者に広く推奨
  • デング熱・チクングニア熱・ジカ熱 — 雨期後の8月下旬〜11月頃に都市部で流行。ジカ熱は妊婦感染で胎児に小頭症リスク
  • マラリア — オディシャ州、チャッティスガル州、ジャールカンド州で報告多い
  • 狂犬病年間死者約2万人と世界最多。野犬・猿・牛が市街地を歩く国。咬まれたら即病院、石けんと流水で洗う
  • 結核 — 世界感染者の約3分の1を占める
  • 大気汚染 — デリー、グルガオン、ムンバイ、コルカタでは11月〜2月にPM2.5・PM10濃度が極めて高い

通信手段の確保

緊急時に大使館や家族に連絡が取れるよう、現地で使える通信手段を出発前に用意しておいてください。SIMカードの差し替えよりも、スマホ上で開通できるeSIMのほうが手間が少なく、到着直後から使えます。

各社eSIMの料金・対応国・速度の比較は海外eSIM比較ガイドにまとめています。

ホテルやカフェの無料Wi-Fiを使う場面では、通信を覗かれるリスクがあるのでVPNを挟んでおくと安心です。選び方は海外VPN比較にまとめています。

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緊急時の連絡先

  • 警察(全国共通):112
  • 消防署:101
  • 救急車:102
  • 在インド日本国大使館(ニューデリー):011-4610-4610
  • 在ムンバイ日本国総領事館:022-2351-7101
  • 在コルカタ日本国総領事館:033-3507-6830
  • 在チェンナイ日本国総領事館:044-2432-3860
  • 在ベンガルール日本国総領事館:080-4064-9999
  • 女性専用ダイヤル(ムンバイ管内、DV・セクハラ等):105

3か月以上滞在する場合は在留届、短期渡航はたびレジの登録を推奨。緊急時の連絡や安否確認に使われます。

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海外旅行保険の備え

インドでは治療救援費用3,000万円以上の保険加入が外務省から推奨されています。私立病院は前払い必須・高額、感染症リスク・交通事故リスク・盗難リスクを踏まえると、治療費+救援者費用+携行品損害の3点はフルカバーしておきたいところ。

クレジットカード付帯保険の合算やネット保険との組み合わせで備えるのが一般的です。具体的な補償額の比較は南アジア旅行の保険ガイドにまとめる予定です。

近隣の南アジア諸国では、バングラデシュの治安が政治不安・日本人犠牲のテロ記憶・緊急搬送3000万円という点でインドよりさらにハードな前提を必要とします。

主要都市の治安情報

出典