Kaigai Risk
TRAVEL RISK ARCHIVE

南アジアの保険 狂犬病・デング熱・搬送まで備える

南アジア旅行の保険、どれくらい備えればいい? 外務省と保険会社のデータから必要補償額をわかりやすく整理。

UPDATED · 2026.05.08 KAIGAI-RISK

南アジアの旅行で実際に多いのは、デリーのニューデリー駅周辺でのスリカトマンズやダッカでの食中毒・デング熱外来、コロンボのトゥクトゥクでのぼったくりといった数万円〜数十万円で収まる被害です。一方で、インドの交通事故や狂犬病咬傷の治療、重症時の日本への医療搬送など、確率は低くても起きると搬送費を含めて数千万円に膨らむのが南アジアの特徴です。外務省はインドについて、治療救援費用3,000万円以上の保険加入を名指しで推奨しています。

被害の幅が広いぶん、「月数千円の保険に入るか/ノーガードか」という二択で考える必要はありません。起きやすい被害から順に、必要な備えだけ積み上げるほうが現実的です。

軽いトラブル(スリ・食中毒・デング熱外来)

南アジアで件数が一番多いのが、このレンジの被害です。

スリ・盗難ならスマートフォンやバッグなど数万円分、食中毒やデング熱の通院・数日の入院でも数万円〜数十万円のレンジに収まります。損保ジャパンoff!の支払事例でも、オールドデリー駅前でトランクを盗まれた携行品損害で70万円という記録があります。

エポスカード1枚で対応可能

このレンジは、年会費永年無料のエポスカード1枚で実用ラインに届きます。

補償項目エポスカード単独
傷害治療費用200万円
疾病治療費用270万円
賠償責任3,000万円
救援者費用100万円
携行品損害20万円

エポスカードは利用付帯(旅行代金の一部をエポスで支払うと保険が有効化)です。出発前に空港までの電車代や航空券をエポスで切っておけば、90日間カバーされます。携行品損害20万円はスマートフォンやカメラ1台分に届く水準で、食中毒やデング熱の外来〜短期入院も疾病治療270万円の枠に収まります。

EPOS CARD × HAPITAS

エポスカード

エポスカードを発行して11,000円相当

ハピタス経由でエポスカードを申し込むと、現金等に交換できる11,000円相当のポイントが付与されます(時期により変動)。年会費は永年無料。

入院・骨折・感染症の重症化

旅行スタイルによって発生確率が変わってくるのが、このレンジです。

  • インドの交通事故での骨折(都市部の交通事情は劣悪で、バイクやオートリキシャの事故が多い)
  • ムンバイゴアでの睡眠薬強盗被害に伴う入院
  • バングラデシュでのデング熱重症化(2023年は32万例超・1,705人死亡の大流行)
  • スリランカの地方での交通事故(応急処置止まりでコロンボの私立病院まで転院)
  • インドでの狂犬病曝露後の緊急治療(免疫グロブリンは在庫のある病院が限られる)

入院や手術が伴うと、治療費は数百万円のレンジに乗ってきます。南アジア固有の保険会社支払事例は限られますが、インドの私立病院は前払い必須で、外務省も「緊急手術や集中治療室入室を要する場合はかなり高額」と指摘しています。

エポスカード単独の補償では足りないため、2枚目のカードと補償を合算して埋める形になります。クレジットカード付帯保険は、傷害死亡・後遺障害以外の項目を複数カードで合算できます。

エポス+楽天カードで対応

楽天カードも年会費永年無料・利用付帯です。エポスと組み合わせると、追加コスト0円のまま補償が一段広がります。

補償項目エポス楽天合算
傷害治療費用200万円200万円400万円
疾病治療費用270万円200万円470万円
救援者費用100万円200万円300万円
携行品損害20万円なし20万円

疾病治療が270万円から470万円まで広がるため、軽〜中度の入院・通院は射程に入ります。

まだ楽天カードを持っていない人は作っておきましょう。

RAKUTEN CARD × HAPITAS

楽天カード

楽天カードを発行して10,000円相当

ハピタス経由で楽天カードを申し込むと、楽天本体の通常キャンペーン特典とは別枠で、現金等に交換できる10,000円相当のポイントが二重でもらえます(時期により変動)。年会費は永年無料。

エポス+楽天+三菱UFJカードゴールドの3枚で対応

もう一段補償を厚くしたい場合は、三菱UFJカードゴールドを3枚目に足す形があります。利用付帯のエポス・楽天を発動させるには、旅行代金を2枚に分けて決済する必要があります。

3枚目の決済は現実的にむずかしいですが、UFJゴールドは自動付帯なので決済なく合算できます。

年会費は初年度無料。翌年以降11,000円(税込)。年100万円決済で実質年会費無料です。

補償項目エポス楽天UFJゴールド合算
傷害治療費用200万円200万円300万円700万円
疾病治療費用270万円200万円300万円770万円
救援者費用100万円200万円500万円800万円
携行品損害20万円なし50万円70万円

疾病治療770万円のラインまで広がるため、インドの私立病院での入院・手術、デング熱や食中毒の重症化、骨折・脱水・敗血症などの中規模医療費が射程に入ります。救援者費用800万円・賠償責任1億円規模まで合算でき、旅先で起きる中規模事例の大半をクレカ付帯だけでカバーできる構成です。

合算できない傷害死亡・後遺障害も、UFJゴールドを足すとエポス単独の3,000万円から5,000万円まで天井が上がります。

MUFG GOLD × HAPITAS

三菱UFJカードゴールド

三菱UFJカードゴールドを発行して10,000円相当

ハピタス経由で三菱UFJカードゴールドを申し込むと、現金等に交換できる10,000円相当のポイントが付与されます(時期により変動)。海外旅行傷害保険は自動付帯で、年会費は初年度無料。

重度の事故・医療搬送

確率は下がりますが、南アジアの構造的なリスクが集中するレンジです。インドの交通事故・狂犬病、モルディブのダイビング事故、バングラデシュやスリランカの国外搬送前提の医療体制が重なると、搬送費だけで桁が変わります。

  • インドでの重度交通事故、脳疾患発症からの日本への医療搬送
  • モルディブでのダイビング事故(ICU設備がなくシンガポールへチャータージェット搬送)
  • スリランカでの重症化から専用チャーター機による日本への緊急移送
  • バングラデシュでの重症疾患(国内では対応できずバンコクかシンガポールへ搬送)
  • インドでの狂犬病曝露後のヒト狂犬病免疫グロブリン治療(在庫不安定、他都市への移動も)

保険会社の支払事例と外務省の情報を合わせると、南アジアの重度事例はこの水準です。

事例金額
モルディブダイビング中に意識不明、チャータージェットでシンガポールへ搬送(25歳女性)S$5,321+US$50,517(800万円規模)
スリランカ重症化で日本へ専用チャーター機搬送(外務省 世界の医療事情)2,000万円超
バングラデシュ国外への緊急医療搬送1件あたり(外務省 世界の医療事情)3,000万円規模

モルディブのダイビング事故は損保ジャパンoff!の実際の支払事例です。スリランカとバングラデシュは外務省「世界の医療事情」が明記している搬送費用の水準で、実例ベースの金額です。

インドについては、外務省がこう書いています。

もしもの場合に備え、治療救援費用が3,000万円以上の海外旅行保険に加入しておくことを強くおすすめします。

外務省が名指しで金額を挙げて推奨する国は多くありません。バングラデシュの「一搬送あたり3,000万円程度」という水準とも一致しており、南アジアの重度事例は3,000万円が一つの目安になっています。

海外旅行保険を上乗せ

このレンジまで備えるなら、ネット型の海外旅行保険を上乗せするのが現実的です。1週間の都市観光なら治療費用無制限プランも数千円のレンジから入れます。ただしモルディブのダイビングなどアクティビティ予定がある場合は、危険スポーツ特約の有無を確認してください(特約付きはその上のグレードになります)。

  • インドに行く(外務省が治療救援3,000万円以上を名指し推奨)
  • モルディブでダイビングをする予定がある(ダイビング特約の補償除外でないか要チェック)
  • バングラデシュ・ネパールなど医療搬送が国外前提の国に行く
  • 狂犬病リスクのある地域に滞在(インド全土・ネパール・スリランカ)
  • 90日を超える長期旅行(クレカは保険切れ)

このどれかに当てはまる旅程なら、クレカの土台にネット型保険を上乗せする形を検討してみてください。モルディブは外務省が「外国人は治療費の支払いに保証がない限り、どの医療施設でも治療は受けられない」と明記しており、キャッシュレス対応のある保険への加入が実質必須です。

まとめ:0円から段階的に厚くする

全部に備えようとすると有料保険一択になりますが、南アジアの旅行トラブルは「よくある軽傷」と「まれだけど高額」で桁が違います。0円の土台から必要な分だけ積み上げていくと、自分の旅程に合った落としどころが見えてきます。

組み合わせ疾病治療カバーする被害
エポス単独270万円食中毒・デング熱外来・短期入院
エポス+楽天470万円入院・軽度の骨折・感染症悪化
エポス+楽天+UFJゴールド770万円中度の入院・骨折・デング熱重症化
+ ネット型保険上限なし狂犬病治療・医療搬送・ダイビング事故

短期の都市観光ならエポス+楽天の合算まで、インド渡航・モルディブのダイビング・長期旅行はエポス+楽天+UFJゴールドにネット型保険を足す形が目安になります。自分の旅程と照らし合わせて、必要なところまで備えを積み上げてみてください。

EPOS CARD × HAPITAS

エポスカード

エポスカードを発行して11,000円相当

ハピタス経由でエポスカードを申し込むと、現金等に交換できる11,000円相当のポイントが付与されます(時期により変動)。年会費は永年無料。

よくある質問

クレジットカード付帯保険だけでインド旅行は大丈夫?

軽い被害(スリ・食中毒外来・短期入院)なら年会費永年無料のエポスカード1枚でほぼ収まります。入院・骨折まで視野に入れるなら、エポス+楽天の無料2枚で疾病治療470万円、エポス+楽天+UFJゴールドの3枚で疾病治療770万円まで合算できます。ただし外務省は治療救援費用3,000万円以上の保険加入を強く推奨しており、狂犬病咬傷・医療搬送まで備えるならネット型の有料保険を上乗せする形になります。

利用付帯ってどういう意味?

旅行代金(航空券・ツアー代・空港までの公共交通機関など)をそのカードで支払うと保険が有効になる仕組みです。エポス・楽天は利用付帯で、旅行代金の一部をどのカードで払うかで保険を有効化できます。一方、UFJゴールドは自動付帯で、保有しているだけで補償が発動します。

エポスと楽天とUFJゴールドの補償額は合算できるの?

傷害死亡・後遺障害を除き、治療費用・救援者費用・賠償責任・携行品損害などは複数カードの補償額を合算できます。エポス(疾病270万円)+楽天(疾病200万円)の無料2枚で疾病治療470万円、UFJゴールド(疾病300万円)を足した3枚で770万円まで積み上がります。