Kaigai Risk
TRAVEL RISK ARCHIVE

イスラエルの治安 全土レベル3-4・ロケット弾被害【2026】

イスラエルの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在イスラエル日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

イスラエルはユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地が密集する国。エルサレム旧市街・嘆きの壁・聖墳墓教会・死海と、訪れたい人にとっては唯一無二の目的地です。

ただし2026年4月時点で、イスラエル全土がレベル3(渡航中止勧告)またはレベル4(退避勧告)。ガザ地区および同地区との境界・レバノン国境はレベル4、ヨルダン川西岸の主要都市部もレベル3、それ以外の全土(テルアビブ・エルサレム・ハイファ含む)も2026年2月28日付けでレベル3に引き上げられました。

このページは「現在の戦時下情勢」と「やむを得ず滞在する人の生存マニュアル」を分けて整理します。出発前は必ず外務省 海外安全ホームページで最新の渡航レベルを確認してください。

Travel Alert 01

海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです

詳しくみる →

現在の渡航レベル(2026年4月時点)

外務省は2026年2月28日、イスラエル全土をレベル3以上に引き上げました。

2月28日、イスラエルは、イランに対し攻撃を行いました。それに対してイランの報復攻撃が行われています。このような状況を受け、現在危険情報がレベル2となっている地域すべてをレベル3(渡航中止勧告)に引き上げます。これにより、イスラエル全土の危険情報がレベル3(渡航中止勧告)またはレベル4(退避勧告)となりますので、イスラエルへの渡航は止めてください。

地域ごとの内訳はこうです。

地域レベル
ガザ地区および同地区との境界周辺レベル4(退避勧告)
レバノンとの国境地帯レベル4(退避勧告)
ヨルダン川西岸(ジェリコ/ベツレヘム/ラマッラ等)レベル3(渡航中止勧告)
その他全土(テルアビブ・エルサレム・ハイファ等)レベル3(渡航中止勧告)

ガザ情勢は2025年10月9日に第一段階の合意が成立、レバノン国境では2024年11月に停戦合意が成立しましたが、いずれも「先行きは不透明」。中東情勢関連の広域情報は2026年に入ってからほぼ毎週更新されています。

すでに滞在中の方は、自らの安全確保に努めつつ、空港の稼働状況や商用便の運航状況を確認の上、出国を検討してください。たびレジ登録は最低限の防衛線です。

ここから先は「やむを得ず滞在する/駐在する/報道・支援で入る人」向けの生存マニュアル。観光案内ではありません。

ロケット弾警報と空襲サイレン — 最重要トピック

イスラエル滞在で最初にやることは2つ。Red Alertアプリのインストールと、Home Front Command公式サイト(oref.org.il)のブックマークです。

イスラエルではガザ地区等からのロケット弾の飛来に対する様々な民間防衛対策をとっています。ロケット弾が着弾する事案が発生する可能性があることを常に考慮し…

必携の装備

  • Red Alert(ロケット弾飛来警告アプリ): https://redalert.me/index_en.html — スマホに事前インストール、現在地ベースで警報音を鳴らす
  • Home Front Command(民間防衛軍)National Emergency Portal: https://www.oref.org.il/en — トップページ右側「For Guidelines by Town」に都市名入力で警告有無・避難猶予時間を表示
  • 緊急電話: 104(イスラエル国内のみ)

地域によって警報からシェルター到達まで猶予時間が違います。oref.org.il トップページの「For Guidelines by Town」に滞在先の都市名を入力すると、その都市ごとの避難猶予時間が表示されます。「サイレンが鳴ってから動く」では間に合わない地域がある前提で、宿に着いたらまずこのページで都市名を確認してください。

空襲サイレン吹鳴時の行動

外務省・在イスラエル大使館の手引きから、状況別の行動を抜粋します。

ア 建物内にいる場合:退避できる時間の長さに従い、安全が確保できると思われる場所、シェルター、(厚い壁コンクリートの壁と鉄の扉等により)強化されたセキュリティー・ルームに入り、ドア、窓を閉じる。 イ 建物の外にいる場合:退避できる時間の長さに従い、最寄りの建物に入る。近くに建物、遮蔽物、シェルターがない場合、あるいは、オープン・スペースにいる場合、地面に伏せ、頭部を手で保護する。 ウ 運転中の場合:道路の脇に停車の上、車外に出て、最寄りの建物・シェルターに入る。建物・遮蔽物・シェルターへ行けない場合、車外に出て、地面に伏せ、頭部を手で保護する。車外に出られない場合、道路の脇に停車の上、10分間待つ。

ホテルや滞在先に着いたら最初にすること。部屋から最寄りのシェルター(ミクラット)またはセキュリティ・ルーム(マムード)の場所と所要時間を確認しておくこと。新しい建物には各階にマムードが備え付けられています。

2026年3月20日付けの追加運用指針

在イスラエル大使館は2026年2月28日以降、地域別の集会・職場・教育活動制限を発出しています。

  • 黄色地域: 屋外50人/建物内100人までの集会、職場・教育活動は「シェルターに時間内に到着できる場合に限って許可」
  • 濃いオレンジ地域: 50人までの集会・職場活動は「シェルターに時間内に到着できる場合に限って許可」、教育活動は原則禁止

地域指定は流動的なので、滞在エリアの当日ステータスは https://www.oref.org.il/eng/articles/info/iron-swords/1100 で確認してください。

ETA-IL(電子渡航認証)— 出発前必須

短期滞在なら査証免除(90日以内)ですが、渡航前にETA-ILをオンライン申請して承認をもらう必要があります。手数料は25シェケル。旅券残存有効期限は90日以上必要です。

旅券にイスラエルを対立国としているアラブ諸国の査証、入国スタンプがあるとセキュリティ・チェックが更に厳しくなる場合があります。

過去にイラン・シリア・レバノン・イラクなどの査証や入国スタンプがあると、ベングリオン空港のセキュリティ詳細聴取が長くなります。逆にイスラエルの出入国スタンプがあると、サウジアラビア・イラン等の国交がない国で入国を拒否される恐れもあります。空港入国時は原則スタンプを押されず入国カードが発行されるので、滞在中は必ず携行してください。中東でイスラエルと隣接する経由地としてヨルダンを使う動線もあり、その場合は陸路国境(アレンビー橋)の検査も同様に厳しくなります。

申請窓口は駐日イスラエル大使館経由のETA-IL公式サイトから。

Travel Alert 02

海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?

詳しくみる →

ベングリオン空港のセキュリティ — 入出国とも詳細聴取

ベングリオン国際空港のセキュリティは「世界一厳しい」と言われます。出入国とも、係員が職業・滞在先・連絡先・荷物の中身などを詳しく聞いてきます。陸路でエジプト・ヨルダンとの国境を通過する場合も同様。

押さえるポイントはシンプルです。

  • 嘘をつかない、答えを変えない(不審扱いされて時間が伸びる)
  • 滞在先住所・電話番号・宿泊先連絡先をすぐ提示できるよう紙で持っておく
  • アラブ諸国の渡航歴があれば素直に申告
  • 出国は3〜4時間前に空港到着を強く推奨

テロ情勢 — 標的場所と対策

A3「テロ・誘拐情勢」によると、2025年中のテロによる死者数は25人。2024年8月にはテルアビブ市内で2009年以降初の自爆テロが発生(死傷者なし)、2025年2月にはテルアビブ近郊で同時多発のバス爆発・爆発物発見事案も起きています。

観光施設、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等の不特定多数の人が集まる施設や警備や監視が手薄な施設はテロの標的となりやすく…

ISILは「軍よりも、民間の施設やシナゴーグ・教会等の宗教的な施設を標的とするよう呼びかけ」(2024年1月幹部演説)、自己過激化した個人によるテロも警戒対象。

これまでに、イスラエル及びパレスチナ自治区において、日本人及び日本権益を直接の標的としたテロ事件は発生していません。他方、イスラエル及びパレスチナ自治区におけるテロ事案が近年増加傾向にあることに留意する必要があります。

人混みでは出口の位置を確認してから入る。バス・バス停留所・ショッピングモールなど密閉空間で長居しない。不審物には触れず近寄らず通報する。

シャバット(安息日)— 公共交通停止

イスラエルではユダヤ教の戒律が市民生活に深く浸透しています。

ユダヤ教の戒律が市民生活に大きく浸透。戒律を厳しく守っている正統派・超正統派ユダヤ人の居住区においては、祝祭日、安息日(金曜日没~土曜日没)に自動車の乗入れ、写真撮影、騒音発生等の行為を行うとトラブルの原因となり、場合によっては投石等を受けることもあります。

エルサレム・テルアビブを含む全国で、金曜日没から土曜日没まで公共交通機関(バス・電車)が運休します。タクシー・シェルート(小型乗合バス)の一部は動きますが料金は割高。

正統派・超正統派の居住区(エルサレム西部のメア・シェアリム地区など)では、シャバット中に車を乗り入れただけで投石されるケースがあります。滞在前後の移動はシャバット時間を避けるのが鉄則です。

イスラム教祝祭日もユダヤ教とは別。アラブ系居住区(東エルサレム等)では別途配慮が必要です。聖地マナーや服装規定の感覚はUAE(ドバイ)カタールのイスラム圏ルールと共通する部分も多く、肩・膝の露出やラマダン中の飲食には同じ配慮が要ります。

Travel Alert 03

無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も

詳しくみる →

治安一般 — 犯罪は普通に発生

外務省と在イスラエル大使館の安全の手引きによると、2024年の犯罪発生件数は約28万7,000件。人口比で日本よりはるかに高い水準。

日本人被害は主に旅券・現金等の盗難(スリ、置き引き)。「一瞬の隙に被害」のケースが繰り返し報告されています。

詳細な手口と街区別の注意点はテルアビブの治安エルサレムの治安で整理しています。

法律・刑罰 — 警察への身分証提示

警察官に旅券等の身分証明書の提示を求められた際に携行していない、または、応じない場合、拘束されることもあるので注意。

イスラエルでは旅券(または入国カード)の常時携行が前提。警察に求められて出せないと拘束されるケースがあります。コピーではなく原本で。

医療 — 戦時下で逼迫・1日15万円〜

イスラエルの医療水準は中東で最高クラス。ただし2026年現在、戦時下で救急医療は逼迫しています。

2023年10月7日のガザ地区の武装組織ハマスによる襲撃以降、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派、そしてイランなどとの戦争が激しくなっており、一部救急医療を圧迫しているほか、当地医療機関では、多くの医師も戦闘に従事するため、救急外来の待ち時間が長くなるなどの影響も見られます。

外務省「世界の医療事情」(令和6年10月1日改訂)の費用目安。

項目費用目安
救急外来受診料4〜5万円
一般病棟入院1日15万円以上
ICU入院1日60万円以上
専門医診察1回7〜9万円
救急車(市内搬送)1.5万円程度

救急外来は公的病院にしか設置されていない。一般外来は各病院のメディカル・ツーリズム部門経由で予約必要。金・土・祝日は休診(緊急時は救急外来)。「ほとんどの医師は英語を話しますが、受付・技師・看護師はヘブライ語またはロシア語しか話さないことが多く、意思の疎通にしばしば苦労します」と外務省が明記。

D系(保険会社)の支払事例にイスラエル単独はありませんが、同地域の参考として、損保ジャパンoff!でトルコの「部屋でケガ・入院19日間」が441万円エジプトで脳内出血・18日入院+医療搬送が895万円(D1損保ジャパンoff!)の実例があります。戦時下のイスラエルで負傷・搬送になればこれを大きく上回る前提で備えてください。支払保証付き海外旅行保険なしでの渡航は事実上不可です。詳しくは中東旅行の保険ガイド

緊急電話: 101(救急車)。

Travel Alert 04

知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?

詳しくみる →

健康リスク — 水・感染症

上水道は淡水化海水と地下水を水源とし飲用可能ですが、硬水であるため下痢をしやすく、また時折汚染があり、その際は地域ごとに水道水の使用中止が保健省から警告。

ボトル水を用意しておくのが現実解。感染症はウエストナイル熱(毎年夏〜秋)、皮膚リーシュマニア症(地方)、麻疹(海外持ち込みで流行)。食品衛生でサルモネラ・リステリアの加工食品混入も報告されています。

通信 — eSIMで情勢確認を切らさない

戦時下ではRed Alertアプリと外務省・大使館サイトをいつでも見られる状態を保つことが命綱。Wi-Fiホテルの依存ではなく、SIMかeSIMで常時通信を確保してください。空港でSIM契約のために並ぶ時間も惜しいので、出発前にeSIMを準備しておくのが現実解です。eSIM比較はこちら

主な犯罪・トラブル

テルアビブ

エルサレム

Travel Alert 05

空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?

詳しくみる →

緊急時の連絡先

連絡先電話番号
警察100
救急車101
消防102
Home Front Command(民間防衛)104
在イスラエル日本国大使館(テルアビブ)+972-3-695-7292

緊急時のヘブライ語(在イスラエル大使館「安全の手引き」より)。

日本語ヘブライ語
シェルターミクラット
警察ミシュタラー
救急車アンブランス
強盗ショデッド
警察を呼んでくださいナー・リクロー・ラ・ミシュタラー
助けてくださいタツイル
危ないサカナ

「当国では一般的に英語が通用しますので、必ずしもヘブライ語だけを使用する必要はありません」とも。

主要都市の治安情報

出典