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ナイジェリアの治安 全土レベル2以上・強盗・薬物厳罰【2026】

ナイジェリアの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在ナイジェリア日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

ナイジェリアは人口約2.2億人を抱えるアフリカ最大の国で、ノリウッド(映画産業世界2位)やアフロビーツの発信地としても知られています。しかし治安状況は観光向きではありません。外務省はナイジェリア全土に対してレベル2「不要不急の渡航はやめてください」以上を発出しており、北東部のボルノ州・ヨベ州・アダマワ州はレベル4「退避してください」、北部・ニジェールデルタの一部はレベル3「渡航は止めてください(渡航中止勧告)」です。アブジャ・ラゴスなど首都圏もレベル2が標準で、観光目的の渡航はそもそも想定されていません。

このページは「それでも仕事や家族訪問でナイジェリアに行く必要がある人」向けに、外務省と在ナイジェリア日本国大使館のソースから、現地で押さえるべき犯罪手口とリスクを整理しています。観光感覚ではなく駐在員・出張者・ジャーナリスト・支援関係者を想定したトーンです。

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危険レベルと犯罪の全体像

地域レベル概要
ボルノ州・ヨベ州・アダマワ州レベル4退避してください(退避勧告)
北部諸州・ニジェールデルタ地域レベル3渡航は止めてください
アブジャ・ラゴス・首都圏含むその他全土レベル2不要不急の渡航はやめてください

外務省「安全対策基礎データ」を引用します。

現在、外務省はナイジェリア全土に対して、「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」、「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」または「レベル2:不要不急の渡航はやめてください。」を発出しています。

ナイジェリアでは、全国各地で民族・地域・宗教間の対立や暴動、イスラム過激派等によるテロ事件や村落等への襲撃事件が頻繁に発生しています。とりわけ近年は、特に北部においてバンディットと呼ばれる武装集団による多数の殺害を伴う村落の襲撃や教育施設等を対象とした誘拐事件が治安上の大きな脅威となっています。

2025年11月26日には、大統領による治安上の緊急事態が宣言され、政府による治安対策が進められていますが、依然として厳しい治安状況が継続しています。

加えて在ナイジェリア大使館「安全の手引き」は次のように書いています。

ナイジェリアでは、北東部を中心にイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」や「ISIL西アフリカ州(ISWAP)」によるテロ事件が頻発しているほか、全国各地で武装集団等による殺人、武装強盗、誘拐等の凶悪犯罪が頻発しています。

「観光客の被害事例」というレベルの話ではなく、「人がたくさん殺されている国」というのが基本認識です。

ナイジェリア固有の犯罪手口

ワンチャンス強盗 --- タクシー・乗合バスの定番手口

厳しい経済状況を背景に窃盗、強盗等の一般犯罪も増加傾向にあり、タクシーや商業バス等の公共交通機関を利用した「ワンチャンス」と呼ばれる強盗や誘拐事件も発生しています。

「ワンチャンス」は、流しのタクシーや乗合バスに乗った乗客が、運転手とぐるになった共犯者ぐるみで強盗・誘拐される手口。乗客は数分後には別の場所に連れ込まれ、財布・スマートフォン・腕時計を奪われ、ATMで暗証番号を入力させられて全額引き出される。場合によっては数日間身柄拘束されるケースもあります。

防御策はシンプルですが厳しい。

  • 流しのタクシー・乗合バスを使わない: 大使館も「絶対に利用しない」と明記
  • 空港〜市街地は信頼できる運転手付きレンタカー・警備会社利用: 複数台体制も推奨
  • 配車アプリも安心しない: 配車後に運転手が変わっている場合があるので車両ナンバー確認

検問偽装強盗 --- 軍・警察を装う犯罪集団

主要幹線道路では軍・警察による検問が行われていますが、最近では犯罪集団が検問を装って強盗・誘拐事件を起こす手口も見られますので、危険を感じた場合にはすぐに避難できるよう、慎重に対応してください。また、警察官が不当に金銭を要求することがあることにも留意する必要があります。

本物の軍・警察検問もあれば偽の検問もあり、見分けは現地にいる人でも難しい。安全の手引きには「窓を全開にしない、後部座席のドアロックを確認する、警察官への賄賂要求にどう対応するか」など具体的な記述があります。賄賂要求に応じると追加要求が止まらなくなる一方、強硬に拒否すると拘束されるリスクもあります。

ボコ・ハラム/ISWAP・北部武装集団による誘拐

外務省「テロ・誘拐情勢」によれば、北部ではボコ・ハラム、ISIL西アフリカ州(ISWAP)に加え、「バンディット」と呼ばれる武装集団による誘拐が常態化しています。教育施設・村落・幹線道路バスを標的にした大規模誘拐事件が頻発しており、外国人も標的になります。

レベル4の北東部(ボルノ州・ヨベ州・アダマワ州)には絶対に立ち入らず、レベル3地域への移動も最小限に抑える必要があります。

ロマンス詐欺・419詐欺の本場

外務省はナイジェリアを次のように位置づけています。

ナイジェリアは、ロマンス詐欺の国際的な拠点になっていることから、インターネット経由如何に関わらず、ロマンス詐欺の可能性に注意する。

「419詐欺(ナイジェリアン詐欺)」と呼ばれる前金詐欺の発祥地でもあり、同じ手口はガーナ・アクラでも拉致監禁にまで発展する形で多発しています。ナイジェリア国内でも国際的にも、SNS・メール経由で「ナイジェリア在住の○○」を名乗る詐欺アカウントが活動しています。日本に向けた被害も多く、ナイジェリアに渡航する/ナイジェリア人と知り合う場面では「金銭が絡む話は全て詐欺と仮定する」が安全側の構えです。

違法薬物は終身刑を含む厳罰

ナイジェリアは、北米・欧州への麻薬密輸における主要な中継地の一つとされています。また、国内でも大麻の栽培・供給が行われていることから、政府による麻薬をはじめとする違法薬物の取締りが非常に厳格に行われています。違法薬物の密輸、譲渡、売買に関与した場合、終身刑を含む厳罰に処せられることがあります。また、所持、使用であっても、長期の禁固刑等の重い刑罰の対象となる可能性があります。違法薬物の犯罪が多い地域に興味本位で立ち寄っただけでも関与を疑われ、身柄拘束等の措置を受ける可能性がありますので、十分注意してください。

「立ち寄っただけで関与を疑われる」レベルの厳格運用です。同じ西アフリカで黄熱イエローカード義務のセネガルも薬物は厳罰エジプトは死刑。各国の薬物刑罰を比較した海外の薬物法ペナルティマップも参考にしてください。

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主な犯罪・トラブル概要

ラゴスでの具体的な手口と日本人駐在員向けの注意点はラゴスの治安へ。トラブル別の詳細はこちら。

マナー・法律で知っておくべきこと

  • 写真撮影: 政府関係施設・軍事施設・空港・港湾・橋梁の撮影は禁止。他人にカメラを向けるのも金銭要求や拘束の引き金
  • 賄賂要求: 警察官・検問・空港職員からの不当な金銭要求が発生する。応じると追加要求のループになる
  • 空港での荷物預かり: 「荷物の運搬・預かりを頼まれても絶対に応じない」(外務省)。薬物運び屋に仕立てられるリスク
  • クレジット・デビットカード: 「スキミング等犯罪被害のリスクが高いことから使用を控える」(外務省)。可能な限り現金(米ドル)で
  • 金の違法取引: ナイジェリアでは金の違法採掘・取引が問題化。鉱物取引の誘いには絶対に応じない
  • DV被害者支援: 駐在員家族向けに、大使館サイトに支援団体リストが掲載されている

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防犯対策の要点(外務省より)

外務省「安全対策基礎データ」から、特に重要な対策を抜粋します。

(1)不要不急(特に早朝、夜間)の外出は避ける。 (2)首都、ラゴスおよびアブジャ国際空港乗り入れの欧州線は、早朝・夜間発着便が多いため、空港と宿舎の間の移動には信頼のおける運転手付きレンタカー・警備会社を利用し、複数台体制での行動を検討する。また、タクシー、バスは犯罪に巻き込まれる危険性が高いため、絶対に利用しない。 (3)空港等で見知らぬ人物から荷物の運搬・預かりを頼まれても絶対に応じない。 (4)ホテル滞在中も室内に入る際には周囲に不審者がいないか確認し、入室後必ず施錠する。 (5)武装強盗・誘拐が多発しているため、陸路での長距離移動を避ける。 (6)車両乗車中もスマホ等に集中することなく、「追随する車両」や、停車時には「接近してくる者」等に対する警戒を怠らない。 (8)万一、武装強盗に遭った場合には、生命の安全を第一に考え、決して抵抗しない。 (10)クレジットカードやデビットカードは、スキミング等犯罪被害のリスクが高いことから使用を控える。

医療費の実態 --- 南ア・欧州搬送が前提

ナイジェリアの医療水準は、ラゴス・アブジャの私立病院でも限定的です。マラリアは年中通じて発生し、致死率も高い。黄熱は入国時にワクチン証明書(イエローカード)が必須。さらにラッサ熱・デング熱のリスクもあります。

重症時は南アフリカや欧州への医療搬送が前提。ナイジェリア独立の保険事例は公開されていませんが、同地域の参考として近隣事例を挙げておきます。

ナイジェリアでは外務省も「移送費用として5千万円の請求を受けた事例もありますので、5千万円以上のプランの海外旅行保険への加入を強く推奨します」と明記しています。治療救援費用は5,000万円以上、できれば無制限を目安に。補償額の比較はアフリカ旅行の保険ガイドにまとめています。

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通信手段

ナイジェリアでは「警察に通報する」「大使館に連絡する」「家族に状況を伝える」のすべてに通信が不可欠です。到着直後から使える eSIM があると、空港〜宿舎の移動中もリアルタイムで状況確認ができます。選び方は海外eSIM比較ガイドへ。フリーWi-Fi経由の情報漏えい対策は海外VPN比較を参照。

緊急時の連絡先

連絡先番号
警察112
在ナイジェリア日本国大使館(代表)+234-(0)90-6000-9019
同 領事班直通+234-(0)90-6000-9099
同 閉館時の人命関係緊急+234-(0)80-3629-0293

ラゴスには独立した総領事館はありません。アブジャの大使館領事班が年数回出張するラゴス領事出張サービス(事前予約制)で旅券・証明書の発給を行っています。緊急時はアブジャの大使館を頼ることになるため、ラゴス滞在中も大使館の電話番号は必ず携帯してください。

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海外旅行保険の備え

ナイジェリアは「重症なら南ア・欧州搬送」「武装強盗・誘拐・テロ・感染症が同時に存在」する国です。クレジットカード付帯保険だけでは足りず、出発前に治療救援費用が高額な単独の海外旅行保険を必ず上乗せしてください。保険選びの詳細はアフリカの海外旅行保険ガイドへ。

各国の薬物刑罰の比較は海外の薬物法ペナルティマップ、現地での逮捕・拘束時の対応は海外で逮捕されたらも参考になります。

主要都市の治安情報

出典