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南アフリカの治安 世界トップ級の殺人率と凶悪犯罪【2026】

南アフリカの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在南アフリカ日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

ケープタウンのテーブルマウンテン、クルーガー国立公園のサファリ、ワインランドの絶景。南アフリカは観光資源が桁違いに豊富な国です。ただし治安は世界でも最悪クラス。在南アフリカ日本国大使館の安全の手引きは「世界的に見ても、南アフリカは犯罪が最も多い国の一つです」と書き、外務省は2024年度の殺人件数27,590件(1日あたり75.5件・日本の約30倍)を公表しています。

危険レベルはヨハネスブルグ・ツワネ(旧プレトリア)・ダーバンのCBD(中心ビジネス地区)がレベル2(不要不急の渡航は止めて下さい)、それ以外の全土がレベル1(十分注意)。CBDについて外務省は「現地人もみだりに近づかない場所」とまで書いています。

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危険レベルと犯罪統計

外務省の最新情報をまとめるとこうです。

地域レベル概要
ヨハネスブルグ・ツワネ(旧プレトリア)・ダーバンの各CBD及びその周辺レベル2不要不急の渡航は止めて下さい
上記を除くその他全土レベル1十分注意してください

外務省は「各都市のCBDでは銃器を使用した強盗が多発しており、特にヨハネスブルグ、ツワネ(旧プレトリア)、ダーバンの各都市では、日本人旅行者も首絞め強盗の被害に遭っています」と明記しています。CBDへの徒歩立入りは昼夜を問わず控えるよう指示が出ています。

南ア国家警察の2024年度(2023年4月〜2024年3月)犯罪統計はこんな数字です。

主要犯罪年間件数1日あたり前年度比
殺人27,590件75.5件+0.4%
殺人未遂28,432件77.8件+13.4%
重傷害179,657件492.2件+6%
強盗199,455件546.4件+3.2%
性犯罪53,773件147.3件-0.5%

殺人だけで年間2万7千件超。日本の約30倍という数字を冷静に見ると、「治安が悪いです」という言葉では到底足りないことが分かります。大使館は「ア 生命や性の尊厳が軽視され、いとも簡単に人が殺傷されてしまう凶悪犯罪が頻発しています」「イ 合法的銃器および違法銃器がまん延し、空き巣や侵入等の窃盗犯罪にも銃器が安易に使用されています」と要約しています。

日本人被害は2024年1月〜12月で24件(強盗7件・窃盗14件・その他3件)が大使館・領事事務所に認知されています。

都市別の主なリスク

  • ヨハネスブルグ: 経済中心。サントン地区(高級商業施設)、CBD(パークステーション周辺)、ファーンデール地区など。日本人首締め強盗の本場。OR Tambo国際空港からの追尾強盗・空港での荷物こじ開け盗難も。
  • ツワネ(旧プレトリア): 行政首都。CBDはヨハネ同様レベル2。プレトリア駅周辺は治安が悪く、ハウトレイン利用ならハットフィールド駅推奨。
  • ケープタウン: 立法首都・観光中心・領事事務所所在地。スマッシュ&グラブ事案、ATM駐車場詐欺、MyCitiバス偽装詐欺。
  • ダーバン: 港湾都市。ダーバンCBDで邦人がナイフ強盗、Umhlanga Rocks地区でぶつかりスリ事案。
  • クルーガー国立公園周辺: マラリア流行地(9〜4月)、野生動物リスク、自然保護法違反逮捕の可能性。

詳しくはヨハネスブルグの治安ケープタウンの治安へ。

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首締め強盗・カージャック・スマッシュ&グラブ

南アフリカの強盗は世界的にも特殊で、日本ではまず想像しない手口が多発します。

首締め強盗: ヨハネスブルグ・パークステーション周辺で日本人が複数被害。背後から数人に首を絞められて気絶させられ、その間に所持品を奪われる。大使館の安全の手引きには「邦人旅行者2名が、パークステーション周辺の路上を散策中、突然4人組の男に襲われ首を絞められて気絶」という事例が載っています。同じく銃器強盗が日常レベルのケニア・ナイロビ、首絞め型のエチオピア・アディスアベバも同種で、東〜南アフリカ縦断ルートでは「歩かない・抵抗しない」が共通結論です。

スマッシュ&グラブ: 交差点で停車した車の窓ガラスを叩き割って車内の金品を奪う手口。「助手席に乗った女性が膝に置いていたバッグを強奪されたこともある」と外務省。ケープタウン空港出口の信号でも実例。隣国ボツワナ・ハボローネでも同じ手口が増加中。

ジャミング: リモートキーで車をロックしたつもりが、電波妨害で実際にはロックされず、戻ってきたら車内の貴重品が消えている。駐車場で多発。

カージャック: 高速道路、CBD、サントン地区で渋滞・赤信号停車中の車が狙われる。武器を突きつけられたら絶対抵抗しないこと。

追尾強盗: 空港・ショッピングモール・銀行から尾行され、自宅ゲート前で停車した瞬間に襲撃。OR Tambo空港から自宅まで追尾された邦人事例あり。

釘トラップ: 道路に板釘を仕掛けてタイヤをパンクさせ、停車したところを強盗。

詳細な手口と対策はヨハネスブルグのタクシー・交通トラブルへ。

ATM声がけ・偽警官・419詐欺

詐欺・ぼったくりも国際的に有名な手口が揃っています。

  • ATM声がけ詐欺: 「操作の仕方を教える」と親切を装って近づき、カードをすり替えて暗証番号を盗み取る。直後に別ATMで5,000ランド・約R20,000を引き出される事例
  • ブルーライト・ギャング: 青色灯を点滅させて偽の覆面パトカーを装い、警察官・麻薬取締官を名乗って所持品検査と称し金品を奪う
  • 偽セキュリティ: 「Security」と書かれたバッジ・制服で、ATM操作や駐車場誘導を装ってカードを抜き取る。ケープタウンで邦人が約9万円キャッシングされた実例
  • 419詐欺: ナイジェリア人組織を中心とした商取引・人助け系の誘い込み詐欺。実際に日本人出張者が誘拐され身代金要求された事案あり

詳細はヨハネスブルグの詐欺・ぼったくりケープタウンの詐欺・ぼったくりで。

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医療リスク --- 結核世界トップ・HIV高感染率

南アフリカは医療のリスクも世界クラスです。

  • HIV: 高感染率。性感染症の発生率も非常に高い
  • 結核: 「南アフリカは世界でもトップクラスの結核汚染国」「2022年のWHO統計では年間新規感染者約20万人以上、年間5万人を超える方が結核で死亡」
  • マラリア: リンポポ州・ムプマランガ州(クルーガー国立公園含む)・クワズールー・ナタール州の国境地帯で9〜4月が流行期。年間1万人発症
  • 狂犬病: クワズールー・ナタール州、東ケープ州、リンポポ州を中心に毎年10例ほど。2024年には西ケープ州でアザラシに狂犬病流行
  • 大気汚染: ヨハネスブルグ・プレトリアのあるハウテン州はPM2.5・PM10がWHO環境基準超
  • 高地: プレトリア・ヨハネスブルグは海抜1,300〜1,700m、軽い高度障害が出ることも

医療搬送が必要なほどの重症になると費用は跳ね上がります。損保ジャパン off! の支払事例には南アフリカで暴漢に胸を刺され、入院16日+医師付き添いビジネスクラス医療搬送で約350万円(US$23,135.71)という記録があります。逆に南アは周辺国からの医療搬送受け入れ拠点でもあり、SBI損保の事例にはジンバブエからチャーター機でヨハネスブルグへ搬送され15日入院・手術で505万円という記録があります。詳細はヨハネスブルグの医療・感染症アフリカ旅行の保険ガイドに。

パスポートは常時携帯・自然保護法

南アフリカ独自の注意点もあります。

パスポート常時携帯義務: 警察官・入国管理職員は外国人の合法滞在を証明できるまで令状なしで身柄拘束可能。パスポート未携帯で日本人が拘束された事例あり。家族がパスポートを取りに戻る間、ずっと拘束され続けたケースが報告されています。

自然保護法: 野生動植物の所持で空港・自然保護区で逮捕された日本人旅行者あり。「重大な犯罪行為」として裁判・多額罰金・実刑の対象に。きれいな貝殻も拾わない方が無難。

外貨申告: 出入国時に1万米ドル相当以上の外貨現金、または25,000ランド(約20万円)以上の南ア通貨を持つ場合は税関申告が必要。

OR Tambo空港の預け入れ荷物: ヨハネスブルグの空港乗継ぎで預け荷物がこじ開けられ、貴重品を盗まれる事件が発生。現金・携帯電話・パソコンは絶対に預け入れしないこと。

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テロ・誘拐情勢

外務省は「近年、南アフリカでは、民間人を無差別に攻撃したり、爆弾が用いられたりするような重大なテロ事案は発生していません」としていますが、警戒は必要です。

  • 2016〜2020年にISIL関連事案が5件発生(在南ア米国大使館・ユダヤ権益狙撃企図、シーア派モスク襲撃など)
  • 2022年10月、米国大使館がヨハネスブルグ・サントン地区でのテロの可能性を警告
  • 誘拐は年間17,061件発生(2023年度)。要因はカージャック関連、強盗関連、性犯罪関連。身代金目的は全体の約2.1%

公共交通は原則使わない

外務省は「電車、バス、ミニバス等の公共交通機関は、車内だけでなく、乗降の際に強盗やスリ等の被害に遭いやすいので、利用を避けてください」と明記。長距離バスは走行中に武装強盗の襲撃を受けた事例ありで、利用そのものを避けるよう指示しています。

ハウトレイン(OR Tambo空港〜ヨハネスブルグ/プレトリア)は比較的安全とされていますが、駅周辺の駐車場の路上駐車車両盗難が増加。Uber等の配車サービスも、運転手・ナンバーが予約と一致するか必ず確認。アプリで依頼後にカードでの過大支払い要求や殺害事件まで報じられています。

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緊急時の連絡先

機関電話番号
警察10111
救急・消防10177
携帯電話からの緊急電話112
在南アフリカ日本国大使館(プレトリア)012-452-1500(夜間・休日も日本人オペレーター対応)
在ケープタウン領事事務所021-425-1695(夜間・休日も日本人オペレーター対応)

短期渡航者は出発前に「たびレジ」登録を。武器を突きつけられて金品を要求された場合は絶対に抵抗しないこと。大使館の注意喚起にも繰り返し書かれています。

主要都市の治安情報

出典