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インドネシアの治安 薬物死刑・密造酒死亡・詐欺横行【2026】

インドネシアの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在インドネシア日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.12 KAIGAI-RISK

バリ島のビーチ、ボロブドゥール遺跡、ナシゴレン――インドネシアは何度でも行きたくなる国です。でも「バリは安全でしょ」というイメージだけで渡航すると、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。2015年にはジャカルタ市内のアパートで金品目的の警備員に在留邦人が殺害される事件が起きていますし、密造酒が原因と見られる日本人の死亡事案も発生しています。

このページでは、インドネシア旅行の前に押さえておきたいことを治安→法律・マナー→トラブル→医療費の順でまとめます。国民の約90%がイスラム教徒という点を知らずに行くとマナー違反をやらかしがちなので、特にそこは目を通してください。

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インドネシアの治安の全体像

危険レベル

2025年3月時点で、外務省はインドネシアに対して以下の危険情報を出しています。

  • 中部パプア州・山岳パプア州 — レベル2(不要不急の渡航は止めてください)
  • 上記を除く全ての地域 — レベル1(十分注意してください)

パプア地域では武装勢力による外国人パイロット拉致(2023年)や射殺事件(2024年)が起きており、一般の旅行者が近づくエリアではありません。バリやジャカルタを含む主要観光地はレベル1ですが、「十分注意」がついている点は忘れずに。

犯罪統計

インドネシア中央統計局(BPS)によると、2023年中に警察に届けられた犯罪総数は584,991件。内訳は窃盗133,396件、傷害51,106件、詐欺48,609件、薬物39,496件、強盗6,573件、殺人1,129件です。

しかも犯罪被害者の4人に1人しか警察に届け出ていないという調査結果があり、実際の被害件数はこの数字よりかなり多いと考えられています。国別の治安ランキングを比較したい場合は治安ランキング6種まとめも参考に。

マナー・法律・NG行動

1. 違法薬物(死刑もある)

覚醒剤・大麻・MDMA・ヘロイン・コカインなど違法薬物の所持・売買・使用は厳しく取り締まられていて、外国人にも死刑や禁固刑が科されます。観光客が集まる繁華街やナイトクラブで薬物を売りつけてくる人間がいますが、絶対に手を出さないでください。

警察が摘発のために踏み込むと、その場にいる全員が逮捕されることもあります。麻薬取引が行われそうな場所には近づかないのが鉄則です。「荷物を届けてほしい」と頼まれて運び屋にされるケースもあるので、他人の荷物は預からないこと。インドネシアの薬物+マッチングアプリ恐喝の組み合わせは 日本人が逮捕されやすい海外の法律10選 でもピックアップしています。

2. イスラム教の文化とマナー

国民の約90%がイスラム教徒です。多くのインドネシア人は豚肉やアルコール類を口にしません。断食月(ラマダン)中はナイトスポット等の営業時間が制限されます。

左手は不浄とされているので、物の受け渡しに左手を使うのは避けてください。

特にアチェ州はイスラム法(シャリーア)が適用される地域で、外国人でも身体を露出する服装や飲酒が罰則対象になる場合があります。

3. 人前で怒らない

インドネシアでは相手を人前で叱ったり軽蔑するような態度をとると、日本では考えられないほど強い恨みを買います。報復に発展した事例もあるので、現地の人とのやり取りでは感情的にならないこと。

4. 写真撮影・ドローン

港湾施設、空港・入国審査窓口付近、すべての軍事施設は撮影禁止です。ドローンは運輸省等の許可が必要で、無許可で飛ばすと処罰される場合があります。

5. 密造酒(邦人死亡事案あり)

ジャカルタ首都圏で、非正規のアルコール飲料(密造酒)を飲んだことが原因と見られる在留邦人の死亡事案が報告されています。銘柄のわからない酒、手作りの酒は絶対に飲まないでください。

6. 運転免許(国際免許証は無効)

日本で発行された国際運転免許証はインドネシアでは無効です。インドネシアはウィーン条約の締約国であり、日本が加盟するジュネーブ条約とは異なるためです。バイクや車をレンタルして気軽に乗り回す旅行者がいますが、法的には無免許運転になります。

7. ビザとオーバーステイ

日本国籍者は到着時に訪問ビザ(VOA)を取得でき、30日間有効(1回のみ30日延長可)。オーバーステイすると1日あたり100万ルピアの罰金、60日を超えると国外退去処分です。

8. 持込み・持出し禁止品

麻薬、武器、ポルノ関係は持込み禁止。珊瑚やべっ甲製品、ヘビ・カメなどの爬虫類を無申告で持ち出そうとして身柄拘束された事例もあります。1億ルピア相当額以上の通貨の持込み・持出しは税関への申告が必要です。

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主な犯罪・トラブル

外務省および在外公館の情報によると、インドネシアでの犯罪被害の大半はスリ・置引き・ひったくり・車上狙い等の窃盗です。

スリ・ひったくり

繁華街、ショッピングモール、MRT・バス等の公共交通機関で多発。オートバイに乗った二人組が歩行者の背後から追い越しざまにスマホやショルダーバッグをひったくる被害が増えています。

TESTIMONY · 旅行者A

夜に歩いて帰る途中、突然バイクの二人組に横からバッグを引っ張られました。抵抗したら引きずられそうになって怖かったです。結局バッグごと持っていかれました。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在インドネシア日本国大使館 安全の手引き

強盗に遭った場合、相手は凶器を持っている可能性が高いです。抵抗せず、身の安全を最優先にしてください。

各都市のスリ・ひったくり事情は都市別ページで詳しくまとめています。

タクシー・交通トラブル

空港から乗ったタクシーに法外な料金を要求される被害が報告されています。比較的安全とされるブルーバード・タクシーやシルバーバード・タクシーに色や名称を似せた偽タクシーも存在するので注意。深夜に流しのタクシーを利用するのは非常に危険です。

対策としては、GrabやGojek等の配車アプリを使い、乗車時にアプリ上の車両ナンバーと運転手を確認するのが基本です。

詐欺・ぼったくり

バリで特に多い手口が「お金見せて詐欺」。見知らぬ外国人から「日本のお金を見たい」「ルピアを見せてほしい」と声をかけられ、財布を出した瞬間に現金を抜き取られます。

TESTIMONY · 旅行者B

バリの観光地で「ドバイから来た、日本のお金を見てみたい」と話しかけられて、何も考えず財布を見せたらお札を何枚か抜かれていました。あとから気づいてもどうにもならなかったです。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 安全対策基礎データ(インドネシア)

そのほか、インスタグラム等SNSを通じた格安チケット詐欺、警察官を名乗る人物からのパスポート提示要求→罰金詐欺、銀行員になりすました電話詐欺なども増えています。路上で外国人の身分を確認すること自体はありますが、その場で罰金を徴収されることは基本的にないと警察当局が明言しています。

睡眠薬強盗・美人局

知り合った女性とバーで飲んだ後、女性が残した所持品から麻薬が「発見」されて、警察を名乗る男たちに囲まれる――いわゆる美人局の被害が報告されています。逮捕を避けるための示談金として数百万円相当を要求されるケースがあり、本物の警察官が関与していることもあります。

出会い系サイトやネット上で知り合った相手とのトラブルから、家庭崩壊や退職、全財産喪失に至った事例も起きています。

薬物トラブル

マナー・法律セクションでも触れましたが、インドネシアの薬物規制は世界でもトップクラスに厳しいです。空港で薬物を持ち込もうとした外国人が逮捕された事例、市内で購入後に見回り中の警察官に現行犯逮捕された事例が報告されています。

テロ・誘拐情勢

インドネシアでは2002年のバリ島爆弾テロ(邦人犠牲者あり)以降、複数のテロ事件が発生しています。

  • 2009年7月 ジャカルタホテル同時爆弾テロ
  • 2016年1月 ジャカルタ・タムリン通り爆弾・銃撃テロ(外国人も標的)
  • 2017年5月 東ジャカルタ・バスターミナル自爆テロ
  • 2018年5月 スラバヤ教会3か所での連続自爆テロ
  • 2021年3月 マカッサル教会自爆テロ
  • 2022年12月 バンドン警察施設自爆テロ

2023年以降はテロ事件の発生はありませんが、ISILの思想に感化されたローンウルフ型のテロ計画が毎年複数摘発されています。2015年にはISIL機関誌でインドネシア所在の日本の外交施設が標的として例示されたこともあり、油断できない状況です。

誘拐については、2023年206件、2024年162件、2025年1〜11月中旬で221件と推移しています。ただし外国人旅行者を標的にした事件は報告されていません。パプア地域の武装勢力による外国人拉致は別カテゴリの問題です。

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医療費の実態

医療水準

ジャカルタ首都圏でも医師や看護師などの熟練した医療従事者は不足しており、日本と同水準の医療サービスは期待できません。都市部の慢性的な交通渋滞により、急病時に病院到着まで数時間かかることもあります。

私立病院は比較的利用しやすいですが、受診時に数千米ドル以上の保証金を要求されることがあります。

注意すべき感染症

  • デング熱 — 年間約10万人の患者が発生。蚊を媒介するので、DEET30等の高濃度虫よけを使ってください
  • 狂犬病 — バリ島をはじめ多くの地域で発生。犬だけでなくサル・猫・コウモリからも感染し、発症するとほぼ確実に死亡します
  • マラリア — パプア州・西カリマンタン州等で流行
  • 結核 — 高蔓延国で、一部では多剤耐性結核菌も検出

飲食店の氷にも注意が必要で、信頼できる店以外では「氷なし」で注文するのが安全です。

高額医療事故の事例

過去に実際に支払われた保険金の事例です。

事故内容保険金額
バリ島でワゴン車横転、骨折・外傷多数、プライベートジェットでシンガポールへ緊急移送(26歳女性)689万円
脳梗塞発症、ICU入院・緊急手術、医療搬送機で帰国約2,700万円(治療費750万+搬送費1,950万)
ホテルプールで溺死3,032万円

海外旅行保険に加入していなかったために、治療や緊急移送で多額の出費を余儀なくされたケースが少なくないと外務省も注意喚起しています。

海外旅行保険の備え

インドネシアでは重症時にシンガポールや日本への医療搬送が必要になるケースがあり、搬送費用だけで1,000万円を超えることもあります。スリやひったくりの被害も、海外旅行保険の携行品損害でカバーできる可能性があります。

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通信手段の確保

緊急時に大使館や保険会社に連絡が取れるよう、現地で使える通信手段を出発前に用意しておいてください。インドネシアの救急番号(119)はインドネシア語対応なので、自分のスマホで日本語対応の保険会社ヘルプデスクに電話できる状態にしておくのが安心です。

出発前にスマホ上で開通できるeSIMが手間が少なく、空港到着後すぐに使えます。各社の料金・速度の比較は海外eSIM比較ガイドを参考にしてください。

eSIMで自前の回線があっても、ホテルやカフェのフリーWi-Fiを使う場面は出てきます。インドネシアの公共Wi-Fiはセキュリティが甘いことが多いので、VPNを常時ONにしておくのがおすすめです。選び方は海外VPN比較にまとめています。

都市別の治安情報

ジャカルタ

首都ジャカルタはインドネシアの政治・経済の中心地で、日本企業の拠点も多いエリアです。犯罪の種類が幅広く、ひったくり・スリ・置き引きに加えて、パンク強盗(道路に釘をまいてタイヤをパンクさせ、修理中に車内から荷物を盗む)やスキミング被害も報告されています。

夜間の徒歩移動は特に危険で、ジャカルタ中心部のタムリン通りでは白昼に強盗被害が発生したこともあります。2016年にはタムリン通りで爆弾・銃撃テロも起きており、繁華街でも油断はできません。

ジャカルタの詳しい治安情報はジャカルタの都市ページでまとめています。

バリ

日本人観光客に一番人気のバリ島ですが、「お金見せて詐欺」が多発しているほか、狂犬病のリスクもあります。野犬やサルに噛まれたら、すぐに医療機関で暴露後ワクチンを接種してください。

海のアクティビティも要注意。一部海域では潮の流れが速く、経験を積んだサーファーやダイバーでも危険なことがあります。過去には日本人を含む外国人旅行者が犠牲になる水難事故も発生しています。2002年と2005年には爆弾テロで邦人犠牲者も出ています。

バリの詳しい治安情報はバリの都市ページでまとめています。

ジョグジャカルタ

ボロブドゥール遺跡やプランバナン寺院への拠点となる古都です。バリやジャカルタと比べると犯罪の報告は少なく、狂犬病もジョグジャカルタ特別州では感染例が確認されていない数少ない地域のひとつです。

ただしインドネシア全土がレベル1(十分注意)であることに変わりはなく、基本的な防犯対策は必要です。

ジョグジャカルタの詳しい治安情報はジョグジャカルタの都市ページでまとめています。

スラバヤ

東ジャワ州の州都で、インドネシア第二の都市です。2018年5月にキリスト教会3か所を標的にした連続自爆テロが発生した街でもあります。近年は国際ロマンス詐欺や違法薬物に関する注意喚起が在スラバヤ総領事館から出されています。

スラバヤの詳しい治安情報はスラバヤの都市ページでまとめています。

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緊急時の連絡先

在インドネシア日本国大使館「安全の手引き」に基づきます。

緊急通報(全国共通)

  • 緊急時全般:112
  • 警察:110
  • 消防:113
  • 救急車:119

インドネシア語の緊急用語: TOLONG!(助けて)、MALING!(どろぼう)

在外公館

在インドネシア日本国大使館(ジャカルタ)

  • 電話:+62-(0)21-3192-4308

在デンパサール日本国総領事館(バリ)

  • 電話:(0361) 227-628

在スラバヤ日本国総領事館

  • 電話:(031) 503-0008

在メダン日本国総領事館

  • 電話:(061) 4575-193

各公館が公開している「安全の手引き」には犯罪事例や緊急時の対処法が詳しくまとめられているので、出発前に目を通しておくと現地での判断が早くなります。

主要都市の治安情報

出典