中東旅行で実際に多いのは、イスタンブールのスルタンアフメット地区でのスリやぼったくりバー、ドバイのタクシーぼったくり、ジッダやドーハでの暑さからくる熱中症外来といった数万円〜数十万円で収まる被害です。一方で、カッパドキアの落馬事故やドバイの交通事故のように、入院が長引くと数百万円に跳ね上がるケースも残っています。
しかも中東にはもうひとつの落とし穴があります。ドバイやサウジアラビアでは海外旅行保険のキャッシュレスサービスがほとんど使えず、病院の窓口で立替払いが必要です。保険に入っていても手持ちのカード枠が足りなければ治療を受けられない可能性がある。補償額だけでなく、カードの利用上限額を出発前に上げておくことが中東では特に重要です。
軽いトラブル(スリ・食中毒・熱中症外来)
中東で件数が一番多いのが、このレンジの被害です。
スリ・盗難ならスマートフォンやバッグなど数万円分、食中毒や熱中症の通院・数日の入院でも数万円〜数十万円のレンジに収まります。
エポスカード1枚で対応可能
このレンジは、年会費永年無料のエポスカード1枚で実用ラインに届きます。
| 補償項目 | エポスカード単独 |
|---|---|
| 傷害治療費用 | 200万円 |
| 疾病治療費用 | 270万円 |
| 賠償責任 | 3,000万円 |
| 救援者費用 | 100万円 |
| 携行品損害 | 20万円 |
エポスカードは利用付帯(旅行代金の一部をエポスで支払うと保険が有効化)です。出発前に空港までの電車代や航空券をエポスで切っておけば、90日間カバーされます。携行品損害20万円はスマートフォンやカメラ1台分に届く水準で、食中毒や熱中症の外来〜短期入院も疾病治療270万円の枠に収まります。
EPOS CARD × HAPITAS
エポスカードを発行して11,000円相当
ハピタス経由でエポスカードを申し込むと、現金等に交換できる11,000円相当のポイントが付与されます(時期により変動)。年会費は永年無料。
入院・骨折・交通事故
旅行スタイルによって発生確率が変わってくるのが、このレンジです。
入院や手術が伴うと、治療費は数百万円のレンジに乗ってきます。中東の私立病院は欧米並みの医療費水準で、イスラエルではICU1日60万円以上という単価です。
| 国 | 事例 | 支払保険金 |
|---|---|---|
| エジプト(参考) | 肺炎で12日間入院、家族が駆けつける | 415万円 |
| トルコ | 部屋でケガをして19日間入院 | 441万円 |
トルコの事例は損保ジャパンoff!の支払事例です。エジプトの事例はSBI損保の支払事例で、隣接地域の参考として掲載しています。
エポスカード単独の補償では足りないため、2枚目のカードと補償を合算して埋める形になります。クレジットカード付帯保険は、傷害死亡・後遺障害以外の項目を複数カードで合算できます。
エポス+楽天カードで対応
楽天カードも年会費永年無料・利用付帯です。エポスと組み合わせると、追加コスト0円のまま補償が一段広がります。
| 補償項目 | エポス | 楽天 | 合算 |
|---|---|---|---|
| 傷害治療費用 | 200万円 | 200万円 | 400万円 |
| 疾病治療費用 | 270万円 | 200万円 | 470万円 |
| 救援者費用 | 100万円 | 200万円 | 300万円 |
| 携行品損害 | 20万円 | なし | 20万円 |
疾病治療が270万円から470万円まで広がるため、トルコの441万円事例は射程に入ります。ただしイスラエルのICU管理や長期入院では足りない可能性が残ります。
まだ楽天カードを持っていない人は作っておきましょう。
RAKUTEN CARD × HAPITAS
楽天カードを発行して10,000円相当
ハピタス経由で楽天カードを申し込むと、楽天本体の通常キャンペーン特典とは別枠で、現金等に交換できる10,000円相当のポイントが二重でもらえます(時期により変動)。年会費は永年無料。
エポス+楽天+三菱UFJカードゴールドの3枚で対応
もう一段補償を厚くしたい場合は、三菱UFJカードゴールドを3枚目に足す形があります。利用付帯のエポス・楽天を発動させるには、旅行代金を2枚に分けて決済する必要があります。
3枚目の決済は現実的にむずかしいですが、UFJゴールドは自動付帯なので決済なく合算できます。
年会費は初年度無料。翌年以降11,000円(税込)。年100万円決済で実質年会費無料です。
| 補償項目 | エポス | 楽天 | UFJゴールド | 合算 |
|---|---|---|---|---|
| 傷害治療費用 | 200万円 | 200万円 | 300万円 | 700万円 |
| 疾病治療費用 | 270万円 | 200万円 | 300万円 | 770万円 |
| 救援者費用 | 100万円 | 200万円 | 500万円 | 800万円 |
| 携行品損害 | 20万円 | なし | 50万円 | 70万円 |
疾病治療770万円のラインまで広がるため、カッパドキアの落馬事故で頭部挫傷・19日間入院した441万円のような中規模事例までが射程に入ります。中東の私立病院での入院・手術、熱中症の重症化、交通事故での骨折といったレンジも同様にカバーできます。救援者費用800万円・賠償責任1億円規模まで合算でき、旅先で起きる中規模事例の大半をクレカ付帯だけでカバーできる構成です。
合算できない傷害死亡・後遺障害も、UFJゴールドを足すとエポス単独の3,000万円から5,000万円まで天井が上がります。
MUFG GOLD × HAPITAS
三菱UFJカードゴールドを発行して10,000円相当
ハピタス経由で三菱UFJカードゴールドを申し込むと、現金等に交換できる10,000円相当のポイントが付与されます(時期により変動)。海外旅行傷害保険は自動付帯で、年会費は初年度無料。
重度の事故・国外への医療搬送
確率は下がりますが、中東の構造的なリスクが集中するレンジです。
- カッパドキアの落馬事故で頭部挫傷・長期入院(在トルコ大使館が「クレカ付帯保険ではカバーしきれない」と警告)
- ドバイ・サウジアラビアの高速道路での重度交通事故
- イスラエルでの負傷(ICU1日60万円以上、医師不足で数時間待ち)
- オマーンや砂漠地帯での重症化から、イスタンブールやドバイ経由での国外搬送
- イランからの緊急搬送(経済制裁で保険が事実上機能しない、トルコ・UAE経由のみ)
中東固有の高額支払事例は保険会社データに限りがありますが、隣接地域の参考として、エジプトでは脳内出血で18日間入院・医療搬送という事例が出ています。
| 国 | 事例 | 支払保険金 |
|---|---|---|
| エジプト(参考) | 脳内出血で18日間入院、医師・看護師付き添い医療搬送 | 895万円 |
SBI損保の支払事例です。イスラエルの入院単価(一般病棟1日15万円以上、ICU1日60万円以上)で換算すると、2週間の入院でも数百万円、ICU管理が加われば1,000万円を超える水準です。
在トルコ大使館はカッパドキアの落馬事故について「頭部挫傷等の重症の場合、入院治療費は数百万円となることも多く、ほとんどの場合、クレジットカード付帯保険ではカバーしきれない」と警告しています。
海外旅行保険を上乗せ
このレンジまで備えるなら、ネット型の海外旅行保険を上乗せするのが現実的です。1週間の都市観光なら治療費用無制限プランも数千円のレンジから入れます。ただしカッパドキアでの乗馬ツアーや砂漠アクティビティの予定があれば、危険スポーツ特約の有無を確認してください(特約付きはその上のグレードになります)。
- カッパドキアで乗馬ツアーに参加する予定がある
- サウジアラビアやドバイに行く(キャッシュレス非対応、前払い制)
- イスラエルに渡航する(ICU費用が跳ね上がる可能性)
- 90日を超える長期旅行(クレカは保険切れ)
- レンタカーを借りる予定がある(中東の運転マナーは日本とは別次元)
このどれかに当てはまる旅程なら、クレカの土台にネット型保険を上乗せする形を検討してみてください。サウジアラビアは公的病院が救急以外で外国人の診療をしないため、私立病院の前払いに備える必要があります。ドバイも日系クリニック以外ではキャッシュレスがほぼ使えません。保険に入るだけでなく、カードの利用上限額を上げておくことが中東では保険選びと同じくらい大事です。
まとめ:0円から段階的に厚くする
全部に備えようとすると有料保険一択になりますが、中東の旅行トラブルは「よくある軽傷」と「まれだけど高額」で桁が違います。0円の土台から必要な分だけ積み上げていくと、自分の旅程に合った落としどころが見えてきます。
| 組み合わせ | 疾病治療 | カバーする被害 |
|---|---|---|
| エポス単独 | 270万円 | スリ・食中毒・熱中症外来・短期入院 |
| エポス+楽天 | 470万円 | 入院・骨折・交通事故(中程度) |
| エポス+楽天+UFJゴールド | 770万円 | 落馬事故・長期入院・交通事故 |
| + ネット型保険 | 上限なし | 重度交通事故・医療搬送・ICU長期管理 |
短期の都市観光ならエポス+楽天の合算まで、カッパドキアの乗馬・レンタカー移動・イスラエル渡航はエポス+楽天+UFJゴールドにネット型保険を足す形が目安になります。中東はキャッシュレスが使えない国が多いので、保険の備えと合わせてカードの利用上限額チェックも忘れずに。
EPOS CARD × HAPITAS
エポスカードを発行して11,000円相当
ハピタス経由でエポスカードを申し込むと、現金等に交換できる11,000円相当のポイントが付与されます(時期により変動)。年会費は永年無料。
よくある質問
クレジットカード付帯保険だけで中東旅行は大丈夫?
軽い被害(スリ・食中毒外来・短期入院)なら年会費永年無料のエポスカード1枚でほぼ収まります。入院・骨折まで視野に入れるなら、エポス+楽天の無料2枚で疾病治療470万円、エポス+楽天+UFJゴールドの3枚で770万円まで合算できます。ただしドバイやサウジアラビアではキャッシュレスサービスがほぼ使えないため、立替払い用にカードの利用上限額を上げておくことが重要です。
利用付帯ってどういう意味?
旅行代金(航空券・ツアー代・空港までの公共交通機関など)をそのカードで支払うと保険が有効になる仕組みです。エポス・楽天は利用付帯で、旅行代金の一部をどのカードで払うかで保険を有効化できます。一方、UFJゴールドは自動付帯で、保有しているだけで補償が発動します。
エポスと楽天とUFJゴールドの補償額は合算できるの?
傷害死亡・後遺障害を除き、治療費用・救援者費用・賠償責任・携行品損害などは複数カードの補償額を合算できます。エポス(疾病270万円)+楽天(疾病200万円)の無料2枚で疾病治療470万円、UFJゴールド(疾病300万円)を足した3枚で770万円まで積み上がります。