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海外VPN比較|NordVPN を4年常時ONで使い続けた立場から「選び方」を整理

海外旅行・海外滞在で VPN を使う目的は、だいたい次の3つに集約されます。

  1. 公共Wi-Fi でのセキュリティ確保(カフェ・空港・ホテルのWi-Fi経由の通信傍受対策)
  2. 地域制限コンテンツへのアクセス(海外から日本のNetflix/Amazon Prime Video、中国からGoogle/LINE/Xなど)
  3. 中国などネット規制が厳しい国での通信確保(グレートファイアウォール越え)

このページでは、上記3用途で VPN を選ぶときの「比較軸」を整理し、主要4サービス(NordVPN / ExpressVPN / Surfshark / Proton VPN)の位置づけを並べます。

先に筆者の立場を明かしておくと、筆者は NordVPN しか本格的に使っていません。2021年12月から4年以上、スマホとPCで常時ONの運用で、東南アジア・南アジア・南米・アフリカの9カ国を移動しながら使い続けています。他社と横並びで速度や機能を比較する純粋な「比較記事」は書けません。

ただし4年使って分かった「VPN選びで本当に効く軸はここ」という観点は共有できるので、それをベースに各サービスの位置づけを整理します。迷っているなら最終的には NordVPN を推しますが、理由込みで書いていきます。

VPN選びで本当に効く3つの軸

マーケティング素材には「サーバー数」「対応国数」「速度」などがずらっと並びますが、筆者の4年実使用体感では本当に日常の快適さを決めるのはこの3軸です。

1. 壊れないこと(信頼性・安定性)

VPN は「毎日つけっぱなし」のインフラなので、落ちない・重くならない・再接続が速いことが全て。どれだけ機能が多くても、1日に数回切れる VPN は使い物になりません。

筆者が NordVPN から乗り換えないのはこの一点が大きいです。4年使って、「接続できない国」に行った記憶がほとんどありません。

2. Kill Switch の確実性

Kill Switch は「VPN接続が切れた瞬間に通信を遮断する」機能。これが効かないVPNは、カフェWi-Fi運用では致命的。接続断の瞬間に生の通信が公共Wi-Fiに流れて、狙われる人には狙われる、という構造になるからです。

NordVPN / ExpressVPN / Surfshark / Proton VPN の4社とも Kill Switch は実装していますが、アプリごとの動作差は小さくないので、体験レビューで「確実に効く」と評価されているものを選ぶのが安全。

3. 難読化サーバー(中国・UAE・イラン等の規制国対応)

中国本土・UAE・イラン・ロシアなどでは、通常のVPNプロトコルが検閲システムによって検知・遮断されるので、「VPNトラフィックを普通のHTTPSに見せかける」難読化(obfuscated)サーバーが必要になります。

中国に行く予定があるなら、ここは必須軸。NordVPN は obfuscated servers を明示的に提供しており、中国本土でも(時期により設定調整が要るものの)実用可能なサーバー群として知られています。

上記3軸を押さえた上で、サーバー数・対応国数・同時接続数・料金・プライバシーポリシーの順で絞り込むのが筆者の選び方です。

主要4サービスの位置づけ

サービス運営料金(2年プラン)同時接続難読化強み
NordVPNパナマ(Nord Security)月額 約500〜800円10台安定性・Kill Switch・中国対応の総合力
ExpressVPN英領ヴァージン諸島月額 約1,000〜1,200円8台独自プロトコル(Lightway)・UI評価高い
Surfsharkオランダ月額 約400〜500円無制限無制限同時接続・価格最安クラス
Proton VPNスイス無料プランあり / 有料 月額 約600〜1,000円10台(有料)無料プランの存在・Swiss法下プライバシー

(料金は各社公式の2年契約プランの実質月額レンジ。為替・キャンペーンで変動します。)

NordVPN — 筆者の推奨

NordVPN の4年実使用レビュー に詳しく書いていますが、要点は以下。

  • Basic プラン(最安プラン)で旅行者・海外滞在者の大半は十分
  • Kill Switch・obfuscated servers・Double VPN・Onion Over VPN など、セキュリティ要件が出た時に「ない」となる機能がほぼない
  • 中国・UAE・イランのような規制国でも(事前設定すれば)使える
  • Netflix / Amazon Prime Video の地域制限解除にも実用的(TOS的にはグレーなので自己責任)
  • 30日間の全額返金保証があるので、試して合わなければ返金できる

海外で VPN 1本だけ選ぶなら、迷わず NordVPN Basic を勧めます。

ExpressVPN — UI重視・乗り換え不要勢向け

既に ExpressVPN を使っているなら乗り換える必要はほぼない、というのが筆者の立ち位置。独自プロトコル Lightway は評判が良く、中国対応力も十分。ただし価格は NordVPN より高めなので、これから新規契約する動機としては弱い。

Surfshark — 価格と同時接続数で選ぶ

同時接続数が無制限という点は他社にない強み。家族全員の端末に入れたい、共有アカウントで複数人が使う、みたいな用途なら一考の価値あり。ただし難読化サーバーの実装や中国対応力は NordVPN/ExpressVPN に一歩譲る、という評価が業界内で定着しています。旅行者個人が使うなら NordVPN の方が総合的に安心

Proton VPN — 無料プランの位置づけ

Proton VPN は無料プランが存在する稀少なサービス。「VPNって本当に必要なの?まず試したい」という入門用途に向きます。

ただし無料プランは:

  • サーバー国が3カ国のみ(米国・オランダ・日本)
  • 速度に制限
  • 難読化サーバーは有料プランのみ

なので海外旅行・海外滞在のメインVPNとしては力不足。Proton の有料プランに上がるなら、価格面で NordVPN を選ぶ方が合理的、というのが筆者の見立て。

用途別の選び方

1. 公共Wi-Fi 対策がメイン(短期旅行者)

短期旅行で「カフェ・空港・ホテルWi-Fi で怖いのは最低限対策したい」なら、NordVPN Basic の1ヶ月プラン or 30日返金保証を使った試用が最短ルート。Kill Switch を必ず ON にしておけば、接続断時の情報漏えいリスクはほぼ消えます。

VPNを挟む前提で、空港や機内Wi-Fi そのもののリスク構造は 機内・空港Wi-Fi で盗まれる情報 に整理しています。

2. 中国・UAE・イラン滞在(規制国対応)

出発前に契約+設定まで済ませるのが鉄則。現地到着後に「VPN公式サイトすら開けない」という詰みパターンが多発します。

NordVPN なら難読化サーバーを事前に有効化してから出発すること。中国本土の場合、アプリは日本で入れておかないと現地App Store/Google Play からダウンロードできません。詳細な現地事情は 中国の治安・法律・マナー にまとめています。

3. 地域制限コンテンツ(Netflix等)

海外滞在中に日本のNetflix/Prime Video を見たい、または日本から海外コンテンツを見たい、という需要にも NordVPN は実用レベル。サブスク契約時のIPを変えて安い国で契約する応用(トルコ・アルゼンチン等)も可能ですが、TOS違反になる可能性があるのでアカウントBANリスク込みの自己責任です。

4. 家族・共有用途

同時接続が10台では足りない、家族全員で使いたい、というケースは Surfshark の無制限接続プランが候補。ただし難読化や中国対応を重視するなら NordVPN の10台で間に合わせる方が無難。

VPN と一緒に揃えるべきもの

VPN だけでは公共Wi-Fi 対策は完結しません。通信を自前で持てば、そもそも公共Wi-Fi を使う場面を減らせるので、eSIM を併用するのが理想。

この3段構えが、海外通信の現実的な安全設計です。

まとめ

VPN選びで本当に効くのは「壊れないこと」「Kill Switch の確実性」「難読化サーバーの有無」の3軸。主要4サービスを並べると、NordVPN が総合力で頭ひとつ抜けるというのが筆者の4年実使用での実感です。

ExpressVPN を既に使っているなら乗り換え不要、家族共有なら Surfshark も候補、入門には Proton VPN 無料プランで試すのもアリ。ただし海外で本格的に使うメインVPNを1本だけ選ぶなら、NordVPN Basic の2年プランで十分すぎるほどです。

契約前に迷ったら、NordVPN の4年実使用レビュー を読んでみてください。30日間の全額返金保証があるので、試して合わなければ返金できるのもリスクが低い選び方です。