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オランダの治安 日本人盗難56件・大麻で強制入院【2026】

オランダの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在オランダ日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.23 KAIGAI-RISK

2023年、在オランダ日本国大使館が把握した日本人の盗難被害は56件。パスポートが含まれるケースだけの数字なので、実数はもっと多い。しかも前年の9件から6倍以上に跳ね上がっています。コロナ明けで渡航者が戻った途端、日本人が「現金を持ち歩いている」と知り尽くした犯罪グループに狙い撃ちされている構図です。

チューリップと風車のイメージだけで行くと、中央駅でスリに遭い、コーヒーショップで意識を失い、帰りの飛行機に乗れなくなる。そんな事態が現実に起きています。

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危険レベル

外務省の危険情報・感染症危険情報とも発出なし(2026年4月時点)。スポット情報もなし。ただし「レベルなし=安全」ではなく、欧州全体に対するテロ注意喚起の広域情報は継続中です。世界全体の治安の位置づけはGPI 2025のランキング解説も参考にしてください。

日本人被害56件、犯行は「チーム戦」

2023年のオランダでの日本人のパスポートを含む盗難被害は56件。2022年は9件だったので6倍以上です。コロナの入国制限が2022年9月に撤廃され、渡航者が増えたことが直接の原因とされていますが、手口自体も巧妙化しています。

犯行の手口は巧妙で注意をそらした一瞬の隙に実行されていることから、犯罪者の多くがターゲットを絞った上で、複数人で犯行に及んでいると考えられます

被害の過半数は置き引き。列車内でコインをばらまいて気を引く、ケチャップを服に付けて話しかける、乗降口で人の壁を作って身動きを封じる。いずれもグループ犯行で、1人が注意をそらし、別の1人が荷物を盗る。単独犯ではなく「チーム戦」だと思っておくべきです。

日本人が繰り返しターゲットにされている理由について外務省はこう指摘しています。

犯人は、現金等の貴重品を持ち歩いている日本人が特に多いことを認識した上で、犯行に及んでいることがうかがえ

オランダはキャッシュレス決済が非常に進んでいるので、現金を大量に持ち歩いている時点で「観光客」、さらに「日本人」と特定されやすい。現金は最小限にしてカードと分散携帯が鉄則です。

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犯罪が集中するエリア

犯罪が特に多いのは以下の3地帯です。

アムステルダム中央駅〜ダム広場〜飾り窓地域。駅構内からダム広場へ向かう「Damrak通り」、ダム広場東側の「飾り窓」地域には麻薬の売人や浮浪者がたむろしていて、夜間の一人歩きは危険を伴います。飾り窓地域での写真・ビデオ撮影は、トラブルに巻き込まれるおそれがあるので厳禁。

スキポール空港。到着ロビー、両替所付近、タクシー乗り場、駐車場で置き引きが散見されます。最近は機内の座席ポケットにパスポートやポーチを入れたまま降機し、引き返したら消えていたという事例も増加中。クレジットカードのすり替え事案も報告されています。

観光名所・大型ショッピング施設。国立美術館、ゴッホ美術館、フォンデルパーク付近、郊外のアウトレットモールなど人が集まる場所でスリ・置き引きに加え、睡眠薬強盗も発生しています。

都市別の詳しい手口と対策はアムステルダムの治安ページへ。

コーヒーショップの「合法」は誤解

オランダと聞くと「大麻が合法」と思う人が多いけれど、これは正確ではありません。外務省はこう明記しています。

大麻等の「ソフト・ドラッグ」と呼ばれる薬物についても、いわゆる「コーヒーショップ」と称される店舗において購入できるとはされていますが、これらの薬物の所持・売買等については本来違法であり、犯罪行為にあたります

つまり「黙認されているだけで違法は違法」。そして日本の大麻取締法は国外での使用にも適用されます。

過去には日本人旅行者が興味本位でソフトドラッグを使用して意識不明に陥り、警察に保護される事案が複数発生。保護されて医療施設に移送されると法定検査期間2週間の入院が求められ、その経費も自己負担です。帰国日に間に合わなくなるのは確実。詳しくはアムステルダムの薬物トラブルで解説しています。

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テロ脅威レベルは5段階中の4

オランダのテロ対策調整官組織(NCTV)が設定するテロ脅威度は、5段階中の上から2番目「substantial(相当程度)」。2023年12月にイスラエル・パレスチナ情勢の緊迫化やコーラン毀損事件への報復リスクを受けて1段階引き上げられ、そのまま維持されています。同水準の「深刻」はデンマークも発出していて、コーラン焼却事案以降の北欧全体の警戒文脈と重なる。

これは、テロ攻撃が発生する現実的な可能性があることを意味しています

2019年3月にはユトレヒト市内のトラム車内で銃撃事件が発生し4名が死亡。直近ではイスラム過激派だけでなく右翼過激主義者によるテロの脅威も指摘されています。観光施設、公共交通機関、宗教関連施設は標的になりやすいので、人混みでは周囲への警戒を。隣国ベルギーも2016年のブリュッセル連続テロでテロ脅威度3段階目を維持しており、Thalys等で南へ移動するなら同じ警戒で動きたい。

主なトラブルの概要

カテゴリ特徴詳細
スリ・置き引き被害の過半数、列車・駅・空港がホットスポットアムステルダムのスリ・置き引き
詐欺偽警官・電話詐欺・住居賃貸詐欺アムステルダムの詐欺
薬物トラブルコーヒーショップで意識不明→2週間入院アムステルダムの薬物トラブル
睡眠薬強盗缶ジュースやビスケットを勧められ意識喪失アムステルダムのスリ記事内で解説

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医療費の実態

オランダの医療費は高額で、医薬分業のため処方箋なしでは日本のように薬局で薬を買えません。ホームドクター制を採用しているので、旅行者が専門医に直接かかることもできず、ホテル経由で紹介を受ける必要があります。

オランダ固有の高額治療事例は保険会社データにありませんが、ヨーロッパ地域の参考として、近隣のフランスではバス乗車時の転倒で大腿骨頚部骨折→17日間入院・手術で1,746万円、ドイツではホテルの浴室で転倒し橈骨神経断裂→10日間入院・手術で639万円の支払事例が報告されています(SBI損保/ジェイアイ傷害火災)。オランダも医療費水準は同等レベルなので、旅行保険なしで入院すると桁違いの請求が来る覚悟が必要です。

保険の選び方はヨーロッパの海外旅行保険ガイドにまとめています。

通信手段

オランダでスマートフォンを使うなら、出発前にeSIMを準備しておくのが一番手軽です。eSIM比較はこちら

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緊急時の連絡先

連絡先番号
警察・消防・救急車112(国内共通)
警察(緊急以外)0900 8844
在オランダ日本国大使館(070) 346-9544
大使館(国外から)+31-70-346-9544

大使館はハーグ所在。アムステルダムやロッテルダムには名誉総領事館のみで、パスポート発給等の領事業務はハーグの大使館が担当します。

主要都市の治安情報

出典