2024年に在仏大使館へ報告された日本人の犯罪被害は185件。約9割がスリと置き引き。2026年も1〜3月だけで37件ペース。つまりパリではほぼ毎週、日本人がスリに遭っている計算です。しかも大使館に連絡しない人も多いので、実態はもっと多い。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
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メトロ車内は「スリの職場」
パリのスリで最も被害が集中するのが地下鉄。在仏大使館の月次レポートでも「地下鉄駅・車内や観光名所等でのスリ被害が多数報告されています」と毎月のように記載されています。
犯人は基本的にグループで動く。1人が話しかけたり体をぶつけてスキを作り、その間に共犯者がポケットやバッグから抜く。在仏大使館はスキの「作られ方」を6パターン挙げています。
- エスカレーターで前の人が物を拾うふりをして急停止
- 道を聞いたり署名を求めて注意を引く
- わざとぶつかって接触する
- ケチャップ等を服につけて「汚れてますよ」と声をかける(シミ付け泥棒)
- 小銭をばらまいて拾わせる(コインばらまき泥棒)
- 複数人で取り囲んで注意を分散させる
共通するのは「片方が注意を引き寄せたスキに、異なる場所にいる共犯者がスリ盗る」構造。話しかけられた瞬間にまず荷物を抱える、貴重品を押さえる。これだけで被害率は大きく下がります。
観光地では子供・少女の集団に要注意
子供や女性だからと油断せず、むしろ子供や少女の集団に遭遇したら、警戒度を高めるくらいの意識が重要。
エッフェル塔周辺、ルーブル美術館、シャンゼリゼ通り、オペラ座、凱旋門。これらの観光地には常にスリグループがいると思っていい。外務省データでは「多くの方が気づかないうちに被害に遭っています」。写真撮影に夢中になっている時、地図を見ている時が最も狙われます。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
署名詐欺はスリの前フリ
2026年2月の月次レポートには「観光名所周辺において、署名活動を装い、それに応じている内にカバンの在中品を抜き取るスリの手口も引き続き報告」とあります。「慈善活動のため署名してほしい」と声をかけてくるのは、高い確率でスリの仕込みです。署名を書いている間に財布が消える。はっきり「Non」と言ってその場を離れましょう。署名詐欺や偽警察官の手口はパリの詐欺・ぼったくりで詳しく扱っています。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在仏大使館 月次統計の署名スリ事例を基に構成)
レストラン・カフェの置き引きとテラス席ひったくり
置き引きも件数が多い。2025年の年間累計で40件。レストランで椅子の背にかけたバッグ、足元に置いたカバン、テーブルの上のスマホ。一瞬目を離した隙に消えます。
外務省はさらにテラス席のリスクを指摘しています。
レストランなどのテラス席は、ひったくり犯が道路側から容易に手を伸ばすことができ、また逃走しやすいことから特にリスクが高い
パリのカフェといえばテラス席が定番。でもバッグは膝の上かテーブルの脚にベルトを巻きつけて固定するくらいの対策が必要です。バルセロナでも飲食店が被害場所ワースト1位で、ヨーロッパのレストランでは荷物を体から離さないのが鉄則。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
オートバイのひったくりは引きずられる危険
オートバイに強引にカバン等をひったくられた場合には、路上を引きずられ、怪我を負う場合もありますので、自分の身の安全も考え、バッグから手を離すことも必要です。
バイクひったくりに遭ったら荷物よりも身体。たすき掛けにしていると引きずられて大怪我する可能性があるので、手を離す判断も必要です。歩道は建物側を歩き、バッグも建物側に持つことで狙われにくくなります。CDG空港からパリ市内への高速道路でも、渋滞中に窓ガラスを割られてバッグを奪われる強盗が多発しています。
手口早見表
| 手口 | 多発場所 | 対策 |
|---|---|---|
| グループスリ(話しかけ+共犯) | メトロ車内・駅構内 | 話しかけられたらまず荷物を抱える |
| 署名詐欺+スリ | エッフェル塔・観光地 | 署名は断りその場を離れる |
| シミ付け泥棒 | 路上全般 | 「汚れてる」と言われたら荷物を押さえて移動 |
| 置き引き | レストラン・カフェ | バッグは膝の上、椅子の背にかけない |
| テラス席ひったくり | カフェのテラス | 荷物はポケットか手の届かない位置に |
| バイクひったくり | 車道沿いの歩道 | 建物側を歩く、引きずられそうなら手を離す |
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
出発前にやっておくこと
- パスポートはウエストポーチに: 外務省が「シークレットウエストポーチに入れる」と明記。パスポートとカードは別の場所に分散。具体的なグッズ選びはスリ対策グッズ比較を参考に
- コートのポケットに貴重品を入れない: すり取られても気づきにくい場所の代表格
- バッグは体の前で抱える: リュックの背負いは最も狙われるスタイル
- 現金は最小限に: フランスはカード決済が普及している。大量の現金を持ち歩く理由がない
- 海外旅行保険の加入: パリで盗難に遭った場合、警察の盗難届証明書(Recepisse de declaration de vol)があれば保険請求が可能。ヨーロッパの海外旅行保険で備えを
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭ったら
- 警察に被害届を提出(パリ市内のどの警察署でも受け付けてくれる)。盗難届証明書(Recepisse de declaration de vol)を必ず受け取る。保険請求とパスポート再発行の両方に必要
- パスポートを盗まれた場合は在仏大使館に連絡(01-4888-6200)。新パスポートまたは帰国のための渡航書を申請する。新パスポートには6か月以内発行の戸籍謄本が必要
- クレジットカードを盗まれたらすぐにカード会社に連絡して停止。暗証番号を盗み見られている可能性があるので一刻を争います
- フランスの国ページに全体の犯罪傾向と医療費の実態もまとめています
よくある質問
パリのスリは本当にそんなに多いの?
在仏大使館に報告があった日本人の犯罪被害は2024年に185件、2025年に133件。そのうち約9割がスリと置き引きです。しかも大使館に報告があったぶんだけなので、実際の被害数はさらに多いと考えられています。
パリで一番スリに遭いやすい場所はどこ?
在仏大使館によると、地下鉄(メトロ)の車内と駅構内が最も多く、次にエッフェル塔周辺、ルーブル美術館周辺、シャンゼリゼ通り、オペラ座周辺、凱旋門周辺が名指しされています。レストランやカフェでの置き引きも多発しています。
シミ付け泥棒ってどんな手口?
犯人の1人が服にケチャップやソフトクリームなどをつけて「汚れてますよ」と声をかけ、慌てて服を確認している隙に、別の犯人が財布やバッグの中身を抜き取る手口です。2026年3月にも被害が報告されています。「汚れてる」と言われたら、まず荷物を抱えてからその場を離れましょう。
パリのスリ対策で一番大事なことは?
在仏大使館は「パスポートはシークレットウエストポーチに入れる、金銭やクレジットカードは分散して持つなどの対策も不可欠」としています。バッグは体の前で抱え、コートのポケットに貴重品を入れないこと。話しかけられたりぶつかられたら「まず荷物を抱える」が鉄則です。