2025年、エクアドル国内で起きた殺人は9,174件。前年(7,063件)から2,111件・30%の増加で、しかもその82%がグアヤキル市とロス・リオス県・マナビ県・グアヤス県・エル・オロ県に集中しています。10万人あたりの殺人発生率は14人=日本の約50倍。コロナ後に治安が崩れた中南米のなかでも、エクアドルは「観光地と治安最悪地域が混ざった国」として警戒度を上げる必要があります。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
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危険レベル --- 北部国境はレベル3、グアヤキルはレベル2
外務省は2024年6月3日付で危険情報を更新(2026年4月27日時点で継続中)。
- レベル3(渡航中止勧告): カルチ県(トゥルカン市・パン・アメリカン・ハイウェイ付近を除く)、エスメラルダス県北東部(サン・ロレンソ市・エロイ・アルファロ市)、スクンビオス県
- レベル2(不要不急の渡航中止): グアヤキル市、エスメラルダス県北部(エスメラルダス市・リオベルデ市)、カルチ県(トゥルカン市・パン・アメリカン・ハイウェイ付近)
- レベル1(十分注意): 上記とガラパゴス県を除く全土(首都キト含む)
つまりエクアドル最大都市のグアヤキルは「不要不急の渡航中止」レベル。コロンビアと国境を接する北部はゲリラ・麻薬組織が活動するレベル3地域です。
非常事態宣言が常態化
2025年12月31日、政府はピチンチャ県(首都キトを含む)・グアヤス県・マナビ県・サンタエレナ県・ロス・リオス県・エル・オロ県・エスメラルダス県・サントドミンゴ県など主要県を対象に60日間の非常事態宣言を発令。2024年1月以降、エクアドルでは非常事態宣言が断続的に出され続けており、もはや常態化しています。
グアヤス県グアヤキル市においては、麻薬関連の犯罪組織が活発で、殺人・爆弾事案等の凶悪事件が頻繁に発生し、近年断続的に非常事態宣言が発令されており、治安情勢が極めて不安定な状況です
外務省はそうはっきり書いています。エクアドルが「南米からヨーロッパ・米国へのコカイン中継地」になっていることが背景。
主な手口は5つ --- サカピンタス・ケチャップ強盗・短時間誘拐・バイクひったくり・薬物混入
大使館「安全の手引き」と2025年Q3報告書は、エクアドルの主要手口に名前をつけて整理しています。
- サカピンタス(Saca pintas): 銀行で現金を引き出した人を見張り役・実行役・運転手の3人組で尾行し、後をつけて金品を奪う。以前は5,000ドル以上の高額取引が標的だったが、最近は500ドル以下でも狙われる
- ケチャップ強盗: 衣服にケチャップ・マスタード・鳥の糞を「付着している」と声をかけ、拭くフリで気をそらしてバッグを奪う。市場入り口で多発
- 短時間誘拐: タクシーや車両に連れ込んで金品を奪う。キト・グアヤキルで増加傾向
- バイクひったくり: キト市内の観光地で、ポケットから出したスマホをバイク2人組が後ろから奪う
- 薬物混入強盗: 知らない人からの飲食物に意識を奪う薬物を入れて金品を奪う
近年、殺人以外の強盗や恐喝においても銃器が使用される事例が増加しており、違法銃器が広まっています。路上強盗等の犯罪に遭遇した場合には、身の安全を第一に考え、絶対に抵抗しないでください。
ペルーやブラジル・サンパウロと同じく、中南米では「抵抗しない」が命を守るルールです。
Travel Alert 02
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キトでも大使館付近で拳銃強盗殺人事件
「首都キトはレベル1だから安全」と思いたくなりますが、外務省は「在エクアドル日本国大使館付近においても拳銃を使用した強盗殺人事件が発生」と書いています。観光地のパネシージョの丘中腹では徒歩の観光客が強盗被害に遭っており、外務省は「徒歩での移動は避けて必ずタクシー等を利用」と注意。
詳しい手口とエリア別対策はキトの治安ページへ。
グアヤキルは観光のためだけに行く都市ではない
ガラパゴス諸島へのフライト乗り継ぎでグアヤキルを通る旅行者は多いはずです。ただし市内観光は基本おすすめできません。
沿岸地域では殺人、凶器強盗、誘拐事件などの凶悪犯罪が頻発しています。夜間の外出は避け、昼間であっても移動に際しては信用のおけるタクシー、登録制の配車サービス等を選び、徒歩や乗り合いバスでの移動は避けてください
外務省のこの一文がすべて。空港からホテル・ホテルから空港の移動だけにとどめ、市内散策はしないのが現実的な選択。詳細はグアヤキルの治安ページで。
ガラパゴス諸島は治安は良いが「医療空白地帯」
ガラパゴス諸島は外務省の治安レベル区分から除外されているほど、治安自体は良好。ただし医療リスクが本土とは比べものにならない。
特に、ガラパゴス諸島では、島内に高度医療を行える病院はなく、医薬品や輸血の在庫も十分ではないため、本土グアヤキルの病院まで緊急移送するしかありません。また、ガラパゴスの空港には照明設備が無いため、夜間の緊急移送は不可能となっています
夜間に重症化したら朝まで待つしかない。これがガラパゴスの現実です。詳細はガラパゴスの医療事情ページへ。
Travel Alert 03
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高山病 --- キトに着いた瞬間が最初の関門
キトは標高2,850m。日本やグアヤキル(海抜0m)から飛行機で着いた瞬間、体は酸素不足になります。外務省は「早足で歩くと直ぐに息切れがしたり、下痢を伴うような消化不良や、不眠、アルコール類の飲用で酔いが早くまわるといった高山病の症状が出ることがある」と注意。
そして高地肺水腫や高地脳浮腫まで進むと死ぬ可能性がある病気です。「当国では、救急医療にまだほとんどヘリコプターが導入されていません。基本的に自力で下山するしかありません」と外務省。隣国ペルーではクスコの高山病で25日入院・1,654万円の保険事例があり、エクアドルでも同様のリスクが想定されます。
医療費は高額・キャッシュレスでも保証金請求
エクアドルの私立病院は医療水準は確保されているものの、料金は高額。
入院に際して、2,000から3,000米ドルの保証金を要求され(全般にクレジットカード使用は可)、支払えない場合、入院を拒否されます。海外旅行傷害保険のキャッシュレスサービスに加入していても、病院側が対応してくれないケースもあり、その場合は同様に、保証金の支払いを要求されます
日本までの緊急医療搬送が必要となった場合、通常、移送費だけで数百万円(商用機)から数千万円(専用機)を要します
エクアドル単独の保険金支払事例は損保ジャパン・ジェイアイ・SBI損保いずれにも掲載がないため、近隣ペルー事例から想定。最大1,654万円(高山病で25日入院)/ 1,144万円(脳梗塞医療搬送) がリアルなレンジです。
ECU911 --- 911ですべて通じる
エクアドルの緊急通報は警察・消防・救急がすべて911に統合されています。英語通訳が24時間対応しており、日本語が通じない場合は大使館に取り次いでくれます。キト市内の救急車対応時間は日中平均12分12秒。観光客向けアプリ「Ecuador Seguro」もスペイン語のみですが避難情報を提供しています。
詳細は南米の治安・保険ページへ。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
デモ・抗議活動が頻発
2025年9〜10月、燃料補助金廃止に反対する大規模デモがピチンチャ県(キトを含む)など7県で発生。3名死亡・280名以上の負傷者が出て、政府は7県に非常事態宣言・5県に夜間外出禁止令を発令しました。2022年6月にも先住民団体CONAIEのデモで5名死亡・538名負傷の事態。エクアドルでは反政府デモは年単位で繰り返されるものとして覚悟しておく必要があります。
旅行中は外務省「たびレジ」に登録し、デモ情報を受信できる体制を整えるのが必須。
自然災害 --- 火山と地震
エクアドルには活火山が複数あり、コトパクシ火山やエル・レベンタドール火山では現在も火山灰の降灰が確認されています。地震も頻繁で、2016年には沿岸北西部でM7.8の大地震が発生。2025年4月にはエスメラルダス県沖でM6.3の地震があり住宅倒壊・公共施設被害が発生しました。2025年は降雨量が例年の1.5倍、約30地域で洪水・20名以上が死亡。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
エクアドル旅行に必要な備え
- 海外旅行保険は治療費無制限が前提(ガラパゴスからの搬送費だけで数百万円)
- 配車アプリ必須(Uber等。流しタクシー絶対禁止)
- 現金は最小限・ATM後は警察警備同行も依頼可
- スマホは路上で出さない(バイクひったくりの的)
- たびレジ登録(非常事態宣言・デモ情報の受信)
南米の治安・保険ページで、エクアドルを含む南米全体の保険選びと持ち物の優先順位を整理しています。