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クスコの医療 高山病で入院1654万円と脳梗塞搬送【2026】

クスコの医療・感染症の手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

クスコの標高は3,400m。富士山の9合目とほぼ同じ高さに街がある。リマ(海抜ほぼ0m)から飛行機でわずか1時間半。体が酸素の薄さに慣れる時間はゼロ。外務省は「リマから同地を訪れた旅行者の多くは、何らかの高山病症状を経験します」とはっきり書いています。保険会社のデータには高山病から重症化して1,654万円の入院費、別のケースで医療搬送1,144万円。クスコ観光の最大リスクは犯罪ではなく高山病です。

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到着した瞬間から始まる高山病

高山病は低地から高地へ急に移動したとき、低気圧と低酸素に体が順応できないことで起きます。初期症状は頭痛、吐き気、食欲不振、めまい、不眠。「ちょっと体がだるい」くらいに感じている段階がすでに高山病の始まり。

高山病は重症化すると肺に水が溜まる「高地肺水腫」や脳がむくむ「脳浮腫」となり、すぐに適切な治療を受けると共に急いで低地へ下がらないと死に至ることがあります

この「死に至る」は外務省の原文。クスコからさらに高いプーノ(チチカカ湖、標高3,850m)に向かう場合はリスクがもう一段上がります。

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保険事例 --- 高山病から敗血症、25日入院で1,654万円

ジェイアイ傷害火災の事故データにペルーの事例が載っています。

意識を失い救急車で搬送。高山病・敗血症性ショック・細菌性髄膜炎等と診断され、25日間入院。支払保険金1,654万円

高山病が引き金になって敗血症や髄膜炎にまで重症化した。25日間の入院費だけで1,654万円。

SBI損保のデータにも別のペルー事例があります。

歩行困難となり救急車で搬送。脳梗塞と診断され6日間入院後、設備が整った病院へ搬送され17日間入院。家族が駆けつける。医師が付き添い医療搬送。支払保険金1,144万円

外務省の「世界の医療事情」は「重症の場合はリマへの搬送(空路)が常に想定される」と書いています。クスコの医療設備では対応しきれない症例はリマまで空路搬送。その費用が桁違いになる。さらに外務省は「保険に加入されていない場合、適切な搬送や治療を受けられないことがあります」とも警告。これは脅しではなくシステムの問題で、ペルーの私立病院は支払い能力の確認が先。保険証書を提示できなければ搬送すら手配してもらえない可能性があります。

ダイアモックス(アセタゾラミド)の効果と限界

外務省が予防策の一つとして挙げているのがアセタゾラミド(日本での製品名: ダイアモックス)。高山病の予防と症状改善に効果がありますが、重要な注意点があります。

アセタゾラミドは「高山病にならない薬」ではなく、高地への順応障害を少し遅延させる効果しかありません

つまり「薬を飲んでいるから大丈夫」と思って到着初日から激しく動くと、薬があっても重症化する。日本では医師の処方箋が必要なので、出発前に渡航先の標高を伝えて処方を受けておくこと。持病がある人は必ず事前に主治医に相談を。

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到着初日の過ごし方 --- これが最大の予防策

外務省が推奨する高山病予防のポイント。

  1. 到着初日は十分な休養。余裕のあるスケジュールを組む
  2. ゆっくり歩く。階段は避ける。走らない
  3. 水分を十分に摂る
  4. 食事は腹八分目。暴飲暴食しない
  5. アルコールと睡眠薬は避ける
  6. 酸素缶は軽症緩和には有効だが過信は禁物

到着初日にマチュピチュ行きの電車に乗るようなスケジュールは最もリスクが高い。クスコで1泊して体を慣らしてから移動するのが鉄則です。

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クスコの医療機関

病院名電話備考
Centro Médico CIMA084-25555024時間救急
Clínica Pardo989-425-31224時間救急、マチュピチュ対応あり

重症の場合はリマへ空路搬送が前提。海外旅行保険は治療費だけでなく医療搬送費がカバーされているか必ず確認しておこう。

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被害に遭ったら(体調悪化時の対応)

  1. 頭痛・吐き気が改善しない場合は無理せず低地(リマ)に戻る判断をする
  2. 意識がもうろうとする・息切れがひどい場合はSAMU(救急 106)に連絡
  3. クスコのCentro Médico CIMA(084-255550)かClínica Pardo(989-425-312)を受診
  4. 保険会社のヘルプデスクに連絡して搬送手配を依頼
  5. 大使館領事部 (01) 219-9551 に連絡(リマの番号だがクスコから発信可)

よくある質問

クスコで高山病にならない方法はある?

「絶対にならない方法」はありません。外務省は「過去に高地で高山病にならなかったからといって次回も高山病にならないという保証はない」と明記。到着初日は休養、ゆっくり歩く、水分を摂る、アルコールを避けるのが基本。予防薬ダイアモックスは効果があるが「高山病にならない薬」ではありません。

高山病の入院で保険金はいくら出た?

ジェイアイ傷害火災のデータに「ペルーで高山病・敗血症性ショック・細菌性髄膜炎等と診断され25日間入院、1,654万円」の事例があります。SBI損保にも脳梗塞で医療搬送1,144万円のペルー事例。外務省は「保険に加入されていない場合、適切な搬送や治療を受けられないことがあります」と警告しています。

クスコに着いたら最初に何に気をつける?

到着初日が最も危険。空港についたらゆっくり歩き、激しい運動は避け、ホテルで休養を取ってください。食事は腹八分目、アルコールは避ける。頭痛・吐き気・めまいが出たら高山病の初期症状です。水分を多めに摂り、症状が改善しなければ無理せずリマへ戻ることを検討してください。

ダイアモックス(アセタゾラミド)は持っていくべき?

予防効果はありますが「高山病にならない薬」ではなく、順応障害を少し遅らせる程度の効果です。日本では医師の処方箋が必要な薬。持病がある人は必ず事前に医師に相談を。薬を飲んでいるからと安心して無理をすると重症化します。

出典

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