台湾は日本からのフライトが3〜4時間、親日的な雰囲気もあって「初めての海外旅行先」に選ぶ人が多い場所です。実際、街中では日本語が通じることもあるし、治安面でも「比較的安定している」と外務省も記載しています。
ただし、2024年の刑法犯認知件数は38万4,877件で、人口10万人あたりの発生率は日本の約2.8倍。窃盗や詐欺は前年から大きく増えていて、「日本と同じ感覚」で歩くと痛い目を見る可能性があります。このページでは、台湾旅行前に知っておきたい情報を治安→法律→トラブル→医療費の順でまとめます。GW・連休前の総点検はGW海外旅行で起きやすいトラブルに出発前チェックリストを置いています。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
台湾の治安の全体像
危険レベル
外務省の海外安全ホームページでは、台湾に対して危険情報・感染症危険情報・スポット情報のいずれも出ていません(レベル0相当)。主要観光地の台北・高雄・花蓮いずれも指定なしです。
ただし台湾には日本大使館がなく、代わりに公益財団法人 日本台湾交流協会(台北事務所・高雄事務所)が領事業務を担っています。万が一のときの相談先が通常の国とは異なるので、この点は出発前に頭に入れておいてください。
犯罪統計(2024年)
台湾内政部警政署の発表によると、2024年中の刑事事件の内訳は以下のとおりです。
| 犯罪種別 | 件数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 詐欺 | 122,805件 | +224.7% |
| 窃盗 | 54,608件 | +42.4% |
| 殺人 | 135件 | +9.8% |
| 強盗 | 82件 | −34.4% |
| 強制性交 | 65件 | −21.7% |
特に目を引くのが詐欺の急増。SNS型投資詐欺やロマンス詐欺が爆発的に増えていて、日本人の被害も確認されています。アジア圏での順位や日本との比較はGPI 2025の解説で確認できます。
交通事故
2023年の交通事故発生件数は40万2,926件。台湾の人口は日本の約5分の1なのに、日本の事故件数(30万7,930件)を上回っています。右側通行で運転マナーが日本と異なり、バイクが歩道を走ることも珍しくありません。高雄市内では歩道に車両が突っ込み日本人が亡くなる事故も起きています。
マナー・法律・NG行動
1. 薬物(最高刑は死刑)
薬物犯罪の取り締まりは非常に厳しく、製造・密輸入・販売の最高刑は死刑です。タバコや高級茶葉と称して違法薬物を売りつけるケースがあり、知らない人から「おみやげを持って行ってほしい」と頼まれて「運び屋」にされるリスクもあります。空港では手荷物を絶対に目から離さないでください。
SNS上の「闇バイト」募集に応じてしまい、犯罪組織に強制的に薬物密売に関与させられるケースも報告されています。
2. 銃砲刀剣類
銃砲刀剣類の許可なき製造・販売・密輸入・携帯は厳しく規制されていて、こちらも最高刑は死刑。日本と比べて格段に重い罰則です。
3. 売買春・賭博
売買春は違法で、過去に日本人が検挙されたケースもあります。賭博もあらゆる場所で禁止されていて、最近ではポーカー場で遊んでいた日本人が摘発された事例もあります。
4. 盗撮
盗撮は犯罪です。盗撮をした日本人が加害者として逮捕された事例も出ています。航空機内・街中・建物内を問わず、絶対にしないでください。
5. 写真撮影の制限
台北松山空港・台中空港・台南空港などは軍民共用で、軍事施設の撮影は有期懲役+カメラ没収の規定があります。花蓮空港では日本人が戦闘機を撮影した疑いで警察の事情聴取を受けたことも。飛行機の中から空港施設を撮るのも控えてください。
6. 地下鉄(MRT)のルール
台北や高雄のMRT車両内では飲食禁止で、ガムを噛むことも含まれます。違反すると罰金が科されます。MRT車内飲食や軍事施設撮影の罰金は、他国の条例罰金と並べて 海外の罰金マップ でも扱っています。
7. 喫煙
ほとんどの施設内やパブリックスペースで全面禁煙。違反すると罰金です。
8. 防空演習
毎年夏頃に台湾全土で防空演習が行われ、演習中は携帯にメッセージが届き、住民や車両に避難指示・交通規制が出ます。指示に従わないと罰金の可能性があるので、旅行時期が重なったら係員の指示に必ず従ってください。
9. 文化的マナー
- 日本語を理解する台湾人は少なくないので、公の場での会話内容には注意する
- エスカレーターは右側に立つ(日本の関東とは逆)
- 対日感情は全般的に良好だが、歴史問題に関連する散発的な抗議活動がごくまれにある
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
テロ・誘拐情勢
外務省「台湾 テロ・誘拐情勢」によれば、台湾ではテロ組織や反政府組織の活動は確認されておらず、2025年中のテロ事件の発生はありませんでした。
誘拐事件は2025年中に4件ありましたが、いずれもテロ組織に属さない者による単発的な犯行です。日本人に対する誘拐事件は1988年の台北での事件(児童は無事保護)以来、発生していません。
主な犯罪・トラブル
外務省と日本台湾交流協会の情報によれば、日本人がよく巻き込まれるトラブルは以下のとおりです。
- スリ・置き引き — 士林夜市・九份・永康街・龍山寺など観光地で多発。外国人スリグループの情報も → 台北のスリ・置き引き対策
- 詐欺・ぼったくり — SNS投資詐欺、ロマンス詐欺、マッチングアプリ詐欺、違法タクシーの法外な請求
- 性犯罪 — マッサージ店でのわいせつ被害が台北で複数報告されている → 台北の性犯罪対策
- タクシートラブル — メーター操作、遠回り、偽札すり替え、車内汚損の不当請求
- 病気・感染症 — デング熱、日本脳炎、A型肝炎など → 台北の病気・医療情報
士林夜市を歩いていたら、バッグの中から財布を抜かれていました。気づいたのはホテルに戻ってからで、クレジットカードがすでに不正利用されていました。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ(台湾))
台北のマッサージ店でオイルマッサージを受けたら、男性の施術師に胸や体を触られました。夜間帯で他にお客さんがいなくて、怖くてその場では何も言えませんでした。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:日本台湾交流協会「台湾在留邦人安全の手引き」)
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
医療費の実態
台湾の医療水準は高く、台北・台中・高雄には日本語が通じる医師もいます。ただし短期旅行者は台湾の全民健康保険に加入できないため、医療費は全額自己負担になります。
台湾での高額医療費事例
保険会社の公開データには、台湾で次のような保険金支払いケースがあります。
海外で実際に支払われた医療費の事例
出典:ソニー損保/SBI損保/損保ジャパン off! の台湾事例より
- 697万円
バス車内で脳動脈瘤破裂
35日間入院・手術/医療搬送
- 617万円
クルーズ船でベッドから転落
椎間板ヘルニア・胸椎骨折/14日間入院・手術
- 588万円
急性肺水腫
24日間入院/医療搬送
- 561万円
バイク転倒で頭部外傷・骨折
18日間入院
- 53万円
暴漢に襲われ右鎖骨骨折
マッサージでも要注意で、台湾は日本より施術の力が強く、帰国後に肋骨骨折が判明した事例もあります。
「近い国だから保険はいらない」が一番危険なパターンです。海外旅行保険でカバーできる可能性があるので、クレカ付帯保険の補償内容は出発前に確認しておいてください。
感染症の注意
- デング熱: 夏期を中心に感染事例あり。台湾域内でのクラスター事案も確認されている
- 日本脳炎: 4〜9月頃、中南部を中心に感染事例あり
- ツツガムシ病: 4〜10月、花蓮・高雄・南投・台東・金門・澎湖で比較的多い
- A型肝炎・細菌性赤痢: 季節を問わず注意が必要
- 衛生面は全体的に良好だが、水道水はそのまま飲めない。市販のミネラルウォーターを
通信手段の確保
緊急時に日本台湾交流協会や家族に連絡が取れるよう、現地で使える通信手段を出発前に用意しておくことが重要です。SIMの差し替えよりも、出発前にスマホ上で開通できるeSIMが手間が少なく、空港到着後すぐに使えます。
各社eSIMの料金・対応国・速度の比較は海外eSIM比較ガイドにまとめています。
ホテルやカフェの無料Wi-Fiを使う場面もありますが、公共Wi-Fiは通信を覗かれるリスクがあります。VPNを挟んでおくと安心です。選び方は海外VPN比較にまとめています。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
都市別の治安情報
台湾の主要都市の治安情報は、それぞれの都市ページにまとめています。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
緊急時の連絡先
外務省「台湾 安全対策基礎データ」および日本台湾交流協会の公開情報に基づきます。
警察・救急
- 警察:110
- 消防・救急:119
- 詐欺ホットライン:165
- DV相談:113
外国人向けホットライン
中国語ができない場合は以下の窓口を利用できます。
- 内政部移民署 外国人向け生活相談ホットライン:1990(24時間、日本語・英語対応)
- 台北市政府警察局 外事服務站:02-2556-6007(24時間、英語対応。日本語対応スタッフも在籍)
- 台中市政府警察局 外事科:0922-958-110(24時間、英語対応)
- 高雄市政府警察局 外事科:07-215-4342(24時間、英語対応)
日本台湾交流協会
台湾には日本大使館がないため、以下の交流協会が領事業務を担当しています。
台北事務所
- 電話:02-2713-8000
高雄事務所
- 電話:07-771-4008