インドネシアの首都ジャカルタは、日本企業の駐在拠点も多く、ビジネスや乗り継ぎで立ち寄る人も多い都市です。観光メインというよりは「東南アジアの大都市を体感する」タイプの旅先ですが、治安面では注意すべきポイントがバリとはだいぶ違います。
2015年にはジャカルタ市内のアパートで金品目的の警備員に在留邦人が殺害される事件が起きていますし、密造酒による日本人の死亡事案もジャカルタ首都圏で発生しています。「首都だから安全」とは思わないでください。
このページでは、ジャカルタ固有の治安リスクと危険エリアをまとめます。インドネシア全体の法律・マナー(薬物の厳罰、イスラム文化、左手タブーなど)はインドネシアの国ページに書いてあるので、まだ読んでいない人は先にそちらを確認してください。
Travel Alert 01
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ジャカルタの治安の全体像
外務省の危険レベルはジャカルタを含むインドネシアの大半の地域がレベル1(十分注意してください)です。
在インドネシア日本国大使館の「安全の手引き」では、ジャカルタで起きている主な犯罪としてひったくり・スリ・置き引き・強盗・詐欺・美人局・スキミング・パンク強盗・タクシー強盗・空き巣が挙げられています。犯罪の種類がかなり幅広いのがジャカルタの特徴です。
夜間の徒歩移動は特に危険で、帰宅中の邦人が強盗に遭う被害が発生しています。しかもジャカルタ中心部のタムリン通りでは白昼に強盗被害が報告されたこともあり、時間帯を問わず油断できません。
Travel Alert 02
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ジャカルタで多いトラブルと手口
バイク2人組のひったくり
オートバイに乗った二人組が歩行者の背後から近寄り、追い越しざまにスマートフォンやショルダーバッグをひったくる手口が増えています。在インドネシア日本国大使館も「オートバイによるひったくり事案の増加」として注意喚起を出しています。
夜に歩いて帰る途中、突然バイクの二人組に横からバッグを引っ張られました。抵抗したら引きずられそうになって、結局バッグごと持っていかれました。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在インドネシア日本国大使館 安全の手引き)
強盗に遭った場合、相手は凶器を持っている可能性が高いので絶対に抵抗しないこと。身の安全が最優先です。スリ・置き引き・パンク強盗・ATMスキミングを含む窃盗全般の手口と対策はジャカルタのスリ・ひったくり対策で詳しくまとめています。
パンク強盗
道路上に釘をまいてタイヤをパンクさせ、停車してタイヤを修理している間に車のドアを開けて車内のバッグ等を持ち去る手口です。ジャカルタ特有の犯罪パターンで、車移動が中心の都市ならではのリスクといえます。
パンクしたら車外に出る前にドアをロックし、貴重品を車内に放置しないのが基本です。
ATMスキミング
空港やショッピングモール等のATMにカード情報を読み取る装置を取り付け、周辺に小型カメラを設置して暗証番号を盗撮する手口が報告されています。知らない間に銀行口座の預金が引き出される被害が発生しています。
ATMを使うときはカード挿入口に不審な装置がないか確認し、暗証番号入力時は手で隠すのが鉄則です。
偽警察官・偽入管職員による金銭要求
深夜や早朝にタクシーで移動中、警察官や入管職員を名乗る者からパスポートの提示を求められ、応じられないと法外な金銭を要求されるケースがあります。
インドネシア警察当局によると、路上で外国人の身分を確認すること自体はあり得ますが、その場で罰金を徴収するケースは基本的にないとのこと。怪しいと感じたら「大使館に連絡する」と伝えてください。SNS詐欺・振り込め詐欺・電子税関偽サイトなど詐欺手口の詳細はジャカルタの詐欺・ぼったくり手口にまとめています。
美人局(マッチングアプリ経由)
知り合った女性とバーで飲んだ後、女性が残した所持品から麻薬が「発見」されて、警察を名乗る男たちに囲まれるパターンです。逮捕を避けるための示談金として数百万円相当を要求されます。本物の警察官が関与しているケースもあり、最悪の場合は禁固刑に発展することもあります。
出会い系で知り合った女性と飲みに行った帰りに、いきなり「薬物捜査中」という男たちに囲まれました。女性のバッグから薬物が出てきて、自分も共犯だと言われて示談金を要求されました。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在インドネシア日本国大使館 安全の手引き)
このトラブルが原因で家庭崩壊や退職、全財産喪失に至った事例も起きています。ネットで知り合った相手との接触には細心の注意を。手口の詳細はジャカルタの美人局・睡眠薬強盗にまとめています。
密造酒による死亡事案
ジャカルタ首都圏で、非正規のアルコール飲料(密造酒)を飲んだことが原因と見られる在留邦人の死亡事案が報告されています。銘柄のわからない酒、手作りの酒は絶対に飲まないでください。
ジャカルタで警戒すべきエリア
- タムリン通り周辺 — ジャカルタの目抜き通りだが、白昼の強盗被害が報告されている。2016年には爆弾・銃撃テロも発生した場所
- 繁華街・デパート周辺 — スリ・置き引きの多発エリア。混雑した場所ではポケットやバッグから貴重品を盗まれる
- トランスジャカルタ等の公共交通機関 — 市内バスや電車の車内・駅構内でスリが発生
- 夜間の路上全般 — 徒歩での帰宅中に強盗に遭う被害が複数報告されている
Travel Alert 03
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過去のテロ事案
ジャカルタでは、過去に以下のテロ事件が発生しています。
- 2009年7月:ジャカルタホテル同時爆弾テロ
- 2016年1月:タムリン通り爆弾・銃撃テロ(外国人も標的とされた可能性)
- 2017年5月:東ジャカルタ・バスターミナル自爆テロ
2023年以降テロ事件の発生はありませんが、ISILの思想に感化されたローンウルフ型のテロ計画が毎年複数摘発されています。また、首都ジャカルタでは政治・宗教・労働問題等に起因する大小さまざまなデモ活動も発生しているので、人が集まっている場所には不用意に近づかないでください。
ジャカルタの医療事情
ジャカルタ首都圏でも医師や看護師などの熟練した医療従事者は不足しており、日本と同水準の医療サービスは期待できません。さらに都市部の慢性的な交通渋滞により、急病時に病院到着まで数時間かかることもあります。
私立病院は比較的利用しやすいですが、受診時に数千米ドル以上の保証金を要求されることがあります。脳梗塞の緊急搬送で約2,700万円の保険金が支払われた事例もあるので、海外旅行保険は必ず加入しておいてください。感染症・密造酒リスク・保険金事例の詳細はジャカルタの医療・健康リスクにまとめています。
ジャカルタ市内には日系の医療機関(共愛メディカルサービス、タケノコ診療所、SOSメディカクリニック、Jクリニック、Kizunaクリニックなど)があり、日本語での受診が可能です。
クレカ付帯保険とネット保険の組み合わせで補償額を確保する方法は東南アジア旅行の保険ガイドにまとめています。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
安全に過ごすための基本ルール
- 夜間の徒歩移動を避ける — 配車アプリ(Grab・Gojek)を使い、乗車時にアプリ上の車両ナンバーと運転手を確認する
- バッグは車道側に持たない — バイクひったくりの標的になる。スマホを歩きながら操作しない
- 流しのタクシーを使わない — ブルーバード・タクシーまたは配車アプリを利用。深夜の流しタクシーは特に危険。タクシーを巡るトラブルの詳細はジャカルタのタクシー・交通トラブルにまとめています
- ATMは銀行内の機器を使う — 空港やショッピングモールの外付けATMはスキミングリスクが高い
- 見知らぬ人の誘いに乗らない — 特にネットで知り合った相手との飲食は美人局の入口になりやすい
インドネシアの法律・マナー・NG行動(薬物は死刑、左手タブー、撮影禁止施設など)の詳細はインドネシアの治安・マナー・法律ページを確認してください。
配車アプリや保険会社への連絡には現地の通信が必要です。出発前にeSIMを開通させておくと空港到着直後から使えて安心です。料金・速度の比較は海外eSIM比較ガイドを参考にしてください。ジャカルタの公共Wi-Fiはセキュリティが甘いことが多いので、VPNを常時ONにする習慣もあわせて身につけておくと安全です。選び方は海外VPN比較にまとめています。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
緊急時の連絡先
- 緊急時全般:112
- 警察:110
- 消防:113
- 救急車:119
- 在インドネシア日本国大使館:+62-(0)21-3192-4308
- インドネシア語の緊急用語:TOLONG!(助けて)、MALING!(どろぼう)
この都市のトラブル別ガイド
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