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ノルウェーの治安 窃盗5倍・偽警官スリ・銃撃テロ【2026】

ノルウェーの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在ノルウェー日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

ノルウェーは「北欧だから安全」と思って行くと、オスロのカールヨハン通りでリュックを開けられます。在ノルウェー日本国大使館「安全の手引き」(令和7年10月版)が冒頭ではっきり書いているのが、人口比で見ると窃盗発生率は日本の約5倍、強盗は約23倍、不同意性交等は約12倍という事実。「ノルウェーは比較的治安がよい国と思われがちですが、日本と比較すると一般犯罪が多く発生しており、置き引き、スリは多発しています」――外務省の安全対策基礎データもこの一文から始まる国です。

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危険レベル

外務省の危険情報は2026年4月時点で全土に発出なし。感染症危険情報もスポット情報もありません。ただし「危険レベルなし=安全」ではなく、欧州全体に対するテロ等に関する注意喚起は継続発出されていて、ノルウェーも対象に含まれます。

「北欧は安全」のイメージ vs 実態 --- 人口比で日本の数倍〜数十倍

大使館「安全の手引き」が2024年の犯罪統計を日本と比較して並べているのが衝撃的です。

日本では殺人は約12万7千人に1件、強盗は約9万人に1件、不同意性交等は約3万1千人に1件、窃盗は約247人に1件発生しているのに対し、ノルウェーでは殺人は約14万3千人に1件と日本よりも発生率は低いですが、強盗は約4千人に1件、不同意性交等は約2,600人に1件、窃盗は約48人に1件と、日本の数倍から数十倍の発生率が認められる

具体的な件数で見るとこう。

凶悪犯罪(2024年)日本ノルウェー
殺人970件39件
強盗1,370件1,348件
強制性交等3,936件2,174件
窃盗犯501,507件116,549件
人口(2024年12月)1億2,380万人557万人

人口が日本の22分の1の国で強盗は同じ件数、窃盗は4分の1。発生率に直すとノルウェーが圧倒的に上です。「平和な国」のイメージで歩くと荷物は消えます。隣国のスウェーデンも殺人率が日本の約5倍で、北欧の「治安神話」は数字で見ると揺らぎます。

オスロ中央駅周辺・カールヨハン通り --- 名指しされた多発エリア

外務省・基礎データが具体的に名指ししているのがオスロ市内の主要観光道路と中央駅周辺。

ホテルのフロント、レストラン、オスロ市内の主要観光道路、空港、駅、公共交通機関の車内等での被害が多く(中略)オスロ中央駅周辺は治安が良いとは言えず、特に夜間は危険ですので、一人歩きは避けてください。

カールヨハン通りはオスロ最大の目抜き通りで、中央駅から王宮までを貫くメインストリート。観光ルートそのものなのに、ここで「リュックのファスナーを開けられて貴重品を盗まれた」事例が外務省の被害例に載っています。中央駅周辺は夜間の一人歩きを避けるレベル。詳しい場所別の手口はオスロの治安で整理しています。

日本語で「柔道」「空手」と話しかけられたら、それは手口

ノルウェー固有のスリ手口で気をつけたいのがこれ。

日本人を見かけると片言の日本語で「柔道」「空手」等と言いながら近付き技をかける真似をして気をそらせている隙にポケットから財布を抜き取って逃げる

大使館「安全の手引き」に書かれている【すり③】の事例。観光客特化型の手口で、日本語で陽気に話しかけてくる見知らぬ人=親切な現地人ではありません。「ニホンジン?ジュウドー!カラテ!」と来たら、まず財布の位置を確認して、そのまま離れる。これだけで被害率は大きく変わります。

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偽警官の「偽札チェック」 --- 警察官は路上で財布を調べない

もう1つの要注意手口が偽警官詐欺。

警察官を名乗る者から偽札チェックをすると言われ財布を検査されたが、後に確認すると現金やカードが抜き取られていた。事前に犯人グループの一人が執拗に麻薬を売りつけようとするなどして、被害者が警察官の言葉に従い易いような環境を作る手口

これも大使館の手引きに掲載された実例。「麻薬売り」と「偽警官」がチームで動く分業型です。本物のノルウェー警察が路上で財布の中身をチェックすることはありません。財布を見せろと言われたら、その場で身分証の提示を求める、112に電話する、近くの店に逃げ込む――が正解です。

TESTIMONY · 旅行者A
混み合った電車の中で隣の人と何回か身体が当たり、その時は特に気にならなかったが、電車を降りると持っていたバッグの口が開いており財布がなくなっていた。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在ノルウェー日本国大使館「安全の手引き」令和7年10月版【すり①】

オスロでのスリの全パターンはオスロのスリ・置き引き対策でまとめています。

「平和の国」のテロ事件 --- 2011年ウトヤ・2022年オスロ銃撃・2025年刺殺

ノルウェーは過去15年でテロが繰り返し起きている国でもあります。

  • 2011年7月:オスロ市内で政府庁舎爆破テロ、続いてウトヤ島で銃撃事件(合わせて77名死亡、ノルウェー戦後最大のテロ)
  • 2021年2月:テロを企図したとして16歳のシリア人少年が拘束
  • 2022年6月:オスロ市中心部で銃撃により2人死亡のテロ事件
  • 2025年8月:オスロ市内の青少年福祉施設で右翼過激派による刺殺事件

イスラム過激派は祝祭、パレード、政治集会といったイベントを例示し、不特定多数が集まる場所を狙ってテロを実行するよう呼びかけており、実際にノルウェー治安当局は欧州各地で発生したテロを受け、クリスマスマーケットを含む「多数が集まる場所」での警察官の増強配置など具体的な措置をとっており、ノルウェーも例外ではない

大使館の手引きが警告しているのがクリスマスマーケットなど人が集まる場所。レストランや大型店舗に入ったらまず非常口の位置を確認、不審者・不審物には近づかない、爆発音や銃声がしたら低い姿勢で物陰へ――が外務省の推奨行動です。

詐欺 --- フィッシング「BankIDを教えろ」と住宅詐欺

短期旅行者で気をつけたいのがSMSフィッシング

ノルウェーの大手銀行を称する電話番号から、メッセージ内のリンクにアクセスして氏名、生年月日、口座番号及びBankID等の個人情報をアップデートするようSMSが届いた(中略)銀行の他、税務署や警察を装った電話やSMSが犯行に使用される場合もあります。BankIDやパスワードは誰が尋ねても絶対に教えないでください。

長期滞在者向けには「住宅詐欺」も警告されています。「ノルウェーでは物件を実際に確認する前や契約交渉前にデポジット等を支払うような不動産取引は存在しません」と大使館が明記。SNSやメールで遺産相続を名乗る詐欺の注意喚起もオスロ大使館から出ています。詳しくはオスロの詐欺・ぼったくりで。

違法薬物 --- 「麻薬の取締りは厳格」

ノルウェーの薬物規制は厳しく、外務省・基礎データに「麻薬の取締りは厳格に実施されています」と明記されています。空港の通関でも「麻薬等の禁制品持込みの検査は特に厳しく行われます」とあるレベル。「執拗に麻薬を売りつけようとする」グループに偽警官が連動する手口もあるので、見知らぬ人から薬物を勧められても絶対に受け取らないこと。

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医療費の実態 --- 北欧借用でイギリス事例最高1,549万円

ノルウェーは保険会社の独立した支払事例ページを持っていません。同じ西欧水準・国民皆保険型のイギリス事例(同地域の参考として引用)を見ると医療費の実態が見えてきます。

内容入院日数金額
イギリス:腹痛で受診、急性虫垂炎・手術14日1,549万円
イギリス:ホテルで倒れ救急搬送、硬膜下血腫・手術、医師看護師付添い医療搬送32日1,242万円
イギリス:散歩中に胸の痛み、気胸・手術、医師看護師付添い医療搬送25日958万円
イギリス:肘の痛み、蜂巣炎で入院13日942万円
イギリス:腹痛、急性虫垂炎・手術13日741万円

外務省・安全対策基礎データも「ノルウェーの医療水準は高水準ですが、医療機関における診察・治療費用は高額」と明記しています。クレジットカード付帯保険の治療救援費上限(300万〜500万円)では足りないケースが普通にあるレベル。詳しい医療制度(Fastlege)と救急の使い方はオスロの医療・健康トラブルで。

交通事情 --- 電動キックスクーター事故、夜間の動物衝突

ノルウェーで運転・歩行する際の固有リスク。

ここ数年、特にオスロ市内において、多くの人が電動キックスクーターを利用しています。電動キックスクーターは、運転免許証を取得していなくても利用することができ、また速度も時速20キロメートルほど出ます。そのため、自動車や歩行者との事故が増えています

主要道路では道路の両側に動物避けのフェンスが設置されている場所もありますが、特に夏期の山間部の峠道やカーブの先で牛、へら鹿、羊、山羊、狐、トナカイ等に遭遇することもありますので注意

2024年の交通事故死者は87名、重傷者578名。レンタカーで郊外に出るならトナカイ・ヘラジカとの衝突に注意。

フィヨルド・山岳・オーロラ観光の固有リスク

フィヨルド、山岳観光スポットでは、ハイキングに適した所もありますが、トロルトゥンガ(邦訳名:トロルの舌)のように麓から10時間程かけて登山するような場所もあります。また、天候も変化しますので、フィヨルド、山岳観光の際には、十分な装備(服装、食料、水、防寒着、雨具、登山靴やハイキングに適した靴、登山用具等)を準備するなど、適切な装備を心がけください。

スノーモービルによるオーロラ観光では人身事故が発生していますので、ご注意ください。

A2基礎データの観光時留意事項。トロルの舌のような難ルートは旅行者の遭難が報告されているレベル。装備不足での突撃はやめましょう。

安全対策まとめ --- 出発前にやっておくこと

  1. オスロ中央駅周辺の夜間一人歩きを避ける。ホテル選びも中央駅から少し離れたエリアを推奨
  2. 「日本語で柔道・空手」と話しかけてくる人は警戒対象。観光客特化型のスリ手口
  3. 「警察」を名乗る人物にカードや財布を渡さない。本物の警察は路上で財布を調べない
  4. ホテル朝食のビュッフェ・空港チェックイン時は荷物を体から離さない。「ティーバッグ拾い」「ケチャップ汚れ」は気をそらしの定番
  5. ATMは銀行内のものを利用、屋外ATMはスキミングリスクあり
  6. 海外旅行保険は治療救援費1,000万円以上。北欧借用のイギリス事例で1,549万円のケースあり、クレカ付帯では足りない
  7. シェンゲン圏90日制限を守る。180日のうち90日まで

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シェンゲン圏とEES

ノルウェーはEU非加盟だがシェンゲン協定加盟国。査証免除取極により観光90日以内は査証不要。過去180日内で90日上限で、他のシェンゲン国滞在も合算されるので注意。「ノルウェーではシェンゲン領域内の国境検問強化、フェリーでのID検査を実施」とあるとおり、陸路・フェリーでの入国でもパスポート提示が必要です。

通信手段の確保

オスロでもベルゲンでも、スマホが使えないと地図も翻訳も112への通報もできません。空港のSIMカウンターまたは出発前のeSIM準備が楽。選び方は海外eSIM比較を参照。

緊急時の連絡先

機関電話番号
警察112
消防110
救急113
警察(24時間問い合わせ)02800
オスロ中央警察署(Sentrum Politistasjon)22 66 90 50
在ノルウェー日本国大使館(領事班)+47 2201 2900(月-金 9:00-16:00、閉館時は緊急電話に転送)

緊急時のノルウェー語フレーズも大使館「安全の手引き」に掲載されています。

日本語ノルウェー語
助けてHjelp
警察Politi
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海外旅行保険の備え

ノルウェーは保険会社の独立した支払事例こそないものの、同地域の参考としてイギリス事例で急性虫垂炎の手術だけで1,549万円、硬膜下血腫で1,242万円という事例があります。クレジットカード付帯保険の治療・救援費用上限(300万〜500万円)では全く足りません。出発前に必ず補償内容を確認しましょう。詳しくはヨーロッパの海外旅行保険ガイドへ。

主要都市の治安情報

出典