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チェコの治安 プラハ銃乱射とスリ被害が邦人最多【2026】

チェコの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在チェコ日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.26 KAIGAI-RISK

チェコは「ヨーロッパの中でも比較的安全」と紹介されることが多い国です。実際、外務省の危険情報は2026年4月時点で全土に発出されておらず、テロ警戒度の数値表記もありません。ただし2023年の犯罪認知件数は約18万件で人口あたり日本の約3倍、在留邦人約2,600人に対して大使館は「毎年多くの日本人が犯罪被害に遭っている」と明記しています。さらに2023年12月にはプラハで14人死亡・25人負傷の銃乱射事件が発生。「安全な観光地」のイメージとは別の顔がある国です。

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危険レベル --- 単独情報なし、ただし広域情報は頻発

外務省の危険情報・感染症危険情報は2026年4月時点でチェコ全土に発出なし。スポット情報もありません。テロ・誘拐情勢では「チェコでは、近年、テロ事件は発生していません。チェコ政府は、国内でテロ事件が発生する可能性は低いと評価しています」と評価されています。

ただし2025年から2026年にかけて、欧州全体を対象とした広域情報が立て続けに発出されています。匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)による海外闇バイト、国際ロマンス詐欺、特殊詐欺の加害者にならないための注意喚起、違法薬物(大麻等)の密輸への注意など。チェコだけ気にすればいい話ではなく、ヨーロッパ周遊で一度でも国境を跨ぐなら共通リスクとして頭に入れておきたい。

犯罪の全体像 --- 18万件・人口比で日本の3倍

外務省「安全対策基礎データ(チェコ)」によると、2023年の主要数字はこうなっています。

犯罪種別(2023年)件数
犯罪認知件数(合計)約180,000件
殺人159件
暴行・傷害13,115件
単純窃盗35,075件
侵入窃盗30,986件
性犯罪(迷惑行為含む)3,201件

チェコの社会・治安情勢は、総じて安定的ですが、2023年の犯罪発生件数は約18万件であり、人口当たりの犯罪発生率は、日本の約3倍となっています。

外務省は「総じて安定的」と書いている一方で、人口比3倍という数字を併記しています。しかも邦人被害の主軸ははっきりしていて、

日本人に対する犯罪で最も多いのがスリと置き引きです。外見から犯人を識別することは困難ですが、犯人は隙がある人物をターゲットとして犯行に及びますので、隙を見せない防犯対策が重要です。

在チェコ大使館も同じ事実を、もう少し直接的な言い方で書いています。

チェコではプラハ市内を中心に、毎年、多くの日本人が犯罪被害に遭っています。日本人旅行者の被害の大部分は、観光スポットや地下鉄でスリ・置引きに遭うものです。

「安全な国」と「邦人被害の大部分がスリ・置引き」が同居している国、という認識でちょうどいい。

プラハ銃乱射事件 --- 2023年12月21日、14人死亡25人負傷

2023年12月21日、プラハ市内で銃乱射事件が発生しました。

2023年12月21日、プラハ市内において、14人が死亡、25人が負傷する銃乱射事件が発生しました。同事件の犯人(チェコ人)はイスラム過激派組織とは無関係とされていますが、同様の事件がテロリストによって実行される可能性は否定できません。

イスラム過激派とは無関係と評価されているもののチェコ国内で起きた最大規模の銃乱射です。外務省はこれを踏まえて「同様の事件がテロリストによって実行される可能性は否定できません」とも書いており、観光施設・公共交通機関・コンサートなど大勢が集まる場所に居合わせた場合の避難動線は意識しておきたい。

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プラハのスリ・置き引き --- 観光4大エリアと地下鉄が定番

邦人被害の大部分を占めるスリと置き引き。発生エリアと手口は大使館・外務省ともにかなり具体的に名指ししています。

多発エリア: プラハ城、カレル橋、旧市街広場、ヴァーツラフ広場、地下鉄・トラム・バス、長距離列車(プラハ本駅)、観光地の飲食店。

典型的な手口:

最も多い被害例は、観光地区の路上、観光施設、土産物店、地下鉄、トラム、バス等において、カバンのチャックを気づかないうちに開けられ、貴重品を奪われるものです。刃物でカバンの側面を切られる事件も見られます。

複数人で役割分担し、犯人の一部が親切な素振りで話しかけたり、混雑した場所で進路を阻むなどして被害者の注意をそらした隙に、仲間の犯人が犯行に及ぶこともあります。

地下鉄、トラム、バスでは、スリ集団が乗車時に背後から押し込んだり、車内で取り囲んだり、降車時に扉を開けなかったりと、意図的に混雑や混乱した状況を作り出した上で犯行に及んでいます。

リュックを背負ったまま観光地を歩く・地下鉄に乗る、というのがいちばん財布が消えるパターンです。背中側のチャックは見えないし、刃物で底を切られても気付かない。リュックは前掛け、ファスナーは体側に。これだけで被害確率が大きく下がります。

詳しいエリア別の被害事例と対策はプラハの治安プラハのスリ・置き引きで解説しています。

闇両替・タクシー・打刻罰金 --- チェコ特有のぼったくり3種

チェコ独特の金銭トラブルが3つあります。

路上闇両替で偽札・低価値紙幣をつかまされる。カレル橋付近で実際に起きた事例:

邦人旅行者が、カレル橋付近の現金両替所に入ろうとした際、店の前で男から『良いレートで換金する』と声を掛けられ、ユーロをチェココルナに換金したところ、1枚目のみが200コルナ札で残りの紙幣は価値の低い他国紙幣を手交されるという詐欺被害に遭いました。

外務省も「路上で外貨の両替を持ちかけられることがありますが、これは違法な闇両替です」「闇両替を利用すると、偽札に交換されることがあります」と明言しています。両替は必ず正規両替所か銀行で。

流しタクシーは依然として高額請求あり。外務省の現行推奨は次の通り:

『流し』のタクシーではなく、空港からの移動であれば空港タクシー、市街地からの移動においては電話で呼び出す無線タクシーの利用をおすすめします。また、乗車前に目的地までの概算料金を確認するとより安心です。

無線タクシーの推奨は AAA(電話14014 / 222-333-222)と Tick Tack(電話14222 / 721-300-300)。配車アプリは Bolt / Uber / Liftago が使えます。アプリ事前登録が一番ストレスがない。

地下鉄・トラム・バスの「打刻忘れ罰金」。日本人がはまりやすい盲点です。

バス・トラムについては、乗車したら直ぐに車内に設置されている検札機で打刻する必要があります。地下鉄の場合、駅構内に設置されている検札機で打刻します。車両には私服の検札員が随時巡回しており、乗車券の所持を確認される場合があります。適正な乗車券等を所持していないと罰金を科されます(チケットを所持していても検札機で打刻していなければ同様です)。

「チケットは買ったから大丈夫」ではなく打刻していないとアウト。私服検札員はバッジを提示してきます。詐欺対策とは別物の、合法な反則金です。

ぼったくり全般はプラハの詐欺・ぼったくりで詳述。

ダニ媒介性脳炎 --- 毎年500人超、致死率1〜5%

チェコで気にすべき固有の感染症がダニ媒介性脳炎(Klíšťová encefalitida)です。

ダニ媒介性脳炎はウイルスが原因の脳炎で、主に中央ヨーロッパから北欧、旧ソ連地域に広がる風土病です。1週間から2週間程度の潜伏期の後に、夏風邪のような症状が数日続きます。続いて1週間程度の間隔を開けて、頭痛、意識障害、麻痺、感覚障害等の症状が出てきます。発症した場合は、致死率が1から5%程度あり、頚部から上腕の麻痺等の後遺症が残りやすい厄介な病気です。チェコでは毎年500人強の感染者が報告されています。

予防のためのワクチンがあり、通常3回の接種で3から5年有効です。野外活動愛好家や長期滞在者には、ダニ脳炎の予防接種をお勧めします。

森林・草地に春〜夏に立ち入る予定がある人は予防接種を検討。マダニはライム病も媒介します(こちらはワクチンなし)。隣国のオーストリアではダニ脳炎で邦人死亡事例が報告されており、中欧旅行では地味に大きいリスクです。同じ中欧のポーランドも北東部国境地帯がダニ脳炎の感染エリアです。

A型肝炎の散発(2022年70人、2023年66人)と2024年春のオストラバ集団感染(42人)も把握しておきたい。冬季はマイナス気温と路面凍結による転倒事故、空気乾燥による上気道感染症が定番のトラブル。

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高額医療費の実態 --- 仏独の近隣国事例で314万〜1,746万円

チェコ独立の保険金支払い事例ページは保険各社にありません。同じ中欧/西欧の参考事例として、隣国フランス・ドイツの実例を保険会社が公表しているので、そちらを参考値として見ておきます。

国(参考)内容入院日数金額
フランスバスの段差で転倒、大腿骨頚部骨折、医療搬送17日1,746万円
フランス腹膜炎・敗血症性ショック、医療搬送32日1,610万円
フランス急性心筋梗塞、医療搬送22日854万円
フランス脳内出血、医療搬送14日804万円
フランス脳内出血、手術、家族が駆けつけ13日717万円
ドイツホテル浴室で転倒、橈骨神経・橈骨動脈断裂、手術10日639万円
ドイツ憩室炎、手術、医療搬送17日540万円
ドイツ朝食後の心筋梗塞、医療搬送5日374万円
フランス狭心症、家族が駆けつけ4日314万円

外務省「世界の医療事情(チェコ)」は次のように釘を刺しています。

料金は高くなりますが、外国人を対象とした私立のクリニックを利用することも出来ます。高度に専門的な治療が必要な場合は、西ヨーロッパや日本への移送を要する事も有ります。移送には高額な費用がかかるため、海外旅行傷害保険などで十分に医療費用をカバーしておくことをお勧めします。

公立病院は英語が通じにくく、本格治療は西欧搬送になりうる構造。プラハで日本語通訳が手配できる病院は Unicare Medical Center(プラハ6区、24時間 608-103-050)が定番です。クレジットカード付帯保険の治療・救援費用上限では足りない可能性が高いので、出発前に必ず補償内容を確認しましょう。詳細はプラハの病気・けがヨーロッパ旅行の保険ガイドへ。

違法薬物 --- 「少量非犯罪化」の誤解に注意

チェコは大麻について少量所持の非犯罪化扱いがありますが、外務省「安全対策基礎データ」は次のように明記しています。

麻薬の持込みおよび使用は一切禁止されています。麻薬を所持していた場合、状況によっては刑に処せられる場合もあります。なお、必要な医薬品であっても大量に携行する場合は、当局の誤解を避けるために医師からの処方箋や診断書を併せて持参することをおすすめします。

非犯罪化=合法ではない。さらに日本国籍者は日本法(大麻取締法)でも処罰対象です。「ヨーロッパでは大麻OK」という雑な情報を真に受けてはいけません。常用処方薬は処方箋・診断書を一緒に携行。違法薬物関連はヨーロッパ各国の薬物法マップも参考に。

入国・滞在 --- EES開始済み、滞在届と旅券携行義務

  • 査証: 日本との相互免除取極あり、観光・商用の3か月以内短期滞在は査証免除
  • シェンゲン90日ルール: 「あらゆる180日の期間内で最大90日間を超えない」範囲
  • パスポート要件: 出国予定日から3か月以上の残存有効期間、10年以内発行
  • EES(出入域システム): 2025年10月12日から段階導入、指紋登録と顔写真撮影が必須。拒否すると入国拒否
  • ETIAS: 2026年第4四半期から運用開始予定
  • 滞在届: ホテル泊なら宿が代行、Airbnb・友人宅は3日以内に外国人警察へ自分で届出が必要、未届けは罰金対象
  • パスポート常時携行: 警察から要求された際にコピーは不可、提示できないと罰金対象

EESは入国審査に従来より時間がかかる可能性があるので、空港乗り継ぎは余裕を見ておきたい。

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安全対策まとめ --- 出発前にやっておくこと

  1. リュックは前掛け。プラハ城・カレル橋・旧市街広場・ヴァーツラフ広場・地下鉄・トラムでは常時。刃物でファスナーを切られるケースもある
  2. 路上で「両替しないか」と話しかけられたら無視。闇両替=偽札・低価値紙幣すり替えの定番
  3. タクシーはアプリ(Bolt/Uber/Liftago)か無線(AAA・Tick Tack)。流しは避ける
  4. 地下鉄・トラムは打刻必須。チケット購入だけでは不正乗車扱いで罰金
  5. 森・草地に行くならダニ脳炎の予防接種を検討。春〜夏は特に
  6. 海外旅行保険に加入。仏独の近隣事例で最高1,746万円。クレカ付帯だけでは不足の可能性
  7. EES登録は拒否しない。生体情報拒否は入国拒否につながる

通信手段の確保

プラハでもブルノでもチェスキー・クルムロフでも、スマホが使えないと地図も翻訳も緊急通報もできません。盗難に遭ったときに警察の電話番号を調べる、Bolt/Uberを呼ぶ、大使館に連絡する。通信手段は安全装備そのものです。eSIMの選び方は海外eSIM比較を参照。

緊急時の連絡先

機関電話番号
EU共通緊急番号112
警察158
市警察156
救急155
消防150
在チェコ日本国大使館(プラハ)+420-257-533-546
外国人警察(プラハ)974-841-229

大使館所在地: Maltezske nam.6, 118 01, Praha 1(領事メール: ryoji@ph.mofa.go.jp)。

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海外旅行保険の備え

チェコの最高額参考事例(フランスで発生)は1,746万円。540万〜850万円のケースも複数あり、転倒・心筋梗塞・脳内出血だけでこの金額です。クレジットカード付帯保険の治療・救援費用上限では足りない可能性が高いので、出発前に必ず補償内容を確認しましょう。詳しくはヨーロッパの海外旅行保険ガイドへ。

主要都市の治安情報

出典