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コスタリカの治安 殺人急増と麻薬抗争、スリも多発【2026】

コスタリカの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在コスタリカ日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

「軍隊を持たない国」「エコツーリズムの楽園」というイメージが日本では強いコスタリカ。実際、危険レベルは全土ほぼ「指定なし」で、ニカラグア国境地帯のみレベル1相当の注意が出ているだけです。ところが、在コスタリカ日本国大使館「安全の手引き」(令和7年度版)の冒頭は別の現実を書いています。

1990年代以降、不法滞在者の増加、組織犯罪グループの流入、銃所持者の増加、武器の流入、麻薬のまん延、学校の中途退学者等による犯罪の低年齢化などにより治安の悪化が進んでいます。

「中米でいちばん安全」のイメージで来ると、サンホセ市中心部の歩行者天国でスマホを抜かれ、レンタカーは信号待ちでタイヤをパンクさせられ、バーで麻薬抗争の流れ弾に当たる――そういうレベルの国に変わりつつあります。

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危険レベル --- 全土ほぼ指定なし、ただし殺人は過去最多級

外務省の危険情報はコスタリカ全土に渡航中止勧告区域がありません。一見すると東欧並みの「観光しやすい国」に見えます。

ところが殺人事件数を見ると印象が一変します。安全の手引きが挙げる年次推移はこうです。

2024年の殺人事件数は880件と、2023年の905件(過去最多)に次いで、過去2番目に多い数値を記録しました。2022年以前も、2022年(656件)、2021年(588件)、2020年(571件)、2019年(564件)、と、殺人事件数は年々増加傾向でありましたが、特に直近1~2年では、2022年比で年間200件以上増加しており、急激に治安は悪化しています。

人口約510万人の国で年間880件の殺人。人口10万人あたり約17件で、日本(約0.3件)の50倍以上、隣のパナマ(約12件)よりも多い水準です。「ニカラグアやホンジュラスより安全」だから油断、という比較ではもう守れません。

主柱は「麻薬抗争」--- 一般客も巻き添えに

殺人急増の背景は単純です。

コスタリカは南米の麻薬が欧米へ運ばれる際の中継地点となっており、国内へ大量の麻薬が流入しているため、麻薬に関連した犯罪(麻薬の購入代金欲しさに行う短絡的な強盗・殺人等)が問題となっています。特に近年、殺人については、麻薬犯罪組織同士の抗争や報復による事件が多く、一般市民が巻き添えになるケースも増加しています。

巻き添えリスクは観光地でも他人事ではありません。

最近では地方のリゾート地においても外国人旅行客に対し、麻薬を販売しているケースが散見されていますので、売人らしき者には近づかないことが賢明です。

サンホセ市・リモン市・プンタレナス市は特に抗争が活発と名指しされています。「興味本位で薬物に近づかない」のは中南米全域に共通する鉄則です。コスタリカの薬物トラブルで具体例と刑罰を整理しています。

2024年犯罪統計 --- スリ8,178件・自動車盗4,696件

司法警察(OIJ)の2024年統計を安全の手引きから引きます。

2024年の犯罪発生状況は前年に比べ6,042件(14%)増加しました。この罪種内訳は、殺人880件(前年比約2.8%減)、強盗7,430件(約13.8%減)、盗難(住宅、事務所、店舗)7,763件(約21.1%減)、自動車盗4,696件(約5.2%増)、スリ8,178件(約3.6%減)、車上荒らし3,127件(約2.7%減)です。

強盗は1日あたり約20件、スリは1日あたり22件、自動車盗は13件のペース。観光客が遭いやすいのは圧倒的にスリ・置き引き・車上荒らし・タイヤパンク盗の4つです。

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サンホセ中心部 --- 歩行者天国とコカコーラ地区が筆頭

外務省「安全対策基礎データ」の地域別記述を整理します。

サンホセ市中心部の歩行者天国(特に中央郵便局前や文化広場周辺)や中央市場周辺、コカコーラ地区では、スリやひったくり、路上強盗などの被害が多発しています。

歩行者天国(Avenida Central)は観光ガイドの推し場所ですが、現実はスリ・ひったくりの最頻発エリア。中央郵便局前・文化広場周辺・中央市場・コカコーラ地区(旧バスターミナル一帯)は、財布をズボンの尻ポケットやリュックの外ポケットに入れて歩いていれば数時間で抜かれる前提で動くべき場所です。

詳しくはサンホセの治安エリア別ガイドサンホセのスリ・置き引き・ひったくりに。

「タイヤパンク盗」--- コスタリカ固有の手口

レンタカー利用者が必ず知っておくべき手口です。

信号や渋滞などで停車中の車の窓ガラスを割り、車内の荷物を奪う手口や、鋭利な刃物でタイヤをパンクさせ、タイヤ交換を手伝う振りをして物を盗む「タイヤパンク盗」による被害が発生しています。

「親切で手伝ってくれる」ふりで気を引いている間に、別の仲間が車内のバッグや後部座席のスーツケースを抜く。チリの「タイヤパンク偽装」やペルーの「ケチャップ強盗」と同じ親切詐欺型で、コスタリカ版のサンホセ郊外〜空港高速道路でよく報告されています。

対策はシンプル。「ガソリンスタンドや警察署のあるところまでパンク状態のまま走る」「親切なふりの第三者に車を任せない」。詳細はサンホセの詐欺・タイヤパンク盗・ぼったくりで。

観光地でも強盗・置き引き --- マヌエルアントニオ、モンテベルデ、トルトゥゲーロ

「観光地なら大丈夫」という思い込みも危険です。

ハコやタマリンド、マヌエルアントニオ、モンテベルデなどの有名な観光地でも強盗事件や置き引き、ひったくりなどが発生しています。

太平洋岸(マヌエルアントニオ国立公園、タマリンド、ハコ)はサーフィン・ホエールウォッチングの拠点ですが、ビーチでの置き引きが定番。荷物を砂浜に置いてシュノーケリングに行ったら戻った時には消えている、というパターン。カリブ海岸(プエルトビエホ、トルトゥゲーロ、マンサニージャ)の宿泊施設でも武装強盗事件が発生しています。

銃器の普及 --- 自己防衛の所持増加が裏目

中南米共通の課題ですが、コスタリカでも銃の数が増えています。

近年は、危険と言われている地域以外でも銃を使った犯罪が増加しています。例えば過去に例のない首都サンホセ市での武装グループによる白昼の銀行強盗や大型ショッピングモールでの強盗などが発生しています。強盗にはけん銃が使用され、短絡的に殺害したり、走行中の車両を停止させ、運転者を引きずり出して車両を奪う手口や、あるいは通行人を車に無理矢理乗せて金品を強奪するなどの手口があります。このような中、自己防衛のために銃を所持する市民が増えており、銃による死傷者が増加しています。

ペルーの「年少者でも銃を携行している確率が高い」、チリの「銃器強盗が日本人居住区でも発生」と同じ前提で動くべき。強盗に遭ったら抵抗しないは中南米共通の鉄則です。

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違法タクシー(ピラタ) --- 配車アプリ前提

タクシーも放置できない問題があります。

タクシーは一般的に安全と言われていますが、ピラタと呼ばれる白タクも多いため、可能な限り配車アプリで手配する車両を利用してください。赤い車体に三角形のマークが目印です。

正規タクシーは赤い車体に三角形マークが目印。それ以外(白タク=ピラタ)は強盗・高額請求・拉致のリスクがあります。空港・バスターミナルの客引きには絶対に乗らない。Uber・DiDiなどの配車アプリが現実解です。詳細はサンホセのタクシー・交通トラブルで。

自然リスク --- デング熱・蛇咬・落雷・火山

エコツーリズム先進国の裏返しで、自然リスクは中米でも上位です。

デング熱・チクングニア・ジカは通年リスク。

マラリア、デング熱、チクングニア熱、ジカウィルス等の感染が報告されています。いずれも蚊が媒介する病気で、例年政府は、媒体となる蚊の駆除を行っていますが、十分な効果が得られていません。 通常は重傷に至らない場合がほとんどですが、デング出血熱になると治療を行わない場合の死亡率は40%~50%と言われています。

毒蛇(フェルデランス、ブッシュマスター)はジャングルトレッキングの定番リスク。落雷は乾季・雨季の境目に多発。火山はアレナル火山・ポアス火山・トゥリアルバ火山・リンコン・デ・ラ・ビエハ火山が活発で、火山ガス・噴石・溶岩流のリスク区域が観光地と隣接しています。詳しくはサンホセの感染症・蛇咬・自然リスクで。

黄熱予防接種は南米経由で入国する場合に厳格にチェックされます。

コスタリカ当局が指定する以下の黄熱発症地域からの入国者は、有効な黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示がないと入国が認められません。

ペルー・ボリビア・ブラジル・コロンビア・エクアドル等を経由する場合は出発前に確実に接種を。

通関の厳しさ --- 出国便を持っていないと入国拒否

中米の中でも特に厳しいのが入国管理です。

コスタリカは中米において入国管理および通関手続きの厳しい国と言われています。観光や短期出張で入国する際でも出国用の航空券や国際バス切符などを所持していないと、入国を拒否されることがあります。

片道航空券で入って陸路で抜けるバックパッカーは要注意。復路または次の国への航空券・バス切符を印刷で持っておくのが安全側です。違法薬物の検査も厳格で、白い粉末状のもの(プロテイン、サプリ、漢方)は説明文(スペイン語または英語)を準備しておかないと足止めされます。

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交通事故 --- 運転マナーの低さは大使館も明言

レンタカー・運転利用者は事故リスクも織り込みます。

コスタリカの交通事情は悪く、毎日のように自動車およびバイクによる交通死亡事故が新聞等で報道されています。 運転者の運転技術も低く、走行中の急な割り込み、スピード超過、信号無視など一般的に運転マナーは非常に悪いため、運転する際には相当な注意が必要です。

日本の国際運転免許証は使えません(ジュネーブ条約非加盟)。3か月以内なら日本の運転免許証で運転可能ですが、コスタリカ当局の要件として日本の免許の翻訳を求められる場合もあります。レンタカー会社で要件を確認のうえ、十分な補償の保険に必ず加入を。

テロ・誘拐情勢

コスタリカにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていません。

直接的なテロリスクは低い国です。ただし麻薬抗争の流れ弾は別カテゴリ。サンホセ・リモン・プンタレナスでバー・ナイトクラブ・繁華街にいる時の銃声には警戒すべきです。

都市別の治安情報

  • サンホセの治安 --- 中央市場・コカコーラ地区のスリ多発、エスカス区・サンタアナ区の住居強盗、夜間徒歩は厳禁

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旅行保険・eSIM --- 「治安は中米基準」「医療は米国式」

コスタリカの怖いところは、犯罪は中米水準(強盗・銃器・抗争巻き添え)なのに、医療は米国式の高額という組み合わせです。サンホセ首都圏の私立病院(CIMA San José、Hospital Clínica Bíblica、Hospital La Católica)は中南米トップクラスですが、保険なしの自費診療は数百万円単位。クレカ付帯保険(治療費200〜300万円)では足りないケースが現実に出ます。

コスタリカ単独の保険会社支払事例は公開されていませんが、同じ中南米のペルー事例として、ジェイアイ傷害火災にペルーでの高山病から敗血症性ショック・髄膜炎で25日入院・1,654万円、SBI損保にペルー脳梗塞医療搬送1,144万円の事例があります。コスタリカでも蛇咬から敗血症、デング出血熱からの重症化、登山中の心筋梗塞で米国(マイアミ)への医療搬送、いずれもこの水準の支払いが現実に発生し得ます。

中南米全体の保険ガイドは中南米旅行の保険ガイドに。通信は配車アプリ(Uber・DiDi)が必須なので、到着直後から使える eSIM が必要です。空港・カフェWi-Fi経由の情報漏えい対策には海外VPN比較、eSIMは海外eSIM比較ガイドへ。

主要都市の治安情報