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カタールの治安 全土レベル3、米軍基地が攻撃被弾【2026】

カタールの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在カタール日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

カタールは湾岸の小さな半島国家。2022年FIFAワールドカップで一気に知名度が上がり、ドーハ・ハマド国際空港はアジア⇔ヨーロッパの巨大ハブ。中東のなかでも治安は良好な部類とされてきた国です。

ただし2026年4月時点で、カタール全土はレベル3(渡航中止勧告)。2月28日のイスラエル・米国によるイラン攻撃を受け、同日カタール国内のアル・ウデイド米軍基地(湾岸地域最大規模)にイラン革命ガードが攻撃、民間施設にも被害が及び、空港も一時閉鎖されました。在カタール大使館は機能制限中で、領事サポートは在UAE大使館・在ドバイ総領事館・外務省領事局が代行している状況です。

このページは「現在のレベル3情勢」と「平時のカタール(ドーハ)旅行で気をつけること」を分けて整理します。出発前は必ず外務省 海外安全ホームページで最新の渡航レベルを確認してください。

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現在の渡航レベル(2026年4月時点)

外務省は2026年3月5日、カタール全土をレベル3(渡航中止勧告)に引き上げました。

2月28日(現地時間)、イスラエル、米国によるイランへの攻撃がありました。同日、カタール国内の米軍基地(アル・ウデイド空軍基地)にイラン革命ガードが攻撃を行い、民間施設にも被害が及びました。空港閉鎖・航空便キャンセルが発生しています。

3月以降も中東情勢関連の広域情報がほぼ毎週更新され続けており、状況は流動的。在カタール大使館機能が制限下にあるため、お困りごとは在UAE日本国大使館・在ドバイ日本国総領事館・外務省領事局に連絡するよう案内されています。

すでに滞在している人は外出を控え、出国を検討するなら空港の稼働状況とフライトを必ず確認すること。たびレジ登録は最低限の防衛線です。

ここから先は「平時(レベル1〜2)にカタールを旅行する人」向けの情報。情勢が落ち着いて再渡航可能になったとき、または駐在・乗継ぎでドーハに足を止める人向けに残しておきます。

平時のドーハ — 治安は中東で良好な部類

平時のカタールは中東のなかでも治安が安定している国でした。外務省はこう書いています。

カタールにおいては、カタール当局が治安対策に力を注いでいることもあり、治安は全般的に良好と言われています。

ただし「良好」は「無犯罪」ではありません。2024年で人口約300万人のうちカタール国民は約1割で、残り9割が外国人労働者という極端な構成。外国人労働者の急増に伴って、ドーハ市内一部地区+郊外で強盗・空き巣・自動車盗、大型ショッピングモールやハマド国際空港でスリ・置き引きが報告されています。

  • 大型ショッピングモール: 商品を選んでいる隙にカートに乗せたバッグが持ち去られる
  • ハマド国際空港: 両替している間に足下のバッグが消える
  • SMS・電話詐欺: 銀行や公的機関を騙って個人情報を聞き出し、口座から搾取する手口

「日本人が重大な犯罪の被害に遭った報告はない」一方で、経済犯罪(スリ・置き引き・詐欺)は普通に発生しています。詳しい手口と防御はドーハの治安と注意点にまとめています。

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法律・宗教マナー — 違反すると罰金・収監

カタールはイスラム教国。サウジほど厳格ではないけれど、UAEより少しだけ硬めです。日本の感覚で踏み抜くと、罰金・収監に直結する行為がいくつもあります。観光客が引っかかりやすい禁忌の全体像は致命的禁忌マップにもまとめています。

飲酒 — 公共の場は罰金・禁固

公共の場における飲酒は、6か月以下の禁固もしくは3,000カタール・リヤル以下の罰金またはその両方が科せられます

酒類サービスがあるのは「外国人が多く利用する一部ホテル内のレストランやバー」のみ。酒類・豚肉・みりん等の調味料の持込みは入国時に禁止で、見つかれば没収・罰金の対象。サウジが全面禁止、UAEが許可制で寛容、その中間にカタールがいるイメージです。

麻薬・銃器 — 死刑・終身刑を含む厳罰

麻薬と銃器の持込みは厳禁です。麻薬の密売等に関しては死刑、終身刑を含む厳罰が科されます。

乗継ぎだけのつもりでも所持していれば対象。CBDオイル・大麻成分入りグミなど、日本では合法のものでも持込み禁止。詳しくはドーハの薬物トラブル、薬物の世界的な扱いの違いは薬物法マップ

ラマダン中の飲食・喫煙

ラマダン月(断食月)の日の出から日没までは、公共の場での飲食・喫煙を控える配慮が必要です。観光客でも違反すると注意・処分の対象になります。

服装 — 露出は控えめに

外務省はこう書いています。

男性は女性を殊更に注視しないこと、女性はミニスカート等の肌の露出度の高い服装は控えること、成人男性も膝下が出る半ズボンなどは避けた方が無難。

モスクなど宗教施設では女性はスカーフ着用が必要。礼拝中の人の前を横切らない・カメラを向けないのも基本マナーです。

写真撮影 — 拘束事案あり

軍事施設・警察施設・空港・首長府・政府関係施設の撮影は許可なく行うと禁止。日本人観光客が卸売市場付近で写真撮影したところ、警察車両が写っているとして身柄を拘束された事案が発生しています。

モスク等の宗教施設や人物(特に女性や礼拝している人)を撮影することもトラブル防止の観点から避けた方が無難。

立入制限 — 「公園と思って入った」で拘束

首長一族関係者の居住地は一般的に広大であり、公園と間違えて迷い込んだり、立ち入ったりした場合でも拘束され、事情聴取が行われた事例。

塀の有無や看板で判断しにくい場合があり、地元の人がいないエリアにふらっと入るのは避けたほうが無難です。

通関・現金持込み

5万カタール・リヤル以上の現金等を持込み・持出する場合は申告が必要。虚偽申告・無申告の場合、3年以下の懲役または10万〜50万リヤルの罰金、または所持金品価値の倍の罰金。

機内持込みの手荷物も入国審査後にX線で再検査されるので、申告は正直に。

タクシー — 白タク連れ去り事案あり

ドーハで観光客がつまずきやすいのが白タク(違法タクシー)。外務省はタクシーセクションで料金トラブルと女性連れ去りを、空港セクションで到着フロアの白タク勧誘を、それぞれ別個に注意喚起しています。料金の水増し請求や運転手による女性連れ去り事案が報告されており、ハマド国際空港の到着フロアでも違法タクシーが声を掛けてくるケースがあります。

正規のタクシー会社(カルワ=銀色屋根、アル・ミリオン=えんじ、アル・イジャーラ=青、キャピタル=灰、プロフィット・トレーディング=黄)の車両か、Uber/Careemの配車アプリを使うこと。空港到着フロアで「タクシー?」と声をかけてくる相手にはついていかない。詳しくはドーハの詐欺・ぼったくり

交通事情 — 制限速度は日本基準で「高速」

カタールは右側通行。制限速度は街中50〜80km/h、郊外80〜120km/hと、日本基準ではかなり速い設定です。外務省はこう注意喚起しています。

車線を守らない、ウインカーを出さずに曲がる、無理な割込みや追越し、後方からのいわゆる「あおり」行為、制限速度の超過等が多く見られます。

ラウンドアバウト(英国式)が多く、ロータリーを走っている車が優先ルール。慣れていないとぶつけられます。

軽微な物損事故では、車両4枚(うち1枚はナンバープレート)の写真を撮ってMetrash2アプリで事故登録するのがカタール式。現場の警察官から渡される用紙で過失の有無が決まります(緑=過失なし、赤=過失あり)。

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健康 — 酷暑・砂嵐・ラクダのMERS

4〜10月の高温多湿

夏季は気温50℃近く・湿度も高い。日射病・熱中症は「観光中の散歩でも発症」レベル。屋外活動は朝夕に限定し、こまめな水分補給を。

3〜7月の砂嵐

強烈な砂嵐により気管支喘息等で病院治療が必要となるケースがあります。

マスクやゴーグル、目薬を持ち歩いておくと役立ちます。

MERSコロナウイルス — ラクダ接触に注意

カタールはラクダがMERSの中間宿主。ラクダとの接触や未殺菌のラクダ乳の摂取は避けるよう外務省が明記しています。観光地のラクダ乗り体験は避けるか、終わったあと丁寧に手を洗う。

医療 — 高額・キャッシュレス確認必須

外務省はこう書いています。

治療や緊急移送などで多額の出費を余儀なくされたケースが少なくありません。

国立ハマド病院(4439-4444)が中心病院。私立病院では前払いを求められることが多く、海外旅行保険のキャッシュレスサービスが使える病院は限定的です。保険があるから手ぶらで大丈夫ではなく、クレジットカードの限度額を上げてから出発するのが現実解。詳しくはドーハの医療・感染症・熱中症中東旅行の保険ガイド

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主な犯罪・トラブル

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通信手段

カタールはWi-Fiがホテル以外では限られます。配車アプリの利用、情勢確認、緊急時の連絡にはネット必須。eSIMを出発前に準備しておくと安心です。eSIM比較はこちら

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緊急時の連絡先

連絡先電話番号
警察・消防・救急(統合)999
在カタール日本国大使館4440-9000(24時間)
ハマド国際空港4010-6666
国立ハマド病院4439-4444
FM放送(緊急時)89.1MHz(10時/正午/14時)

レベル3継続中は大使館機能が制限されるため、在UAE日本国大使館・在ドバイ日本国総領事館・外務省領事局にも連絡可能です。

主要都市の治安情報

出典