Kaigai Risk
TRAVEL RISK ARCHIVE

セネガルの治安 刃物強盗とカザマンスに残る地雷【2026】

セネガルの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在セネガル日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

アフリカ大陸最西端、世界遺産ゴレ島、ピンクラック湖、サンルイの旧市街。セネガルは「他のアフリカ諸国に比べて治安が良い」と言われてきた西アフリカの観光拠点ですが、在セネガル日本国大使館の安全の手引き(令和8年1月版)はこう書いています。

当地の治安情勢は、他のアフリカ諸国と比べると良い方であると言われていましたが、首都ダカールを中心に、窃盗のほかに殺人や強盗(刃物や銃器使用)等の凶悪犯罪や暴動も発生しており、油断は禁物です。

外務省も「強盗、スリ、ひったくり、置き引き、空き巣など外国人を狙った犯罪が絶えず発生し、殺人事件に発展するケースもあります」と明記。日中のコルニッシュ通り散歩中に刃物強盗、バイクひったくりで金ネックレスを引っ張られ死亡、屋内侵入の首絞め強盗。さらにカザマンス地方の地雷リスクと、隣国マリのJNIMによるテロ浸透警戒も加わります。

Travel Alert 01

海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです

詳しくみる →

危険レベルと地域別の注意

外務省が2026年版の危険情報で示している地域別レベル。

地域レベル概要
カザマンス地方(ジガンショール州のガンビアとの国境地帯及びギニアビサウとの国境地帯)レベル3渡航中止勧告。MFDC活動・地雷リスク継続
カザマンス地方(セジュー州・コルダ州のガンビア国境地帯、ギニアビサウ・ギニア国境地帯)、マリとの国境地帯レベル2不要不急の渡航中止
首都ダカールを含む上記以外のセネガル全域(カップスキリング市・ジガンショール市を含む)レベル1十分注意

外務省はカザマンスについて「2021年から政府軍がMFDCの制圧に力を入れていることから、MFDCによる反発の可能性があるほか、地雷の設置も確認されています。2025年、MFDC内の一部派閥との間で和平合意に至りましたが、残る派閥との間では合意に至っておらず、引き続き不透明な状況が残っています」と書いています。和平合意のニュースを聞いて行ける気になっても、地雷は残るのが現実です。

ダカール --- 「治安が良い方」でも刃物強盗が頻発

ダカール市内は外務省危険レベル1(十分注意)ですが、邦人被害事例は以下の通り具体的です。

(1)日中、ダカール市内コルニッシュ通りを散歩中、刃物を所持した男性に脅され、携帯電話と現金を奪われた(ケガはなし)。 (2)車から降りた際に、刃物を所持した複数名に囲まれ、車内の財布を奪われた。 (3)屋内に侵入してきた複数の男に首を絞められてパソコン等を盗まれた。 (4)徒歩で帰宅中、オートバイに乗車した二人組に、所持していたバッグを後方からひったくられた。

日中」「散歩中」と書かれている点が重要。夜間の繁華街や危険エリアの話ではなく、海沿いのプロムナードを歩いているだけで刃物に遭うのがダカールです。

詳細はダカールの治安で解説しています。

バイクひったくりで死亡事故 --- 金のネックレスは絶対に外す

安全の手引きが具体的に死亡事故を記録しています。

一般的に、犯人は夜間の暗がりに乗じて、歩いている女性のバック等を狙っていますが、近年、性別関係なく男性でも、また早朝や昼間でも被害は発生しています。犯人は車やバイクに乗ったまま、すれ違うときや追い抜くときに、歩行者のバック等のひもをつかんで奪おうとします。このため、バック等は体の前で見えないように抱えるか、壁や建物側の腕で持つようにしてください。なお、バック等を首や肩から下げていると、車やバイクの力によって、体ごと引っ張られて大事故につながる危険があります。また、金のネックレスを身につけていた旅行者が、強引に引っ張られ死亡した事件も発生しています

ネックレスを「強引に引っ張られた」だけで死亡。バイクの加速力+首にかかった金属ひもで、頸椎損傷や転倒外傷が起きたと推測されます。装飾品はホテルの金庫に入れて、街には何も身に付けない。これがダカールの基本ルール。

Travel Alert 02

海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?

詳しくみる →

空き巣 --- 鍵2カ所の鉄製錠が物理的に破壊された事例

2025年2月10日、在セネガル日本国大使館がこう注意喚起を出しています。

2月10日午前8時頃から午後1時30分頃までの間、不在中の当地在留邦人のダカール市プラトー地区内5階建てのアパート4階(日本式5階)の自宅に何者かが施錠を破壊し侵入、寝室のクローゼットに鍵を掛けて収納していたスーツケース内から、現金、PC1台を窃取される侵入窃盗事件が発生しています。

被害者宅は木製ドアに鉄製の鍵が2カ所設置されていたものの物理的に破壊された。さらに「警備員の配置状況は確認中であるものの通常(日本式)1階に配置しており、同階を突破されれば警備員による抑止は困難」と大使館は書いています。短期旅行者でもAirbnbや長期滞在型アパートを使う場合、警備員に過度に頼らない・警報や防犯カメラの確認・下見されている可能性を意識する必要があります。

カテゴリ別のトラブル

カテゴリ主な手口詳細
スリ・ひったくりバス/フェリー乗車中スリ・バイクひったくり死亡事例・空き巣・置き引きダカールのスリ・ひったくり
強盗(刃物・侵入)コルニッシュ通り刃物強盗・車降車時複数犯刃物・屋内侵入首絞め・ラックローズ海岸発砲事件ダカールの強盗・侵入被害
健康・医療黄熱イエローカード入国必須・マラリア年間83万人・狂犬病死亡継続・ダカール以外の医療水準は許容範囲外ダカールの医療事情

デモ・治安部隊との衝突 --- 催涙弾と発砲を躊躇しない

外務省はデモについてこう警告しています。

国内の政治経済情勢により市民によるデモが発生し、警察等治安部隊との衝突に発展することがあり、デモ参加者が死亡する事件も発生しています。デモは群集心理が働くことにより、思いもよらない危険な状態に発展する可能性がある上、治安部隊は催涙弾の使用や、銃器の発砲を躊躇しない場合があります。

セネガルでは2021年・2023年の大統領選挙関連で大規模デモが頻発し死者が出ました。安全の手引きはダカール大学周辺やナシオン広場(旧オベリスク広場)が頻繁な集会場所として、「投石や焼燬したタイヤで道路が封鎖されることもあります」と注意。金曜日の集団礼拝時に政治スピーチが入り、暴動化するパターンも記載があります。デモを観光気分で見に行くのは絶対NG。

Travel Alert 03

無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も

詳しくみる →

カザマンス地方とJNIM --- 西アフリカ全体のテロ情勢

外務省のテロ・誘拐情勢はこう書いています。

カザマンス地方で、反政府組織である「カザマンス民主勢力運動(MFDC)」の活動が確認されています。また、「イスラムとムスリムの支援団」(JNIM)やその関連組織によると見られる大規模なテロが周辺国のマリやブルキナファソで確認されており、JNIMのセネガル国内への浸透の可能性も見られます。

直近の誘拐事件として、外務省は次を記録しています。

2025年9月に、セネガル人の運転手6人がセネガル、マリ国境沿いで「イスラムとムスリムの支援団」(JNIM)により誘拐されましたが、同月中に解放されています。

2013年5月、ジガンショール県内で地雷撤去に従事していた南アフリカ企業のセネガル人作業員12人がMFDCに連れ去られましたが、同年7月までに全員が解放されました。

マリ国境地帯(東部タンバクンダ州など)はレベル2、ジガンショール州の国境地帯はレベル3。観光ルートで言えばカザマンス地方の中心都市ジガンショール市・カップスキリング市はレベル1でアクセス可能ですが、そこから国境方向に移動した瞬間にレベル2-3エリアに入ります。地元ガイドが「大丈夫」と言っても、外務省の地図に従うこと。

黄熱ワクチンと医療事情 --- イエローカードがないと入国できない

セネガルは黄熱の汚染国で、入国時にイエローカード(予防接種証明書)の提示が必要です。外務省「世界の医療事情」によれば。

セネガルは黄熱の汚染地域です。セネガル観光・航空運輸省より、入国に際しては予防接種証明書(イエローカード)の携行が義務とされています。なお証明書は、接種の10日後から有効となることにご注意ください。

ワクチン接種から10日経過しないと有効にならないので、出発の最低2週間前には接種を済ませる必要があります。

医療水準は首都と地方で激しく異なり、外務省は明言しています。

重症かつ緊急を要する疾患及び外傷においては、まずダカールの病院へ、そして速やかに国外へ搬送する必要があり、十分な額の海外旅行傷害保険(特に治療救援費用)に加入しておくことを強くお勧めします。集中治療が必要な重症患者の専用機での日本までの搬送をカバーするには、治療救援費用5000万円以上のものが必要です。

セネガル単独の保険会社支払事例は公開されていませんが、アフリカ近隣国の参考事例(SBI損保)として、タンザニアでキリマンジャロ高山病337万円・ジンバブエから南アフリカへの搬送505万円・エジプトで脳内出血895万円・ギニアでマラリア後パリ搬送1,116万円が記録されています。セネガルでも同水準の費用がかかると覚悟すべき。治療救援費用は無制限で入っておこう。

詳細はダカールの医療事情アフリカ旅行の保険ガイドへ。

イスラム教国としての禁忌

国民の約95%がイスラム教徒で、外務省はこう注意を促しています。

国民の約95%がイスラム教徒で、宗教上酒類や豚肉は食さず、断食月(ラマダン)等宗教上の行事もありますので、十分配慮して行動してください。特に、タバスキ(犠牲祭)の時期は、その準備に金銭が必要になることから、犯罪が増加する傾向にありますので、十分に注意してください。

イスラム聖地トゥーバ市(ダカール東方約180km)は域内での飲酒・喫煙が禁止。ムリッド教団の総本山で巡礼者数百万人規模の宗教都市なので、観光気分で訪れる時は服装と行動に細心の注意を。

写真撮影規制も明確で、「空港、軍関係施設、各国大使館等の写真撮影は禁止」「モスク内や儀式等を撮影する際は、事前に了解を得る必要があります」。

薬物規制はイスラム圏共通で厳格。「最近は、空港における麻薬の摘発事案が多く、特に近隣諸国からの到着便では、徹底した荷物検査が行われます。また、不定期にナイトクラブ、ディスコに対する警察の抜き打ち捜査が行われているほか、最近はリゾート地のホテルでも麻薬が押収されています。裁判手続きには、数か月から数年かかり、その間未決拘束されることになります」と外務省。同地域のエジプトは死刑サウジは最高刑死刑モロッコも170トン押収の重刑も併読を。

Travel Alert 04

知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?

詳しくみる →

タクシーと空港アクセス --- メーターなしの値段交渉が前提

外務省はタクシー事情をこう書いています。

なお、セネガルのタクシーはメーターがなく、毎回値段を交渉する必要がありますが、空港-市内間は高速代込みで、シートベルトが装備されているAIBD TAXIの利用を強くおすすめします。

ブレーズ・ジャーニュ国際空港(AIBD)は中心部から約45km離れた郊外にあり、移動はAIBD TAXI(公式タクシー、シートベルト装備・高速代込み)が安全。「空港の預け荷物受取りのターンテーブルの付近や外のカート置き場には、荷物を運んであげると声をかけてくる者がいますが、後でお金を要求される可能性が高いので注意してください」とも書かれています。

通信手段

セネガルの携帯通信はOrange Sénégal/Free Sénégal/Expressoの3社体制。SIM購入には身分証提示が必要で、観光客向けの即時購入は煩雑。到着直後から使えるeSIMが現実的です。盗難時の大使館連絡、配車アプリ(Heetch、Yango)、たびレジからの緊急通報メール受信。通信は安全装備そのもの。出発前にeSIM比較ガイドを確認しよう。

Travel Alert 05

空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?

詳しくみる →

緊急時の連絡先

機関電話番号
警察(国内共通)17
救急車・消防18
在セネガル日本国大使館(代表)33-849-5500
SOS MEDECIN(24時間救急)33-889-1515
Clinique du Cap33-889-0202
Clinique de la Madeleine33-889-9470
Hôpital Principal33-839-5050

3か月未満の短期渡航者は「たびレジ」、3か月以上は「在留届」の登録を。在セネガル日本国大使館はカーボベルデ・ガンビア・ギニアビサウも兼轄しているので、これら近隣国に渡る場合も同じ連絡先になります。

主要都市の治安情報

出典