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サウジアラビアの治安 飲酒禁止・薬物死刑・撮影で拘束【2026】

サウジアラビアの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在サウジアラビア日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.26 KAIGAI-RISK

サウジアラビアは2019年に観光ビザを解禁したばかりの、日本人にとっては「新しい旅行先」。砂漠ツアー、紅海のビーチリゾート、2030年万博に向けた開発ラッシュなど魅力は多いけれど、法律は世界でもトップクラスに厳しい

同じ中東でもUAEは飲酒を許可制で認めているのに対し、サウジは外国人を含めて飲酒が全面禁止。ノンアルコールビール以外は持込みすらできない。薬物密輸の最高刑は死刑。処方薬でも書類不備で拘束される。写真を撮っただけで逮捕された日本人の事例もある。「知らなかった」が通用しない国だから、出発前にこのページだけは目を通しておこう。観光客でも踏み抜きやすい禁忌の全体像は致命的禁忌マップにまとめている。

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危険レベル

外務省はサウジアラビアに以下の危険情報を出しています。

  • 大部分の地域: レベル1(十分注意してください)
  • イエメン国境付近: レベル3(渡航は止めてください) --- ホーシー派による攻撃が過去に頻発
  • 一部国境地域: レベル4(退避してください)

観光で行くリヤドやジッダはレベル1です。ただし「レベル1 = 安全」ではなく、テロ・犯罪・法律違反による拘束のリスクがあることを意味してる。同じ湾岸でもカタールオマーンクウェートは2026年2-3月以降レベル3、イスラエルは全土レベル3-4で空襲サイレンが日常になっており、地域全体の情勢は流動的。

犯罪の全体像 --- 治安は「良好」だが油断禁物

イスラム法(シャリーア)では窃盗に手首切断、殺人に斬首刑という極めて重い刑罰が定められていて、その抑止効果もあって「一般的な治安に関しては欧米諸国に比べて良好」と大使館の手引きに書かれている。実際、街中で暴力犯罪に巻き込まれるリスクは比較的低い。

でも犯罪がないわけではない。サウジ内務省が発表した主な犯罪は窃盗・強盗・侵入・殺人・暴行。さらに酒類密造、薬物犯罪、道徳的犯罪も発生しています。日本人が遭った被害は空港での置引き、市街地での車上狙い・自動車盗、ひったくり、タクシー詐欺。最近は「液体で服を汚され、気を取られている間にバッグから財布を盗む」古典的な手口も報告されている。

増えている「なりすまし詐欺」

銀行職員や政府関係者を名乗る電話で「口座が凍結される」と告げ、暗証番号や口座番号を聞き出して預金を抜く手口が増加中。SMSで実在する銀行のロゴやフォームを使って個人情報を入力させるパターンもある。内務省や病院に扮した電話も横行してるので、少しでも怪しいと思ったら即切って直接問い合わせること。

犯罪が多発するエリア

外務省が名指ししているのは、リヤドのディラ地区・バトハ地区・ナシーム地区・スウェイディ地区ジッダの旧市街地・南部エリア。週末に人が集まるエリアや貧困層が多い地域で犯罪が多い傾向。

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絶対に知っておくべき法律とマナー

サウジでは「日本や他の国では問題ないことでも禁止行為とされ、外国人も例外なく厳罰に処せられる」と外務省が明記している。ここが最重要セクション。

飲酒は全面禁止

アルコール飲料の摂取・売買・所持・持込みのすべてが禁止。第三国の免税店で買った酒も持ち込めない。公共の場での飲酒は厳禁で、これはホテルの部屋でも変わらない。UAEのように「ホテル内なら飲める」というルールはサウジには存在しない。トルコ経由で来る人も、トルコより一段階厳しいと覚えておこう。

薬物は死刑

覚醒剤・麻薬類の使用・所持が明らかになれば厳罰。麻薬密輸罪の最高刑は死刑。他人の荷物を預かるな、自分の荷物から目を離すな。知らないうちに薬物を仕込まれて運び屋にされる可能性がある。処方薬も要注意で、向精神薬や医療用麻薬は英文の処方箋と診断書を携行し、入国時に申請が必要。詳しくは ジッダの薬物トラブル を参照。

写真撮影で拘束される

王宮、政府施設、軍事施設、空港、石油関連施設、港湾施設は撮影禁止。だが禁止区域であることが必ずしも明示されていない。過去に日本人が石油施設を撮影して身柄を拘束された事案がある。さらに、現地の女性を撮影した場合、本人が承諾していても家族からの訴えで拘束されることがある。迷ったら撮らない、が鉄則。

ラマダン中の飲食

ラマダン期間中は夜明けから日没まで、公共の場での飲食・喫煙が禁止。非ムスリムの外国人であっても、公共の場で違反すれば処罰の対象になる。日中はほとんどのレストランや商店が閉店する。

メッカは非ムスリム立入禁止

イスラムの聖地マッカ(メッカ)のイスラム地区に、ムスリムでない人が入ることは違法。処罰の対象になる可能性がある。

服装のルール --- アバヤ義務は緩和、でも肌露出はNG

2019年の観光ビザ解禁と同時に、外国人女性のアバヤ着用は原則不要になった。ただしサウジ内務省は「公共の場所では肩と膝を露出しない適切な服装」を規定している。男性も同様に適切な服装が求められる。総領事館の手引きでは「女性一人で外出する場合などには、必要に応じてアバヤを着用することは奨励されます」とある。

その他の禁止事項

  • 豚肉の持込み禁止(豚成分を含む食品・革製品も対象)
  • ポルノ類の所持禁止(一般雑誌の水着写真でもX線検査で引っかかる)
  • 偶像の持込み禁止
  • イスラム教以外の宗教活動の禁止(聖書を配布した外国人が逮捕された例あり)
  • SNSでの王政・宗教批判が取り締まりの対象
  • デモ・行進・座り込みは2011年から全面禁止
  • 公共の場でのわいせつ行為・買売春は厳禁

テロ・誘拐情勢

2024年中にテロは発生していないものの、2023年6月には在ジッダ米国総領事館近くで銃撃事件が起きて警備員1名が死亡。ジッダでは「概ね1年に1回程度の割合でテロ事件が発生」と総領事館の手引きにある。アル・カーイダ系組織やISIL系の脅威は潜在的に続いている。

日本人・日本権益に対する具体的脅威は確認されていないが、ショッピングモール・観光施設・宗教関連施設など不特定多数が集まる場所は常にリスクがあることを念頭に。

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交通事情 --- 「マナーが悪い」のレベルが違う

サウジの交通事故死亡者は2021年で6,651人(政府統計)。信号無視、急な車線変更、あおり運転、速度超過、スマホ運転は日常茶飯事。大使館の手引きでは「交通教育が十分に徹底されていない」ことが高い事故率の要因とされている。

2025年1月にリヤドで地下鉄全6路線が開通したが、サウジの公共交通はまだ発展途上。移動はタクシーか配車アプリ(Uber、Bolt、Karim)が現実的。レンタカーを使うなら、防衛運転を徹底して。交通違反の罰金はイカーマ番号に紐付き、未払いだと出国できなくなる。

医療費の実態

サウジの公的病院は救急以外で外国人の診療をしない。旅行者は私立病院に行くことになるが、前払い制でキャッシュレスサービスは普及していない。外務省は「医療費は非常に高額となる可能性がありますので、十分な補償内容の海外旅行保険に加入することを強くおすすめします」と明記。

救急車(997)は呼べるが、道路事情で1時間以上待たされることもある。配車アプリのほうが早い場合も。サウジ固有の保険金支払い高額事例は保険会社データに見当たらないが、交通事故でICUに入れば桁が跳ね上がる。保険の詳細は 中東旅行の保険ガイド へ。

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主な犯罪・トラブル

都市別の具体的な手口と対策は各トラブル記事にまとめています。

リヤド

ジッダ

通信手段

サウジはWi-Fi環境がホテル以外では限られる。配車アプリも病院検索もネットが必要なので、eSIMを出発前に準備しておくのがおすすめ。eSIM比較はこちら

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緊急時の連絡先

連絡先電話番号
内務省統合治安オペレーションセンター(英語対応可)911
警察999
消防998
救急997
高速道路警察996
交通事故993
在サウジアラビア日本国大使館011-488-1100(国外 +966-11-488-1100)
在ジッダ日本国総領事館012-667-0676(国外 +966-12-667-0676)

主要都市の治安情報

出典