南アフリカの交通事情は世界でも特殊で、外務省と大使館が「公共交通機関は利用を避けてください」と書く国です。日本では考えにくい手口が連日発生しています。スマッシュ&グラブ、ジャミング、カージャック、釘トラップ、追尾強盗、ブルーライト・ギャング、汚職警察官の罰金詐取。ヨハネスブルグはその中でも頻度が一番高い都市です。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
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スマッシュ&グラブ
外務省「安全対策基礎データ」の記載がそのまま実態を示しています。
交差点等で一時停止中の車内から荷物を奪う犯罪手口です。ドアをロックして窓を閉めていても、窓ガラスをたたき割って(スマッシュ)、車内の金品等を強奪する(グラブ)ことから、この呼び名がついています。
助手席に乗った女性が膝に置いていたバッグを強奪されたこともありますので、荷物はトランクに入れるか、足下に置くなどして外から絶対に見えないようにしてください。
ヨハネスブルグ市CBD地区道路、サントン地区の渋滞・赤信号停車中の車が特に狙われます。窓ガラスは閉めてあっても叩き割られることを前提に、車内に何も見せないこと。ハンドバッグ、ノートパソコン、スマートフォン、ペットボトルでも対象になります。
ジャミング(リモートキー無効化)
これも南アフリカ名物。
リモートキーでロックしたと思っても、実際にはロックされておらず、車両を離れた間に車内に置いた貴重品の入った鞄等が奪われる事件が多発しています。これはジャミングと呼ばれるリモートキー周波数帯域を無効にする手口
ショッピングモールの駐車場、レストラン前の駐車スペースで多発。車を降りる際は必ずドアを物理的に引いて施錠を確認してください。リモコンの「ピッ」音だけで安心しないこと。当然ながら、車を離れる場合は車内に何も置かないのが大原則。
カージャックと追尾強盗
外務省は「特に高速道路や、ヨハネスブルグ市CBD地区道路およびサントン地区において、渋滞や赤信号等で停止した車を狙った強盗や窃盗事案が発生」と書きます。武器(多くは銃器)で脅され、車・所持品を奪われます。抵抗は絶対に禁物。死亡事案も含めれば日常茶飯事です。
追尾強盗はもっと厄介です。
空港、ショッピングモール、銀行等から尾行され、自宅ゲート前で停車したところを襲撃される強盗被害も発生しています。犯人グループは、空港やホテルなどで現金や貴重品を持っていそうな人物を物色
OR Tambo空港から自宅まで追尾され、ゲート警備員のいる住宅地のゲートを突破して襲撃された邦人事例(5人組・銃器使用)が安全の手引きに記録されています。ホテル送迎の事前手配が空港アクセスの基本。途中で何度か曲がって尾行確認、というレベルの警戒が現地ドライバーの常識です。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
釘トラップ
一般道や高速道路上に岩石や木材などを置いておき、停車させて金品を奪う手口があります。また、最近、板に釘を打ち付けたものを道路上に設置し、タイヤをパンクさせてから強盗を行う手口も見られます。
タイヤがパンクしても安全な明るい場所まで走り続けるのが鉄則。路上で交換しようとした瞬間に襲われます。
ミニバスタクシーと長距離バス
ミニバスタクシー(ワンボックス型のタクシー)は客を乗せるために急な割り込みや急停車運転が日常的で、しかも、整備不良の車が多いため、この種の車に注意して運転する必要があります。
旅行者が乗るのは論外、自分の車で走っている時もミニバスタクシーには近寄らないこと。長距離バスは走行中に武装強盗の襲撃を受けた事例があり、外務省は「長距離バスの利用そのものを避けるようにしてください」。観光バス(ハウトレイン以外)は基本的に選択肢から外しましょう。
ハウトレインとプレトリア駅
ハウトレイン(Gautrain)やブルートレイン等の観光列車は比較的安全とされていますが、ハウトレイン駅周辺の駐車場の収容台数が不足しており、やむなく路上駐車した車両が盗難に遭う事件が増えていますので注意が必要です。
ハウトレインはOR Tambo空港〜ヨハネスブルグ/プレトリア間の主要観光交通。ただしプレトリア駅周辺の治安が悪いため、プレトリア訪問時はハットフィールド駅を利用するよう大使館が明記しています。鉄道駅周辺はUberが乗り入れせず、アプリで予約完了してもキャンセルされる事象もあります。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
配車サービス(Uber等)の落とし穴
南アフリカの一部メディアにおいては、配車サービスの利用を巡るトラブルが相次いでいると報じられています。利用者が運転手からカードで過大な額の支払いを求められたり、金銭をATMで引き出すように強要されたり、危害を加えられ殺害されたり、行方不明になったりする事件も報じられています
公共交通よりはマシですが、Uberも100%安全ではない。アプリで依頼したナンバー・運転手と実際の車両が一致するか必ず確認、可能なら複数人で乗車、長距離・夜間は避ける、が原則です。
偽警察官・ブルーライト・ギャング
道路上で警察官を装って金品を奪う手口があります。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省「南アフリカ 安全対策基礎データ」(ブルーライト・ギャング))
不審な「警察」に止められたら、人気のない場所では絶対に停まらず、最寄りの警察署または公共施設まで走るのが対策。本物でも夜間の単独停車は避けるべきです。
汚職警察官の罰金詐取
ヨハネスブルグ市内では、本物の警察官による現金要求も実際にあります。
先月、ヨハネスブルグ市内において邦人が社有車を運転した際に、警察官から「過去に未払いの交通違反がある。」と停止を求められ、反則金の支払いを要求された事案が発生しました。
大使館が市警察に確認した内容はこうです。
賄賂要求をする警察官対策のため、現金での支払いは受け付けず、カード払いのみの扱いとなっている(現金支払いを要求された場合は、賄賂要求の可能性が高いと認められます。)
つまり現金を要求されたら賄賂か偽警官のサイン。安全の手引きに登場するヨハネスブルグでの邦人事例では、3人の警察官の1人が3000ランドの罰金をその場で要求してきています。「カードしか持っていない、警察署で払う」と粘るのが安全策。
ちなみに違反者を逮捕できる条件は限定されており、制限速度40km超過・アルコール/薬物運転・無免許・連続信号無視などです。それ以外で「逮捕する」と脅されたら賄賂目的の可能性が高いと考えてよいでしょう。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
手口早見表
| 手口 | 場所 | 対策 |
|---|---|---|
| スマッシュ&グラブ | 交差点・赤信号 | 窓閉め+荷物を見えない場所へ |
| ジャミング | 駐車場 | ドアを物理的に引いて施錠確認 |
| カージャック | 高速・CBD・サントン | 抵抗しない。車を離れる |
| 追尾強盗 | 空港→自宅ルート | ホテル送迎事前手配・尾行確認 |
| 釘トラップ | 一般道・高速 | パンクしても明るい場所まで走る |
| 偽警官 | 道路上 | 公共施設まで停車しない |
| 賄賂要求 | 市内取締り | 現金は払わない・カード払い主張 |
出発前にやっておくこと
- 空港送迎はホテルの正規送迎を事前手配。OR Tambo空港の流しタクシーは使わない
- 車を運転するなら高速+大通り、混雑する交差点では前車と距離を空ける
- 車内に荷物を見せない。膝の上のバッグも狙われる
- 降車前にドアを物理的に引いて施錠確認(ジャミング対策)
- 長距離バス・ミニバスタクシーは利用しない
- Uberはナンバーと運転手を必ず確認
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭った場合
- 武器を突きつけられたら絶対に抵抗しない
- 安全な場所まで逃れたら警察(10111)と大使館(012-452-1500)に連絡
- 警察に届出し盗難届受理書を必ず受け取る(保険請求に必須)
- 賄賂要求された場合は氏名・所属を控えて大使館に報告
- レンタカー会社・カード会社にも連絡
ヨハネスブルグのスリ・ひったくりもCBD周辺と空港追尾で重なります。保険の備えはアフリカ旅行の保険ガイドで確認しておこう。
よくある質問
ヨハネスブルグでカージャックに遭ったらどうする?
武器を突きつけられたら絶対に抵抗しないでください。車・スマホ・財布は保険で取り戻せますが、命は戻りません。指示に従って車を降り、安全な場所に逃れたら警察(10111)と大使館(012-452-1500)に連絡。盗難届受理書は保険請求に必須なので必ず発行してもらってください。
スマッシュ&グラブを防ぐには?
信号停車中も窓を閉めてドアロック、前車との距離を空けて逃走可能な位置取り、貴重品を絶対に車内から見える場所に置かないこと。膝の上のジャケットやバッグも狙われます。トランクか足元の見えない場所に。混雑する交差点・高速降り口は特に警戒。
警察官に止められて現金を要求されたら?
賄賂要求の可能性が高いです。大使館によると、ヨハネスブルグ市警察は賄賂要求対策で「現金支払いは受け付けず、カード払いのみ」が原則。現金支払いを要求する警察官は偽物または汚職警官の可能性が高いので応じないでください。氏名・所属を確認し、最寄りの警察署で支払いたい旨を伝えるのが安全策です。
Uberや配車サービスは安全?
公共交通よりは安全ですが過信は禁物です。アプリ予約のナンバー・運転手と実際の車両が一致するか必ず確認。可能なら複数人で乗車。利用者がカードで過大支払い要求されたり、ATMで引き出すよう強要されたり、行方不明事案も報じられています。