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北米の治安 4カ国の主要犯罪・医療費ガイド

北米4カ国の治安や危険、トラブル傾向、医療費を、外務省と在外公館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.14 KAIGAI-RISK

北米(ハワイ・米国本土・カナダ)は日本人旅行者にとって定番の渡航先ですが、治安より先に『医療費』で致命傷を負うのがこの地域の特徴です。犯罪リスクはエリアごとに差があるものの、医療費の高さはアメリカ全域でほぼ統一。クレカ付帯保険だけでは到底カバーしきれない水準になります。このハブがカバーしているのはハワイ・米国本土・グアム・カナダ。それぞれ犯罪傾向と医療費構造が異なるので、国別ページから掘ってください。

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北米の基本構造(犯罪より医療費)

外務省「安全対策基礎データ」は、ハワイについてこう書いています。

ハワイ州は、米国の中では比較的治安が良いと言われていますが、日本と比較した場合、一般的に犯罪発生率は高く、観光客を狙ったひったくり、車上荒らし、置き引き、スリ等の財産犯罪が多く発生しています。

犯罪は「日本比で多い・米国比で少ない」。これに対して医療費は、

ハワイ州の医療費は、極めて高額となっており、ICUに収容されると1日10,000ドル以上かかる例も少なくありません。

ICU1日1万ドル=日本円で約150万円/日。米国本土はさらに高いケースもある。つまり北米旅行の最大リスクは「強盗に遭う」ではなく「入院する」こと、というのが実態です。

アメリカ本土 — 凶悪犯罪と銃の国

本土はハワイと別物。FBI 2023年統計で凶悪犯罪1,218,467件・財産犯罪推計6,419,149件、殺人事件は日本912件に対し米国19,252件、強盗は日本1,361件に対し米国222,795件

米国ではこのような凶悪犯罪に銃器が用いられることが多い点にも留意する必要があります。(外務省 安全対策基礎データ)

そして米国固有の銃乱射(アクティブ・シューター)。

米国では、2019年から2023年までの5年間に、計229件のアクティブ・シューター事件が発生し、計1,222人が被害に遭いました(うち死者は449人)。

主要都市ごとに犯罪傾向が大きく違うのが本土の特徴。NY/LA/SFは観光客狙いのスリ・置き引き・車上ねらい主軸、ヒューストン・デトロイトは凶悪犯罪率が高い、シアトル・ポートランドはホームレス・薬物絡みの治安悪化、ラスベガスはストリップ大通りでのスリが多発。詳細はアメリカの治安から各都市・トラブル記事へ。

加えて2025年から運用が厳しくなったREAL ID と外国人登録証常時携帯義務は、観光客も国内線搭乗で必ず引っかかる論点。日本人は REAL ID を持たないので国内線移動でもパスポート必携です。

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ハワイ — 財産犯と高額医療費

ハワイは北米で最も日本人観光客が多い渡航先。外務省2024年統計では、

  • 犯罪総数 63,030件(前年比-1,701件)
  • 銃器使用事件 976件(前年比108.5%に増加
  • 車両盗 5,325件、侵入盗 2,974件、強盗 687件

銃器使用事件は増加傾向で、日本人が被害者となる銃器使用強盗事件が2024年にも発生しています。外務省の指示は「抵抗せず冷静に対応」。

観光客が実際に遭うのは窃盗系が中心で、在ホノルル総領事館によれば一般犯罪の約8割が窃盗。ワイキキ・アラモアナ路上のひったくり、タンタラスの丘など観光地駐車場の車上狙い、ビーチ全域の置き引きが定番ルート。

詳細はハワイの治安と各都市・トラブル記事へ。

医療費の実態(保険会社公表事例)

ソニー損保・SBI損保・損保ジャパン off! のハワイ事例で、1,000万円超クラスがゴロゴロ並んでいます。

  • 心筋梗塞19日入院・手術、医療搬送 → 3,052万円(SBI損保)
  • 脳梗塞16日入院、機内発症→着陸後搬送 → 1,833万円(ソニー損保)
  • クルーズで食事中に倒れ、脳内出血12日入院 → 1,585万円(ソニー損保)
  • ビーチ遊泳中に溺れ、急性腎不全・溺水・誤嚥性肺炎 → 1,564万円(ソニー損保)
  • 道路横断中にバスにはねられ16日入院・手術 → 1,534万円(SBI損保)
  • 乗馬中落馬、鎖骨・肋骨骨折・外傷性気胸6日入院 → 1,506万円(SBI損保)
  • シャワーで滑って転倒、大腿骨頚部骨折で10日入院・手術・医療搬送 → 1,163万円(ソニー損保)

損保ジャパン off! には、海水浴で溺れてICU1ヶ月入院→現地治療費3,000万円→保険金額超過で自己負担という事例も記録されています。「保険の上限を超えた分は全額自己負担」のリアル。

クレカ付帯保険では足りない

外務省が名指しで書いているのがこれ。

クレジットカード付帯の保険は、限度額が数百万円程度である等、重篤なケースでは十分に対応できないことに留意する必要があります。

官公庁のサイトが「クレカ付帯では足りない」とハッキリ書く国は珍しい。それくらい医療費の桁が違う。補償額の目安・プラン構成は北米の旅行保険にまとめた。

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マリンスポーツ・ハイキングの保険落とし穴

在ホノルル総領事館「レジャー事故に関する注意」がハッキリ書いています。

たとえば危険を伴うスポーツ等には保険が適用されないといったケースもあることから、これから加入しようとされている、或いは、既に加入しておられる保険で、どのようなアクティビティーに、どのような範囲で、どの程度の補償が得られるかに関し、念のため日本出発前に保険会社に対して照会されることをお勧め致します。

シュノーケリング・スキューバ・スカイダイビング・ハイキング・乗馬・ヘリ遊覧などは、契約内容によって免責になる場合がある。出発前に保険会社へ電話一本で確認するのが最強です。

大麻・銃器・公共飲酒(法律の落とし穴)

ハワイ(=アメリカ全般)は日本の法律との差分が大きい部分。

  • 大麻は州法で医療目的のみ合法・娯楽は違法、連邦法で全面違法
  • 日本の国外犯処罰適用(海外で大麻に手を出しても日本で処罰される)
  • 銃の所持は登録制、外国人は所持・売買・国外持ち出し不可
  • 海岸・公園・道路等の公共飲酒は禁止(警官の指示に従わず逮捕されたケースあり)

日本の感覚で「ビーチでビール」は違法。知らなかったじゃ済まないので出発前に一度目を通しておこう。

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自然災害(ハリケーン・火山・山火事・津波)

ハワイ固有の自然災害ラインナップが他地域とはちょっと違う。

  • ハリケーンシーズン: 6〜11月、暴風雨・高潮・冠水
  • 火山: キラウエア(2018大規模噴火)、マウナロア(2022噴火)
  • 地震: 2021年ハワイ島でM6クラス×2
  • 山火事: 2023年マウイ・ラハイナの大規模災害
  • 津波: 太平洋プレート上、他地域の地震由来の警報も

総領事館は「ハワイ州は本土から離れており、災害発生後、復旧まで物資の輸送に時間がかかる。最低2週間分の水・食料準備を推奨」と在住者向けに書いています。旅行者は滞在ホテルの非常対応を事前確認。

北米で押さえるべき保険ラインの目安

事例の分布から逆算した北米旅行保険の目安は、

  • 治療救援費用: 最低1,500万円、できれば無制限
  • 救援者費用: 500〜1,000万円(家族駆けつけを想定)
  • 疾病治療: 1,000万円以上
  • 危険スポーツ特約: マリン・ハイキング・乗馬・ヘリ予定なら必須
  • 既往症対応: 該当者は契約前に必ず保険会社照会

補償額の決め方と具体プランは北米の旅行保険で整理しています。

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カナダ — 犯罪率日本の10倍・大麻合法化の罠

カナダは「治安がいい国」のイメージが強いですが、外務省データでは犯罪発生率は日本の約10倍。トロント市では2024年に主要犯罪50,836件、銃器犯罪が激増中。日本人旅行者を専門に狙う窃盗グループの存在も警告されています。

カナダ固有のリスクが大麻合法化。2018年から合法ですが、日本の大麻取締法は海外での使用にも適用される可能性があるため、日本人は手を出してはいけません。

医療費もアメリカに近い水準で、脳炎チャーター機搬送3,890万円、オーロラ鑑賞凍傷1,105万円、虫垂炎303万円という事例が報告されています。詳細はカナダの治安から各都市・トラブル記事へ。

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