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ナミビアの治安 路上強盗・観光客拉致・南ア搬送で高額【2026】

ナミビアの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在ナミビア日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

ナミブ砂漠の赤い砂丘、エトーシャ国立公園のサファリ、ドイツ植民地時代の町並みが残るスワコップムント。ナミビアは「アフリカの中では治安がいい」と紹介されがちな国ですが、外務省は2026年に全土レベル1(十分注意してください)を新規発出しました。在ナミビア日本国大使館の安全の手引き(令和7年1月版)も「世間ではナミビアは比較的安全な国とのイメージがあるようですが、当地における最近の金品目的の犯罪増加は顕著」と書いています。

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危険レベルと犯罪の全体像

地域レベル概要
首都ウィントフックを含む全土(継続地域を除く)レベル1十分注意してください(新規)
西カバンゴ州北部・東カバンゴ州北部・ザンベジ州・オハングウェナ州レベル1十分注意してください(継続)

外務省は「強盗、窃盗、ひったくり等の一般犯罪が増加しており、日本人も被害に遭っています。特にウィントフック、スワコップムント、ウォルビスベイ等の都市部においては治安が悪化しているため、短距離であっても車での移動を心掛け、夜間の不必要な外出は控える」と明記。

ナミビアは政治的に安定しているとされますが、高い失業率や貧困を背景に、強盗や窃盗、性的暴力が全国的に増えています。とくに目立つのは次の手口です。

  • 路上強盗(短距離発生型) --- 徒歩で数十〜数百メートル移動した間に襲われる
  • アナログ式スキミング --- 小売店・レストラン・ガソリンスタンドでカード番号を紙に写し取られる
  • ATMカード詐欺 --- 利用客に声をかけて暗証番号を盗み見、キャッシュカードを巧みに奪う
  • 車上狙い --- 駐停車中の車両から貴重品を奪う/走行中に「車に異常がある」と促し停車させて襲う
  • タウンシップでの強盗 --- 貧困層居住区で日中でも外国人観光客が路上強盗被害に遭う

観光客拉致事件 --- 2023〜2024年に2件

外務省「テロ・誘拐情勢」が、外国人観光客を狙った拉致事件2件を名指しで挙げています。

事件1: 2023年11月9日午前10時頃、ウィントフック市内のホテル駐車場

外国人観光客4名に対して強盗集団5名が襲撃。犯行車両に乗った犯人は宿泊客を装ってホテルのゲートから侵入し、容疑者3名がナイフを持って車から飛び出しました。被害者を殴ってバッグや携帯電話を強奪、さらに被害者1名を車両に連れ込んで走り去った。被害者は自力で逃げ出してホテルに戻ったとされています。

事件2: 2024年1月8日午後8時22分頃、スワコップムント市内

宿泊先ホテルに向かって歩いていた外国人観光客2名に対して強盗集団3名が襲撃。犯行車両から飛び出して被害女性を突き飛ばし財布を強奪、被害男性は車両に連れ込まれてスワコップムント市内のモンデサ地区で解放されました。

外務省は拉致の目的について「犯行車両内でキャッシュカードの暗証番号を聞き出したり、身に着けている腕時計等、貴金属を奪い取るため」と説明。さらに「被害者が犯行車両に連れ込まれている間は、警察官及び警備員が発砲できず、追跡から逃れるため被害者を盾として利用しています」と書いています。

朝10時のホテル駐車場、夜8時の徒歩移動、いずれも観光客の日常動線です。「夜の繁華街に出なければ大丈夫」という基準は通用しません。同じ南部アフリカのボツワナ・ハボローネでも10名以上の集団がモール周辺の歩道で邦人を襲う事件が2026年4月に起きています。

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主な犯罪・トラブル概要

ウィントフックでの具体的な手口と日本人被害事例はウィントフックの治安へ。トラブル別の詳細はこちら。

マナー・法律で知っておくべきこと

2025年4月新査証制度が大きな変更点です。外務省「安全対策基礎データ」によれば「2025年4月1日よりナミビア政府は新査証制度を導入しました。相互査証免除が実施されていない国(注:日本を含む)の旅券でナミビアに観光等で入国する際は査証の取得が必要となります」。これまで査証不要だった日本人も観光目的で査証を取らないと入国できません。

その他の注意点。

  • 薬物: タウンシップではマリファナ・メタカロン・クラックコカインの乱用が確認されており、薬物関連犯罪は厳罰
  • 写真撮影: 軍事施設・空港等は撮影禁止。タウンシップでカメラを向けると強盗の標的になりやすい
  • 野生動物との距離: エトーシャ国立公園では密猟絡みで強盗事件が発生。観光客と見ると親切そうに近寄り、携帯電話や車両を盗むケースも報告

エトーシャ国立公園・ナミブ砂漠のリスク

エトーシャ国立公園では「外国人による密猟が多く報告」され、その中には密猟のみならず強盗に発展するケースも。観光客と見ると親切そうに近寄り、携帯電話や車両を盗むケースも確認されています。

ナミブ砂漠の砂丘登頂アクティビティでは、過去に邦人旅行者が亡くなる事故が発生。日中、特に夏場は砂の表面温度が50度以上に達し、靴を履いていても砂が靴の隙間から入って熱傷を引き起こす場合があります。砂丘に昇る前には現地のガイドと時間帯を必ず相談してください。

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交通事情 --- グラベルロードと正面衝突

外務省「安全対策基礎データ」と「世界の医療事情」が、ナミビアの道路リスクを繰り返し指摘しています。

ナミビアの幹線道路は中央分離帯がない片側1車線がほとんどで、無謀な追い越しによる正面衝突、また正面衝突を避けるために車が横転し、死亡事故に至るケースもあります。

当国は主要都市間の幹線道路は舗装されているものの、それ以外の道路はグラベルロードと呼ばれる未舗装の砂利道が中心です。この道路は一見するとまっすぐで走りやすいように見えますが、滑りやすく急な凹凸があるなど、スピードの出し過ぎによる交通事故が多発しています。過去には邦人の死亡事故もあり、当国でレンタカーなどを運転する際には安全運転に努めて下さい。

レンタカーでサファリ周遊する旅行者が多い国ですが、長距離は無理せず、夕暮れ前に宿に着く計画にしてください。

医療費の実態 --- 私立病院は前払い・重症は南ア搬送

ナミビアの公立病院は安価ですが「医療水準は低く、医療スタッフや医薬品、医療機材の慢性的な不足も深刻で待ち時間も非常に長いなど、邦人の受診には適しません」(B1-medical)。一方、大都市の私立病院は比較的高水準ですが料金は高額で、しかも次のような壁があります。

当国の私立医療機関では、初診時に前払いあるいは支払い能力の証明を求められ、それができないと受診や入院を拒否される可能性があります。

つまり海外旅行保険の「キャッシュレス対応」がないと、その場で立替できなければ治療が始まりません。重篤な疾患・大規模手術が必要な場合は南アフリカへの搬送になります。

ナミビアは保険会社の支払事例が公開されていないので、同地域の参考として近隣事例を見ておきます。

南部アフリカの医療搬送先(ヨハネスブルグ等)は重なるため、ナミビア発のチャーター機搬送もこの水準を見込んでおくのが現実的です。同じ南部アフリカ内陸国のザンビアも医療事情は同水準で、重症は南ア搬送が前提です。治療救援費用は最低1,000万円、できれば無制限を目安に。補償額の比較はアフリカ旅行の保険ガイドにまとめています。

感染症のリスク

ナミビア北部にはマラリア・コレラの発生地域があり、雨季(1月〜4月)は蚊が増えます。生水・氷・生野菜は北部では避けてください。

特に注意したいのが結核とHIV。

  • 結核: WHOによるとナミビアの結核罹患率は人口10万人あたり約400人で世界ワースト9位(日本は同11人)
  • HIV: 「成人の感染率は10%以上と高い水準」(B1-medical)

狂犬病は野犬駆除で患者数は減りましたが、毎年数名が亡くなっています。咬まれた場合の暴露後ワクチン接種(PEP)が確実に受けられるよう、保険で治療費・移送費をカバーしておきましょう。

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通信手段

到着直後から使える eSIM があると、警察への連絡、大使館の緊急電話番号の検索、地図アプリで安全なルート確認など「安全装備」として機能します。タウンシップに迷い込まないためのナビゲーションや、拉致されかけた際の緊急通報にも通信は不可欠。選び方は海外eSIM比較ガイドへ。フリーWi-Fi経由の情報漏えい対策は海外VPN比較を参照。

緊急時の連絡先

連絡先番号
警察(緊急)10111
救急車211111(ウィントフック市)
在ナミビア日本国大使館+264-61-426700

大使館所在地: 78 Sam Nujoma Drive, Klein Windhoek

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海外旅行保険の備え

ナミビアは「私立病院でも前払い不可なら治療を断られる」「重症なら南ア搬送」の国です。チャーター機搬送505万円の近隣事例が示すとおり、治療救援費用の上限が低い保険では足りません。緊急移送対応を含む十分な補償内容の保険に出発前に加入しておきましょう。保険選びの詳細はアフリカの海外旅行保険ガイドへ。

主要都市の治安情報

出典