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日本人が逮捕されやすい海外の法律10選|王室侮辱・反スパイ・電子タバコまで国別リスク

最終更新: 2026-04-17

「まさかこんなので逮捕されるなんて」—— 海外旅行で日本人が実際に引っかかるのは、犯罪っぽくない、日常動作みたいな行為だったりします。

たとえば、タイで国王ジョークをSNSに投稿。ドバイの空港の乗り継ぎ待ちでビールを飲みながら友人とふざけて抱き合う。シンガポールの入国検査でガム1枚がバッグの底から出てくる。中国の軍事施設の近くで地図アプリを開いて写真を撮る。これ、全部ソースで逮捕・拘束の対象として名指しされている行為です。

このページは外務省の安全対策基礎データと在外公館の注意喚起を一次ソースに、日本人観光客が踏み抜きやすい海外の法律を10本に絞って並べました。量刑の数字・条文番号・実際の検挙事例はすべて出典つきで引用しています。感覚で「たぶん大丈夫」と判断せず、出発前の3分で目を通してもらえると、帰国できる確率がだいぶ上がります。

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1. 薬物法(シンガポール・マレーシア・中国)── 死刑規定

まず最重量級から。東南〜東アジアの一部の国では、営利目的の密輸・密売に死刑規定が実在します。

シンガポールの外務省記述は怖いレベルで明快。

シンガポールでは、麻薬の所持、密売等につき厳しい取締りが行われています。一定量以上の所持、密売、密輸入等には死刑が科せられることもあり、また、微量の所持、密輸入でも重罪となります。特に麻薬類を所持していた場合、所持人自身が自らの潔白を証明できない限り有罪となります。

「自分の無実を自分で証明できないと有罪」という、日本の常識の逆。そして「いったん刑が確定した場合、外国政府や関係者等から減刑要請があっても、これを認めないとの方針を貫いています」と、外交ルートでも減刑なし。

マレーシアは在マレーシア日本国大使館の2025年5月の注意喚起で、

マレーシアでは、麻薬等薬物の規制は非常に厳しく、外国人も例外ではありません。危険薬物法(Dangerous Drugs Act 1952)によれば、麻薬等の危険薬物の違法売買は死刑であり、所持は最高で無期懲役の重刑が科せられます。

と明言。中国は在中国日本国大使館が「これまで日本人も多数検挙されており、うち8人に対して死刑が執行されています」と公表しています。

運び屋にされるパターン(SNS高額バイト、空港で仲良くなった人の荷物等)が外務省の広域情報でも名指しされていて、「知らなかった」は通じません。詳しい国別量刑は大麻・ドラッグ法的リスク国別マップにまとめたので、薬物はこちらを。

2. タイ 王室侮辱罪(刑法112条)── 3〜15年禁錮

タイの刑法には「国王、王妃、皇太子、摂政に対する罪」、いわゆる不敬罪があります。外務省の記述はこうです。

タイ国民の国王、王族に対する尊敬の念は深く、刑法上「国王、王妃、皇太子、摂政に対する罪」として刑罰(いわゆる不敬罪)が設けられており、例えば王室を侮辱した場合、3年以上15年以下の禁錮に処せられるおそれがあるほか、社会的にも厳しい批判を受けることにつながります。

「3年以上15年以下」。しかもタイの紙幣・硬貨には国王の肖像が印刷されていて、これを踏む・破る・落書きするのも侮辱扱いになり得ます。SNS投稿で冗談を書いたケースでも、タイ国外の発信者が後日入国時に拘束された事例が各国で報じられています。条文の射程・SNSルール・仏像/僧侶タブーまでまとめて押さえたい人はタイの不敬罪と王室・仏教タブーに分けてあります。

ついでに、タイにはもう一つ見落とされがちな地雷があります。電子タバコ

電子タバコ(加熱式タバコを含む)の持込み・所持・使用・販売は禁止されています。違反した場合、最高で10年の懲役または50万バーツの罰金が科されます。

10年。加熱式タバコ(アイコスなど)も同じ扱いです。バンコクの屋台で吸ってて通報された日本人の話は毎年出てきます。バッグの底に入れっぱなしでも「所持」でアウトなので、日本出発前に家に置いていってください。

仏像の国外持出しと、頭に触る(他人の子の頭をなでる)もタブーとして外務省が明記しているので、合わせて覚えておくと安全です。

3. 中国 反スパイ法(2023年改正)── 情報を持ってただけで「スパイ行為」

これは近年、最も警戒度が上がっている法律です。外務省:

中国は、2014年に「反スパイ法」(反間諜法)を制定し、2023年4月には「スパイ活動」への対策を強化する改訂を行う等、「国家安全」に危害を及ぼす行為への対策を強化しています。当局から関連法規に違反したとみなされると取調べや長期間の身体拘束を余儀なくされたり、重い刑罰を科されたりするおそれがあるので注意が必要です。

何が怖いかというと、「スパイ行為」の範囲が広くて予見不可能なところ。

幅広い行為が「スパイ行為」とされている上、「その他のスパイ活動」も「スパイ行為」の1つとして規定されているため、列挙されているもの以外にも様々な行動がスパイ行為とみなされる可能性があり、これらの法律の内容が当局によって不透明かつ予見不可能な形で解釈・運用される可能性もあります。

さらに2024年5月に改正施行された国家秘密保護法で、

国家秘密の定義や具体的な運用について不透明であるため、入手した情報の共有や発信が違法とみなされる可能性があります。

と続きます。刑法第110条で10年以上の懲役または無期懲役、第113条で危害が特別に重大な場合は死刑まで射程に入ります。

国家安全部が実例として公表しているのがこんなラインナップ:

  • 観光名目で自然保護区に複数回入り、昆虫サンプルを採取して国外に持ち出した
  • 軍用飛行場の施設・戦闘機の配置を違法に撮影してネット公開した
  • 出会い系アプリで知り合った女性に頼まれて、中国軍艦の停泊地や出港の様子を撮影した
  • GPSを使った測量、地質調査、生態調査、考古学調査等での地理情報の収集・所有

外務省は「(手書きのものを含む)地図を所持するだけで、その対象とみなされる可能性があります」とまで書いています。軍事禁区・軍事管理区の標識がある場所に近づかない、撮らない、スマホで地図アプリを開いた状態で歩き回らない、保護区で何かを拾わない。この4つだけで相当リスクが下がります。

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4. UAE 飲酒・不貞・同性愛・女装 ── 日本の常識が犯罪になる

ドバイやアブダビは観光地として開かれて見えますが、イスラム法の枠の中で動いている国だということを忘れると詰みます。外務省:

政治的結社、王族批判、債務不履行、婚姻関係にない男女の性的関係、同性愛関係、女装、無許可の募金活動、相手の承諾を得ない写真(動画)撮影等、日本では必ずしも犯罪とされていない行為がアラブ首長国連邦では犯罪として規定されています。

で、日本人観光客が一番引っかかるのが飲酒。

自宅、レストランやバー等の指定された場所以外での飲酒、酩酊は違法です。

ホテルのバー・レストランは合法だけど、路上・ビーチ・ホテル廊下ではNG。そして、

シャルジャ首長国では、外国人を含め、飲酒は禁止されています。

ドバイの隣、シャルジャは全面禁酒。ドバイ国際空港からタクシーでうっかりシャルジャに入ると、持ち込んだ酒も違法になります。

公共の場での抱擁やキスも、

外国人による駐車中の車内や公共の場所での抱擁やキス、相手を侮辱するしぐさ等の行為が摘発され、裁判で懲役などの実刑判決を受ける事案が発生しています

とあるように、実刑判決が出ています。UAE人女性にカメラを向けたり話しかけたりすると「身柄拘束、国外退去等の厳しい処分」と外務省が釘を刺してます。SNSでの政府批判・イスラム教冒涜も処罰対象。ラマダン期間は昼間の飲食・喫煙も人前では控える。ここは国の空気を読みに行く、というより「ルールを全部暗記してから降り立つ」感覚でちょうどいい国です。

5. シンガポール チューインガム輸入禁止・電子タバコ2025年9月厳罰化

シンガポールの国境で日本人観光客が今一番引っかかるのは電子タバコ。外務省の持込み禁止品リスト:

麻薬、電子タバコ、ポルノ雑誌、ポルノフィルム、鉄砲(空の薬きょうを含む)、武器、刀剣類の他、海賊版CD、チューインガムは輸入が禁止されているのでご注意ください。特に電子タバコについては、2025年9月の厳罰化以降、取締りが強化されておりますので十分ご注意ください。

「チューインガム」が麻薬と銃の隣に並んでるあたりがシンガポールらしい。そして2025年9月から電子タバコの厳罰化が始まって、以前以上に税関で見られるようになっています。

そのほか、日本人が普通にやらかすやつ:

  • ポイ捨て:「初回2,000ドル、2回目4,000ドル、3回目以降は10,000ドルの罰金」
  • 横断禁止場所での道路横断:最高1,000ドルの罰金または3か月の禁固
  • 公共の場での飲酒(22:30〜翌7:00):法律違反、再犯で最高3か月の禁固刑
  • わいせつ行為:「罰金、禁固刑に加えてむち打ち刑が言い渡される傾向にあります」

機内・空港・飲食店での「女性の体に触れた」での逮捕例も外務省は書いています。酔ったときや混雑で体が当たったときに他人に手を伸ばさない、それだけで安全です。

6. 米国 銃器・連邦法vs州法 大麻の罠

米国で意識しないといけないのは、連邦法と州法が別ということ。外務省:

米国では、出入国管理や査証の発給等は連邦政府が管轄していますが、日常生活に関わる様々な法律や制度は各州や郡・市などの地方政府、あるいは学校区が管轄しているため、州や地方政府によって各種法制度が異なります。

大麻はまさにこの罠。

米国ではヘロイン、LSD、大麻等の麻薬・覚醒剤は禁止されています。一方、医療用または嗜好用の大麻の使用等を合法化する州は近年増加傾向にあり、嗜好用大麻については、現在、24の州およびワシントンD.C.において成人による使用等が認められています(使用量の制限や使用後の運転禁止等の規制があります)。

連邦法では違法、州法で合法の州あり、というねじれ状態。しかも日本人に関係するのはここから:

ただし、日本の大麻取締法は、大麻をみだりに栽培、所持、譲受、譲渡した場合などに罰する規定があり、これらの行為は日本国外で行われても罪に問われる場合があります。そのため、嗜好用大麻の使用等が合法化されている州においても、大麻には決して手を出さないようにしてください。

日本の大麻取締法は国外犯処罰規定を持つので、カリフォルニアやコロラドで合法の大麻を吸っても、日本人が吸った時点で日本の罪に該当し得る。州境をまたいだら突然違法、という州もあるので、「合法らしいから」で手を出すとどこで何に引っかかるかわかりません。

銃も同じく州法管轄。「銃器を所有するためには登録やライセンスの取得が必要」で、ハンティングや射撃場の利用ルールも州ごとに違います。

そして忘れがちなのが子ども関連

小学校高学年までの子どもを車中に単独で残す行為も多くの州で違法行為とみなされ…身体的暴力や言葉による暴力だけでなく、子どもに服を着せない、または靴を履かせず外を歩かせる、適切な食事を与えない等の行為でも虐待・育児放棄(ネグレクト)として通報されることがあります。

日本で普通のお留守番が米国では児童虐待で通報される、というやつです。家族連れの出張・旅行は要注意です。

あと銃乱射事件は2019〜2023年の5年で229件・死者449人(FBI統計)。これは法律ではなくリスクですが、外務省の「Run, Hide, Fight(逃げる・隠れる・戦う)」方針を頭の隅に置いておく価値があります。

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7. インドネシア 違法薬物・マッチングアプリの罠

インドネシアはまず薬物。

インドネシアにおいて、覚醒剤、コカイン、アヘン、ヘロイン、大麻、合成麻薬(MDMA)などの違法薬物に係る規制は非常に厳しく、外国人も例外ではありません。麻薬関係の違反者は外国人であっても厳しく処罰され、場合によっては死刑あるいは禁固等の重刑が科されます。

ここまでは他の東南アジア諸国と同じ構造ですが、インドネシア(特にジャカルタ・バリ)で日本人が連続して引っかかっているのがマッチングアプリ・カラオケバー経由の罠です。外務省の事例はこれ:

知り合った女性と二人でいる際、女性が何らかの理由をつけて所持品を置いたままその場を離れ、一人で待っている邦人男性の前に麻薬捜査中の警察を名乗る男らが現れ、女性の残した所持品から麻薬を発見。邦人男性の所持品であるとして逮捕すると言い、逮捕を避けるための示談金として数百万円相当の支払いを要求された。

警察が偽物のこともあれば本物のこともある(女性と警察の共謀)、と外務省は書いています。麻薬絡みなら「最悪の場合、禁固刑になることもあります」。マッチングアプリで会った相手が荷物を残して席を立ったら、一緒に店を出る、が最低限の防御です。

ジャカルタ首都圏では密造酒の摂取で日本人が死亡した事例も発生しています。安いからと路上の怪しい酒を買わない、これも命に直結するルール。

銃器は「銃器爆発物法により、銃器の所持は原則として禁止」。観光客には関係ないように聞こえて、コスプレ・模造品の持ち込みでトラブる人がいるので一応。

8. ベトナム 反国家批判・無免許運転・電子タバコ

ベトナムの見落とされがちな法律は3つあります。

国家批判への規制

ベトナムの政治体制や国情等に関し、批判的な言動や行動をとることは、取締の対象となる場合があり、注意が必要です。

SNSやブログで体制批判的な投稿をして、その後入国時にトラブルになるパターンは中国と似ています。

無免許運転:これ、バイクでの観光を考えている人は本当に気をつけて。

ベトナム政府は日本が加盟する国際運転免許に関する条約を批准しておらず、日本人旅行者等がベトナム国内で車両を運転する場合には、日本で取得した運転免許証をベトナム当局が発行する運転免許証を切り替えなければなりません。それ以外は無免許運転となり、ベトナムの刑法によれば3年以上10年以下の懲役刑が科せられる場合があります。

日本の国際運転免許証はベトナムでは無効。ホーチミンやダナンでレンタルバイクを借りて運転した時点で無免許運転になります。事故を起こせば懲役の射程。保険も効きません。

電子タバコ

ベトナムでは2025年1月1日から、ベトナム国内で電子たばこ及び加熱式たばこを使用する場合、罰金の対象となる可能性があり、また、海外からこれらを持ち込む場合、使用よりも重い罰金の対象となる可能性があります。

2025年から一気に厳しくなりました。タイ・シンガポールに続く東南アジアの電子タバコ禁止国リストがまた1つ増えた形です。

そして「ベトナムでは賭博は原則として犯罪行為」。日本人街のパチンコ店・麻雀店に行くだけでも捜査対象に入る可能性があります。わいせつ図書(グラビア誌レベルでも対象)も罰金1,000万〜1億ドン。持ち込むメディアには注意が必要です。

9. ロシア LGBT法・軍の信用毀損法・外国の代理人法

2022年のウクライナ侵攻以降、ロシアの滞在リスクは別次元に上がっています。外務省:

治安当局は「軍の信用毀損」法や「外国の代理人」法などの運用により、反戦運動や反政府的な活動に対する取り締まりを強化しており、外国人を含む市民が拘束される事案が散見されます。

軍や政府への批判はほぼNG。SNS投稿やTシャツの文言でも対象になり得ます。さらに、

大規模な集会・デモ行進が行われた際には、治安当局が参加者のみならず、付近にいる者も拘束する事案が発生しています。無用なトラブルを回避するためにもこれらの集会やデモに近づくことは絶対に避け、万一遭遇した場合には直ちに現場から離れるよう留意してください。

「付近にいただけで拘束」という運用。そして、

「同性愛等の情報流布の制限に関する法律(LGBT法)」により、同性愛等の情報流布や関心を喚起する情報の強制は、罰金や拘束の対象とされています。

LGBT関連のシンボル(レインボーフラッグの類)、SNSでの発信、関連イベントへの参加はすべてリスクゾーン。観光目的でも、学術目的や取材目的で入国しながら実質的な調査活動をしていたと判断され処罰された事例も報告されています。

薬物の定義も厳しく、「乾燥マリファナは2.0グラム以上、ハシシは0.05グラム以上」で大量不法入手扱い、3〜10年の懲役+財産没収までいきます。公共の場での飲酒も「罰金や拘束の対象」で、広場・駅・路上での缶ビールはアウト。パスポート携帯も法律で決められていて、警察官の職務質問で提示できないと面倒です。

現状、ロシア渡航そのものが外務省から注意喚起されている状況なので、個々の法律以前に入国可否から検討してください。

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10. トルコ 大統領侮辱罪・宗教活動監視・骨董品持出し禁止

トルコで最近急増しているのが大統領侮辱罪。外務省:

トルコ建国の父、ムスタファ・ケマル・アタテュルク初代大統領を冒涜するような行為(批判、悪口等)は、処罰の対象となり得ます。過去に、邦人観光客が小学校の校庭に設置されたアタテュルクの胸像の頭部にトマトを載せて写真撮影し、警察に一時身柄を拘束された事例があります。最近、大統領侮辱罪が頻繁に適用され、逮捕・実刑まで受けるケースが増えています。

胸像にトマトを乗せた写真で拘束。それくらいシビアです。現職大統領への批判SNS投稿でも実刑まで行くケースが増えていると外務省がわざわざ書いている点に注目。

次に宗教活動:

宗教活動への監視の目も厳しく、宗教活動を理由に本人への通知もなく在留資格を取り消され、不法滞在者として身柄拘束、国外退去処分となった事例もあります。

布教・宗教的な集会参加は滞在資格ごと消える可能性があるので、観光客でも注意。集会・デモは「絶対に近づかないでください」と強めの表現。

もう一つ忘れがちなのが骨董品の持出し禁止

骨董品の国外持出しは禁止されており、違反した場合、罰金刑又は懲役刑が科されるおそれがあります。一般の土産店等で骨董品のような物品を購入する際には注意が必要です。また、遺跡の発掘現場から、出土品(小さな欠片も含む)はもちろん、落ちている石を拾って持ち帰る行為は禁じられています。過去、日本人が身柄を拘束された事例もあるので注意してください。

カッパドキアやエフェソスで「記念に石を1個」はやめてください。実際に日本人が拘束されています。

軍・警察の施設での記念撮影も「許可を得ず撮影して発覚した場合には、逮捕・勾留されることもあります(ドローンによる撮影も厳禁。)」。飲酒運転・酩酊で他人に迷惑行為も厳しく罰せられます。

日本の法律も海外まで追いかけてくる

ここまで9カ国の話でしたが、もう一つ忘れられない重要点があります。

日本の大麻取締法・麻薬及び向精神薬取締法・覚醒剤取締法はすべて国外犯処罰規定を持っています。海外で合法化されている国で吸っても、日本に帰ってきた瞬間に罪に問われる可能性がある。カナダで合法の大麻を吸った、オランダのコーヒーショップで買った、タイで娯楽目的に使った、どれも日本法違反の構成要件に該当します。

条文根拠・国別の量刑・運び屋の手口は大麻・ドラッグ法的リスク国別マップに全部まとめたので、薬物関連はそちらを。

まとめ:10選をまとめて早見

#法律最大刑・リスク一次ソース
1シンガポール・マレーシア・中国等薬物法死刑(日本人8人執行済:中国)外務省 / 在外公館
2タイ王室侮辱罪(刑法112条)3〜15年禁錮外務省
2’タイ電子タバコ禁止最高10年懲役または50万バーツ外務省
3中国反スパイ法(2023年改正)刑法110条で10年以上〜死刑外務省
4UAE飲酒・不貞・同性愛・女装等実刑判決例あり、シャルジャは全面禁酒外務省
5シンガポールチューインガム輸入禁止・電子タバコ厳罰化2025年9月〜取締強化、ポイ捨て最大10,000ドル外務省
6米国連邦法vs州法・銃器・大麻州法で合法でも日本法違反になり得る外務省
7インドネシア違法薬物・示談金詐欺死刑または禁固、示談金要求数百万円相当外務省
8ベトナム無免許運転・国家批判・電子タバコ無免許運転3〜10年懲役、日本の国際免許は無効外務省
9ロシアLGBT法・軍の信用毀損法・外国の代理人法集会付近にいるだけで拘束される運用外務省
10トルコ大統領侮辱罪・宗教活動監視・骨董品持出し禁止最近逮捕・実刑判決が増加外務省

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持ち帰るべき3つ

  1. 「知らなかった」は通じない。マレーシア大使館は「たとえ『知らなかった』、『聞いていた内容とは違っていた』といった事情があったとしても、全く考慮されることなく逮捕されます」と明言。タイ・中国・UAE・シンガポールも同じ運用です。
  2. SNS発信は出国後も追跡される。王室侮辱(タイ)・大統領侮辱(トルコ)・反体制発信(中国・ベトナム・ロシア)・LGBT関連(ロシア・UAE)は、投稿者が日本にいても、次の入国時に拘束される構造が整ってきています。
  3. 日本法の国外犯処罰規定を忘れない。薬物3法は現地で合法でも日本で逮捕され得る。詳細は大麻・ドラッグ法的リスク国別マップで。

逮捕・実刑ラインに届かない「罰金・没収」ゾーン(ポイ捨て10,000ドル、タイの加熱式タバコ空港没収、イタリアのレシート未所持罰金など)は 知らないと数十万円〜 海外の罰金マップ に分けてまとめました。10選から「観光客でも逮捕までいく致命的禁忌」だけ抜き出した海外マナー・タブー致命傷マップもあわせてどうぞ。風邪薬のプソイドエフェドリンや米国処方のAdderall、CBDオイルなど日本の薬箱に普通にあるものが税関で引っかかる話は 処方薬・市販薬 持ち込みマップ 側で成分別・国別に整理しています。

渡航前に「この国で絶対やらないこと」を3つだけでも頭に入れて行けば、大半のリスクは避けられます。行き先別の生活情報(治安・犯罪手口・医療)は各国・都市の記事に、詐欺や差分情報は横断ガイドに。安全に帰ってきてください。

よくある質問

タイで国王や王室の話をしてSNSに投稿するのは危ない?

危ないです。外務省によるとタイでは刑法上の不敬罪があり、王室を侮辱した場合「3年以上15年以下の禁錮に処せられるおそれがある」と明記されています。批判や冗談だけでなく、紙幣(国王の肖像が印刷されている)を踏んだ・破った・落書きした等の行為でも摘発されています。SNS投稿はタイ国外からでも対象になり得るので、王室ネタは触らないのが正解です。

中国で観光してるだけでスパイ扱いされることってある?

ゼロではないです。2023年に改訂された反スパイ法は「幅広い行為がスパイ行為とされている上、『その他のスパイ活動』も含まれる」と外務省が警告。過去の摘発例には「自然保護区で昆虫サンプルを採取・国外持ち出し」「軍用飛行場の写真をネット公開」「国家級湿地保護区で検査機器を設置しデータ収集」などが並びます。GPSで地理情報を集めた、手書きの地図を持っていた、だけでも対象になり得るので、軍事・国境・保護区は撮影も立ち入りも避けてください。

ドバイで普通にお酒飲んだら逮捕される?

ドバイ(UAE)は「自宅、レストランやバー等の指定された場所以外での飲酒、酩酊は違法」と外務省に明記。ホテルのバーなら合法ですが、路上やビーチで飲むとアウト。さらにシャルジャ首長国では「外国人を含め、飲酒は禁止」です。婚姻関係にない男女の性的関係・同性愛関係・女装も「犯罪として規定されています」。ラマダン中の昼間は人目につく場所での飲食・喫煙も控えてください。

シンガポールってチューインガム本当に持ち込めないの?

持ち込めないです。外務省の持込み禁止品リストに「麻薬、電子タバコ、ポルノ雑誌、ポルノフィルム、鉄砲、武器、刀剣類の他、海賊版CD、チューインガム」と明記されています。電子タバコは2025年9月の厳罰化以降、取締りが強化中。ゴミやタバコのポイ捨ては「初回2,000ドル、2回目4,000ドル、3回目以降は10,000ドルの罰金」。公共の場での飲酒は22:30〜翌7:00の時間帯が禁止されていて、違反で最大3か月の禁固刑もあります。

欧米で合法化された大麻を旅行中に試すのはアリ?

ナシです。米国は「嗜好用大麻については、現在、24の州およびワシントンD.C.において成人による使用等が認められています」が、日本の大麻取締法は国外犯処罰規定を持ち、「これらの行為は日本国外で行われても罪に問われる場合があります」と外務省が明言。現地で合法の州に行っても、日本人が吸った瞬間に日本の法律でアウトになる二重リスクです。詳しくは大麻・ドラッグの国別リスクマップ記事に量刑をまとめています。

出典・参考