Kaigai Risk
TRAVEL RISK ARCHIVE

スリランカの治安 三輪タクシー詐欺と宝石店の手口【2026】

スリランカの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在スリランカ日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.15 KAIGAI-RISK

スリランカは紅茶畑、仏歯寺、世界遺産シーギリヤ、南部ビーチと見どころが濃い国。一方で、2022年の経済危機以降は生活困窮と薬物中毒者による犯罪が高止まりしていて、観光客がターゲットにされるケースも増えています。渡航前に押さえておきたい現地事情を、外務省と在スリランカ日本国大使館のデータから整理しました。

Travel Alert 01

海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです

詳しくみる →

危険情報レベル

外務省の危険情報は、スリランカ全土について現在発出されていません(2026年4月時点)。過去には2019年4月のイースター連続爆破テロでコロンボ市内の教会とホテルが狙われ、邦人を含む多数の死傷者が出ています。在スリランカ日本国大使館の最新「海外安全対策情報(令和7年下半期)」では「今期におけるテロ発生はない」とされつつ、次のように注意喚起されています。

スリランカでは過去に邦人も含む多数の人が死傷する連続爆破テロが発生していることから、政府関係機関や現地報道機関の発表等から常に最新の情報を確認することが推奨される。

犯罪の全体像

外務省「安全対策基礎データ」によると、2024年のスリランカ国内の犯罪認知件数は約39,000件。殺人事件は約56,000件(原文ママ)、強盗事件は約2,400件で、人口当たりの発生率は殺人が日本の約3.3倍、強盗が約10倍です。

在スリランカ日本国大使館の令和7年下半期レポートには、もう少し踏み込んだ分析があります。

スリランカ警察によれば、経済危機に伴う物価高騰以降、生活に困窮した市民や薬物中毒者による犯罪が増加し、令和5(2023)年に犯罪件数はピークとなったが、令和7(2025)年においても犯罪件数は高止まりの状況にある。

さらに、ソーシャルメディアを介した詐欺・脅迫、女性や未成年を狙った性犯罪が占める割合も増加中。2025年中の外国人訪問者は230万人を超え、「外国人観光客を標的とする犯罪件数も増加」「窃盗、強盗、詐欺、性的嫌がらせ事案の発生が多く確認された」と書かれています。

世界全体での位置づけはGPI 2025の解説も参考になります。邦人の被害傾向は、外務省が名指しでまとめています。

日本人の被害は、日本語での声かけがきっかけとなるケースが目立ちます。親切心を装って言葉巧みに近づき、金品をだまし取る、盗む、価値のない宝石などを高額で買わせる、性的暴行をする、といった事案が報告されています。

Travel Alert 02

海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?

詳しくみる →

主な犯罪・トラブル

観光客が巻き込まれやすい手口は都市ごとに記事を分けているので、詳細はそちらに譲ります。ここでは俯瞰だけ。詳しい手口と対策はコロンボの治安まとめから各トラブル記事へどうぞ。

  • スリ・ひったくり・置き引き: 鉄道・長距離バス・飛行機内で貴重品が抜かれる、ネックレスを引きちぎって逃走、ゲストハウスの客室盗難
  • 三輪タクシー(トゥクトゥク)トラブル: 郊外への連れ込み性的暴行、宝石店連れ込み詐欺、過剰請求、乗車中に第三者が乗り込んでくる
  • 詐欺・ぼったくり: ゴール通りの宝石店連れ込み、投資・不動産詐欺、婚姻詐欺、レストランでのスキミング、ホテル・レストランで一桁多い請求
  • 性犯罪: 三輪タクシー運転手による郊外連れ込み、ホテル従業員の部屋侵入、空港トイレでの金品強奪
  • 薬物セットアップ: 路上でバラ売りのタバコを買うと大麻で、警察に現行犯逮捕される密売人と警察の連携事案

貴重品の持ち歩き方そのものを見直したい人は、スリ対策グッズの選び方で首下げポーチや分散収納の考え方をまとめています。

マナー・法律・NG行動

薬物は死刑リスクあり

在スリランカ日本国大使館「安全の手引き」の警告は重めです。

スリランカ政府は、違法薬物に対する取締りを強化しており、当国における覚せい剤の営利目的所持の罪の場合は、死刑を宣告される可能性があります。

2025年10月には大統領自ら薬物撲滅キャンペーンを立ち上げ、取り締まりを強化中。邦人旅行者がスリランカ人から買ったバラ売りタバコが大麻で、警察に現行犯逮捕される密売人と警察のセットアップ事案も起きています。

寺院のマナー

C1-embassy のコロンボ案内より。

寺院内に入る際は入り口で脱帽の上,靴を脱ぐことを求められる。また,ノースリーブのシャツや膝上丈のショートパンツやスカート等,男女を問わず肌の露出が多い服装で寺院内に入ることは禁じられている。

仏像を背にして写真を撮る、石仏の上に座る行為は厳に慎むように、と書かれています。仏教徒の多い国なので、舐めた態度はトラブルの種になる。

写真撮影

港湾・軍施設は撮影禁止。アヌラーダプラ・ポロンナルワ・シーギリヤなどの文化遺跡は、入場料を払えば撮影可です。

Travel Alert 03

無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も

詳しくみる →

サイクロン・洪水

スリランカは雨季(5〜6月、10〜11月)のほか、不定期のサイクロンにも備えが必要です。大使館の安全対策情報より。

令和7(2025)年11月末にスリランカを縦断したサイクロンの影響により国内各地で洪水や地滑りが発生し、幹線道路でも交通規制が敷かれた。洪水の影響で、複数の邦人から宿泊施設や国立公園周辺に取り残され、移動が困難になったとの相談が当館に寄せられる事態も発生した。

雨季・サイクロン期に内陸や国立公園へ行く予定がある人は、予報と幹線道路の通行状況を直前までチェックしておこう。

医療費と感染症の実態

外務省「世界の医療事情」によれば、コロンボやキャンディの私立病院は専門医が集まり一定水準の医療を受けられるものの、入院時は傷病名と重症度に応じた保証金(デポジット)を求められるのが普通。地方の医療レベルはそれほど高くありません。

緊急移送の金額感はかなりシビアです。

日本等への緊急移送で専用チャーター機を使った場合、高額な自己負担(2000万円を越える場合も)が発生します。

渡航前に絶対押さえておきたい感染症は以下。

  • デング熱: 「スリランカでは毎年平均6万人が感染し、約100人が死亡」「2022年は約77,000人、2023年は約90,000人の発症報告」。日中活動するネッタイシマカ・ヒトスジシマカが媒介するので、防蚊スプレーは必携
  • 狂犬病: 2021年の発症死亡25名のうち、コロンボを含む西部州内で9名。野良犬は都市部を含め全土にいる。噛まれたら暴露後ワクチン必須
  • レプトスピラ症: 「過去15年間毎年約5000例の発症」、雨季・洪水後の水田や水たまりに入らない
  • 腸チフス・パラチフス: 年間1,000〜1,500名発症。生水・生もの・氷は避ける

海外旅行保険の治療救援費用は 3,000万円以上が目安。緊急移送まで含めてカバーできる水準にしておくと安心です。

Travel Alert 04

知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?

詳しくみる →

通信手段

スリランカは現地SIMの入手自体は難しくないものの、バンダラナイケ国際空港到着直後は客引きに囲まれやすいエリアでもあります。日本で事前にeSIMを用意しておくと、到着直後から配車アプリを呼べてスムーズ。eSIM比較 で主要プランをまとめています。

緊急時連絡先

在スリランカ日本国大使館の緊急連絡先一覧(令和7年12月現在)より抜粋。

用件番号
警察(コロンボ市内緊急)119 / 011-242-1111
消防110 / 011-242-2222〜3
救急(ナショナル・ホスピタル24時間)1990 / 011-269-1111
災害対策センター(DMC)171 / 011-213-6136
ツーリストポリス(観光警察)1912
出入国管理局1962
在スリランカ日本国大使館011-269-3831〜3

国番号は94、国外から電話をかける場合は市外局番の最初の0を取る。

Travel Alert 05

空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?

詳しくみる →

海外旅行保険

スリランカは私立病院のデポジット、緊急移送の高額請求、薬物セットアップ時の弁護士費用など、トラブル時に数百万〜数千万円の支出が一気に発生しやすい国です。クレジットカード付帯保険だけで足りるかは事前に必ず確認しておこう。南アジアの海外旅行保険 で地域別の考え方をまとめています。

同じ南アジアで、総選挙前の政治不安と粗製爆弾、日本人テロ被害の記憶を抱えるバングラデシュの治安の構造はスリランカと並べて押さえておきたい。

主要都市の治安情報

出典