チュニジアは地中海とサハラ砂漠、古代ローマ遺跡カルタゴを抱える観光大国。「アラブの春」発祥の国として知られ、外務省は全土レベル1〜2を継続発出。一般治安は北アフリカでは比較的落ち着いている方ですが、2015年に日本人3名が犠牲になったバルドー博物館襲撃事件の記憶があり、2018年から3年連続で首都中心部で自爆テロが起きています。スリや凶器強盗の被害も日本人に出ているので、「比較的安全」を鵜呑みにせず備えていくのが正解。
Travel Alert 01
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危険レベルと全体像
外務省は危険・スポット・広域情報で、チュニジアを地域ごとに分けてレベル設定しています。
- アルジェリア国境のシャアンビ山一帯・カスリン県・タタウィン県南部: レベル3(渡航中止勧告)
- サハラ砂漠の南部地域: レベル2(不要不急の渡航中止)の範囲が広い
- チュニス・カルタゴ・スース・モナスティル・ハマメット等の北部観光地: レベル1(十分注意)
南部のサハラ砂漠ツアーは砂漠の幻想的な風景が人気ですが、2024年7月にカスリン県の山地でテロリストが敷設したと考えられる地雷の被害も発生しています。
2024年7月25日、カスリン県の山地に入った羊飼いが、テロリストが敷設したと考えられる地雷の被害に遭い負傷しました。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「チュニジア テロ・誘拐情勢」)
2015年バルドー博物館襲撃 --- 日本人観光客3名死亡
チュニジア治安史で日本人にとって最重要なのが2015年。3月18日、首都チュニスのバルドー国立博物館で武装グループが観光客に銃を乱射、外国人観光客21名と警官1名が死亡。日本人3名が犠牲になりました。さらに同年6月にはハマメット近郊の海岸リゾートでも銃乱射事件があり、外国人多数が死傷。
2015年から2016年初頭にかけての一連のテロでは、日本人を含む多数の外国人が死傷しました。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「チュニジア テロ・誘拐情勢」)
事件後、当局は政府関連施設・空港・港・博物館・遺跡など観光地の警備を大幅強化。先進国からの治安支援も受けて対処能力は向上しましたが、2018年・2019年・2020年と3年連続でチュニス中心部で自爆テロが発生しており、依然として警戒水準は高い。
2018年から3年連続で首都チュニスの中心部等において自爆テロが発生、その後も治安機関に対する襲撃事件が発生していますので、依然、警戒を怠らないことが重要です。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在チュニジア日本国大使館「安全の手引き」(令和7年3月))
直近では2023年5月にジェルバ島のシナゴーグ前で国境警備隊員が銃を乱射し6名が死亡。観光地でも事件は起きうるという前提で動いてください。
Travel Alert 02
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スリ・ひったくり・凶器強盗 --- 日本人被害の実例
外務省の安全対策基礎データには、日本人が実際に遭った被害が具体的に並んでいます。
○チュニス市ラマルサ地区所在のフランス人学校付近の路上を歩行中のチュニス市在住者が、刃物を所持する男に押し倒され、ネックレスを強奪された。 ○昼間、チュニス市内の公園でジョギング中、背後から接近してきたバイクの男二人組に暴行されスマートフォンを奪われた。 ○満員の路面電車(トラム)内で、手提げバッグのファスナーを開けられ、財布を盗まれた。 ○昼間、中部スースの市街地を歩行中、首からひもで提げていたスマートフォンを、背後から歩いてきた男にひったくられた。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省「チュニジア 安全対策基礎データ」犯罪発生状況・防犯対策)
特徴はバイク2人組のひったくりと満員の路面電車(トラム)でのスリ。チュニスもスースも観光客が必ず使う移動手段で、「歩きスマホ」「ファスナーが開く形のバッグ」が標的になります。詳しくはチュニスのスリ・ひったくりで。
メディナ(旧市街)の偽ガイド・絨毯店誘導
チュニス・スース・カイルアンの旧市街(メディナ)は世界遺産にも登録された人気観光地ですが、外務省は名指しで注意喚起しています。
首都圏内にも治安の悪い地区が点在しており、観光地となっているメディナ(旧市街)でも、夜間の立ち入りを避けた方がよい場所がありますので、常に周囲の状況に注意を払うようにしてください。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省「チュニジア 安全対策基礎データ」)
メディナ内では「日本語勉強したい」「無料で案内する」と話しかけてきて絨毯店や土産物屋に誘導、何も買わなければ高額案内料を要求するパターンが定番。詳細はチュニスの詐欺・ぼったくりに。
Travel Alert 03
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服装・宗教習慣の注意
チュニジアは穏健なイスラム国家ですが、金曜礼拝と女性の服装には注意が必要。
女性は、肌の露出の多い服装は控えてください。 金曜午後の礼拝前後はモスクに大勢の人が集まります。過去には礼拝後に反政府デモ等が行われたことがありますので、不測の事態を避けるために、極力近付かないようにするなど、十分注意してください。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省「チュニジア 安全対策基礎データ」滞在時の留意事項)
ラマダン期間中は日中の飲食・喫煙を公の場で控える、過去の世界の大規模テロ事件はラマダン期間中(特に金曜日)に多いため警戒を強める、というのが大使館の注意喚起。
医療事情と保険の必要性
チュニジアの医療水準は北アフリカでは比較的整っていて、首都チュニスや観光地スースには私立病院(クリニック・エル・マナール、クリニック・ラ・スークラ、クリニック・インターナショナル・ハンニバル等)があり、フランス語が通じます。ただし支払いは原則前払いで、現金またはクレジットカードでの保証がないと治療を受けられないことがあります。
D系保険会社のチュニジア専用支払事例は確認できていませんが、北アフリカ参考として:
- エジプトでの肺炎入院・搬送で約895万円(SBI損保 アフリカ・中南米事例)
- 南アフリカでの治療で約350万円(損保ジャパン off! 暴漢襲撃16日入院+医療搬送事例)、近隣国搬送で約505万円(SBI損保 ジンバブエ→南ア搬送)
砂漠ツアーでの熱中症・脱水、A型肝炎・腸チフスなど食水系感染症のリスクもあるので、キャッシュレス治療に対応した保険は事実上必須。同じく旧フランス領で偽ガイドや薬物の罠が共通するモロッコの治安も併読を。詳しくはアフリカ向け海外旅行保険で。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
緊急時の連絡先
- 警察(日本の110番): 197
- 消防: 198
- 救急車(公営): 190
- 在チュニジア日本国大使館: +216-71-791-251 / 71-792-363(住所: 9, Rue Apollo XI, Cite Mahrajene 1082, TUNIS)
都市別の注意点
- チュニスの治安 --- 首都・路面電車スリ・ラマルサ地区刃物強盗・メディナ偽ガイド
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
トラブル別の手口と対策(チュニス)
- スリ・ひったくり --- 路面電車内ファスナー開け・公園ジョギング中バイク強盗・ホテル侵入盗
- 詐欺・ぼったくり --- メディナ偽ガイド・絨毯店誘導・高額タクシー
- 病気・医療 --- A型肝炎・砂漠の熱中症・前払い病院