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ヨーロッパの保険 段差で躓いただけで1,746万円の現実

ヨーロッパ旅行の保険、どれくらい備えればいい? 外務省と保険会社のデータから必要補償額をわかりやすく整理。

UPDATED · 2026.05.09 KAIGAI-RISK

ヨーロッパの旅行で実際に多いのは、パリの地下鉄やエッフェル塔周辺でのスリバルセロナのランブラス通りでの置き引きローマのテルミニ駅周辺でのひったくりロンドンの観光地でのスリといった数万円〜数十万円で収まる被害です。一方で、ホテルの浴室で転倒しただけで700万〜1,000万円超、バスの段差で躓いて1,746万円(SBI損保の支払事例)のように、確率は低くても「日常の延長線」で桁が変わるのがヨーロッパの特徴です。

旅行者はNHS(イギリス)やフランス・スペインの公的医療保険を使えず、治療費は全額自費になります。「先進国だから安心」ではなく、先進国だから高いという構造を踏まえて、起きやすい被害から順に備えを積み上げるほうが現実的です。

軽いトラブル(スリ・風邪・軽い外来)

ヨーロッパで件数が一番多いのが、このレンジの被害です。

スリ・盗難ならスマートフォンやバッグなど数万円分、風邪や軽いケガの通院でも数万円〜数十万円のレンジに収まります。

エポスカード1枚で対応可能

このレンジは、年会費永年無料のエポスカード1枚で実用ラインに届きます。

補償項目エポスカード単独
傷害治療費用200万円
疾病治療費用270万円
賠償責任3,000万円
救援者費用100万円
携行品損害20万円

エポスカードは利用付帯(旅行代金の一部をエポスで支払うと保険が有効化)です。出発前に空港までの電車代や航空券をエポスで切っておけば、90日間カバーされます。携行品損害20万円はスマートフォンやカメラ1台分に届く水準で、パリやバルセロナでスリに遭ってもこの枠に収まります。

EPOS CARD × HAPITAS

エポスカード

エポスカードを発行して11,000円相当

ハピタス経由でエポスカードを申し込むと、現金等に交換できる11,000円相当のポイントが付与されます(時期により変動)。年会費は永年無料。

入院・骨折・急病の手術

ヨーロッパの医療費が本当に怖くなるのが、このレンジからです。旅行者は公的保険を使えないため、入院+手術が絡むと一気に数百万円になります。

  • ホテルの浴室・階段・路上の段差での転倒骨折(大腿骨・脛骨・橈骨)
  • 旅行者向け病院での急性虫垂炎・卵巣嚢腫の手術
  • 食中毒や感染症からの憩室炎・入院
  • スペイン・イタリアでの転倒骨折+看護師付き添い医療搬送

保険会社が実際に支払った中規模の事例を並べると、「転んだだけ」「風邪が悪化しただけ」で数百万円が飛ぶ構造が見えてきます。

事例支払保険金
スペインサッカー中に足を踏まれ腓骨骨折、2日入院・手術307万円
スペインホテルの床で転倒、大腿骨頸部骨折・手術・医療搬送、7日入院379万円
スイス展望台で足を滑らせ転倒、足首骨折、8日入院413万円
イギリス卵巣嚢腫茎捻転・手術、4日入院451万円
スペイン段差で躓き大腿骨頸部骨折、看護師付き添い医療搬送、5日入院455万円
ドイツ発熱・腹痛、憩室炎で入院・看護師付き添い医療搬送、17日入院540万円
イタリアホテルバスルームで転倒、脛骨腓骨骨折・手術・医療搬送、11日入院578万円
ドイツホテル浴室で転倒、橈骨動脈断裂・看護師付き添い医療搬送、10日入院639万円

いずれもソニー損保・SBI損保(ジェイアイ傷害火災保険)の公式支払事例です。スペインでは「ホテルの床で滑っただけ」で379万円、ドイツでは「浴室で転んだだけ」で639万円。ヨーロッパの入院+看護師付き添い搬送の費用構造が見えてきます。

エポスカード単独の補償では足りないため、2枚目のカードと補償を合算して埋める形になります。クレジットカード付帯保険は、傷害死亡・後遺障害以外の項目を複数カードで合算できます。

エポス+楽天カードで対応

楽天カードも年会費永年無料・利用付帯です。エポスと組み合わせると、追加コスト0円のまま補償が一段広がります。

補償項目エポス楽天合算
傷害治療費用200万円200万円400万円
疾病治療費用270万円200万円470万円
救援者費用100万円200万円300万円
携行品損害20万円なし20万円

疾病治療が270万円から470万円まで広がるため、軽〜中度の入院・通院は射程に入ります。ただしヨーロッパの骨折事例は400万〜600万円台に集中しており、470万円ラインだと骨折+医療搬送は届かないケースが出てきます。

まだ楽天カードを持っていない人は作っておきましょう。

RAKUTEN CARD × HAPITAS

楽天カード

楽天カードを発行して10,000円相当

ハピタス経由で楽天カードを申し込むと、楽天本体の通常キャンペーン特典とは別枠で、現金等に交換できる10,000円相当のポイントが二重でもらえます(時期により変動)。年会費は永年無料。

エポス+楽天+三菱UFJカードゴールドの3枚で対応

もう一段補償を厚くしたい場合は、三菱UFJカードゴールドを3枚目に足す形があります。利用付帯のエポス・楽天を発動させるには、旅行代金を2枚に分けて決済する必要があります。

3枚目の決済は現実的にむずかしいですが、UFJゴールドは自動付帯なので決済なく合算できます。

年会費は初年度無料。翌年以降11,000円(税込)。年100万円決済で実質年会費無料です。

補償項目エポス楽天UFJゴールド合算
傷害治療費用200万円200万円300万円700万円
疾病治療費用270万円200万円300万円770万円
救援者費用100万円200万円500万円800万円
携行品損害20万円なし50万円70万円

疾病治療770万円のラインまで広がるため、ドイツの憩室炎540万円やイタリアのホテル転倒578万円、ドイツの浴室転倒639万円、さらにスイスのスキー場落下700万円までが射程に入ります。救援者費用800万円・賠償責任1億円規模まで合算でき、旅先で起きる中規模事例の大半をクレカ付帯だけでカバーできる構成です。

合算できない傷害死亡・後遺障害も、UFJゴールドを足すとエポス単独の3,000万円から5,000万円まで天井が上がります。

MUFG GOLD × HAPITAS

三菱UFJカードゴールド

三菱UFJカードゴールドを発行して10,000円相当

ハピタス経由で三菱UFJカードゴールドを申し込むと、現金等に交換できる10,000円相当のポイントが付与されます(時期により変動)。海外旅行傷害保険は自動付帯で、年会費は初年度無料。

700万円超の長期入院・脳疾患・チャーター機搬送

確率は下がりますが、ヨーロッパならではの構造的なリスクが残るレンジです。旅行者が使えるのは私立病院のみという国が多く、入院が長引くほど請求額が跳ね上がります。さらに回復後は看護師付き添いで日本に医療搬送、あるいはチャーター機搬送になるため、搬送費だけで数百万円が上乗せされます。

  • フランス・イタリアでの転倒骨折+長期入院+医師看護師付き添い医療搬送
  • イギリスの私立病院での虫垂炎手術(NHSは旅行者が使えない)
  • スペインのクルーズ船上での発症、ヘリ搬送+手術
  • オーストリアのエスカレーター転倒、チャーター機搬送
  • スイスのスキー場・ハイキング中のヘリ搬送(山岳救助は高額)

実際の支払事例は700万〜1,700万円台に密集しています。ここから代表的な9件を金額順に並べます(600万円台以下の事例は中規模の表を参照)。

事例支払保険金
スイススキー場リフトの床が外れ3メートル落下、ヘリ搬送、大腿骨骨折・10日入院700万円
フランスホテルでふらつき搬送、脳内出血、14日入院・看護師付き添い搬送804万円
フランスホテルで転倒、大腿骨頚部骨折、9日入院・看護師付き添い搬送860万円
イギリス蜂巣炎で13日入院942万円
イタリアツアー中に心筋梗塞、16日入院・手術・医療搬送1,011万円
スイスバスルームで転倒、腰椎破裂骨折、12日入院・看護師付き添い搬送1,269万円
イギリス急性虫垂炎で14日入院・手術1,549万円
オーストリア地下鉄エスカレーターで転倒、頭部外傷・骨盤骨折、24日入院・チャーター機搬送1,582万円
フランスバス段差で転倒、大腿骨頚部骨折、17日入院・医師看護師付き添い搬送1,746万円

ソニー損保・SBI損保(ジェイアイ傷害火災保険)の公式支払事例です。最高額の1,746万円は「バスの段差を踏み外しただけ」で、1,000万円超の事例が4件。700万円台にも複数の事例が集中しています。

イギリスの虫垂炎(いわゆる盲腸)14日入院で1,549万円という数字は、日本では想像しにくいと思います。イギリスではNHSが旅行者に使えず、GP(かかりつけ医)の予約も住所がないとできないため、私立病院を全額自費で受診することになります。

スイスは山岳救助のヘリ搬送費が加わると一気に跳ね上がります。スキー場リフトの床が外れて落下した事例700万円、腰椎破裂骨折で1,269万円。山に入る予定がある人は、山岳救助特約の有無を出発前に確認しておきましょう。

ベルギー・ポーランド・北欧・クロアチア・ハンガリー・バルト三国など、保険会社の独立した支払事例ページがない国でも、旅行者が公的保険を使えない点は同じです。同じシェンゲン圏で医療費水準が近い上記の事例が参考値になります。

海外旅行保険を上乗せ

このレンジまで備えるなら、ネット型の海外旅行保険を上乗せするのが現実的です。1週間の都市観光なら治療費用無制限プランも数千円のレンジから入れます。ただしスイス・オーストリア等でスキーや山岳ハイキングの予定があれば、山岳救助特約・危険スポーツ特約の有無を確認してください(特約付きはその上のグレードになります)。

  • イギリスに行く(旅行者はNHSを使えず、私立病院が全額自費)
  • スイスでスキーやハイキングの予定がある(ヘリ搬送が加わると700万円〜)
  • 持病がある/高齢の家族と一緒(心筋梗塞・脳疾患の発症リスク)
  • 90日を超える長期旅行(クレカは保険切れ)
  • リトアニアに行く(入国時に医療保険加入証明の提示を求められる場合がある)

1週間のヨーロッパ旅行なら、ネット型保険の上乗せは数千円程度。この差額で1,700万円超の請求書を回避できると考えれば、出発前に5分で済む手続きの優先度は高いです。

まとめ:0円から段階的に厚くする

全部に備えようとすると有料保険一択になりますが、ヨーロッパの旅行トラブルは「よくあるスリ被害」と「まれだけど高額な転倒骨折・医療搬送」で桁が違います。0円の土台から必要な分だけ積み上げていくと、自分の旅程に合った落としどころが見えてきます。

組み合わせ疾病治療カバーする被害
エポス単独270万円スリ被害・風邪の外来・短期通院
エポス+楽天470万円軽度の骨折・入院・感染症
エポス+楽天+UFJゴールド770万円中度の骨折・憩室炎・浴室転倒
+ ネット型保険上限なし転倒骨折+医療搬送・脳疾患・山岳救助

短期の都市観光ならエポス+楽天の合算まで、イギリス渡航・スイスの山岳エリア・長期旅行はエポス+楽天+UFJゴールドにネット型保険を足す形が目安になります。ヨーロッパは「先進国だから安心」と思いがちですが、先進国の医療を全額自費で受ける構造が一番怖い。自分の旅程と照らし合わせて、必要なところまで備えを積み上げてみてください。

EPOS CARD × HAPITAS

エポスカード

エポスカードを発行して11,000円相当

ハピタス経由でエポスカードを申し込むと、現金等に交換できる11,000円相当のポイントが付与されます(時期により変動)。年会費は永年無料。

よくある質問

クレジットカード付帯保険だけでヨーロッパ旅行は大丈夫?

軽い被害(スリ・風邪の外来・短期通院)なら年会費永年無料のエポスカード1枚でほぼ収まります。入院・骨折まで視野に入れるなら、エポス+楽天の無料2枚で疾病治療470万円、エポス+楽天+UFJゴールドの3枚で770万円まで合算できます。ただしヨーロッパは転倒骨折+医療搬送で700万〜1,700万円台の事例が集中しており、入院が絡む場合はネット型の有料保険を上乗せする形になります。

利用付帯ってどういう意味?

旅行代金(航空券・ツアー代・空港までの公共交通機関など)をそのカードで支払うと保険が有効になる仕組みです。エポス・楽天は利用付帯で、旅行代金の一部をどのカードで払うかで保険を有効化できます。一方、UFJゴールドは自動付帯で、保有しているだけで補償が発動します。

エポスと楽天とUFJゴールドの補償額は合算できるの?

傷害死亡・後遺障害を除き、治療費用・救援者費用・賠償責任・携行品損害などは複数カードの補償額を合算できます。エポス(疾病270万円)+楽天(疾病200万円)の無料2枚で疾病治療470万円、UFJゴールド(疾病300万円)を足した3枚で770万円まで積み上がります。