北米の旅行で実際に多いのは、ニューヨークの地下鉄でのスリ、ロサンゼルスやサンフランシスコのレンタカー車上荒らし、ホノルルのワイキキでの置き引き、トロントでのスリ・盗難といった数万円〜数十万円で収まる被害です。
ただし北米が他の地域と決定的に違うのは、入院した瞬間に請求額の桁が変わること。虫垂炎で3日入院しただけで303万円、骨折で600万円超、脳疾患やICU入院になると数千万円、米国本土の脊髄損傷では1億670万円の事例もあります。
起きやすい被害から順に備えを積み上げる考え方は同じですが、北米では「クレカ合算で足りる範囲が極端に狭い」ことを最初に知っておいてください。
軽いトラブル(スリ・盗難・軽い外来)
北米で件数が一番多いのが、このレンジの被害です。
スリ・盗難ならスマートフォンやバッグなど数万円分、外来受診も数万円〜数十万円のレンジに収まります。
エポスカード1枚で対応可能
このレンジは、年会費永年無料のエポスカード1枚で実用ラインに届きます。
| 補償項目 | エポスカード単独 |
|---|---|
| 傷害治療費用 | 200万円 |
| 疾病治療費用 | 270万円 |
| 賠償責任 | 3,000万円 |
| 救援者費用 | 100万円 |
| 携行品損害 | 20万円 |
エポスカードは利用付帯(旅行代金の一部をエポスで支払うと保険が有効化)です。出発前に空港までの電車代や航空券をエポスで切っておけば、90日間カバーされます。携行品損害20万円はスマートフォンやカメラ1台分に届く水準で、軽い外来受診も疾病治療270万円の枠に収まります。
EPOS CARD × HAPITAS
エポスカードを発行して11,000円相当
ハピタス経由でエポスカードを申し込むと、現金等に交換できる11,000円相当のポイントが付与されます(時期により変動)。年会費は永年無料。
入院・骨折・虫垂炎
北米の医療費が他の地域と決定的に違うのが、このレンジです。東南アジアや東アジアなら数十万円で済む骨折・虫垂炎が、北米では3日入院で300万円、骨折で600万〜1,100万円に跳ね上がります。
- 空港やホテルのトイレ・シャワーでの転倒・骨折
- カナダのオーロラ・冬季ツアー中の凍傷
- 食中毒や感染症からの脱水・入院
- 虫垂炎など短期入院
短期間の入院や手術が伴うため、北米では治療費が一気に数百万〜1,100万円のレンジに乗ります。実際に保険会社が支払った中規模事例も同じ水準です。
| 国 | 事例 | 支払保険金 |
|---|---|---|
| カナダ | 虫垂炎で3日入院 | 303万円 |
| カナダ | バンクーバー空港で転倒、大腿骨頸部骨折で8日入院 | 594万円 |
| カナダ | オーロラ鑑賞ツアーで凍傷、7日間入院・看護師付添搬送 | 1,105万円 |
虫垂炎303万円はエポス単独の疾病治療270万円を超えています。骨折や凍傷で600万〜1,100万円のレンジになると、クレカ合算でも足りないケースが出てきます。
それでも、エポスを土台として持っておく意味はあります。ネット型保険を上乗せするとき、クレカ側の補償が先に効くため負担リスクが下がります。まずは2枚目のカードと合算して土台を広げておきましょう。
エポス+楽天カードで対応
楽天カードも年会費永年無料・利用付帯です。エポスと組み合わせると、追加コスト0円のまま補償が一段広がります。
| 補償項目 | エポス | 楽天 | 合算 |
|---|---|---|---|
| 傷害治療費用 | 200万円 | 200万円 | 400万円 |
| 疾病治療費用 | 270万円 | 200万円 | 470万円 |
| 救援者費用 | 100万円 | 200万円 | 300万円 |
| 携行品損害 | 20万円 | なし | 20万円 |
疾病治療470万円のラインは、カナダの虫垂炎303万円には余裕で届きます。ただし骨折で600万円を超えるとカバーしきれません。北米では「クレカだけで安心」とは言いにくいものの、無保険よりも数百万円分のクッションができます。
まだ楽天カードを持っていない人は作っておきましょう。
RAKUTEN CARD × HAPITAS
楽天カードを発行して10,000円相当
ハピタス経由で楽天カードを申し込むと、楽天本体の通常キャンペーン特典とは別枠で、現金等に交換できる10,000円相当のポイントが二重でもらえます(時期により変動)。年会費は永年無料。
エポス+楽天+三菱UFJカードゴールドの3枚で対応
もう一段補償を厚くしたい場合は、三菱UFJカードゴールドを3枚目に足す形があります。利用付帯のエポス・楽天を発動させるには、旅行代金を2枚に分けて決済する必要があります。
3枚目の決済は現実的にむずかしいですが、UFJゴールドは自動付帯なので決済なく合算できます。
年会費は初年度無料。翌年以降11,000円(税込)。年100万円決済で実質年会費無料です。
| 補償項目 | エポス | 楽天 | UFJゴールド | 合算 |
|---|---|---|---|---|
| 傷害治療費用 | 200万円 | 200万円 | 300万円 | 700万円 |
| 疾病治療費用 | 270万円 | 200万円 | 300万円 | 770万円 |
| 救援者費用 | 100万円 | 200万円 | 500万円 | 800万円 |
| 携行品損害 | 20万円 | なし | 50万円 | 70万円 |
疾病治療770万円のラインは、カナダのバンクーバー空港での転倒594万円は射程に入りますが、北米は骨折でも1,000万円超になる事例が多く、このラインでカバーしきれる範囲は限定的です。それでも救援者費用800万円・賠償責任1億円規模まで合算でき、無保険のまま渡航するよりも数百万円分のクッションになります。
合算できない傷害死亡・後遺障害も、UFJゴールドを足すとエポス単独の3,000万円から5,000万円まで天井が上がります。
MUFG GOLD × HAPITAS
三菱UFJカードゴールドを発行して10,000円相当
ハピタス経由で三菱UFJカードゴールドを申し込むと、現金等に交換できる10,000円相当のポイントが付与されます(時期により変動)。海外旅行傷害保険は自動付帯で、年会費は初年度無料。
1,156万円超の重傷・脳疾患・ICU長期入院
北米で入院が長引くと、他の地域の数倍〜数十倍の請求が来ます。
- 冬季のスキー・スノーボード中の重傷(頚椎脱臼骨折など)
- ハワイの乗馬・マリンスポーツ中の重傷(外傷性気胸など)
- ホテルのシャワー・浴室での転倒骨折+医療搬送
- 心筋梗塞・脳梗塞での緊急手術・長期入院
- 交通事故での頭部外傷・脊髄損傷
- ビーチやプールでの溺水からICU入院
- ハイキング中の滑落で腰椎骨折
保険会社が実際に支払った重度事例は、この水準です。
| 国 | 事例 | 支払保険金 |
|---|---|---|
| カナダ | スノーボードで衝突、頚椎脱臼骨折で20日間入院 | 1,156万円 |
| ハワイ | ホテルのシャワーで転倒、大腿骨骨折で10日入院・手術・搬送 | 1,163万円 |
| 米国本土 | スケートボードで転倒、脛骨・腓骨骨折で3日入院・手術 | 1,181万円 |
| ハワイ | 乗馬中に落馬、鎖骨骨折・肋骨骨折・外傷性気胸で6日入院 | 1,506万円 |
| ハワイ | 溺水でICU1ヶ月入院、プライベートジェット搬送 | 1,700万円 |
| ハワイ | 脳梗塞で16日間入院 | 1,833万円 |
| 米国本土 | ハイキング滑落、腰椎骨折で10日間入院 | 2,890万円 |
| ハワイ | 心筋梗塞で19日入院・手術、看護師付添医療搬送 | 3,052万円 |
| 米国本土 | くも膜下出血で25日入院、チャーター機医療搬送 | 4,661万円 |
| 米国本土 | 脊髄損傷、ICU入院・手術・リハビリ、看護師2名同伴帰国 | 1億670万円 |
ハワイの溺水事例は象徴的で、25歳女性が海水浴中に溺れてICUに1ヶ月入院し、現地治療費は3,000万円超。保険金1,700万円を支払ったものの、保険金額超過で残りは被保険者の負担になっています。保険に入っていても補償上限を超えるとこうなります。
海外旅行保険を上乗せ
北米は入院した時点でクレカ合算の770万円を超える確率が高い地域です。ネット型の海外旅行保険を上乗せするのが現実的で、1週間の都市観光なら治療費用無制限プランも数千円のレンジから入れます。ただしマリンスポーツ・スキー・乗馬・冬季アクティビティが旅程に入る場合は危険スポーツ特約の有無を確認してください(特約付きはその上のグレードになります)。
- アメリカ本土に行く(脊髄損傷1億670万円の事例がある)
- ハワイでマリンスポーツ・乗馬・ハイキングをする予定がある
- カナダの冬季にスキー・スノーボードをする
- 既往症がある(多くの保険は既往症の悪化を免責にしている)
- 90日を超える長期旅行(クレカは保険切れ)
このどれかに当てはまる旅程なら、クレカの土台にネット型保険を上乗せする形を検討してみてください。
まとめ:0円の土台にネット型保険を重ねる
全部に備えようとすると有料保険一択になりますが、北米の旅行トラブルは「よくあるスリ・盗難」と「入院した瞬間の数百万〜数千万円」で桁が違います。0円の土台から必要な分だけ積み上げていくと、自分の旅程に合った落としどころが見えてきます。
| 組み合わせ | 疾病治療 | カバーする被害 |
|---|---|---|
| エポス単独 | 270万円 | スリ・盗難・軽い外来 |
| エポス+楽天 | 470万円 | 虫垂炎(カナダ303万円)レンジ |
| エポス+楽天+UFJゴールド | 770万円 | 転倒骨折の一部(ただし北米では不足しやすい) |
| + ネット型保険 | 上限なし | 入院・手術・脳疾患・医療搬送 |
北米は他の地域と違い、中規模の入院でもクレカ合算を超えやすいのが特徴です。短期の都市観光でもエポス+楽天+UFJゴールドにネット型保険を重ねる形を検討してください。マリンスポーツやスキーを予定しているなら、ネット型保険は必須と考えておきましょう。
EPOS CARD × HAPITAS
エポスカードを発行して11,000円相当
ハピタス経由でエポスカードを申し込むと、現金等に交換できる11,000円相当のポイントが付与されます(時期により変動)。年会費は永年無料。
よくある質問
ハワイ旅行にクレカ付帯保険だけで行っても大丈夫?
スリや軽い外来なら年会費永年無料のエポスカード1枚で収まりますが、入院・手術が伴うと一気に数百万〜数千万円に跳ね上がるのが北米です。エポス+楽天+UFJゴールドの3枚で疾病治療770万円まで合算できますが、ハワイの心筋梗塞3,052万円やカナダの凍傷1,105万円には到底届きません。北米はネット型の有料保険を上乗せするのが現実的です。
利用付帯ってどういう意味?
旅行代金(航空券・ツアー代・空港までの公共交通機関など)をそのカードで支払うと保険が有効になる仕組みです。エポス・楽天は利用付帯で、旅行代金の一部をどのカードで払うかで保険を有効化できます。一方、UFJゴールドは自動付帯で、保有しているだけで補償が発動します。
エポスと楽天とUFJゴールドの補償額は合算できるの?
傷害死亡・後遺障害を除き、治療費用・救援者費用・賠償責任・携行品損害などは複数カードの補償額を合算できます。エポス(疾病270万円)+楽天(疾病200万円)の無料2枚で疾病治療470万円、UFJゴールド(疾病300万円)を足した3枚で770万円まで積み上がります。