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タンザニアの治安 タクシー強盗と睡眠薬強盗が横行【2026】

タンザニアの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在タンザニア日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

キリマンジャロ登山、セレンゲティのサファリ、ザンジバルのビーチ。タンザニアは「アフリカらしい体験」が一通りそろう国ですが、外務省は2025年11月にこれまで危険レベルが発出されていなかった地域も含めて全土をレベル1(十分注意)以上に引き上げました。10月の大統領選後にダルエスサラームを中心に抗議デモが激化し、治安機関との衝突で死傷者が出たのが理由です。

加えて、邦人が標的になるタクシー強盗・睡眠薬強盗・バイクひったくりが日常的に発生。在タンザニア日本国大使館の「安全の手引き」は「歩きながらスマホを見えるように持つ行為は大変危険」と明記しています。

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危険レベルと地域別の注意

外務省が2025年11月3日に発出した危険情報を整理するとこうなります。

地域レベル概要
キゴマ州西部(ブルンジ国境付近)レベル3渡航中止勧告。武装強盗が出没
ムトワラ州レベル2不要不急の渡航は止めて。モザンビーク北部から侵入したイスラム過激派による襲撃事件
インド洋沿岸(ザンジバル含む)・タンガニーカ湖岸・ルワンダ国境付近・アルーシャ州レベル1十分注意
上記以外の全土(新規発出)レベル1十分注意(2025年大統領選後デモを受けて新規発出)

「ダルエスサラームでは、外国人観光客を狙った凶悪犯罪が日中も多発しています。また、2021年にテロ事件が発生しています」と外務省が明記している通り、最大都市ダルエスサラームは観光ハブですが治安は楽観できません。

ダルエスサラーム --- 凶悪犯罪が日中も多発

ダルエスサラームは「タンザニア最大の州都であるため、地方から犯罪者を含む貧困層が流入しており、車両強盗、薬物強盗、詐欺、ひったくり等の路上における犯罪のほか、住居侵入等の犯罪が日常的に発生」と外務省。大使館が名指しで危険視しているエリアはこちら。

  • シティセンター(アスカリ・モニュメント付近): ホテル・銀行・換金所から出てくる人を狙う強盗団が暗躍
  • ウブンゴ/ムナジモジャのバスターミナル: 乗車待ちのふりをした犯罪者の巣窟。夜間は照明が少ない
  • カリアコー市場: 外国人がひったくり・スリの標的
  • ザンジバル行きフェリー乗り場: 失職者の溜まり場、流しのタクシー被害多発
  • オイスター・ベイ海岸: 風光明媚な観光地だが、ランニング中の外国人を狙った強盗事件
  • セランダー橋・タンザナイト橋周辺: 茂みが犯罪者の隠れ場所、夕方〜夜間の歩行者強盗が多発

詳細はダルエスサラームの治安で解説しています。

ザンジバル --- 短時間誘拐とZIC保険義務化

ザンジバルは美しいビーチで人気ですが、ストーンタウンで邦人を狙ったタクシー強盗(短時間誘拐)が発生しています。「邦人旅行者を標的とした金品目的のタクシー強盗と称される短時間誘拐被害が多発しています。同被害はダルエスサラーム各所のほか、最近ではザンジバルのストーンタウンでも発生しています」と外務省。

そして2024年10月1日から、ザンジバルに滞在する全ての外国人短期渡航者は、ザンジバル政府が指定する保険(ZIC)への加入が義務化されました。費用は1人あたり44米ドル。これはザンジバル滞在中の医療搬送・緊急帰国を補償する保険ですが、日本の海外旅行保険とは別建てなので、二重加入になっても省略はできません。本土からザンジバルに渡る際は出入国審査もあるので旅券携行必須。

詳細はザンジバルの治安へ。

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アルーシャ・キリマンジャロ --- 登山中の高山病で337万円

セレンゲティ・ンゴロンゴロのサファリ拠点アルーシャと、キリマンジャロ登山の起点モシ。「タンザニア北部で国境を接する隣国ケニアの首都ナイロビから直結した幹線道路を経由して流入してきたとみられる犯罪者が、観光客を待ち伏せして犯罪行為に及ぶ事例が確認されています」と外務省。

そして登山には命の危険が伴います。SBI損保のアフリカ枠にタンザニア単独事例があります。

登山中に意識を失い救急搬送。高山病と診断され、家族が駆けつける。337万円

キリマンジャロは標高5,895m。日本の富士山(3,776m)の1.5倍以上で、4日間程度で一気に登ると高山病のリスクが急激に上がります。タンザニアの337万円の支払事例は、医療搬送設備の少ないウガンダルワンダでも近隣借用される代表事例です。詳細はアルーシャ・モシの治安と医療へ。

スリ・ひったくり・睡眠薬強盗 --- 邦人被害の中心

大使館の「安全の手引き」と外務省の安全対策基礎データに、邦人被害の実例が複数記録されています。

バイクひったくり: 「ダルエスサラームで車窓を開けて走行中、助手席および後部座席でスマートフォンを使用していたところ、横付けした二人組モーターバイクにスマートフォンをひったくられた」。タクシーのエアコンが効かず換気のため車窓を開けることが多く、最近この被害が急増しています。

タクシー強盗: 「土産物屋の駐車場でタクシーを待っていたところ、声をかけてきた流しのタクシー運転手が提示する低額料金につられて乗車したが、途中で数人のタンザニア人が乗り込み、人通りの少ない場所に連れて行かれ金品を脅し取られるとともに、ATMでの出金を強要され強奪された」。

睡眠薬強盗: 「アルーシャ州から長距離バスでダルエスサラームに移動中、隣の席のタンザニア人からお菓子やジュースをすすめられ、これを口にしたところ意識を失い、警察署のベッドの上で目覚めたときには貴重品の入ったバッグが盗まれていた」。

詳細はトラブル別記事で解説しています。

カテゴリ主な手口詳細
スリ・ひったくりバイクひったくり、車窓越し、たすき掛けバッグ強奪ダルエスサラームのスリ・ひったくり
タクシー・交通流しのタクシー強盗、ATM出金強要、短時間誘拐ダルエスサラームのタクシー
詐欺・ぼったくり偽警官・偽入管職員、入国カード手伝い詐欺、黄熱詐欺ダルエスサラームの詐欺
睡眠薬強盗長距離バス・知人を装った人物からの飲食物ダルエスサラームの睡眠薬強盗

偽警官・偽入管職員の詐欺

「外国人に対する不法就労取締り強化に伴い、警官および入管職員のなりすまし詐欺が増えています。不審な点がある場合には毅然とした態度で対応してください」と外務省。

入国時にも要注意。「入国審査に必要な入国カードの記入を手伝うとして不適切に金銭を要求してくる係官が時折見受けられますが、必要ない場合には毅然とした態度で接してください」。本来イエローカードの提示が必要ない人にも、空港職員が有料での黄熱接種を促す事例も報告されています。

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薬物は厳罰、密売人が警察に通報する罠

「近年、大麻、ヘロイン等違法薬物の密輸、不法所持容疑による検挙事例が多く報道されており、タンザニアの大きな社会問題になっています。麻薬取締法に違反すれば厳罰の対象になります」と外務省。

特に観光地での罠に注意: 「観光地では、外国人相手に質の悪い薬物を販売したりする例も報告されていますが、売人が購入した外国人情報を警察に報告してマージンをとるなどする例もあります」。アフリカ縦断や中東経由を考える人は、エジプトは死刑サウジは最高刑死刑モロッコは170トン押収の重刑・南下する場合はザンビアも罰金or懲役も同じく超厳格と覚えておこう。

テロ情勢 --- 2021年ダルエスサラームで警察官襲撃、ムトワラに過激派

タンザニアでは「ソマリアのイスラム過激派組織アル・シャバーブや隣国モザンビークの武装集団等外国の組織によるもの」と「ザンジバルのグループ等の国内政治に起因するもの」、二つの脅威があると外務省は指摘しています。

  • 2018年10月: ダルエスサラームの高級ホテル併設ジムでタンザニア人資産家が武装集団に拉致
  • 2020年10月: ムトワラ州でモザンビーク北部から波及したイスラム過激派による初の村民襲撃事件
  • 2021年8月: ダルエスサラーム市内で警察官2名が突然男にピストルで撃たれ、警察官1名・警備員1名が死亡、6名負傷。犯人はアル・シャバーブに陶酔した自爆覚悟の犯行と報道
  • 2025年10月29日: 大統領選後にダルエスサラームを中心に抗議活動が発生、治安機関との衝突で死傷者
  • 2025年12月9日(独立記念日): 大使館が「在宅推奨」の注意喚起を発出

「日本人や日本権益を直接の対象としたテロや誘拐の脅威は確認されていません」(外務省)が、現地の治安情勢が悪化したタイミングでの巻き込まれリスクは無視できません。

医療費の実態 --- 第三国医療搬送で数百万円

外務省「世界の医療事情」によれば、ダルエスサラームの主要総合病院でも先進国レベルの全疾患対応は不可能。生命に関わる重症(脳梗塞・心筋梗塞)は基本的な治療はできるが、それ以上はケニア(ナイロビ)や南アフリカ(ヨハネスブルク)への緊急医療搬送になり、数百万円の費用が必要になることがあります。同じインド洋圏のセーシェルモーリシャスも外科手術は南ア・パリ搬送前提で、構図はタンザニアと同じです。

加えて市中の薬局には正規薬剤に混じって偽物・粗悪品が約5%流通しており、特に抗生剤と抗マラリア薬に粗悪品が混じっています。常用薬・常備薬は日本から持参すること。救急車利用は1万円以上、入院時は保証金請求が一般的です。

タンザニアはマラリア患者数が世界有数(2022年は国内で約750万人罹患、2.5万人死亡)。最大都市ダルエスサラームでも感染リスクがあります。HIV感染率は約5%。推奨予防接種はA型肝炎・B型肝炎・破傷風・狂犬病・腸チフス・髄膜炎、長期滞在では黄熱。

詳細はザンジバル・キリマンジャロの医療体制アフリカ旅行の保険ガイドへ。

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写真撮影と反政府活動 --- 「うっかり」が拘束に直結

「政府機関、軍事施設、空港、湾岸、公道等の撮影は禁止されています。また、駅や病院等の撮影も禁止されている場合があります。過去には駅周辺を撮影した方が、治安当局に身柄を拘束された事例も発生しています」と外務省。

そして「治安維持上違法と見なされる活動、特に反政府活動には重罪が科せられます(国家反逆罪の場合は死刑が科せられます)」。SNSでの政治的発言も慎重に。マサイ族を含め人物撮影は事前に了解を得ること。

アライバルビザ・タンザナイト持ち出し

観光目的の短期滞在ならアライバルビザを空港で取得できますが、「手続きを終えるまでに長時間待たされたり、クレジットカードでの支払いが一時的にできなかったりするなどの報告」があるため、出発前のオンライン査証申請がおすすめ。観光査証で商用活動をすると違法で、地方で入管に拘束された邦人事例もあります。

タンザニア特産のタンザナイト原石を商用目的で持ち出す場合はライセンス必須。無断持ち出しは厳しく処罰されます。

通信手段

タンザニアでは現地SIMの購入も可能ですが、到着直後から使えるeSIMが安全。盗難時の大使館連絡、地図アプリでの安全ルート確認、サファリでの位置共有など、通信は安全装備そのもの。出発前にeSIM比較ガイドを確認しておこう。

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緊急時の連絡先

機関電話番号
在タンザニア日本国大使館 24時間オペセン022-2138177、0787-668306
ダルエスサラーム中央警察署022-2117705
ダルエスサラーム中央交通警察署0682-887722
オイスターベイ警察署022-2667322、022-2667323

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主要都市の治安情報

出典