Kaigai Risk
TRAVEL RISK ARCHIVE

シンガポール罰金一覧|ポイ捨て2,000ドル・ガム持込禁止・鞭打ち・死刑まで全部本当

最終更新: 2026-04-25

シンガポール。街はピカピカ、治安も良い、夜道も歩ける。でもこの国が清潔で安全なのは、国民がお行儀いいからじゃなくて罰金と鞭打ちと死刑で秩序を作ってるからです。しかも観光客だろうが外国人だろうが容赦なく適用される。

ガムを持ち込んだら没収、ゴミをポイ捨てしたら2,000シンガポールドル(約22万円)、落書きしたら初犯で実刑+鞭打ち、薬物を持ち込んだら死刑。このページでは、在シンガポール大使館の「安全の手引き」と外務省の安全対策基礎データに載っている「シンガポールの罰則」を一本にまとめました。罰金マップでは各国横並びで紹介していますが、ここではシンガポール一国を深掘りします。

Travel Alert 01

海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです

詳しくみる →

薬物は死刑 — 量的な閾値と「有罪推定」

シンガポールで最も重い罰則は薬物。政府は麻薬を「国家の安全に対する重大な脅威」と位置づけていて、死刑が規定されている量の閾値はこうなっています。

薬物死刑ラインの量
ヘロイン15g以上
モルヒネ30g以上
覚醒剤250g以上
大麻500g以上

これ以下でも「微量の所持、密輸入でも重罪」と外務省は書いています。

そしてこの国独特なのが有罪推定。普通の法体系では「疑わしきは罰せず」が原則ですが、シンガポールの薬物法では逆で、所持していた本人が自分の潔白を証明できない限り有罪と認定される。「知らない人に預けられた荷物に入っていた」は通用しません。

シンガポール政府はいったん判決が確定した場合、外国政府や関係者からの減刑要請があっても、これを受け入れないとの方針を貫いています。2007年1月26日、チャンギ空港にて大量のヘロインを所持し死刑判決が確定していたナイジェリア人について、ナイジェリアの大統領が発出した減刑要請の書簡を公表した上で、減刑には応じないことを発表し、同日死刑を執行しました。 在シンガポール大使館「安全の手引き」

大統領が直接お願いしても執行される。外交ルートが効かない国だということを、出発前に頭に入れておこう。2024年の薬物違反による逮捕者数は3,119人で、年間3,000人前後で推移しています。詳しくは大麻・ドラッグが死刑になる国の国別マップも確認してください。

鞭打ち刑(Caning)— 性犯罪・器物損壊・密入国が対象

シンガポールには鞭打ち刑が現役で残っています。対象になるのは、凶器を使用した傷害、恐喝、集団暴行、器物損壊、密入国、そして性犯罪。懲役刑に上乗せで科される刑罰です。

免除されるのは18歳未満の若年者、50歳以上の高齢者、そして女性のみ。つまり18〜49歳の男性は、外国人であっても鞭打ちの対象になります。

さらに、国家の治安対策上必要と認められた場合は、裁判を経ずに「一定の期間監獄に収監する」「当局による監視下に置く」ことも法律で認められています。日本の感覚とは完全に別世界です。

落書きで初犯でも実刑+鞭打ち — Vandalism Act

「ちょっと落書き」のつもりが、シンガポールでは刑務所行きになる。在シンガポール大使館は公共物破壊・汚損について次のように書いています。

故意に公共物を破壊したり、公共物に落書きなどをした場合、公共物破壊(汚損)罪が成立してしまいます。これについても当地では比較的重い罪と見なされており、初犯であっても実刑に処される場合があります。 在シンガポール大使館(2024年下半期)

日本の器物損壊罪に相当するものですが、量刑がまるで違う。初犯で実刑(懲役)、さらに前述の鞭打ち刑が加わる可能性もあります。酔った勢いで壁にマーカーで何か書く、みたいな行為は絶対にやめておこう。

Travel Alert 02

海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?

詳しくみる →

ポイ捨て — 初回2,000SGD、3回目で10,000SGD

シンガポールの「罰金大国」としてのイメージを作ったのがこの規制。金額は段階式で、回を追うごとに跳ね上がります。

違反回数罰金額
初回2,000 SGD(約22万円)
2回目4,000 SGD(約44万円)
3回目以降10,000 SGD(約110万円)

ゴミだけじゃなく、タバコの吸い殻、タンやつばの吐き捨ても同じ扱い。横断禁止場所での道路横断も最高1,000SGDの罰金または3か月の禁固。日本では注意で済む行為が、ここでは数十万円の出費になります。

夜の路上飲酒は犯罪 — 22:30から翌7:00まで全面禁止

2016年4月から施行された酒類規制法(Liquor Control Act)で、午後10時30分〜翌朝7時の公共の場での飲酒が全面禁止です。駅、道路、歩道、公園、広場、全部ダメ。

違反内容罰則
初回最高1,000 SGDの罰金
再犯最高2,000 SGD+最長3か月の禁固
飲酒+迷惑行為最長6か月の禁固

通常、これに伴い公共の場で大声を出したり、通行人とトラブルになり、暴行を加えたなど他の犯罪行為も併発することがあり、罰金のみでは済まない事態に陥るケースが散見されています。 在シンガポール大使館(2024年下半期)

つまり「深夜にコンビニでビール買って公園で飲む」という日本では普通の行動が、シンガポールでは罰金+禁固の入口になる。ホテルの部屋か、許可を受けたレストラン・バーで飲みましょう。

MRT内の飲食・ドリアン・喫煙 — 公共交通の禁止事項

MRT(地下鉄)内での飲食は罰金対象。水を飲むのもダメです。禁煙区域での喫煙もアウト。レストランで違反すると客と店の双方が処罰対象になります。

安全の手引きには「水洗トイレの水を流さないこと」「蚊の発生を防止しないこと」まで罰金対象として載っています。日本では想像しないようなものまで規制されていると思っておいてください。

ガム・電子タバコ・ポルノ — 持ち込んだ時点でアウト

シンガポールの持込み禁止品リストは独特です。外務省によると以下が輸入禁止。

  • 麻薬
  • 電子タバコ(2025年9月の厳罰化以降、取締り強化中)
  • ポルノ雑誌・ポルノフィルム
  • チューインガム
  • 鉄砲(空の薬きょうを含む)、武器、刀剣類
  • 海賊版CD

電子タバコはアイコスや加熱式タバコも含みます。日本で普通に使っている人が、うっかりカバンに入れたままチャンギ空港に着いた、というパターンが一番危ない。

たばこも要注意。シンガポールは数量にかかわらず全て課税対象で、1本でも持ち込む場合は税関の「レッド・チャンネル」で申告が必要。申告しなかったために多額の罰金を取られたケースが「多発しています」と外務省に書かれています。

Travel Alert 03

無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も

詳しくみる →

痴漢・盗撮で実刑+鞭打ち — 性犯罪は初犯でも容赦なし

シンガポールでは「Outrage of Modesty(わいせつ行為)」の取り締まりが非常に厳しい。外務省は「すべてのわいせつ行為は犯罪として警察に通報され、逮捕」と書いています。機内、空港、飲食店で女性の体に触れたことで逮捕されたケースも報告されている。

当地では、痴漢や盗撮を含む性犯罪に対する刑罰が非常に重く、パスポートを取り上げられ、拘束されたうえで刑事裁判となり、実刑を受ける可能性があります。性犯罪については初犯であっても実刑に処されることがあります。また、性犯罪は懲役、罰金のほかにむち打ち刑の対象で外国人であってもむち打ち刑に処される可能性があります。 在シンガポール大使館(2024年下半期)

日本では「痴漢で逮捕=示談で済む」というイメージを持っている人もいるかもしれないけど、シンガポールでは懲役+鞭打ち。しかも外国人にも適用される。満員電車で手が当たった、みたいな状況でも疑われたらアウトなので、混雑時は両手の位置に意識を向けておこう。

7歳から刑事罰、16歳で大人扱い — 子連れ旅行者は要注意

家族旅行でシンガポールに来る人は、子供の年齢による法的扱いを知っておくべきです。

シンガポールでは、法律上「少年」または「未成年」として様々な配慮や保護を受けることができる年齢は15歳までで、16歳以上の年齢に達すると、罪を犯せばほぼ大人と同様に扱われ、犯した罪によっては、新聞に実名や顔写真を公表され、監獄への収監やむち打ちの刑に処せられる場合もあります。また、7歳以上の子供も刑事罰の対象となります。 在シンガポール大使館「安全の手引き」

中高生の万引きでも「店側に発見され警察に通報されれば確実に逮捕されます」と明記されています。日本の少年法とは保護の厚みがまったく違うので、子供にも事前に伝えておこう。

飲酒運転 — 初回で最低1年間の運転禁止+罰金

レンタカーを借りる人向け。シンガポールの飲酒運転の罰則レンジはこう。

回数罰則
初回禁固6か月以下 or 罰金1,000〜5,000 SGD+最低1年運転禁止
2回目禁固1年以下+罰金3,000〜10,000 SGD
3回目禁固3年+最大30,000 SGD

事故を起こした場合はさらに罰則が重くなり、被害者への慰謝料で莫大な借金を背負う恐れもあります。シンガポールはタクシーやGrabが安いので、運転しないのが一番の安全策。

Travel Alert 04

知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?

詳しくみる →

万引き・路上ライブ — 日本の感覚で「軽い」と思うと危険

万引きは「屋内窃盗」として重い罪に分類されていて、「物価が高いことから、旅行者などが軽はずみに万引きをしてしまい、起訴されてしまうというケースが散見されます」と大使館が書いています。最終的に懲役刑もあり得る。

路上ライブや大道芸も無許可なら逮捕対象。「路上等で楽器演奏やパフォーマンスを行い、寄付を求める行為は当局の許可が必要であり、無許可で行うと逮捕されることがあります」と外務省に明記されています。

医薬品の持ち込みは、処方箋(英訳)を携行するのが推奨。持ち込み禁止リストが広いこの国では、常備薬でもトラブルの元になり得ます。処方薬の持ち込みルールも合わせて確認を。

銃器使用の犯罪は死刑

薬物以外で死刑が適用されるもう一つの領域が銃器。「強盗等の一定の犯罪でけん銃を発砲した場合は原則として死刑が適用されます」と安全の手引きに書かれています。この厳しさのおかげで、シンガポールで銃器を使った犯罪はほとんど発生していません。

トラブルに巻き込まれたら

シンガポールで法律に引っかかった場合、日本の感覚で「弁護士を呼べば何とかなる」とは限りません。まずやるべきこと。

  1. 在シンガポール日本国大使館に連絡(電話: 6235-8855)
  2. 警察: 999 / 救急: 995
  3. 薬物の場合は弁護士がついても有罪推定を覆すのは極めて困難。とにかく「薬物には触れない」「知らない人の荷物は絶対に預からない」が最大の予防策

シンガポールの治安全体像はシンガポールの治安と安全情報、都市別のトラブル事例はシンガポール市のトラブルもあわせて確認してください。渡航前に海外旅行保険の加入も忘れずに。

Travel Alert 05

空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?

詳しくみる →

出典

よくある質問

シンガポールでガムを持っていたら本当に罰金になるの?

チューインガムは「輸入が禁止」と外務省の安全対策基礎データに明記されています。持込み禁止品リストに麻薬・電子タバコ・ポルノと並んで載っている扱い。個人で噛む用に1パック入れていた程度でも、入国審査で見つかれば没収+罰金の対象になり得ます。

シンガポールで夜にコンビニでビールを買って外で飲んだらどうなる?

22時30分〜翌朝7時の公共の場での飲酒は法律(酒類規制法)で禁止。違反すると初回で最高1,000SGDの罰金、再犯は最高2,000SGD+最長3か月の禁固刑。在シンガポール大使館は「罰金のみでは済まない事態に陥るケースが散見」と警告しています。ホテルの部屋か許可を受けた飲食店で飲みましょう。

痴漢で鞭打ち刑って本当?外国人にも適用される?

本当です。在シンガポール大使館は「性犯罪は懲役、罰金のほかにむち打ち刑の対象で外国人であってもむち打ち刑に処される可能性があります」と明記。初犯でも実刑に処されることがあり、パスポートは取り上げられ、拘束されたうえで刑事裁判になります。

子供(中高生)が万引きしても逮捕されるの?

されます。在シンガポール大使館の安全の手引きによると、シンガポールでは7歳以上が刑事罰の対象、16歳以上はほぼ大人と同様に扱われます。「中学、高校の年齢の少年が万引きをした場合でも、店側に発見され警察に通報されれば確実に逮捕されます」と明記されています。

シンガポールの麻薬で死刑って実際に執行されてるの?

執行されています。在シンガポール大使館の安全の手引きには、2004年にチャンギ空港でヘロインを所持し死刑判決が確定したナイジェリア人について、ナイジェリア大統領の減刑要請を公表したうえで「減刑には応じない」と発表し、同日死刑を執行した事例が記録されています。外交ルートでも減刑されません。

出典・参考