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世界治安ランキング 日本は何位?GPI 2025で見る163か国

最終更新: 2026-04-17

「世界で一番治安がいい国は?」と聞かれて答えられます?

答えは アイスランド。2008年からずっと1位を守り続けている、世界で一番”平和”な国です。じゃあ日本は? 12位、スコア1.44。

この数字は「Global Peace Index(GPI)」という世界で一番使われている治安ランキングの2025年版。163か国(世界人口の99.7%をカバー)を23指標で採点して出した順位です。海外旅行の国選びで「この国やばいかな?」と思ったら、まずここを見るのが早い。

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結論:GPI 2025 日本は12位(163か国中)

  • 1位: アイスランド(1.095)
  • 12位: 🇯🇵 日本(1.44)
  • 163位: ロシア(3.441)← 2025年版で初のワースト1位

スコアは低いほど平和。1〜5点の範囲で、23の指標を重みづけして算出します。

GPIってそもそも何?

Global Peace Index(世界平和度指数)は、オーストラリアのシンクタンク IEP(Institute for Economics and Peace) が毎年6月に発行するレポート。2008年から続いていて、23の指標を使って国の”平和度”を数値化します。

指標は大きく3つのドメインに分かれます:

  1. Safety & Security(社会の安全): 殺人率・暴力犯罪・警察密度・政治的安定性など
  2. Ongoing Conflict(継続中の紛争): 国内紛争・外部紛争・難民数など
  3. Militarisation(軍事化): 軍事費GDP比・武器輸出入・核保有など

旅行者目線だと「殺人率」「暴力犯罪」のパートが一番関係ありますが、GPIのスコアは上記全部をまとめて算出されるので、純粋な旅行安全指数とは少しズレる、というのは先に言っておきます。

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2025年 トップ10:ヨーロッパ北部が強い

順位スコア
1🇮🇸 アイスランド1.095
2🇮🇪 アイルランド1.26
3🇳🇿 ニュージーランド1.282
4🇦🇹 オーストリア1.294
4🇨🇭 スイス1.294
6🇸🇬 シンガポール1.357
7🇵🇹 ポルトガル1.371
8🇩🇰 デンマーク1.393
9🇸🇮 スロベニア1.409
10🇫🇮 フィンランド1.42

アジアからはシンガポールが6位で唯一トップ10入り。日本は12位(1.44)、チェコ(1.435)の次です。

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順位スコア
163🇷🇺 ロシア3.441
162🇺🇦 ウクライナ3.434
161🇸🇩 スーダン3.323
160🇨🇩 コンゴ民主共和国3.292
159🇾🇪 イエメン3.262
158🇦🇫 アフガニスタン3.229
157🇸🇾 シリア3.184
156🇸🇸 南スーダン3.117
155🇮🇱 イスラエル3.108
154🇲🇱 マリ3.061

ロシアが初のワースト1位というのが2025年版の大きなニュース。ウクライナ侵攻の長期化でスコアが悪化し続け、2024年までずっと最下位だったアフガニスタン(158位)を抜きました。

このあたりの国はそもそも外務省から「レベル3:渡航中止勧告」か「レベル4:退避勧告」が出ていて、観光目的で行く国ではない、というのは覚えておいてください。

アジア主要国の順位

日本人旅行者が行きそうなアジア圏の順位を抜粋。

順位スコア日本との差
6シンガポール1.357-0.083
12日本1.44
13マレーシア1.469+0.029
38ベトナム1.721+0.281
40台湾1.73+0.29
41韓国1.736+0.296
47ラオス1.783+0.343
49インドネシア1.786+0.346
86タイ2.017+0.577
87カンボジア2.019+0.579
97スリランカ2.075+0.635
98中国2.093+0.653
105フィリピン2.148+0.708
115インド2.229+0.789
153ミャンマー3.045+1.605

タイ・カンボジア・インドあたりは中位ですが、観光地の治安だけ見ればもっと安定しています。GPIスコアは国全体の平均なので、観光で行くバンコクやデリーの一部エリアとは別の話、ということは意識しておいてください。

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欧米主要国の順位

順位スコア
20🇩🇪 ドイツ1.533
25🇪🇸 スペイン1.578
30🇬🇧 イギリス1.634
33🇮🇹 イタリア1.662
74🇫🇷 フランス1.967
128🇺🇸 アメリカ2.443
130🇧🇷 ブラジル2.472
135🇲🇽 メキシコ2.636

アメリカが128位は意外と感じるかもしれません。銃所持率・暴力犯罪・政治的分断など複数指標で点が引かれる構造です。西ヨーロッパは軒並み上位、南欧・東欧・ラテン諸国になるにつれ順位が下がる傾向。

2025年版のキーメッセージ

GPI本体の発表によると、2025年版のトピックは以下の通り:

  • 世界平和度はGPI発足(2008年)以来の最低水準
  • 2014年以降、11年連続で悪化。過去10年で100か国がスコア悪化
  • 現在進行中の国家間紛争は59件、第二次大戦後で最多
  • 2024年の紛争関連死は152,000人
  • 紛争の国際化が進行:78か国が自国外の紛争に関与(2008年は58か国)
  • 南米のみが唯一ペースフルネスが改善した地域
  • 世界の暴力コストは19.97兆ドル(世界GDPの11.6%)

要するに、世界全体の治安は悪化し続けているというのが2025年版の結論。ウクライナ戦争・ガザ紛争・スーダン内戦が牽引役で、新興国への波及も進んでいます。

GPIの限界:旅行の安全判断には”足りない”

ランキングとしてはよくできていますが、旅行の安全判断にGPIだけ使うと外します

  1. 国全体の平均値なので、観光地限定では意味が薄い。ブラジルは130位ですが、リゾートのフロリアノポリスだけ見れば別物。
  2. 軍事化・紛争死が大きく影響するので、純粋な犯罪率とはズレる。日本が12位止まりなのはこの構造。
  3. 年1回の更新なので、速報性に欠ける。クーデターやテロ発生後の評価は翌年に持ち越し。

旅行判断に使うなら、GPI(国際比較)+ 外務省危険情報(今の警告レベル)+ 都市別の犯罪情報 の3点セットが実務的。ユーザー投稿型のNumbeo安全指数も補助で見ることはありますが、サンプル数と主観バイアスの問題があるので主軸には使えません。

外務省の危険情報については、インド国別ページタイ国別ページなど各国ページでレベル別の情報を整理しています。GPIで気になった国は、そちらも合わせてチェックしてみてください。

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GPIと外務省危険情報の対応

ざっくり対応表(正式な換算ではなく、筆者が2025年版と外務省レベル(2026年4月時点)を照らし合わせた目安):

GPI順位外務省レベル目安
1〜50位レベル0(情報なし)日本・シンガポール・台湾・韓国
51〜100位レベル0〜1タイ・カンボジア・中国・フィリピン
101〜130位レベル1〜2(一部)インド・バングラデシュ・エジプト
131〜150位レベル2〜3メキシコ・レバノン・パキスタン
151〜163位レベル3〜4ロシア・ウクライナ・シリア・イエメン

もちろん例外はあります(アメリカはGPI 128位だけど外務省レベル0、イスラエルはGPI 155位で一部レベル4)。あくまで傾向として見てください。

次回更新は2026年6月

GPIは毎年6月発行なので、次の2026年版はあと2か月で出ます。ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢が大きく動いている最中なので、2026年版では順位の入れ替えが相当ありそう。

このサイトでも2026年版が出たら 差分記事(前年との順位変動TOP10)を書く予定です。旅行前にGPIチェックする習慣があると、海外の空気感を掴む解像度が上がります。

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よくある質問

GPIと外務省の危険情報は何が違う?

GPIは「国全体の平和度」を23指標で数値化する年1回の学術ランキング、外務省の危険情報は「今この国に行って大丈夫か」の4段階警告です。スコープが違います。たとえばメキシコはGPI 135位(かなり低い)ですが、観光地のカンクンだけ見ると外務省レベル1止まり。逆にGPIで「平和」判定でも、特定の都市で詐欺やスリが多いことはあります。旅行の判断は外務省レベル+都市別の犯罪情報、国際比較はGPIで使い分けるのが現実的です。

なぜ2026年4月時点で2025年版が最新?

GPIは毎年6月に発行される年1回のレポートだからです。2025年版は2025年6月リリース、データは2024年実績を反映。2026年版は2026年6月の発行予定なので、あと2か月ほど先。海外旅行の判断に使うなら、年1回の更新サイクルであることは頭に入れておいてください。

Numbeoの治安ランキングとはどう違う?

GPIはIEP(Institute for Economics and Peace)が23指標を学術的に計測する指数、Numbeoはユーザー投稿アンケートを集計したもの。GPIは紛争・軍事力・殺人率など客観データ中心、Numbeoは「夜道が怖いと感じるか」など主観指標中心です。Numbeoはサンプル数が少ない国で順位が荒れるため、当サイトでは国別の判断には使っていません。GPI・外務省・各国政府勧告の3点セットで十分です。

日本がトップ10に入らない理由は?

直接の理由はGPIで公表されていませんが、23指標には「武器輸出入」「軍事費のGDP比」「自衛隊の規模」なども含まれており、純粋な治安の良さ=低スコアにならない構造です。アイスランドやニュージーランドのように軍を持たない/極小の国がトップを独占するのはこのため。日本は「犯罪の少なさ」では世界トップクラスですが、GPIのスコア上は12位あたりに落ち着きます。

GPI下位の国には絶対行かない方がいい?

下位=戦争・紛争中という意味なので、基本的には「外務省レベル3〜4」と重なります。GPIワースト10のロシア・ウクライナ・スーダン・シリア・アフガニスタン・イエメン・DRコンゴ・南スーダン・イスラエル・マリは、ほぼ全て外務省から渡航中止勧告or退避勧告が出ている国。観光目的で行く国ではありません。GPI中位(80〜130位)はタイ・カンボジア・フィリピンなど日本人観光地が含まれるので、スコアだけでなく都市別の情報と合わせて判断してください。

出典・参考