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モロッコの治安 スリとナイフ恐喝、偽ガイドが横行【2026】

モロッコの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在モロッコ日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.26 KAIGAI-RISK

2025年、モロッコでは約78万件の犯罪が発生しました。人口比で日本の3倍以上。スリやひったくりだけでなく、ナイフを使った恐喝、偽ガイド詐欺、大麻約170トンが押収される薬物問題まで、日本とはまったく違う治安環境です。外務省の危険情報は全土レベル1(十分注意)が継続中。

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危険レベルと犯罪発生状況

外務省は2026年1月23日付でモロッコ全土にレベル1: 十分注意してくださいを継続発出。テロ警戒態勢の強化で治安は比較的安定しているものの、外国人を狙った金銭目的の犯罪と薬物犯罪が大きな問題です。

在モロッコ日本国大使館の「安全の手引き」(令和8年4月20日版)には、具体的な数字が並びます。

  • 犯罪件数: 約78万件(2025年)
  • 交通事故: 都市部で約10万1千件の人身事故、死者約1,400人、重傷者約5,500人
  • 薬物: 大麻約170トン、コカイン約1.1トン、MDMA約160万錠が押収
  • サイバー犯罪: 約1万3,600件(前年比60%以上増)

スリ・ひったくり・ナイフ恐喝

日本人被害の中心は窃盗犯罪。手口は大きく3パターンあります。

話しかけ型のスリ: モロッコ人に話しかけられ、会話中にバッグのファスナーを開けられる。カフェで椅子の背もたれにかけた鞄から財布を抜き取る。複数犯で1人が気を引き、もう1人が盗む連携プレー。

バイクひったくり: カサブランカでは日中でもバイク2人組によるショルダーバッグのひったくりが発生。抵抗して大怪我をした人もいるので、無理に抵抗しないこと。

ナイフ強盗: スーパーの駐車場で背後からナイフを突きつけられて鞄を奪われる、早朝に腹部を殴られナイフで脇腹を切りつけられるなど、凶器を使った事件も報告されています。携帯電話で通話中に2人組に襲撃され、大きなナイフを見せられて携帯を要求された事例も。

都市別の手口と対策はカサブランカのスリ・ひったくりで詳しく解説しています。

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偽ガイド詐欺と写真トラブル

モロッコで最も有名なトラブルが偽ガイド。外務省の安全対策基礎データは手口を具体的に書いています。「私はガイドではない」「お金は要らない」「日本語を勉強したいだけ」――こう言って近づき、土産物店に連れ込んで高額商品を買わせる。何も買わなければ法外な案内料を請求。

もう一つ、写真撮影トラブル。観光地で動物を使った見せ物や伝統衣装の人を撮ると、法外な金額を執拗に要求される。撮る前にチップの金額を交渉しておく、というのが大使館のアドバイスです。

マラケシュのスーク周辺の詳細はマラケシュの詐欺・ぼったくりに。

薬物 --- 大麻の誘いに乗ったら禁固刑

モロッコは大麻の主要生産地として知られています。特にリーフ山脈地方で栽培が盛んで、観光客に「ハシシいらない?」と声をかけてくる人間がいます。合法だと勘違いする旅行者もいますが、所持・使用・売買すべてに重い禁固刑と罰金刑が科されます。

麻薬に関する警察当局の取り締まりは非常に厳重です。邦人が、売人として逮捕されたケースもあります

これは大使館の「安全の手引き」からの引用。逮捕されると裁判前でも刑務所に入れられ、「1週間程度の入所でも精神的、肉体的に追いつめられる」と書かれています。詳しくはマラケシュの薬物トラブルで。北アフリカを横断するならアルジェリアも不正両替が摘発対象チュニジアも厳罰エジプトは死刑を含む重刑と覚えておこう。

テロ --- ジャマエルフナ広場と登山道の記憶

2014年以降の大規模テロは発生していませんが、過去には2つの大きな事件がありました。

  • 2011年4月: マラケシュ旧市街のジャマ・エル・フナ広場に面したカフェ「アルガナ」で爆破テロ
  • 2018年12月: トゥブカル山の登山道でデンマーク人女性・ノルウェー人女性が殺害。ISILに感化された犯行

2024年にも約16名がテロ計画容疑で検挙されており、警戒は続いています。観光地や宗教施設周辺では周囲に注意を払っておきましょう。

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マナー・法律 --- 知らないと逮捕もある

モロッコはイスラム教国。観光客でも踏み抜きやすい禁忌の全体像は致命的禁忌マップに整理しているので、出発前に目を通しておくと安心です。以下の行為は法律で禁止されているか、深刻なトラブルになります。

  • ラマダン中の屋外での飲食・喫煙: 慎むこと(外務省が明記)
  • 公共の場での飲酒・泥酔: 外国人でも罰金刑または禁固刑
  • モスクへの立ち入り: 非ムスリムは原則禁止(一部観光開放を除く)
  • 王室・政治体制・イスラム教の批判: 禁句。出版物の持ち込みもトラブルの原因
  • 婚前交渉: 法律で禁止。婚姻関係のないモロッコ人異性とのホテル同室は拒否されるか逮捕の可能性(日本人同士なら取締対象外)
  • 写真撮影: 警察・空港・軍事施設・モスク内部・国境周辺での撮影は禁止
  • ドローン: 個人による使用は目的を問わず全面禁止

医療費の実態

モロッコ固有の保険支払い事例は各社データに見当たりません。ただし外務省は「医療費は高額」と明記し、在モロッコ大使館も「海外旅行保険(緊急移送費付帯)にぜひ入っておきましょう」と強く推奨しています。

モロッコの医療で特に注意すべき点はこの3つ。

  1. 前払いしないと受診できない --- 救急でも支払い確認が先
  2. 英語がほぼ通じない --- フランス語かアラビア語
  3. 地方に安心な病院がない --- 大都市の私立病院に限定される

同じアフリカでも、エジプトでは脳内出血で895万円・国外緊急移送1千万円超という保険会社事例が出ている。モロッコと共通する「前払い・英語通じず・地方の医療水準低」の傾向は同じ。

地理的に近いスペインでは、クルーズ中ヘリ搬送で1,263万円、バス段差転倒で526万円の支払い事例があります(SBI損保)。モロッコから欧州への緊急搬送が必要になれば、同等以上の金額を想定すべきです。マグレブ地域からの旧宗主国つながりで医療搬送先になりやすいフランスの医療事情も併せて確認しておくと安心。

さらに、狂犬病による死者が毎年約20人。野犬に噛まれたらすぐ保健所で無料ワクチン接種が可能ですが、市中の病院や薬局には狂犬病ワクチンがないので注意。

通信手段

モロッコでは英語が通じない場面が多いので、翻訳アプリ・地図アプリ・大使館の緊急番号検索など、スマホの通信が安全に直結します。到着直後から使える eSIM が便利。選び方は海外eSIM比較ガイドに。

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緊急時の連絡先

機関電話番号
警察(都市内)19
地方警察(都市間)177
救急・消防15
国内電話番号案内160(有料)
在モロッコ日本国大使館(0537) 63-17-82〜85(85: 領事部直通)
民間救急(ラバト)Samu de Rabat: 0537 73 73 73
民間救急(カサブランカ)SAMU Casablanca: 0522 25 25 25

民間の救急車は有料ですが、大使館によると「迅速性や衛生面では一般的に民間企業の方が良好」です。

旅行保険の備え

モロッコの医療は「前払い・英語不通・地方に病院なし」の三重苦。保険会社のアシスタンスデスクを通じて日本語で病院手配・キャッシュレス治療を受けるのが現実的にほぼ唯一のルートです。補償額の比較はアフリカ旅行の保険ガイドに。

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都市別の治安情報

主要都市の治安情報

出典