2023年のイタリア国内の犯罪件数は約234万件。人口比で日本の約7倍です。2025年から2026年にかけての在伊大使館の四半期レポートを集計すると、1年間で日本人被害は182件(39+45+46+52)。しかも2025年10-12月期は「平均して2日に1件の割合で日本人が被害に遭われている」と明記されました。ピザとパスタと絶景のイメージで丸腰で行くと、最初の1日でスリに遭うレベルです。周辺のフランス・スペインと並び、ヨーロッパ地域でもスリ被害が多発する国の筆頭で、アドリア海対岸のクロアチアもイタリア医療費事例(心筋梗塞1,011万円等)を参考値にしている国です。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
危険レベル
外務省の危険情報は2026年4月時点でイタリア全土に発出なし。ただし「発出なし=安全」ではなく、スポット情報として「テロの脅威に対する注意喚起」(2023年10月)が今も継続中。犯罪発生状況を踏まえると、個人レベルの備えは必須です。
年間234万件、人口比で日本の7倍
イタリア全土の犯罪認知件数は2023年1年で約234万件。コロナ禍前より1.7%増え、2022年比では3.8%増加しています。
日本の犯罪認知件数と比較すると、件数ベースで約3.3倍、人口比ベースで約7倍の数字となります
そのうえで、在伊大使館の四半期レポートに届いた邦人被害は2025Q2が39件、Q3が45件、Q4が46件、2026Q1が52件と四半期を追うごとに増加。2026Q1は「大学生等の卒業旅行シーズン」で20代前半の被害が多数報告されました。2024年12月に羽田-ミラノ直行便が就航して渡航者が増えたことも、被害件数高止まりの背景として大使館レポートに書かれています。世界の治安の位置づけはGPI 2025の解説も参考にしてください。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
都市別のリスク傾向
外務省は「ローマ、ミラノ、フィレンツェ、ナポリ等の観光地、レストラン、駅周辺及び公共交通機関内」での日本人被害が多発していると名指ししています。
ローマ — テルミニ駅、地下鉄、バチカン、コロッセオ、トレビの泉、スペイン広場、ナヴォナ広場。観光地の名前がそのままスリ多発地点になっています。駅エレベーター内で女性2人組に密着されてパスポート・現金・カードを全部抜かれる手口、トレビの泉で「写真を撮ってあげる」と声をかけてくる手口など、2026Q1だけで複数件の報告あり。
ミラノ — ドゥオーモ周辺、マルペンサ空港、ミラノ中央駅、カドルナ駅、ナビリオ運河。中央駅周辺は深夜の集団暴行、ドゥオーモ近くの路地裏ではナイフ強盗も報告。2025年9月22日にはミラノ中央駅付近でデモ隊と治安部隊の衝突も発生しました。
フィレンツェ — ヴェッキオ橋、シニョーリア広場、ドゥオーモ周辺でスリ多発。サンタ・マリア・ノヴェッラ駅付近のファストフード店では置き引きが頻発。アイスやケチャップソースを服につける古典的な手口も健在です。
ナポリ — ナポリ中央駅周辺では夜間・早朝の集団暴行。バイク・自転車によるひったくりが南イタリアの代名詞。車窓ガラス割りやタイヤパンク手口も。外務省は「特にナポリやシチリア等の南イタリアで多発」と明言しています。
日本人が引っかかりやすい手口
スリ: 浮浪者風の子供が新聞紙を広げて近寄る・地下鉄で病院の最寄り駅を聞いて気をそらす・満員電車で押されている間に抜く・エレベーターでリュックから抜く。集団犯が多く、「リュックを背負った状態でチャックを開けられる」パターンが最多です。
ひったくり: オートバイ2人組や自転車が追い越しざまにバッグを奪う。ナポリ・シチリアなど南イタリアが特に多発地帯。
置き引き: 目の前で小銭を落とす、アイスを服につける、話しかける。注意を引いた隙に共犯が荷物を持ち去る。駅のファストフード店で鞄を近くに置いていた日本人が3人組に話しかけられて被害、という報告が2025Q4にあります。
ニセ警官: 「検査です」と財布を出させて高額紙幣やカードを抜き取る。暗証番号を入力させる手口も。同じ手口はオーストリアやドイツ、北欧のスウェーデン・ガムラスタンでも定番です。
警察官がクレジットカードの提示を求めることはありません
ぼったくりバー: テルミニ駅やレプッブリカ駅、ヴェネト通り付近で「親しげに話しかけられてバーに誘われ、後で高額請求」。支払い前に112に通報するのが鉄則。
ミサンガ押し売り: スペイン広場、コルソ通り、トレビの泉、コロッセオ、ナヴォナ広場。強引に手首に巻いて代金を脅迫まがいに要求。財布を出した瞬間に中身ごと強奪される事例あり。
睡眠薬強盗: ローマの観光地で旅行者風の男にビスケットやガムを勧められ、意識を失って貴重品を全部取られる。被害者のほとんどが単独旅行の壮年男性です。
駅ガイド装い詐欺: 2026Q1に報告された新手。テルミニ駅で「助けが必要ですか」と声をかけ、「ストライキで列車が使えなくなる」と急かして60ユーロ支払わせる手口。
コスプレ強盗: 2025Q4にポポロ広場〜ピンチョの丘で発生。赤い騎士のコスプレ男性複数人に囲まれて強引に写真撮影、財布を出したら中身を全部奪われました。
手口の詳細はローマのトラブル別記事で深掘りしています。
知らないと罰金になるルール
- レシート携帯義務: レストランや商店で会計したらレシートを必ず受け取って保管。財務警察の職務質問で所持していないと、店の脱税を助けたとして罰金刑
- 乗車券の刻印: バス・地下鉄・電車は乗車前に機械で使用開始日時を刻印しないと「未有効」扱い。検札で高額罰金。Tap&Goのクレカ決済でも購入履歴が反映されず罰金を請求されたケースあり
- 教会のドレスコード: 半ズボン、肩の出る服装では入場拒否
- 野外泊の禁止: 駅など公共施設内での寝泊まりも「浮浪者行為」として罰せられる。夜行列車の時間潰しで駅構内に居座るのはNG
- ZTL(乗り入れ禁止地区): 都市部の歴史的中心部に多い。監視カメラが稼働しており、知らずに車で入ると後日罰金請求
- 公共施設での喫煙: 飛行機国内線・電車内・禁煙指定の公共の場で吸うと「かなり重い罰」
- 警官への暴言・酩酊: 警察官への暴言や唾吐きは処罰対象。公衆の面前での酩酊も犯罪
薬物は若年層の乱用が深刻な社会問題で、薬物購入資金目当ての強盗・窃盗も多発。各国の薬物法は海外の薬物法マップで整理しています。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
テロ・デモ情勢
イタリアは近年大規模テロは未発生ですが、EUテロ警戒態勢下でイスラム過激派・極右・極左の脅威は続いています。中東情勢に起因するデモも増加傾向。
2025年9月22日にはミラノ中央駅付近でデモ隊と治安部隊の激しい衝突が発生しました。観光地・主要駅付近でデモに遭遇したら、人混みから離れるのが最優先です。
医療費の実態 — 心筋梗塞で1,011万円
イタリアの医療水準は問題なしとされていますが、公立病院はERが常に混雑、英語を解さない医師も多い。私立病院は英語対応ですが費用は高額です。
海外で実際に支払われた医療費の事例
出典:ソニー損保・SBI損保のイタリア・バチカン市国旅行中の事故と保険金支払い事例
- 1,011万円
心筋梗塞
16日間入院・手術
- 951万円
サンピエトロ大聖堂の階段で転倒
大腿骨頸部骨折/14日間入院
- 787万円
くも膜下出血
45日間入院・手術
- 742万円
骨盤骨折
11日間入院
- 638万円
卵巣嚢腫
6日間入院・手術
- 637万円
車に轢かれ多発外傷
手術
- 630万円
脳梗塞
17日間入院
- 578万円
バスルームで転倒、脛骨・腓骨骨折
11日間入院
- 577万円
サンピエトロ広場で心不全
14日間入院
- 513万円
大腿骨頸部骨折
11日間入院
サンピエトロ大聖堂の階段で転んだだけで951万円、ホテルのバスルームで転んで578万円。「ちょっとした転倒」が数百万円〜1,000万円単位になるのがイタリアの医療費です。
私立病院での医療費は高額なため、海外旅行障害者保険に加入することをおすすめします
クレカ付帯保険の疾病治療上限(200-300万円が多い)では、上の表の事例は1件もカバーできません。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
通信手段
イタリアは都市部の通信環境は良好ですが、田舎や地下鉄では電波が弱いエリアも。スリ被害でスマホを取られた場合の予備回線確保のためにも、eSIMを出発前に用意しておくと安心です。eSIM比較はこちら。
緊急時の連絡先
| 連絡先 | 電話番号 |
|---|---|
| 緊急時共通(大都市圏) | 112 |
| 国家警察 | 113 |
| 軍警察 | 112 |
| 消防署 | 115(112でも可) |
| 救急車 | 118(112でも可) |
| 在イタリア日本国大使館(ローマ) | +39-06-487991 |
| 在ミラノ日本国総領事館 | +39-02-6241141 |
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
海外旅行保険の備え
イタリアの医療費事例では、最高1,011万円。転倒だけで500-950万円の事例が複数あり、クレカ付帯保険では全く足りません。イタリアの公立病院は救急搬送後も何時間も待たされる状況で、結局私立病院に行くなら高額医療費は避けられません。入院すると家族の駆けつけ費用・医療搬送費用も加算されます。治療費無制限プランの検討を強くおすすめします。ヨーロッパの旅行保険で保険選びのポイントを整理しています。