パリの詐欺で最も報告件数が多いのは偽警察官。2024年には在留邦人だけで10件の詐欺被害が大使館に報告され、そのうち偽警察官が大きな割合を占めています。CDG空港でのクレジットカード詐取、留学生を狙った住居賃貸詐欺も繰り返し発生中。手口を知っていれば防げるものばかりなので、出発前に目を通しておこう。
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偽警察官が「麻薬捜査」で財布を抜く
外務省が具体的に手口を解説しています。
観光地などで、警察官を名乗る偽警察官が、麻薬捜査などを理由にパスポートや財布の提示を求め、所持金を盗むケースが報告されています。偽警察官は通常2人以上で犯行に及びます。
ポイントは「財布を出せ」と言ってくること。本物のフランス警察がパスポートの提示を求めることはあっても、財布の提示を要求することはない。偽警察官は警察の身分証明書らしきものを見せてくるが、疑わしければ周囲の人や別の警察官に確認を求めるのが正解。パリ警視庁が日本語で作成した安全対策資料に警察官の身分証明書の見本が載っているので、渡航前にチェックしておくといい。
スペインでもマドリードで偽警官が横行しており、ヨーロッパ共通の手口と言える。なお、CDG空港では偽税関職員による同様の手口も報告されています。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在仏大使館「安全の手引き」の偽警察官事例を基に構成)
CDG空港のクレジットカード詐取
在仏大使館はシャルル・ド・ゴール空港での被害を複数回取り上げています。手口はこう。
券売機の前で「自分のカードが使えなくて困っている。現金で返すから代わりにカードで買ってほしい」と声をかけてくる。応じると犯人がわざと券売機を誤操作させて購入を妨げ、「駅員を呼んでくる」と言いながらカードごと姿を消す。暗証番号はすでに盗み見られているため、すぐに多額の現金を引き出される。
親切心に付け込んだ犯罪であり、日本人は被害に遭いやすい傾向にあります。
空港でもどこでも、見知らぬ人にクレジットカードを手渡さない。暗証番号は入力時に必ず手で隠す。この2つを徹底するだけで防げます。
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署名詐欺と話しかけ詐欺
「慈善活動のため署名してほしい」「現金がなくて困っている」。観光地で話しかけてくるのは、ほぼ確実に何かを狙っています。署名に応じると金銭を要求されるか、署名に夢中になっている間に共犯者がカバンの中身を抜く。
在仏大使館は「署名やアンケートを求められた際は、スリである可能性も念頭に置き、不用意に応じることのないよう注意してください」と毎月の統計で繰り返し書いています。署名中に財布を抜き取る手口はパリのスリ・置き引きでも詳しく扱っています。
住居賃貸詐欺は留学生が標的
在仏大使館は2024年に10件の詐欺被害を報告。そのなかで繰り返し出てくるのが住居賃貸詐欺。アパート検索サイトで見つけた物件に連絡し、前払い金を振り込んだら相手と連絡が取れなくなる。相手が日本人(または日本人を装った人物)であるケースまで報告されています。
対策は「メールのみでやり取りしない」「物件を実際に見る前に振り込まない」「信頼できる大家や不動産業者かを慎重に見極める」。お金を振り込んだ後では回収はまず不可能です。
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路上の玉当て賭博(いかさま)
観光地の路上で見かけるのが、複数のコップのうち1つにボールを入れてどのコップに入っているか当てさせる賭博。サクラが簡単に勝っているように見えるが、仕掛けがあるので一般客は必ず負けるようにできています。見物しているだけでも貴重品を盗まれるケースが報告されているので、人だかりには近づかないのが正解。
ピガールのぼったくりバーと押しつけ販売
外務省はパリのピガール地域を犯罪多発地区として名指しし、ぼったくりバーの存在を警告しています。客引きに誘われるまま入店すると法外な料金を請求される。
観光地では押しつけ販売も定番。キーホルダーや花を無理やり押しつけられ、「触っただけで法外な料金の支払いを強要する」ケースもある。はっきり「Non」と断ってその場を離れること。夜のピガール地区では睡眠薬を使った強盗も報告されています。
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手口早見表
| 手口 | 多発場所 | 見破るポイント |
|---|---|---|
| 偽警察官 | オペラ座・観光地周辺 | 財布の提示を求めてきたら偽物 |
| カード詐取 | CDG空港の券売機 | 見知らぬ人にカードを渡さない |
| 署名詐欺 | エッフェル塔・ルーブル周辺 | 署名を求めてくる=スリの前フリ |
| 住居賃貸詐欺 | オンライン | 物件を見ずに振り込まない |
| ぼったくりバー | ピガール地区 | 客引きに誘われた店に入らない |
| 玉当て賭博 | 観光地の路上 | 見物だけでもスリ被害。近づかない |
| 押しつけ販売 | 観光地の路上 | 触らない・受け取らない |
予防策
- 「親切心に付け込む」パターンを覚える: CDG空港のカード詐取も偽警察官も、共通するのは「困っている人を助けようとする」日本人の心理を利用していること。見知らぬ人の依頼には応じない
- 暗証番号入力時は必ず手で隠す: カード詐取は暗証番号の盗み見が前提。これだけで被害額を大幅に抑えられる
- 署名・アンケートには応じない: 観光地で近寄ってくる署名勧誘は無視して通り過ぎる
- 夜のピガール地区には近づかない: ぼったくりバーのリスクが高い歓楽街
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭ったら
- 警察に被害届を提出。詐欺被害でも盗難でも、パリ市内のどの警察署でも受理してもらえる
- クレジットカードを渡してしまった場合は即座にカード会社に連絡して停止。1分1秒が勝負
- 在仏大使館に連絡(01-4888-6200)。パスポートを渡してしまった場合は再発行手続きが必要
- フランスの国ページに全体の犯罪傾向もまとめています
よくある質問
パリで偽警察官に遭ったらどう見分ける?
外務省は「通常は警察官が旅券の提示を求めることはあっても、財布の提示は求めることはありません」と書いています。偽警察官は2人以上で行動し、身分証明書らしきものを見せますが、財布を出せと言ってきた時点で偽物の可能性が高い。パリ警視庁が公開している警察官身分証明書の見本を事前に確認しておくと安心です。
CDG空港でクレジットカードを騙し取られる手口とは?
在仏大使館によると「自分のクレジットカードが使用できず困っている」と助けを求めてくる人物がカードを持ち去る手口が複数報告されています。暗証番号は事前に盗み見られているため、カードを渡した瞬間に多額の現金を引き出されます。見知らぬ人にカードを渡さない・暗証番号入力時は手で隠す、が鉄則です。
パリで住居賃貸詐欺に遭わないためには?
在仏大使館は「メールのみでやり取りし、相手の存在を確認しない契約等には一定のリスクがある」と指摘しています。振り込んだ後に相手と連絡がとれなくなる事案が繰り返し発生。信頼できる不動産業者を介し、物件を実際に確認してから契約することが重要です。
パリの署名詐欺はどこで多い?
エッフェル塔やルーブル美術館など観光客が多い場所で頻繁に報告されています。「慈善活動のため署名してほしい」と声をかけて、署名に気を取られている間に共犯者がカバンの中身を抜き取るか、署名後に金銭を要求してきます。はっきり断ってその場を離れましょう。