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アイスランドの治安 火山噴火12回と暴風雪の島【2026】

アイスランドの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在アイスランド日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

アイスランドは「世界で一番平和な国(GPI上位常連)」と言われる国ですが、旅行者が本当に怖がるべきは犯罪ではなく火山と天候です。在アイスランド日本国大使館のトップに固定で表示されているのが「アイスランド当局が発令している安全情報は注意レベル(3段階中の1番下)」という火山警戒情報。レイキャネス半島では2021年以降、断続的な噴火が続いていて、2025年7月にも12回目の噴火が起きたばかりです。

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危険レベル

外務省の危険情報は2026年4月時点で全土に発出なし。感染症危険情報もスポット情報もありません。ただし「危険レベルなし=何も起きない」ではなく、火山噴火に関してはアイスランド当局が独自に発令する3段階の警戒(注意レベル/警戒レベル/緊急レベル)を別途確認する必要があります。情報は在アイスランド日本国大使館のページが日本語で更新を続けています。

犯罪は少ないが「治安のよい状況を過信するな」と外務省

外務省・基礎データはアイスランドの治安についてこう書いています。

アイスランドの治安は一般的に他国と比較してよいとされていますが、旅行者が強盗や暴行被害に遭った例もあります。最近は、観光地などで外国人を狙った窃盗集団によるスリや置き引きが増えているとの報告もありますので、治安のよい状況を過信することなく十分な注意が必要です。

特に名指しされているのが首都レイキャビク市の中心部の週末夜間です。

首都レイキャビク市の中心部では、週末の夜間から未明にかけて、酔っ払い、麻薬の常習者や密売人による暴行事件や引ったくり等も発生していますので、注意を怠らないようにしてください。

ホテルやレストランで荷物を足下に置く、椅子に置いて席を立つ──このパターンで盗まれる例が多発しています。具体的な手口はレイキャビクのスリ・置き引き対策で整理しています。

本命のリスク:火山噴火(レイキャネス半島)

アイスランドの観光客が直面する一番大きなリスクは火山です。レイキャヴィクから車で約40分のレイキャネス半島では、2021年以降、噴火が断続的に発生しています。

8月5日、気象局は今回(12回目)の噴火は収束した旨発表しましたが、当地域では2021年以降断続的に噴火が発生しており、再度突発的な噴火等の可能性もありますので最新の情報の入手に努めてください。

問題は噴火が突発的に起きて、フライトが止まると島から出られないこと。

島国であるアイスランドでは航空便が島外とのアクセスの主要な手段となっていますが、これはつまり航空便に影響が出た場合、島外に出ることが極めて困難になることを意味しており、特に火山の影響により空港が閉鎖されることとなった場合には、長期に亘って島内にとどまることを強いられる可能性があります。

ケプラヴィーク国際空港(KEF)から噴火地域までは約15kmしか離れていません。「明日帰国予定だったのに空港閉鎖で1週間足止め」が現実に起きるレベル。火山と医療の関連リスクはレイキャビクの健康トラブル・火山ガス対策で詳述しています。

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アイスランド当局の3段階警戒レベル

アイスランドでは自然災害の警戒情報を3段階で発令しています。日本人旅行者が見落としがちなので押さえておきましょう。

レベル名称状況
1Uncertainty Level(注意レベル)影響を及ぼす可能性のある事象が認知された段階。状況の監視や調査が強化される
2Alert/Danger Level(警戒レベル)脅威の増加、対象地域の閉鎖・避難などの予防的措置
3Emergency / Distress Level(緊急レベル)脅威が差し迫っているか既に影響が発生。緊急事態宣言相当、政府から携帯にアラート

2025年8月時点は1番下の「注意レベル」。ブルーラグーンの営業も再開済みですが、過去には「数kmしか離れていないブルーラグーンの駐車場が溶岩に覆われ長期休業」という事例もあるレベルです。

「キャッシュレスで現金が使えない」事情

意外と知らないのがこれ。外務省・基礎データに明記されています。

アイスランドは基本的にキャッシュレスで、現金を使えるところはほとんどないと想定していただく必要があります。

クレジットカード(特にPIN付き)が事実上の必須。日本円を両替して現金で歩き回るスタイルは通用しません。

麻薬の取締りは厳格・週末の飲酒条例も厳しい

麻薬が社会問題化しているため、税関当局では入国者に対する取締りを強化しています。麻薬には絶対に関わらないでください。

飲酒については、過去に週末の首都レイキャビク市の中心部において飲酒に起因した事件が多発したため、市条例により厳しい取締りが行われています。ビールグラスの店外持出しや公道におけるグラスやビンの破損等は禁止されており、警察は違反者を逮捕するという強い方針を打ち出しています。

「ナイトライフが楽しい首都」のイメージで歩いて、ビール片手に通りに出ると逮捕対象になります。レイキャビク中心部のバーは入る前にルールを確認しておきましょう。

テロは稀だが「合法銃器の登録数が人口比でかなり多い」

外務省・テロ情勢ページは興味深い指摘をしています。

反政府組織やイスラム過激派等の組織及びその関連組織は確認されていません。しかし、近年、テロ組織に属さない個人がインターネットを通じて過激派思想と接触し、その影響で過激主義化するローンオフェンダーによるテロ活動の発生が懸念されており、欧州におけるテロの脅威は高まっていると言えます。さらに、当国国家警察庁国家安全保障部によれば、当国では、合法的な銃器の登録数が人口比でかなり多いと認識されているようです。

アイスランドにおける誘拐事件は極めて稀です。人口が少なくコミュニティが密接であること、地域社会の結束が強いことがその背景にあると考えられ、過去に起こった誘拐事件では個人的な動機や、(後略)

組織犯罪型のテロ・誘拐リスクは欧州で最低レベル。ただしローンウルフ型テロは欧州全体の傾向として警戒対象です。

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医療費の実態 --- 北欧水準で高額、独立事例なし

アイスランドは保険会社の独立した支払事例ページを持っていません。同地域の参考として欧州・北欧借用の事例を見ると、医療費の実態が見えてきます。

内容入院日数金額借用元
フランス:ホテルでバスタブのお湯をあふれさせ、階下被害で損害賠償---1,243万円損保ジャパンoff!(フランス事例)
イギリス:腹痛で受診、急性虫垂炎・手術14日1,549万円SBI損保(イギリス事例)
イギリス:ホテルで倒れ救急搬送、硬膜下血腫・手術、医師看護師付添い医療搬送32日1,242万円ソニー損保(イギリス事例)

外務省・基礎データも「医療費は高額ですので、出発前に十分な補償内容の海外旅行保険に加入することを強くお勧めします」と明言。世界の医療事情ページでは「殆どの治療、手術は可能ですが、高度な技術を要する手術は海外で実施されることもあります」と書かれており、複雑なケースでは欧州本土への医療搬送も視野に入る国です。クレジットカード付帯保険の治療救援費上限(300万〜500万円)では足りない可能性が高い。

交通事情 --- 道路環境が厳しい・雪や泥で立ち往生

外務省・基礎データの注意喚起は具体的です。

アイスランドでの車の運転には十分注意が必要です。道路は日本のようにきちんと整備されていないことが多く見られます。首都レイキャビクの主要道路でも轍が深くハンドルを取られることがあります。海岸沿いの崖沿いの道路でもガードレールがないのが通例です。雪や泥にはまった車両が、立ち往生するケースがみられます。

人家が少ない郊外での車両の故障は、軽いものでも手助けを求めることが容易ではなく、アイスランドの厳しい気候条件も重なって、深刻な事態に陥る可能性があります。

レンタカー周りのトラブルも増えていて、大使館は専用ページを設けるレベル。

レンタカーを利用する場合、契約内容の確認不足等により、支払時に予想外の請求が発生することがあります。アイスランドは物価や人件費が非常に高いため、日本では少額で済むような修理でも高額な料金が請求されることがあります。

底面損傷は自動車保険の適用外で多額の修理代を負担する例も。詳細はレイキャビクの交通・運転トラブルで。

自然リスク:火山・洪水・滝・氷・小さな虫

外務省・基礎データの自然災害セクションはこう。

アイスランドには多くの観光客が訪れる一方、しばしば、火山の噴火や溶岩流出、河川の洪水等の自然災害が発生します。現地の報道や地震・火山等の気象情報にご注意ください。

世界の医療事情ページからは観光客にありがちな転倒事故。

冬期は地面が凍っていることもあるため、転倒によるけがには十分に注意する必要があります。郊外の滝や湖を訪れた際は、水しぶきによって地面が濡れていたり、凍っていたりする場合があるため、身を乗り出して写真撮影することなどは控え、安全第一で観光してください。

夏は虫もいます。

夏期、自然の多い場所に「Lúsmý」という小さなハエがおり、このハエに刺されると、耐えがたい痒み、痛み、高熱、嘔吐といった症状を起こす場合があります。服の繊維を通り抜けるほどの小さなハエのため、着衣箇所も刺されます。

アクティビティに参加する際はTrip Monitoring Service(旅程登録→未帰着で自動捜索隊派遣)の利用が推奨されています。

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シェンゲン圏とEES

アイスランドはシェンゲン協定加盟国(EUは非加盟)。日本人は観光90日以内なら査証不要、ただし過去180日内で90日上限で他のシェンゲン国の滞在も合算。

2025年10月12日から、欧州連合(EU)の新たな出入域システム(EES:Entry/Exit System)が段階的に導入されています。日本を含む非EU加盟国からシェンゲン協定加盟国の欧州29か国に観光や出張等の短期滞在を目的として入国する渡航者は、シェンゲン協定加盟地域に入域する際、最初に通過する国境検問所において、生体認証データ(顔写真及び指紋)の提供が義務づけられ

EESは到着時の入国審査で顔写真と指紋を取られる仕組み。提供を拒むと入域不可です。

通信手段の確保

レイキャヴィクは市内全域で通信が良好ですが、リングロードでの長距離ドライブや氷河ハイキングでは電波が途切れるエリアもあります。Trip Monitoring Service の利用や緊急時の112通報のためにも、SIMやeSIMは必須。選び方は海外eSIM比較を参照。

緊急時の連絡先

機関電話番号
警察・救急・消防112
医療相談用窓口(年中無休)1700
アイスランド国立大学病院(救急窓口)543-2000
在アイスランド日本国大使館+354-510-8600(領事窓口:月-金 9:00-12:00/13:00-16:00)
国外から大使館+354-510-8605

緊急時の現地語フレーズも世界の医療事情ページに掲載。

日本語アイスランド語
病院はどこですか?Hvar er sjúkrahúsið?(クバール エル シュクラフーシズ)
医師læknir(ライクニル)
薬局apótek(アポテック)

英語が広く通じるので、緊急時はまず英語で構いません。

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海外旅行保険の備え

アイスランドは独立した支払事例こそ少ないものの、医療水準と物価は北欧・西欧トップクラス。フランスでバスタブのお湯をあふれさせて階下被害の損害賠償1,243万円、イギリスで急性虫垂炎の手術だけで1,549万円といった同地域の事例があり、クレジットカード付帯保険(治療救援費上限300万〜500万円)では足りないケースが普通にあります。火山関連のフライトキャンセル・延泊費用に対応する旅行事故緊急費用特約も視野に入れておくと安心。詳しくはヨーロッパの海外旅行保険ガイドへ。

主要都市の治安情報

出典