コロンビアの人口は日本の約半分ですが、年間の殺人発生件数は13,000件超(2023年・2024年とも)。日本の912件(警察庁2024年)と比べると、人口比でも実数でも桁違いの水準です。在コロンビア大使館の「安全の手引き 2025年7月改訂」は、冒頭から「ここは日本ではない」という一文を太字で書いている。1990年代の世界最悪期からは大きく改善したものの、強盗・窃盗は2020年のコロナ収束後に急増中で、邦人が最も被害に遭いやすい犯罪になっています。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
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危険レベル --- 大半はレベル1、ただし国境地帯と一部県はレベル2〜3
外務省は2024年10月8日付でコロンビアの危険情報を更新。ボゴタ・メデジン・カルタヘナといった主要観光地はレベル1(十分注意)ですが、武装組織が活動する辺境はレベル3まで上がっています。
- レベル3(渡航中止勧告): アラウカ県、カウカ県西部、ナリーニョ県西部、ノルテ・デ・サンタンデル県北部
- レベル2(不要不急の渡航中止): チョコ県、グアビアレ県、カケタ県、プトゥマヨ県、メタ県アリアリ地域、バジェ・デル・カウカ県(カリ市の一部地域を除く)、ベネズエラ国境付近など広範囲
- レベル1(十分注意): 上記以外(ボゴタ・メデジン・カルタヘナ・サン・アンドレス島など)
外務省は「危険レベル1の地域でもテロ、誘拐、殺人等に十分に注意してください」と明記。レベル1だから安心ではなく、コロンビア基準でレベル1という認識で動くのが正解です。
「安全の手引き」が冒頭で出してくる数字
大使館の「安全の手引き 2025年7月改訂」は、防犯の基本でいきなりこう書いています。
コロンビアの人口は、日本の約2~3分の1ですが、年間の殺人発生件数は、日本の912件(警察庁2024年)に対し、コロンビアでは平均して13,000件以上発生しています。
そして強盗・窃盗については「2020年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出制限措置の影響で減少したものの、その後顕著な増加傾向が見られ、邦人の方が最も被害に遭いやすい犯罪となっています」と続く。観光気分で歩ける国ではないと、最初のページから明示しているわけです。
エスコポラミーナ(昏睡強盗)はコロンビアの代名詞
コロンビアで最も警戒すべき手口が、鎮静剤を使った昏睡強盗。地元では「エスコポラミーナ(escopolamina)」または「ブルガリアダスト」と呼ばれます。大使館の「安全の手引き」はこう書いている。
鎮静剤を使用(空中への飛散、飲食物への滴下等)する強盗。多様な手口があり、知らない間に薬物の影響を受け、昏睡中に金品が奪われます。徐々に意識が朦朧として自分の名前も言えない状態になり、気がつくと路上で横になっていたという事例もあります。最悪の場合、薬物の作用で死に至ることもあります。
声をかけられて地図を広げられる、飲み物を勧められる、SNSやマッチングアプリで仲良くなった相手と会う --- すべてこの手口の入口になります。メデジンでは「女性から親しげに声をかけられ、一緒に観光し食事中に意識を失った」事例、「マッチングアプリで会った相手から美人局被害」が大使館の被害例リストに並んでいます。手口の詳細はボゴタの昏睡強盗・薬物混入強盗で。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
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パセオ・ミジョナリオ --- 偽装タクシーで短時間誘拐
タクシー絡みの強盗にも独自の名前がついています。「パセオ・ミジョナリオ(百万長者ツアー)」。
「ガソリンが無くなった」等の理由を付け、運転手が客の承諾も無く人通りの少ない道に入ると、そこで待ち受けた仲間が突然タクシーに乗り込んで、客の金品を強奪するという手口があります。
カルタヘナでは短時間誘拐の被害が大使館の被害例で名指しされています。流しのタクシーは絶対に使わず、配車アプリ(UberやDiDi、Cabify、地元のEasyTaxiなど)を必ず使うこと。詳しくはボゴタのタクシー・交通トラブルで。
銀行追跡強盗「フレテオ」とATM強盗
銀行で多額の現金を引き出した人を追跡し、警戒の緩い場所で襲う手口は「フレテオ」と呼ばれます。
銀行内には、犯罪者との内通者がいるものと常に想定する。銀行から出たところを狙われないように周囲を警戒する。自宅に到着し安心した瞬間を狙われないように最後まで警戒を怠らない。
両替や現金引き出しは、信頼できる場所で、極力小額を分割して。同じ拳銃強盗が日常化している中南米ではペルー・リマのマルカ強盗も同型で、抵抗厳禁ルールは中南米全域で共通です。
ボゴタは標高2,600mの高地 --- 高山病に注意
首都ボゴタは標高2,600mの高地。外務省「世界の医療事情」は「人によっては高山病になる可能性がある」と書いていて、症状は頭痛、全身倦怠感、息切れ、不眠、お酒の酔いが早くなる、など。重症化すると肺水腫や脳浮腫で生命に関わります。
一度高地に順応しても、いったん平地に行ってまた高地に戻った際に、寝不足や激しい運動を引き金に高山病を発症することがあります
到着初日のアルコール、激しい運動、寝不足は厳禁。保険会社のデータには、南米地域の参考事例として、ペルーで歩行困難から脳梗塞と診断され17日間入院・医師付添医療搬送で1,144万円という支払事例があります(SBI損保)。ボゴタも同水準の医療搬送が起こり得る環境です。詳しくはボゴタの高山病・健康トラブルで。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
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麻薬 --- 知らずに「運び屋」にされるリスク
コロンビアは世界で消費されるコカインの半分以上を生産していると言われる国。麻薬犯罪には最長30年の禁固刑が科されます。「安全の手引き」は手荷物管理について繰り返し警告しています。
知らない間に自分の荷物に紛れ込ませられないよう、手荷物から目を離さない。麻薬所持が判明すれば、当然「麻薬の運び屋」として処罰されます。
知人からでも不審な物件は預からない、空港では犬を使った臭気検査が厳重 --- これは観光客でも例外なく適用されます。日本で買った市販薬(コデイン入り咳止めなど)も成分によっては規制対象になり得るので、医師の処方箋(英語)を持参するのが無難です。詳しくはボゴタの薬物トラブルで。
テロ・誘拐 --- 都市部でも油断できない
ELN(国民解放軍)、FARC分派、クラン・デル・ゴルフォといった武装犯罪組織が今も活動を継続。テロ件数は2024年に390件で前年から増加傾向です。
- 2024年7月、カウカ県のサッカースタジアムでドローン爆弾攻撃、住民7名が死傷
- 2022年3月、ボゴタ市のCAI(交番)爆破、児童2名が死亡し30名以上が負傷
- 2019年1月、ボゴタ市の警察学校で自動車爆弾テロ、学生20名以上が死亡
- 2017年6月、ボゴタ市のショッピングセンター「アンディーノ」でテロ、フランス人女性含む3名死亡
誘拐は2024年で345件と減少傾向ですが、ELNや武装犯罪組織は続けています。「過去に日本人がFARCに誘拐され殺害された事件が発生している」と外務省も明記。流しタクシーを避け、行動をパターン化しないのが基本対策です。
銃器と流れ弾
民間の銃器所持は許可制ですが、密輸銃と改造銃が大量に流通しています。
街中での流れ弾による負傷・死亡事案も発生しており、注意が必要です。
これは外務省の安全対策基礎データの一文。コロンビアでは強盗に銃が使われる前提で、抵抗は絶対しないこと。大使館も「決して抵抗することなく、ご自身の生命と身体の安全を第一に考え、相手の要求に従ってください」と明記しています。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
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医療費の実態 --- 支払い能力がないと治療を受けられない
外務省「コロンビア 安全対策基礎データ」はこう書いています。
大抵の病院は治療費の支払い能力が確認(クレジットカード等の提出)できない場合、重傷で病院に運ばれても、治療を受けられない場合があります
ボゴタ・メデジン・カリ・カルタヘナの私立病院は中南米でもレベルが高く、24時間救急対応・国際課あり。ただし前払いまたはクレジットカード提示が前提で、保険なしだと門前払いの可能性があります。南米地域の参考事例として、ペルーで脳梗塞医療搬送1,144万円、メキシコで膝蓋骨骨折309万円、前十字靭帯損傷356万円が支払われています(SBI損保)。
通信手段
コロンビアの空港・ホテルWi-Fiは利用可ですが、配車アプリ(Uber/DiDi/Cabify)を使うために常時接続が必要。出発前にeSIMを入れていくのが現実的です。海外eSIM比較で旅行先に合ったプランを確認しておこう。
緊急連絡先
| 機関 | 電話番号 |
|---|---|
| 警察・消防(緊急) | 123 |
| 救急車 | 125 |
| 在コロンビア日本国大使館(領事部) | (601) 317-5001 |
| 大使館代表 | (601) 743-3360 |
国外からは国番号57を頭につけて発信。大使館の住所は Carrera 7 No.71-21 Torre B Piso 11, Bogotá D.C.(チャピネロ地区)です。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
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海外旅行保険の備え
ペルー脳梗塞で1,144万円、メキシコで膝靭帯356万円。コロンビアも同等の医療水準・物価で、強盗による外傷が起きやすい国です。クレカ付帯だけでは確実に不足します。中南米の海外旅行保険で補償内容を確認しておこう。