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観光客でも逮捕される海外の致命的禁忌マップ|不敬罪・公衆飲酒・鞭打ち・死刑の国別まとめ

最終更新: 2026-04-25

「マナー違反」と「犯罪」の間に、明確な線を引ける国ばかりじゃない。

日本では注意されて終わる程度の行動が、国によっては罰金数十万円・懲役・鞭打ち・死刑のどれかに変わる。しかも「観光客だから大目に見てもらえる」は基本通用しない。タイの不敬罪は外国人にも3〜15年禁錮、シンガポールは7歳以上で刑事罰対象、UAEでは空港を乗り継いだだけでCBD製品が見つかり邦人が逮捕されている。

このページでは、ふつうの日本人がふつうの感覚で踏み抜きやすい致命的禁忌を5パターンに分類したうえで、国別に深掘り記事へ送客する構成になっています。薬物の国別ルールは大麻・ドラッグが死刑になる国マップ、行政罰・罰金の一覧は海外の罰金マップも併読してください。

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「ふつうの感覚」で踏み抜く5パターン

致命的禁忌は大きく5つに分類できる。どれも日本では合法か、せいぜい白い目で見られる程度のことです。

1. 王室・宗教を侮辱する行為

タイでは王室を侮辱すると刑法112条で3〜15年禁錮。紙幣には国王の肖像が印刷されていて、踏む・破る・落書きのすべてが射程に入る。UAEではイスラム教の冒涜がSNS上の投稿も含めて処罰対象。日本人にとっての「冗談」「ネタ投稿」が、現地では宗教犯罪になり得ます。

2. 政治・国家批判の発信

ベトナムは社会主義体制への批判的な言動・行動が取締り対象。在ホーチミン総領事館も同じ趣旨を明記しています。UAEも王族批判が犯罪として規定されており、SNSでの口コミ投稿に罰金が科された事例がある。日本の感覚で「政治ネタ」を投稿するのは避けましょう。

3. 公衆道徳(飲酒・PDA・服装)

UAEでは自宅やホテル内レストラン以外での飲酒が違法。シンガポールは22:30以降の公共の場での飲酒が禁止で、初回最高1,000SGDの罰金。UAEでは公の場でのキスや抱擁で懲役の実刑判決が出た事例がある。シャルジャ首長国は外国人含め飲酒禁止・肌の露出も規制。ラマダン期間中は人前での飲食・喫煙もNGです。

4. 公衆秩序(ポイ捨て・落書き・喫煙)

シンガポールのポイ捨ては初回2,000SGD、3回目以降は10,000SGD。落書き(Vandalism)は初犯でも実刑+鞭打ち刑の可能性。タイは路上でのたばこのポイ捨てで数千バーツの罰金。詳しくは罰金マップへ。

5. 持ち物・物品(薬物・電子タバコ・わいせつ物・ガム)

タイの電子タバコは持込み・所持・使用すべて禁止で最高10年懲役。シンガポールのチューインガムは輸入禁止品。ベトナムのわいせつ図書は日本の週刊誌レベルでも罰金1,000万〜1億ドン。薬物は多くのアジア諸国で死刑規定がある。国別の詳細は薬物の国別マップ処方薬の持込みルールで確認を。

タイ——紙幣を踏んだだけで不敬罪

タイの致命的禁忌は王室に対する言動すべて。冗談、SNS、写真の扱い、紙幣のどれもが射程に入ります。

王室を侮辱した場合、3年以上15年以下の禁錮に処せられるおそれがあるほか、社会的にも厳しい批判を受けることにつながります。

—— 外務省 安全対策基礎データ(タイ)

仏像の無断持出しも禁止で、僧侶には女性が触れること自体がタブー。そして電子タバコは持込み・所持・使用のいずれも禁止で、違反すると最高10年懲役または50万バーツの罰金。空港税関で見つかれば刑事事件化することもあります。

タイの不敬罪・仏教マナー・電子タバコについて詳しくはタイの不敬罪と王室・仏教タブーへ。

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ベトナム——「政治ネタ」をSNSに書くと取締り対象

ベトナムの致命的禁忌は政治体制への批判。日本では居酒屋で政治の愚痴を言うのは日常だけど、ベトナムでは犯罪になり得ます。

ベトナムの政治体制や国情等に関し、批判的な言動や行動をとることは、取締の対象となる場合があり、注意が必要です。

—— 外務省 安全対策基礎データ(ベトナム)

さらに、薬物は死刑規定あり。外国人がヘロイン密輸で検挙され死刑判決を受けた事例が外務省に記録されています。賭博も原則犯罪で、日本人街のパチンコ店や麻雀店での賭博行為は捜査対象。わいせつ図書は日本の週刊誌のグラビアでも罰金1,000万〜1億ドンの対象です。2025年1月からは電子タバコの使用も罰金対象になっています。

ベトナムのマナー・法律の全体像はベトナムの危ない法律・マナーへ。

UAE——ホテルの外でビールを開けたら違法

UAEの致命的禁忌は飲酒の場所制限公の場での振る舞い全般。リゾート感覚で行くと踏み抜く罠が多い。

自宅、レストランやバー等の指定された場所以外での飲酒、酩酊は違法です。

—— 外務省 安全対策基礎データ(UAE)

シャルジャ首長国は外国人含め飲酒そのものが禁止。公の場での抱擁やキスは実刑判決の事例がある。ラマダン期間中は日の出から日の入りまで、人前での飲食・喫煙も控える必要がある。

そして2025年に邦人逮捕が複数発生したのがCBD関連製品。日本で合法のCBDオイルでも、UAEでは麻薬として扱われる。在ドバイ総領事館はドバイ国際空港の乗り継ぎ時の検査でCBD製品が発見され逮捕された事例を注意喚起しています。目的地がUAEでなくても、乗り継ぎで荷物検査に引っかかれば逮捕です。

UAEの飲酒・PDA・薬物ルールの詳細はUAE(ドバイ)の公衆飲酒ルールへ。

シンガポール——ポイ捨て2,000ドル、落書きで鞭打ち

シンガポールの致命的禁忌は罰金・鞭打ち・死刑の三段構え。この国が清潔で安全なのは、重い刑罰で秩序を作ってるからです。

凶器を使用した傷害、恐喝、集団暴行、器物損壊、密入国等、国家の治安上の脅威と認識する特定の罪を犯した者や性犯罪者に対し、懲役刑と併せてむち打ちの刑が処せられることがあります(18 歳未満の若年者、50 歳以上の高齢者と女性は免除)。

—— 在シンガポール大使館「安全の手引き」

ポイ捨て初回2,000SGD、チューインガム持込み禁止、MRT内での飲食も罰金、深夜の公共飲酒は初回最高1,000SGD。痴漢・盗撮は初犯でも実刑+鞭打ちの可能性があり、外国人にも適用されると大使館が明記。7歳以上が刑事罰対象、16歳以上はほぼ大人扱いなので、家族旅行でも子供のふざけた行動に注意が必要です。

シンガポールの罰金・鞭打ち・死刑の全体像はシンガポール罰金一覧へ。

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サウジアラビア——飲酒「全面禁止」、写真で身柄拘束

サウジの致命的禁忌は「UAEより一段階厳しい」と覚えておくのが分かりやすい。UAEは指定された場所での飲酒OKだが、サウジは外国人を含めて飲酒・売買・所持・持込みのすべてが禁止。免税店で買った酒も持ち込めません。薬物密輸の最高刑は死刑、王宮・政府施設・石油関連施設の写真撮影で日本人が拘束された事例もあり、現地の女性を撮影しただけでも家族からの訴えで身柄拘束されるリスクがある。2019年に観光ビザが解禁されたばかりで「観光客慣れしていない」面が強く、UAE感覚で動くと踏み抜きます。

サウジの飲酒・薬物・写真規制の詳細はサウジアラビアの治安と法律へ。

モロッコ——大麻170トン押収国の「ハシシいらない?」

モロッコの致命的禁忌は大麻の誘いに乗ること。リーフ山脈地方は世界有数の大麻生産地で、2025年には大麻約170トン・MDMA約160万錠が押収されています。観光客に「ハシシいらない?」と声をかけてくる人間がいて、合法だと勘違いする旅行者もいますが、所持・使用・売買すべてに重い禁固刑と罰金刑。邦人が売人として逮捕された事例もあり、大使館は「刑務所内は1週間程度の入所でも精神的、肉体的に追いつめられる」と書いています。婚前交渉が法律で禁止されている点(婚姻関係のないモロッコ人異性とのホテル同室は拒否か逮捕)も日本にはない感覚です。

モロッコの薬物・婚前交渉・写真規制の詳細はモロッコの治安へ。

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横断的な落とし穴——処方薬と電子タバコ

国ごとの禁忌に加えて、どの国でも踏み抜きやすい2つの落とし穴があります。

電子タバコは、タイ(最高10年懲役)・シンガポール(2025年9月厳罰化)・ベトナム(2025年1月から罰金対象)でいずれも規制されている。「加熱式タバコ(アイコスなど)」も含まれる点に注意。日本では普通に売ってるけど、これらの国に持ち込むだけでアウトです。

処方薬は、UAEで「個人の常備薬でさえも、規制対象品であれば没収される」と外務省が警告。シンガポールも医師の処方箋(英訳)の携行を推奨しています。睡眠薬や精神安定剤を普段から服用している人は、出発前に持込み可能かどうかを確認しておこう。詳しくは処方薬の持込みルール国別マップへ。

旅行前に確認しておくこと

致命的禁忌を踏み抜かないために、出発前にやっておくことは3つ。

1. 外務省の安全対策基礎データを読む。各国ページの「滞在時の留意事項」に禁止行為がリスト化されている。10分で読めます。

2. 電子タバコ・処方薬を持って行く場合は、持込み可否を確認する。UAEのように事前に駐日大使館へ照会が推奨されている国もある。

3. SNS投稿のクセを見直す。ベトナムでの政治ネタ、UAEでの口コミ批判、タイでの王室に関するコメントは、投稿した時点で犯罪になる可能性がある。旅行中のSNSは景色と食べ物だけにしておきましょう。

逮捕件数の多い犯罪パターンは日本人が海外で逮捕された事例トップ10、罰金で済む行政罰の一覧は海外の罰金マップ、薬物の国別ルールは大麻・ドラッグが死刑になる国マップでそれぞれ整理しています。

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出典

本記事の情報は、上記 sources に記載した外務省安全対策基礎データ、在外公館の安全の手引き、および在ドバイ総領事館の注意喚起に基づいています。

よくある質問

観光客なら大目に見てもらえる国ってありますか?

基本的にありません。シンガポールは7歳以上が刑事罰対象で、外国人にも鞭打ち刑を適用すると在シンガポール大使館が明記。タイの不敬罪も外国人の除外規定はなし。UAEでは「乗り継ぎだけ」でCBD製品が見つかり邦人が逮捕された事例が2025年に複数発生しています。「観光客だから」は通用しないと考えてください。

現地の友人やガイドが「大丈夫」って言ったら信じていい?

信じないでください。現地の人が日常的にやっていることと、法律上の合法は別問題です。タイでは現地の人がカジュアルに大麻を扱っていても、日本人が同じことをすれば日本の大麻取締法で帰国後に罪に問われます。UAEでも「みんな飲んでる」と言われてホテル外で飲酒すれば違法。法律の基準は外務省と在外公館の情報で確認しましょう。

「知らなかった」で許してもらえますか?

ほぼ無理です。在マレーシア大使館は薬物について「たとえ『知らなかった』『聞いていた内容とは違っていた』といった事情があったとしても、全く考慮されることなく逮捕されます」と明言。シンガポールの薬物も所持人が自ら潔白を証明できなければ有罪。法律の不知は抗弁にならないのが国際標準です。

電子タバコはどの国で危ないの?

タイは持込み・所持・使用すべて禁止で最高10年懲役または50万バーツの罰金。シンガポールも2025年9月の厳罰化以降さらに取締りが強化。ベトナムは2025年1月から罰金対象、持込みはさらに重い罰金。これらの国に電子タバコ・加熱式タバコを持って行かないのが唯一の安全策です。

処方薬を持って行くのも危ないの?

国によっては危険です。UAEでは個人の常備薬でも規制対象品なら没収されると外務省が明記しており、事前に駐日UAE大使館への照会を推奨しています。シンガポールも医師の処方箋(英訳)携行を推奨。詳しくは処方薬の持込みルール記事で国別の注意点を整理しています。

出典・参考