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セーシェルの治安 夜のビーチ窃盗、国外搬送が前提【2026】

セーシェルの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在セーシェル日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

インド洋に浮かぶ115の島々、白砂のビーチとライム色の海。セーシェルは「アフリカの中では別格に安全なリゾート」として知られ、ハネムーンや記念旅行の定番です。実際、外務省の危険情報・感染症危険情報ともに発出なし(レベル0)で、強盗・誘拐・殺人などの凶悪犯罪はほとんど報告されていません。

ただし「ゼロリスク」ではありません。夕方5時以降は街灯もまばらで人通りが消える、ビーチや夜間市街地ではスリ・置き引きが日常的に発生し、マヘ島の人気ハイキングコースで外国人女性が刃物を持った犯人に襲われた事件も起きています。さらに外科手術ができる病院がなく、重症は国外搬送という医療の壁も。「リゾートだから何もない」ではなく「凶悪犯罪は少ないが備えが必要」が正しい見立てです。

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危険レベルと犯罪の全体像

項目状況
危険情報発出なし(レベル0)
感染症危険情報発出なし
テロ・誘拐報告ほぼなし

外務省「安全対策基礎データ」を引用します。

セーシェルでは薬物中毒者が成年人口の1割程度いるとされており、特に夜間やビーチ等におけるスリ、置き引き等の一般犯罪が発生していますが、強盗、誘拐、殺人等の凶悪犯罪はほとんど発生しておらず、またギャング集団やテロリスト等の脅威情報も確認されていませんので、治安情勢は他のアフリカ諸国と比べ安定しています

このトーンが基本です。南アフリカやナイジェリアのような銃器犯罪・拉致は想定不要。一方で、

夕方5時以降は多くの店が閉まり人通りも少なくなる上、街灯もまばらで、場所によっては薬物中毒者、浮浪者、物乞い等が現れ、声をかけられることもありますので、特に夜間の一人歩きは避けてください。

リゾート地特有の「夕食後にビーチを散歩」「ホテルから徒歩で繁華街へ」が、そのまま被害動線になります。

マヘ島コポリア・トレイル強盗致傷事件 --- 2024年3月

外国人女性が標的になった事件として、在セーシェル日本国大使館が2024年3月12日に注意喚起を出しています。

3月11日、セーシェル警察は、同日午後、スペイン国籍、スロバキア国籍及びアルゼンチン国籍の在留外国人女性3名がマヘ島コポリア・トレイルで被害に遭う強盗致傷事件が発生したと発表しました。3名は軽傷を負い、イングリッシュ・リバー病院で手当を受けたとのことです。

コポリア・トレイル(Copolia Trail)はビクトリア近郊のモーン・セーシェロワ国立公園に入る人気ハイキングコースで、頂上から市街地と海が一望できる定番スポット。日中、複数人のグループでも襲撃対象になっています。

トレッキングを予定している場合は、

  • 単独行動は避け、現地ツアーかガイド同行で
  • 高価なカメラ・スマホ・現金は最小限に
  • 大使館の最新の注意喚起を出発前にチェック(後述)

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邦人車上狙い事件 --- 2025年8月マヘ島

凶悪犯罪が少ないセーシェルでも、走行中の車を意図的に止める手口は確認されています。在セーシェル日本国大使館の2025年8月12日発信の注意喚起から。

2025年8月9日土曜14:40頃、Victoria地区とBeau Vallon地区を結ぶ幹線道路(St Louis Rd)沿いのLaboutik Baba(商店)近くにおいて、運転中であった邦人の車両が一部損傷する車上狙い事件が発生しました。

手口は、

  1. 2台前の車両が急ブレーキ
  2. 不審者1名が左側道路脇から1台前の車両前に入って殴りかかる仕草
  3. 邦人車両前にも入って助手席側に来た
  4. 邦人は離脱しようとしたが、不審者は車両左側を蹴ってきた

土曜の午後2時40分、マヘ島の主要幹線道路で発生しています。詳細はマヘ島・ヴィクトリアの治安へ。

主な犯罪・トラブル概要

トラブル別の詳細はこちら。

チクングニア熱2026年流行 --- 出発前にチェック

2026年に入って、在セーシェル日本国大使館が複数の感染症注意喚起を出しています。

  • 2026年1月7日: セーシェル保健当局からのチクングニア熱の感染増加に伴う注意喚起
  • セーシェルにおけるアルボウイルス(デング熱・チクングニア熱・ジカウイルス)の流行に対する注意喚起

外務省「世界の医療事情」によれば、セーシェルでは土着のマラリアは報告されていません。リスクの中心は蚊媒介のアルボウイルス感染症です。

  • 朝・夕方は長袖長ズボンとDEET入り虫除け
  • 宿は網戸とエアコンが効くタイプを選ぶ
  • 発熱・関節痛・発疹が出たら早めに受診(ジカは妊婦が要警戒)

詳細はセーシェルの感染症・医療リスクへ。

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医療費の実態 --- 外科手術不可で国外搬送

セーシェルの医療体制について、外務省「世界の医療事情」が次のように書いています。

セーシェルはインド洋にある115の島々からなる小島嶼国で、赤道の少し南に位置する熱帯性雨林気候の国です。

首都ビクトリア市内には総合病院やクリニックが点在しており、アクセスは比較的容易です。国内には約200名弱の医師が登録されており、ほぼ全診療科の専門医が存在しますが、開頭・開胸・開腹手術等を要する場合は国外のより医療レベルの高い施設に搬送することが望ましいとされています。

つまり交通事故・脳卒中・心筋梗塞・重度の外傷など「手術が必要な重症」になると、南アフリカ・モーリシャス・ドバイ等への医療搬送が前提になります。

セーシェルは保険会社の独立した支払事例が公開されていないので、同地域の参考として近隣事例を見ておきます。

セーシェルは離島国家で、医療搬送は必ずチャーター機・国際便を伴います。インド洋圏で医療搬送先になりやすいモーリシャスの治安と医療事情も同時に確認しておくと、現地で動きやすくなります。治療救援費用は最低1,000万円、できれば無制限を目安に。補償額の比較はアフリカ旅行の保険ガイドへ。

マナー・法律で知っておくべきこと

凶悪犯罪は少ないものの、薬物乱用が社会問題化しています。

  • 違法薬物(大麻等): 2025年5月、大使館が「違法薬物の密輸に関する注意喚起」を発信
  • 国際ロマンス詐欺: 2025年5月、同じく注意喚起。SNSで知り合った相手から「セーシェルに送金して」等の依頼があったら詐欺
  • 環境リスク: マヘ島プロビデンス地区のゴミ処理埋立地大火災(2025年9月)、商業港火災(2024年10月)、マヘ島内異臭事案(2024年4月)など、滞在中は大使館「領事・安全情報」ページを定期的にチェック

住居・宿泊先で気をつけたいこと

長期滞在向けですが、ホテル・ヴィラ宿泊にも応用できる点を在セーシェル日本国大使館「安全の手引き」(2026年3月改訂)が挙げています。

安全・警備対策(警備員の配置、外周塀上部へのレーザーブレードワイヤーの設置、窓への鉄格子の設置、複数の鍵の設置等)が確保されている住居を選定する。近隣住民より高い安全・警備対策に心がける。

外出時、就寝時は高層階であっても必ず窓を施錠する

ヴィラ・コテージ型のリゾートを選ぶ際、最低限「窓に鍵がかかる/オートロック/フロント常駐」のいずれかは確認したいところです。

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通信手段

セーシェルは離島が多く、ボートやバスの時刻調整、地図アプリ、ホテルの場所確認、緊急連絡などに通信が必須です。空港到着直後から使える eSIM があると、現地SIMの購入カウンターを探さずに済みます。選び方は海外eSIM比較ガイドへ。フリーWi-Fi経由の情報漏えい対策は海外VPN比較を参照。

緊急時の連絡先

連絡先番号
警察(緊急)999
在セーシェル日本国大使館+248-439-9900

大使館所在地: Maison Esplanade 5th Floor, Rue de la Possession, Victoria, Mahe, Seychelles 領事メール: ryouji@vi.mofa.go.jp

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海外旅行保険の備え

セーシェルは「ビーチリゾートだから何もない」ではなく「外科手術不可・国外搬送・チクングニア熱流行・トレイル強盗あり」の国です。チャーター機搬送505万円の近隣事例が示すとおり、治療救援費用の上限が低い保険では足りません。緊急移送対応を含む十分な補償内容の保険に出発前に加入しておきましょう。保険選びの詳細はアフリカの海外旅行保険ガイドへ。

主要都市の治安情報

出典