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ベルギーの治安 被害9割ブリュッセル・テロ脅威継続【2026】

ベルギーの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在ベルギー日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.25 KAIGAI-RISK

ベルギーは「EU本部があるからきっと安全」と思って行くと、いきなり南駅でスリに遭います。在ベルギー日本国大使館は「ベルギー国内での日本人の犯罪被害の9割がブリュッセル首都圏で発生」と明記。窃盗総数は2023年で19万6,476件、スリだけで2万7,537件、強盗は1万7,366件。テロ脅威度は4段階中の3段階目を維持していて、2016年の連続テロでは日本人も負傷しました。「ヨーロッパ諸国の中で必ずしも治安の良い国とは言えません」――大使館の手引きが冒頭でこう書く国です。

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危険レベル

外務省の危険情報は2026年4月時点で全土に発出なし。感染症危険情報もスポット情報もなし。ただし「危険レベルなし=安全」ではありません。広域情報としてはテロ等に関する注意喚起(2026年2月13日)、欧米等でのテロ等に関する注意喚起(2025年11月28日)、特殊詐欺・違法薬物の注意喚起が継続して発出されています。

犯罪の全体像 --- 邦人被害の9割がブリュッセル

在ベルギー日本国大使館「安全の手引き」に出ている2019〜2023年の窃盗統計はこうなっています。

窃盗総数スリ強盗車上狙い
2019221,49331,16418,36647,242
2020156,96316,70413,51333,488
2021162,41917,35213,90235,935
2022189,54323,97316,23738,629
2023196,47627,53717,36641,878

コロナ明けの2021年から右肩上がりで戻っていて、2023年は窃盗・スリ・強盗・車上狙いの全部が増加。スリは年間2.7万件強盗は1.7万件です。

ベルギーは、ヨーロッパ諸国の中で必ずしも治安の良い国とは言えません。街頭でのスリ、空き巣などの侵入盗、車上ねらいなどの被害に遭う日本人は未だ多く見られます。

大使館の手引きが冒頭で書いている一文。ベルギーは「比較的安全」とは言わず、はっきり「治安の良い国とは言えない」と書く国です。日本の感覚で歩くと荷物は消えます。

ブリュッセルが圧倒的に危ない --- 南駅・北駅・グランプラス周辺

在ベルギー日本国大使館に届出があった被害事例からは、首都ブリュッセルでの被害が最も多く、特にブリュッセル南駅(Gare de Bruxelles-Midi/Station Brussel-Zuid)や北駅(Gare de Nord/Station Brussels Noord)、電車・バス・メトロ等の公共交通機関内、グランプラス(Grand Place/Grote Markt)周辺ホテルやレストランにおいて犯罪被害に遭う傾向が見られます。

外務省の安全対策基礎データの一文。南駅と北駅は2023年から大使館が複数回「治安悪化」として注意喚起を出しているレベルです。具体的にはこんな注意喚起が並びます。

  • 2025年8月「ブリュッセルにおける銃撃事件の発生」
  • 2025年2月「ブリュッセル南駅付近における路上強盗の発生」
  • 2024年9月「ブリュッセル南駅付近で観光客を狙った強盗の発生」
  • 2024年5月「ブリュッセル南駅付近での窃盗事件等の発生」
  • 2023年8月「ブリュッセル南駅付近の治安の悪化」

南駅は Thalys や Eurostar の発着駅でパリ・ロンドンへの玄関口。深夜・早朝に到着する旅程は危険なので、ブリュッセルからの出発・到着はできるだけ昼間に設定するのが鉄則です。詳しい場所別の手口はブリュッセルの治安で整理しています。

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ブリュッセル夜間の銃撃事件 --- 通行人巻き込み事例も

2023年9月ころから、ブリュッセルでは、特に夜間、深夜、早朝の時間帯に銃撃事件が発生しており、通行人が巻き込まれる事例も発生しています。

外務省の基礎データに書かれている一文。アンデルレヒト区・モレンベーク区・スハールベーク区などの特定地区で麻薬取引絡みの発砲が起きていて、無関係の通行人が巻き込まれるケースが報告されています。同型のギャング抗争による一般市民巻き込みはスウェーデンのストックホルム周辺デンマークのコペンハーゲンでも増加中で、北西欧の都市部に共通する構造です。観光客が夜にこれらの地区に立ち入る理由はあまりないけれど、安宿の所在地によっては該当することがあるので、宿選びでは念のため地区名を確認しましょう。

スリの定番手口 --- 「日本語で話しかけられたら」要注意

外務省と大使館がそろって列挙しているスリの手口。共通しているのが「気をそらしてから盗む」という構造です。

  • 背中にアイスクリームやペンキを付けて「汚れてますよ」と拭くフリ
  • トランクなどの荷物を電車に乗せ降ろしするのを「手伝う」
  • 日本語で話しかけてくる(観光客特化)
  • 目の前で小銭をバラ撒いて拾うのを手伝わせる
  • プラットホームから電車内に向かって窓越しに何か話しかける
  • 両替してほしいと財布の中を見ようとする
  • 電車のドアが閉まる瞬間にスマホをひったくる

特に2025年11月の被害事例では、駅停車中の車内で窓を叩く男に気を取られている間にスーツケースを盗まれるという、上記5番目の手口がそのまま再現されています。「日本語で話しかけてくる人=親切な現地人」と思いがちだけど、ベルギーで日本語で声をかけてくる見知らぬ人は基本的に警戒対象です。

TESTIMONY · 旅行者A
電車で移動中、網棚に置いた鞄を盗まれました。座っていたのに、いつ盗まれたか気づきませんでした。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在ベルギー日本国大使館「2025年12月中の邦人被害事例」

スリと置き引きの全パターンはブリュッセルのスリ・置き引き対策で詳しく解説しています。

私服警官詐欺 --- 「クレジットカードの暗証番号」を聞かれたら100%偽物

ベルギーで特に頻発する詐欺手口がこれ。ヨーロッパ各国で共通の手口だけど、ベルギーではクレジットカードの暗証番号まで聞き出してくるのが特徴です。

私服警察を名乗る者が荷物検査をし、クレジットカードの暗証番号を聞き出した上で、クレジットカードを盗んだり、後で返却するなどと言いつつ、クレジットカードで立て替え払いを頼み、多額の現金を引き出させる。

外務省・基礎データの一文。本物の警察官が路上で財布の中身やクレジットカードの暗証番号を聞くことは絶対にありません。こちらから身分証の提示を求める怪しければ周りに助けを求める警察(101)に電話する――これが正解です。フランスイタリアスペインでも同様の手口が横行していて、ヨーロッパ共通の警戒項目だと考えてください。詳しい手口はブリュッセルの詐欺・ぼったくりへ。

テロ情勢 --- 2016年連続テロ・2023年射殺テロ・現在も脅威度3段階目

ベルギーは過去10年でヨーロッパでもテロ被害が大きい国の1つです。

  • 2016年3月22日:ブリュッセル国際空港の出発ホールで2回、地下鉄マールベーク駅で1回の連続爆発。死者数十名・負傷者約300名、日本人も負傷。ISILが犯行声明
  • 2017年6月:ブリュッセル中央駅で爆発テロ未遂
  • 2022年11月:刃物による警察官襲撃事件
  • 2023年10月:男が2名を射殺するテロ事件→ベルギー全土のテロ脅威度を一時最高水準(4段階中4段階目)に引き上げ
  • 2025年7月:ブリュッセル市内中心部で爆破予告

現在ベルギー全土のテロ脅威度は4段階中の3段階目。シリア・イラクの戦闘地域から帰還したベルギー人数百名の存在、ネット経由で過激化したローンウルフ型テロのリスクが指摘されています。観光地・駅・空港・ショッピングモール・宗教施設は標的になりうる場所です。テロ脅威度の高さはフランスドイツと並ぶレベルです。

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違法薬物 --- マリファナでも10万ユーロ罰金

ベルギーはオランダの隣だけど、薬物に対する姿勢は厳しい。マリファナを含む全薬物が違法で、所持・取引で3か月から5年の禁固、または10万ユーロの罰金。さらに重罰の可能性もあります。

安易に他人から荷物を預かったりすると、その中に麻薬が入っていて知らないうちに麻薬の運び屋にされることがあるので注意

外務省の基礎データが警告するこのパターン、空港やホテルでの「荷物を預かって」「これを持っていって」は絶対に断る。2025年4月にも外務省が「違法薬物(大麻等)の密輸に関する注意喚起」を出しています。

医療費の実態 --- フランス・ドイツ事例で最高1,746万円

ベルギーは保険会社の独立した支払事例ページを持っていません。同じシェンゲン圏で医療費水準も近いフランス・ドイツの事例を参考にすると、医療費の実態が見えてきます。

内容入院日数金額
フランス:バス段差で転倒・大腿骨頚部骨折、医師看護師付添い医療搬送17日1,746万円
フランス:腹膜炎・敗血症性ショック、医師付添い医療搬送32日1,610万円
フランス:急性心筋梗塞、医師看護師付添い医療搬送22日854万円
フランス:ホテルでふらつき脳内出血、看護師付添い医療搬送14日804万円
フランス:美術館で転倒・大腿骨転子部骨折20日707万円
ドイツ:ホテル浴室で橈骨神経・橈骨動脈断裂10日639万円
ドイツ:発熱・腹痛で受診、憩室炎17日540万円

最高額の1,746万円はバスの段差で転倒しただけ。医療搬送費が積み重なると一気に4桁万円まで跳ねます。SBI損保のデータでは2023年度の海外旅行保険事故のうち61.3%が「治療・救援費用」、つまり医療系が圧倒的多数です。クレジットカード付帯保険の治療救援費上限(300万円〜500万円)では全く足りません。

EES(出入国システム)が2026年4月から運用

ベルギーもシェンゲン圏なので、2026年4月10日からの顔写真と指紋の電子登録が適用されます。空港の入国審査に時間がかかる可能性があるので、乗り継ぎ時間には余裕を持っておきましょう。

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安全対策まとめ --- 出発前にやっておくこと

  1. 南駅・北駅は深夜・早朝の到着を避ける。Thalys/Eurostarでブリュッセル入りするなら昼間着の便を選ぶ
  2. 「日本語で話しかけてくる」見知らぬ人は警戒対象。気をそらすスリの定番手口
  3. 「警察」を名乗る人物にクレカの暗証番号は絶対に教えない。本物の警察は路上で聞かない
  4. 電車の網棚・座席にバッグを置かない。月次被害事例で常連の手口
  5. ホテルの朝食ビュッフェでも荷物は身につけたまま
  6. 海外旅行保険は治療救援費1,000万円以上。フランス・ドイツの事例で1,746万円のケース、クレカ付帯では足りない

通信手段の確保

ブリュッセルでもブルージュでも、スマホが使えないと地図も翻訳も緊急通報もできません。Bpost のSIM、または出発前にeSIMを準備しておくのが楽。選び方は海外eSIM比較を参照。

緊急時の連絡先

機関電話番号
警察101
EU共通緊急(消防・救急)112
時間外医療相談(保健省、週末祝日)1733
SOS Médecin(仏語圏 24時間)02-513-0202
在ベルギー日本国大使館+32-2-513-2340
大使館領事部+32-2-500-0580

ベルギーは仏語・蘭語の二言語国家。緊急時に使える単語は両方覚えておくと安心です。

日本語フランス語オランダ語
泥棒(Au) VoleurDief
助けてAu secoursHelp
警察PolicePolitie

大使館領事部の所在地は Rue Van Maerlant 1, 1040 Bruxelles。

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海外旅行保険の備え

ベルギーは保険会社の独立した支払事例こそないものの、隣国フランスでは段差で転倒するだけで1,746万円、ドイツでも橈骨動脈断裂で639万円という事例が複数あります。クレジットカード付帯保険の治療・救援費用上限(300万円〜500万円)では全く足りません。出発前に必ず補償内容を確認しましょう。詳しくはヨーロッパの海外旅行保険ガイドへ。

主要都市の治安情報

出典