CDG空港に着いてパリ市内に向かうタクシーの中で、渋滞にはまった瞬間に窓ガラスを叩き割られてバッグを持っていかれる。在仏大使館がわざわざ単独の注意喚起ページを出しているほど、この手口はパリの「名物」になっています。もう一つの柱が睡眠薬強盗。親しげに話しかけてきた相手の飲み物を口にしたら意識が飛び、気づいた時には全財産がなくなっている。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
CDG高速道路の窓ガラス割り強盗
在仏大使館の注意喚起はかなり具体的です。
市内と空港とを結ぶ高速道路上において、渋滞で停車した車に強盗犯が徒歩やバイクで接近し、鈍器や石のような物等で車の窓ガラスを割り、膝やシートの上に乗せていたバッグ等を強引に奪うものです。
場所も特定されています。Stade de France(サン・ドニの多目的競技場)を過ぎたトンネル内部とトンネルを出てから数百メートルの区間。空港からパリ市内に向かう方向が特に多い。渋滞で車が動けないから、歩いてくる犯罪者の方が有利という構造です。
そして大事な点。タクシーに乗っていれば安全だろうと思いがちだけれど、大使館は「被害は、タクシー、自家用車、レンタカーを問わず生じています」とはっきり書いています。割れたガラスで怪我をするケースも報告されている。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在仏大使館 CDG高速道路強盗注意喚起の被害パターンを基に構成)
RER B線(CDG〜パリ間の電車)でも窃盗・強盗
高速道路だけでなく、CDG空港とパリ市内を結ぶRER B線でも窃盗・強盗事件が引き続き発生しています。大きなスーツケースを抱えた旅行者は格好のターゲット。混雑する車内でスリに遭うだけでなく、人気のない時間帯に脅されて金品を奪われるケースもある。可能であればタクシーや配車アプリを使い、RER利用時は荷物から目を離さず、深夜・早朝の乗車は避けよう。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
タイヤパンク手口も要注意
在仏大使館「安全の手引き」はもう一つの車狙い手口を紹介しています。パリ市内と郊外で、駐車中や一時停車中に助手席側のタイヤを刃物で傷つけ、「パンクしてるから修理を手伝う」と親切を装って声をかけてくる。車外に出て確認している間に、反対側のドアから共犯者が車内の貴重品を盗む。
パンクを指摘されても降車しない。やむを得ず車外に出る時は必ずドアを施錠する。スペインではマドリードのパンク盗として知られ、車ごと持ち去られるケースもある。同じ「親切を装って近づく」手口はパリの詐欺・ぼったくりでも多数パターンを紹介しています。
睡眠薬強盗は性犯罪にもつながる
外務省の安全対策基礎データには睡眠薬強盗についてこう書かれています。
観光地、ホテル、レストラン、交通機関などさまざまな場面において日本語や英語で話しかけられ、すすめられた睡眠薬入りの飲食物を口にした後に意識が朦朧とし、貴重品を奪われる被害が生じています。
さらに「睡眠薬によりその後の体調に支障をきたし、性的犯罪の被害者となるおそれもあります」と明記。経済的被害だけでは済まない可能性がある。見知らぬ相手から差し出された飲食物は絶対に口にしない。自分が気づかないうちにグラスに何かを入れられることもあるので、席を離れた後の飲み物は飲まない。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
夜間の強盗と監禁強盗
在仏大使館は「首を絞められたり、複数の犯人から暴行を受けるなど、非常に危険なケースもあります」と報告。強盗に遭った場合、抵抗すると暴行がエスカレートする可能性がある。
外務省はさらに別の手口も紹介。「自動車に乗車した犯人が、道を尋ねたり商品をすすめるふりなどをして言葉巧みに車内に被害者を招き入れ、金銭を支払うまで解放しないといった監禁強盗も生じています」。知らない人の車には絶対に乗らない。
手口早見表
| 手口 | 多発場所 | 対策 |
|---|---|---|
| 窓ガラス割り強盗 | CDG〜パリの高速道路トンネル区間 | 荷物は足元に、外から見えないようにする |
| RER B線での窃盗・強盗 | CDG〜パリ間の電車 | 荷物から目を離さない、深夜早朝は避ける |
| タイヤパンク手口 | パリ市内・郊外 | 声をかけられても降車しない、ドアを施錠 |
| 睡眠薬強盗 | レストラン・ホテル・観光地 | 見知らぬ人の飲食物を口にしない |
| 首絞め・暴行強盗 | 夜間の人通りの少ない場所 | 夜間の外出を控える、抵抗しない |
| 監禁強盗 | 路上 | 知らない人の車に乗らない |
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
予防策
- CDG空港からの移動時: 荷物は膝やシートに置かず、足元に押し込むかトランクへ。高級ブランド品は身につけない。渋滞で停車したら後方と周囲に注意し、可能なら右側車線を避けて中央や左側車線に移動する
- 見知らぬ人の飲食物は口にしない: 日本語で話しかけてくる人ほど警戒。席を離れた後のグラスは新しいものに替える
- 夜間は人通りのない場所を歩かない: 特に地下鉄出口やイベント会場の周辺は犯人がターゲットを探している場所。メトロ車内ではスリのグループ犯行も多発しているので荷物は体の前で抱えること
- 万が一強盗に遭ったら抵抗しない: 荷物より身体の安全を優先。犯人を自分で追跡せず警察(17/112)に通報
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭ったら
- 警察に通報(17、携帯電話からは112)。窓ガラス割り強盗で怪我をした場合は救急(15)にも連絡
- 警察署で被害届を提出し、盗難届証明書を受け取る。保険請求とパスポート再発行に必要
- 在仏大使館に連絡(01-4888-6200)。閉館時でも緊急電話対応窓口につながる
- 睡眠薬による体調不良がある場合は必ず医療機関を受診。フランスの医療費は高額なのでヨーロッパの海外旅行保険に加入しておくことが重要
- フランスの国ページに全体の犯罪傾向と緊急連絡先もまとめています
よくある質問
CDG空港からパリ市内への高速道路強盗はタクシーでも被害に遭うの?
在仏大使館は「被害は、タクシー、自家用車、レンタカーを問わず生じています」と明記しています。タクシーに乗っていても窓ガラスを割られれば防げません。荷物は膝の上やシートではなく、足元に押し込んで外から見えないようにすることが唯一の対策です。
CDG高速道路の強盗が多い区間はどこ?
在仏大使館は「Stade de France(サン・ドニにある多目的競技場)を過ぎた場所にあるトンネル内部やトンネルを出てから数百メートルの区間」と具体的に場所を特定しています。特に空港からパリ市内に向かう方向で多発しています。
パリで睡眠薬強盗に遭わないためには?
外務省は「見知らぬ相手から差し出された飲食物を軽々に口にしない」「自分が気づかないうちに飲食物に睡眠薬を入れられる場合もある」と指摘しています。日本語や英語で親しげに話しかけてくる人から食べ物や飲み物をもらわない、席を離れた間にグラスを放置しないことが大事です。