カトマンズはネパールの首都で、ダルバール広場・スワヤンブナート・ボダナートといった世界遺産を抱える観光の玄関口。ただ在ネパール日本国大使館「安全の手引き」と外務省の注意喚起を並べると、「観光の玄関口」と「路上の暴力犯罪」が同居しているという独特の構造が見えてきます。深夜のタメル地区で金品を強奪された日本人、ホテルで貴重品を盗まれた日本人、ククリナイフで殴られた住居侵入強盗——いずれも大使館が具体例として記録した街です。
Travel Alert 01
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カトマンズの犯罪エリア・時間帯
大使館「安全の手引き」(令和7年2月版)の書き方はまっすぐ。
カトマンズ市内では、強盗、窃盗、身代金目的誘拐事件などの一般犯罪が増加傾向にあります。殺人事件や強盗事件にはインドから密輸入された拳銃や手製の拳銃が使用されたりしています。
外務省の安全対策基礎データも同様。
カトマンズ:住居侵入による強盗・窃盗事件、身代金目的誘拐事件、置引き事件等が多く発生しています。
日本人旅行者が被害を受けた具体的なエリアとして、注意喚起に繰り返し登場するのは:
- タメル地区(観光中心街):深夜の暴行・金品強奪(A2「日本人の被害例」)/財布などを深夜に強奪される事案(大使館手引き)
- ホテル内:外出中・就寝中の室内窃盗/従業員を装う人物による手口
- 観光地:ガイドを装う者・ティカ(赤い印)をつけてやると持ちかける者の相方による盗難
- レストラン・バス車内・乗り場・路上:バッグの置き引き・スリ
- ひと気のない観光地:パスポート・現金の強奪
いずれも夜間または観光客の油断した瞬間が手口の前提になっています。
カトマンズ盆地の環境面のリスク
観光情報だけだと見落としがちなのが、冬場の大気汚染と感染症。
大使館手引きより。
乾季のカトマンズ盆地は大気汚染がひどく、長期滞在者は呼吸器疾患等に注意が必要です。
首都圏のカトマンズ盆地で注意すべきものは、まず第一に感染性胃腸炎(いわゆる下痢症:腸チフス、コレラを含む)です。水道水や井戸水の水質は不衛生なものが多いため、飲用にはペットボトルの水をご利用下さい。ただし、ペットボトルの水からも大腸菌が検出されたという報告があるので、信頼できるメーカーの物を選ぶようにして下さい。
首都のペットボトル水ですら信頼できるメーカーを選ぶ必要がある、という水準感。詳細はカトマンズの感染症・医療リスクへ。
Travel Alert 02
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あなたは知っていますか?
日本人が遭ってる主な手口
1. タメル地区の深夜強奪
外務省「日本人の被害例」より。
○ 深夜タメル地区を歩いていたところ、ネパール人から暴行を受け、金品を強奪された。
大使館手引きも重ねて記録してます。
日本人関連の犯罪は、ほとんどが置き引きやスリ等の窃盗被害で、最近は、深夜にタメル地区周辺で財布などを強奪される事件も発生しています。
タメル地区は日本人旅行者が集中するゲストハウス・バー・レストランのエリアですが、その集中が犯罪者にとって「日本人を探しやすい狩場」になっているのが現実。夜間の単独徒歩は避けるのが鉄則です。詳細はカトマンズのスリ・ひったくりに。
2. ホテル従業員・ガイド装い詐欺と置き引き
○ ホテルにおいて、外出中や就寝中に室内の貴重品を盗まれた。 ○ ホテルで従業員を装った人物や観光地でガイドを装った人物に話しかけられ、対応中に当該人物の仲間に貴重品を盗まれた。 ○ レストランで食事中、座席(の上または下)に置いていたバッグ等を盗まれた。
「声かけ→仲間が別方向から盗む」のチーム手口がカトマンズの定番。ティカ(ヒンドゥー教の赤い印)をつけてあげるという文化的に自然なアプローチも手口の一つとして記録されてます。
3. バス車内の睡眠薬強盗
バス車内等で他人から勧められた飲食物(クッキーやジュース)を安易に口にしたところ、睡眠薬が仕込まれていたことから意識を失い、荷物を奪われるという事件も過去に発生しています。
空港→市内の送迎バス、長距離バス、観光バスなど、移動中の疲労+「親切」の組み合わせが手口のトリガー。同じ南アジアではデリーの睡眠薬強盗でも列車内の同型手口が記録されています。詳しくはカトマンズの睡眠薬強盗へ。
4. 空港・陸路のビザ不正請求
ネパール入国時、トリブバン空港アライバルビザ代金支払窓口(金融機関)において、ビザ代金を支払おうとした際、「日本人は、日本円でしか受け付けていない。」と窓口職員に言われ、正規の代金より多く請求された。
インドから陸路で入国しようとした旅行者が、入国審査を受けるためと付近の建物に連れて行かれ、査証(ビザ)申請料として多額の支払いを要求された。
カトマンズに到着した瞬間から不正請求は始まってる、というのは覚えておきたい。詳細はカトマンズの詐欺・ぼったくりに。
5. 悪質旅行業者(トレッキング契約)
法外な料金でトレッキング等の契約を結ばせ、旅行者が、料金が高すぎるとして解約あるいは返金を要求すると、高額なキャンセル料を要求する業者がいます。
タメル地区にはトレッキング代理店が軒を連ねてますが、現地で即決しないが基本。複数社で見積もり比較、契約書を英文で要求、というのが外務省の対処アドバイスです。
6. ククリナイフ住居侵入強盗(長期滞在者向け)
○ 深夜自宅に強盗に侵入され、ククリナイフ(ネパールで用いられる、鉈に近い形状の大型ナイフ)で殴られ現金等を強奪された。
長期滞在や留学で民家・アパートに住む場合のリスク。短期旅行者でもAirbnbや長期滞在型ゲストハウスを使うなら該当します。
2025年9月の大規模抗議デモと脱獄の余波
2025年9月15日付の大使館注意喚起は、カトマンズの観光計画に直接関わる内容でした。
- トリブバン国際空港が9月10日午後3時30分まで国際線・国内線ともに閉鎖
- ネパール全体で1万3千人以上が刑務所から脱走、うちカトマンズ盆地内で3千人以上
抗議デモ自体は収束方向でしたが、脱獄者の市中潜伏は短期で解消する性質の問題ではない。2025年9月以降にカトマンズを訪れる場合は、渡航直前に必ず大使館サイトの最新注意喚起を確認しましょう。
Travel Alert 03
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カトマンズの交通事情
外務省と大使館の書き方はほぼ同じ温度感。
ネパールの道路事情として、陥没や未舗装、歩道の未整備等の場所が多いです。また、信号機の多くは使用されておらず、横断歩道も少ないため、歩行者は車両の合間を縫って横断する状況が見られます。
タクシーはスピードの超過や無理な追い越しを行う傾向があります。
そして重要なポイント。
2024年7月1日現在、日本の運転免許証からネパールの免許証への切り替えは行われておりませんので、運転免許証をネパールで新規に取得する必要があります。(中略)なお、ネパールでは、国際運転免許証で運転することはできません。
国際免許証でネパールは運転できません。レンタルバイクで走っていた人が「国際免許で大丈夫」と思い込んでいても違法で、無免許扱い。これは保険の有効性にも直結するので重要です。
カトマンズ市内はタクシー・InDrive(配車アプリ)を使うのが基本。深夜の徒歩移動を避ければ、交通リスクはかなり下げられます。
緊急時の連絡先
- 警察(一般):100
- カトマンズ警察署:4290800
- ツーリスト・ポリス本部:1144 / 5347041
- 消防(カトマンズ):101
- 在ネパール日本国大使館 代表:01-4426680
- 領事班メール:consular-emb@km.mofa.go.jp
非常事態時は大使館 FM放送(89.00MHz、正午・18時)も情報源になります。
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カトマンズの主要医療機関
| 病院 | 区分 | 電話 |
|---|---|---|
| CIWEC Hospital Travel Medicine Center | 私立(外国人向け) | 4524111 / 4524242 |
| Grande International Hospital | 私立 | 5159266 / 5159267 |
| Norvic International Hospital | 私立 | 5970032 |
| Kathmandu Medical College Teaching Hospital | 私立 | 4512303 / 4512808 |
| Bir Hospital | 国立 | 4221119 / 4221988 |
| Nepal Mediciti Hospital(ラリトプール) | 私立 | 4217766 |
外国人旅行者の感染症・高地医療対応はCIWECが第一候補として広く知られています。
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カトマンズの手口別詳細
ネパール全体の治安・医療・法律はネパールの治安トップに。トレッキングと高山病の話はポカラの高山病・医療リスクで扱います。
この都市のトラブル別ガイド
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