プラハは「ヨーロッパで最も美しい街のひとつ」と評される観光都市で、外務省の危険情報も出ていません。一方で在チェコ大使館は「チェコではプラハ市内を中心に、毎年、多くの日本人が犯罪被害に遭っています」と公式に明記。邦人被害の中心はスリ・置き引きで、発生エリアはプラハ城・カレル橋・旧市街広場・ヴァーツラフ広場の観光4大スポットと地下鉄・トラム・長距離列車のプラハ本駅。さらに闇両替の偽札詐欺、流しタクシーのぼったくり、打刻忘れの罰金、2023年12月の銃乱射事件と、観光地らしいトラブルがひと通り揃っています。チェコ全体の治安も合わせて確認しておこう。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
プラハ4大スリスポット --- 城・橋・広場・通り
大使館「安全情報」が発生エリアとして名指しているのが次の4か所と地下鉄・トラム・バスです。
プラハ市内では、観光地周辺(プラハ城、カレル橋、旧市街広場、ヴァーツラフ広場)や地下鉄、トラムなどの公共交通機関内で被害が多く発生しています。
つまり観光客が必ず通る場所すべて。手口は次の通り:
最も多い被害例は、観光地区の路上、観光施設、土産物店、地下鉄、トラム、バス等において、カバンのチャックを気づかないうちに開けられ、貴重品を奪われるものです。刃物でカバンの側面を切られる事件も見られます。
複数人で役割分担し、犯人の一部が親切な素振りで話しかけたり、混雑した場所で進路を阻むなどして被害者の注意をそらした隙に、仲間の犯人が犯行に及ぶこともあります。
「カバンの側面を刃物で切る」のは観光地で気付かれずに財布だけ抜ける手口。リュックを背中に背負ったまま観光地を歩くのは最もリスクが高い形態です。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 安全対策基礎データ(チェコ))
リュックは前掛け、ファスナーは体側に。これがプラハの観光地での基本姿勢です。
地下鉄A・B・C線とトラムの乗降時
公共交通機関での手口は外務省が具体的に書いています。
地下鉄、トラム、バスでは、スリ集団が乗車時に背後から押し込んだり、車内で取り囲んだり、降車時に扉を開けなかったりと、意図的に混雑や混乱した状況を作り出した上で犯行に及んでいます。
乗降の瞬間に密度が上がる、その瞬間が一番危ない。プラハの地下鉄はA・B・C線の3路線で、ムーステク駅(A/B線交差・ヴァーツラフ広場直下)、ムゼウム駅(A/C線交差)、フローレンツ駅(B/C線交差・長距離バス発着)あたりが乗り換え密度が高く、定番の被害ポイント。ズボンの後ろポケットに財布を入れないだけで被害確率がだいぶ下がります。
トラムは旧市街・新市街・マラー・ストラナを縦横に走っていて観光客の利用率が高い。22番(プラハ城方面)など特に観光客が多い系統は警戒度を上げておきたい。
長距離列車・プラハ本駅 --- 置き引きの定番
最も多い被害例は、長距離列車またはバス内での置き引きです。網棚等の目が届かない場所に荷物を置いている間に荷物を持ち去られたり、貴重品だけを抜き取られたりしています。
長距離列車やバス内では、貴重品が入っている荷物を網棚に置かない。『荷物を網棚にのせてあげる』などと親切に話しかけてくる外国人に警戒する。
大使館もこのパターンを補足しています。
犯人の一人が大きな荷物を棚に上げるのを親切に手伝うふりをしたり、窓の外からノックしたりして注意を引きつけ、その瞬間に仲間の犯人が座席上のカバン等を奪っています。
被害は、観光地の飲食店、長距離列車が発着するプラハ本駅などで多く発生しています。
ウィーン・ブダペスト・ベルリンへの国際列車を含む長距離列車は、プラハ本駅(hlavní nádraží)が起点。親切に荷物を持とうとしてくる人物には警戒、貴重品が入った荷物は網棚に置かない、足下のカバンも視界から外さない。これが鉄則です。
詳細な手口別対策はプラハのスリ・置き引きで詳しく解説しています。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
闇両替の偽札詐欺 --- カレル橋付近の実例
プラハで邦人被害の典型例として大使館サイトに記録されている事件:
邦人旅行者が、カレル橋付近の現金両替所に入ろうとした際、店の前で男から『良いレートで換金する』と声を掛けられ、ユーロをチェココルナに換金したところ、1枚目のみが200コルナ札で残りの紙幣は価値の低い他国紙幣を手交されるという詐欺被害に遭いました。
外務省の警告は明確です。
路上で外貨の両替を持ちかけられることがありますが、これは違法な闇両替ですので、一切応じないでください。なお、闇両替を利用すると、偽札に交換されることがあります。両替は正規の店舗にて行ってください。
「正規の両替所」も看板を出しているからといって信用しきれない店舗があるので、できれば銀行窓口、または大手チェーン両替所で。クレジットカードと現地ATM(銀行店内設置のもの)を組み合わせるのが一番事故が少ない方法です。
流しタクシー vs Bolt・Uber・Liftago
タクシー事情は近年改善したものの、流し営業のぼったくりは依然として残っています。
タクシー事情は近年改善してきたものの、依然として、非常に高額な料金を請求するタクシーが存在します。このため、いわゆる『流し』のタクシーではなく、空港からの移動であれば空港タクシー、市街地からの移動においては電話で呼び出す無線タクシーの利用をおすすめします。また、乗車前に目的地までの概算料金を確認するとより安心です。
無線タクシー会社の中で英語が比較的よく通じ、信頼性の高い会社は『AAA』(電話:14014、または222-333-222)や『Tick Tack』(電話:14222、または721-300-300)です。
その他にBOLT、UBER、LIFTAGO等があります(モバイルアプリの登録が必要)。
実用上はBolt・Uber・Liftagoのいずれかを日本出発前にダウンロード&クレカ登録しておくのが最も簡単。アプリ配車なら料金が事前確定し、ドライバー評価も可視化されます。空港(プラハ・ヴァーツラフ・ハヴェル空港)からはWelcome Pickups か AAA Radiotaxi の空港カウンター経由で公式タクシーを使うのも安全策。流しを拾うのは最終手段にしておこう。
地下鉄・トラムの打刻忘れ罰金
合法だが知らないとぼったくりに感じるトラップ。
バス・トラムについては、乗車したら直ぐに車内に設置されている検札機で打刻する必要があります。地下鉄の場合、駅構内に設置されている検札機で打刻します。
車両には私服の検札員が随時巡回しており、乗車券の所持を確認される場合があります。適正な乗車券等を所持していないと罰金を科されます(チケットを所持していても検札機で打刻していなければ同様です)。
検札員はチケットの所持を確認する際、検札員であることを示すバッジを提示します。
ポイントは「チケットを買っただけでは不正乗車扱いになる」こと。改札がない代わりに車内・駅構内に黄色い打刻機があり、これに通すまで乗車有効になりません。私服の検札員は本物の場合バッジを提示します(その場で罰金請求してくる)。
予防策はシンプルで、24時間券・3日券などの時間券を買って最初の打刻だけしておくこと。観光なら最初に空港〜市内移動で買って打刻、24/72時間が切れるまでは打刻不要で乗り放題になります。
詳細はぼったくり全般を扱うプラハの詐欺・ぼったくりで解説。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
ホテル客室侵入 --- 旧事例だが警戒は必要
2015年ごろに集中して発生したパターンとして大使館サイトに記録があります。
邦人旅行者が、宿泊中のホテル(プラハ市内)客室内に置いていたバッグ(パスポート及び現金在中)を盗まれる被害に遭いました。オートロック式客室扉の鍵を閉めていたにもかかわらず、何者かが客室内に侵入した模様です。
邦人グループ旅行者が、宿泊中のホテル(プラハ6区Suchdol所在)客室内で、現金や貴金属を盗まれる被害に遭いました。グループ旅行者がホテル内レストランにて食事中、何者かが隣家の屋根を伝って客室窓を打ち破り、複数の客室内に侵入した模様です。
ホステルでも「就寝中に枕元のバッグを盗まれる」事例が報告されています。パスポートと現金は客室金庫、低層階・隣家から手が届く客室は注意、ホステルなら鍵付きロッカーを使う。これだけで防げます。
2023年12月銃乱射事件 --- 14死25傷
2023年12月21日、プラハ市内で銃乱射事件が発生しました。
2023年12月21日、プラハ市内において、14人が死亡、25人が負傷する銃乱射事件が発生しました。同事件の犯人(チェコ人)はイスラム過激派組織とは無関係とされていますが、同様の事件がテロリストによって実行される可能性は否定できません。
イスラム過激派とは無関係とされたものの、チェコ国内最大規模の銃乱射です。コンサート・大学・ショッピングモール・観光施設など人が集まる場所では、避難動線(複数の出口・物陰)を一度確認しておくことが、地味だけど一番効きます。
強盗・暴行 --- 邦人被害は近年なし、ただし女性向けつきまといあり
近年、日本人が被害者となる強盗事件は発生していません。一方、コロナ禍中はアジア人差別に起因すると思われる暴行事件が数件発生しました。また、不審者・変質者による日本人女性に対する声かけ・つきまとい事案や痴漢行為も発生しています。
強盗は近年ゼロですが、女性への声掛け・つきまとい・痴漢は発生しています。人通りの少ない場所や夜間の独り歩きは避ける、身の危険を感じたら速やかに人がいる方向へ移動。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
病気・けが --- ダニ脳炎と冬季の凍結転倒
プラハ滞在で気にすべき医療リスクは2つ。
ダニ媒介性脳炎は中欧の風土病で、チェコでは毎年500人超の感染者が報告されています。森・草地に春〜夏に立ち入る予定があるなら予防接種が現実的な選択肢。プラハ市内中心部を歩くだけなら可能性は低いものの、郊外(ペトジーン公園含む森林部)に行くなら一応意識を。
冬季の路面凍結による転倒も要注意。「日本と比べて空気が乾燥しており、風邪やインフルエンザなど上気道感染症にかかりやすいです」と医療事情にも明記されています。底の厚い滑り止めシューズと加湿対策が地味に重要。
万一受診になった場合、英語が通じる私立医療機関は Unicare Medical Center(プラハ6区、24時間 608-103-050、日本語通訳手配可)と Canadian Medical(222-300-300)が定番。詳細はプラハの病気・けがへ。
安全対策まとめ
- 観光4エリア(城・橋・広場・通り)と地下鉄でリュックを前掛け。刃物で底を切られるケースも
- 路上両替は無視。両替は銀行か正規両替所、できればクレカ+ATMが事故が少ない
- タクシーはBolt/Uber/Liftago。流しタクシーは避ける
- 地下鉄・トラムは乗車したら即打刻。チケット購入だけでは不正乗車扱いで罰金
- 長距離列車では「荷物を上げてくれる」見知らぬ親切に警戒
- ホテルではパスポートと現金を金庫に。ホステルは鍵付きロッカーを活用
- 冬は底の厚い滑り止め靴。春〜夏に森・草地に行くならダニ脳炎ワクチン
緊急時の連絡先
| 機関 | 電話番号 |
|---|---|
| EU共通緊急番号 | 112 |
| 警察 | 158 |
| 救急 | 155 |
| 在チェコ日本国大使館 | +420-257-533-546 |
| 外国人警察(プラハ) | 974-841-229 |
| ムーステク警察署(プラハ1区) | 974-851-750 |
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
海外旅行保険の備え
近隣国の参考事例(フランス・ドイツ)では転倒・心筋梗塞・脳内出血だけで314万〜1,746万円。詳しくはヨーロッパ旅行の保険ガイドへ。
この都市のトラブル別ガイド
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