Kaigai Risk
TRAVEL RISK ARCHIVE

オスロの医療 救急Legevaktと処方薬の持参必須【2026】

オスロの医療・感染症の手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

ノルウェーは医療水準が高い国だけど、その分医療費は世界最高水準。外務省・安全対策基礎データも「ノルウェーの医療水準は高水準ですが、医療機関における診察・治療費用は高額」と明記しています。ノルウェー専用の保険会社支払事例はありませんが、同じ西欧水準のイギリス事例(同地域の参考として引用)では急性虫垂炎の手術だけで1,549万円のケース。「クレカ付帯の保険でいいや」では絶対に足りない国です。

Travel Alert 01

海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです

詳しくみる →

ノルウェーの医療制度 --- Fastlegeと旅行者ルート

ノルウェーは国民皆保険型の制度。在ノルウェー大使館「医療」ページに、まず居住者向けの「かかりつけ医制度(Fastlege)」が書かれています。

ノルウェーに居住登録をする全ての人は、自身のかかりつけ医(General Practitioner / Fastlege)を持つ権利があります。病気や怪我等で診療が必要な場合は原則として指定したかかりつけ医を受診し、専門的な治療が必要と診断された場合には、かかりつけ医から専門病院を紹介してもらいます。

旅行者はFastlege制度の対象外なので、別ルートで受診します。

かかりつけ医の診療時間外の急病や、ノルウェーに居住登録をしていない旅行者の方が診療が必要になった際は、公立の救急病院(24時間受付)あるいは私立の救急病院を受診します。なお、緊急時には113に連絡し救急車を呼んでください。

つまり旅行者の受診ルートは「Legevakt(公立救急病院)」または「私立救急病院(Volvat等)」の二択。電話相談窓口の116117(全国共通)に最初にかけて、症状を説明して受診の必要性と受診先を案内してもらうのが基本フローです。

オスロの救急病院 --- LegevaktとVolvat

大使館「安全の手引き」が主要都市の救急病院を一覧化しています。オスロ周辺で覚えておくのは2つ。

種別名称所在地・電話
公立救急Oslo LegevaktTrondheimsveien 233
全国共通電話相談116117受診相談(全国共通)
救急車113緊急時のみ
私立救急(オスロ)Volvat Medisinske Senter22 95 75 00
私立救急(ベルゲン)Volvat Medisinske Senter55 11 20 00

まず116117で電話相談生命に関わる緊急は迷わず113、というのが鉄則。Volvat等の私立救急は予約が取りやすく英語対応も整っているケースがありますが、費用は高め。海外旅行保険のキャッシュレス提携病院になっているか出発前に保険会社に確認しておくとスムーズです。

イースター・クリスマスの長期休暇は受診が難しい

旅行時期によっては気をつけたい注意点。

医薬品の大部分は、医師の処方箋が無いと購入できませんので、短期滞在の方で持病がある場合は、必要な常備薬の持参をお勧めします(EU/EEA域外から最長で3か月分の持込み可)。常備薬を持ち込む場合は、処方箋など当該薬の使用目的や成分を説明する書類を用意しておくことが必要です。

なお、イースターやクリスマス等の長期休暇の時期は、医療機関においても医師や看護師が長期の休暇を取るため、受診が困難な場合があります。

外務省・基礎データの記載。4月のイースター(聖週間)と12月末〜1月初頭のクリスマス休暇シーズンは、医療機関のスタッフ不足で受診が困難になります。この時期にノルウェーに行くなら、持病の薬は確実に持参、出発前に体調を整える、Legevaktは24時間受付なので緊急時の窓口は機能しますが、外来や軽症の対応は遅れる前提でいましょう。

Travel Alert 02

海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?

詳しくみる →

医薬品の処方箋ルール --- 日本の常備薬は持参一択

医薬品の大部分は、医師の処方箋が無いと購入できませんので、短期滞在の方で持病がある場合は、必要な常備薬の持参をお勧めします

日本の薬局で気軽に買える鎮痛剤・胃薬・風邪薬の多くが、ノルウェーでは処方箋なしでは買えません。持病の薬は日本から3か月分まで持参可(処方箋・英文の薬剤情報を一緒に持参するのが推奨)。痛み止めや整腸剤などの市販薬も日本から持っていく前提で荷造りしましょう。

北欧借用:イギリス事例で見る医療費の実態

ノルウェーは保険会社の独立した支払事例ページを持っていません。同じ西欧水準・国民皆保険型のイギリス事例(同地域の参考)を引用すると、医療費の実態が見えてきます。

病気・怪我入院日数治療内容金額
急性虫垂炎14日入院・手術1,549万円
硬膜下血腫32日ホテルで倒れ救急搬送・手術・医師看護師付添い医療搬送1,242万円
気胸25日胸の痛みで受診・手術・医師看護師付添い医療搬送958万円
蜂巣炎13日肘の痛み・入院942万円
急性虫垂炎13日入院・手術741万円
脳梗塞17日めまいで救急搬送・医師看護師付添い医療搬送696万円
E型肝炎43日熱・咳で受診・手術560万円
卵巣嚢腫茎捻転4日留学中に激しい腹痛・手術451万円
腎臓結石・尿管結石6日激しい腹痛・手術333万円
急性虫垂炎4日腹痛で受診・手術305万円

ポイントは「虫垂炎の手術だけで1,549万円」。日本なら30万円もしないオペが、西欧水準では4桁万円に届きます。医師・看護師付添い医療搬送が入ると一気に費用が跳ね上がるのも要注目(硬膜下血腫1,242万円・気胸958万円は医療搬送費込み)。クレジットカード付帯保険の治療救援費上限(多くは300万〜500万円)では、虫垂炎1件で完全にオーバーします。

冬季の健康・転倒リスク

ノルウェーの冬は単純な寒さだけでなく、街中の歩行リスクが上がります。

冬季は日照時間が短いことから、横断歩道の道路表示や歩行者が見づらくなる時間帯が長くなります。(中略)大雪の後等は、建物の屋根から雪や氷が落ちてくることもあるので、頭上にも注意

冬が長い上に寒さが極めて厳しく(摂氏マイナス20度以下になることもあります)、また、夏でも夜間はかなり冷え込むこともあるので、服装に十分留意することが必要です。

外務省・基礎データと大使館の手引きから。冬のオスロは日照時間が短く(12月は4時間台)、横断歩道が見えづらい時間帯が長く、加えて路面凍結。滑り止め付きの靴底は冬旅行の必須装備。屋根からの落雪は「頭上にも注意」と書かれているレベルなので、歩道の建物寄りを避けて歩く意識を。

Travel Alert 03

無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も

詳しくみる →

電動キックスクーター事故 --- 歩行者リスクが上昇

ここ数年、特にオスロ市内において、多くの人が電動キックスクーターを利用しています。電動キックスクーターは、運転免許証を取得していなくても利用することができ、また速度も時速20キロメートルほど出ます。そのため、自動車や歩行者との事故が増えています

外務省・基礎データの記載。歩道を観光中に後ろから時速20kmで突っ込まれると、転倒・骨折のリスクがあります。スマホを見ながら歩かない・横断時は左右確認を徹底。歩道に明示された自転車レーンには踏み込まないよう注意。

フィヨルド・山岳・オーロラ観光の固有リスク

フィヨルド、山岳観光スポットでは、ハイキングに適した所もありますが、トロルトゥンガ(邦訳名:トロルの舌)のように麓から10時間程かけて登山するような場所もあります。また、天候も変化しますので、フィヨルド、山岳観光の際には、十分な装備(服装、食料、水、防寒着、雨具、登山靴やハイキングに適した靴、登山用具等)を準備するなど、適切な装備を心がけください。

スノーモービルによるオーロラ観光では人身事故が発生していますので、ご注意ください。

オスロ市内ではなく地方のアクティビティでのリスクですが、オスロ発の日帰り・宿泊ツアーで現地に行く場合は装備不足での突撃を避けましょう。山岳遭難・スノーモービル事故からの医療搬送が必要な事態は治療費1,000万円規模に直結します。

体調不良時のフローチャート

症状が軽い・受診の必要性が分からない
  → 116117に電話相談(全国共通・24時間)

軽度〜中度(発熱・痛み・腹痛・捻挫等)
  → 116117に電話 → Oslo Legevakt(公立救急)受診
  → または Volvat等の私立救急

緊急(意識消失・大量出血・激しい胸痛・大ケガ)
  → 即113で救急車要請
  → 大使館領事班 +47 2201 2900 にも連絡

受診時に必要な書類
  → 海外旅行保険証券(キャッシュレス提携病院か確認)
  → パスポート
  → 持病・常備薬がある場合は処方箋・英文薬剤情報

Travel Alert 04

知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?

詳しくみる →

やられた/罹ったらどうする

  1. 症状が軽ければ116117で電話相談。受診先を案内してもらう
  2. 緊急時は迷わず113。意識消失・大量出血・激しい胸痛は即救急車
  3. 海外旅行保険会社のサポートデスクに連絡:キャッシュレス提携病院を案内してもらえる
  4. 大使館領事班に連絡:+47 2201 2900(月-金 9:00-16:00)。家族への連絡支援や医療通訳の紹介
  5. 支払いは保険のキャッシュレスが使えれば窓口無料。使えない場合は立替払いになるので、必ず領収書・診断書・処方箋を保管して帰国後に保険請求

出発前にやっておくこと

  • 海外旅行保険は治療救援費1,000万円以上:北欧借用のイギリス事例で虫垂炎1,549万円、硬膜下血腫1,242万円。クレカ付帯では足りない
  • キャッシュレス提携病院を確認:保険会社にオスロ・ベルゲンの提携病院リストを確認しておく
  • 持病の薬は3か月分まで持参:処方箋・英文薬剤情報も一緒に
  • 市販の鎮痛剤・整腸剤も日本から:ノルウェーは処方箋必須の薬が多い
  • 冬の旅行は滑り止め靴底:路面凍結・落雪リスクへの最低限の備え
  • 保険のサポートデスク電話番号をスマホメモに保存:116117と113もメモへ

Travel Alert 05

空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?

詳しくみる →

緊急連絡先

連絡先電話番号
救急車113
救急受診の電話相談(全国共通)116117
Oslo Legevakt(公立救急)Trondheimsveien 233
Volvat Medisinske Senter(オスロ私立)22 95 75 00
警察112
在ノルウェー日本国大使館(領事班)+47 2201 2900

詳しい保険の選び方はヨーロッパの海外旅行保険で。

よくある質問

オスロで急に体調が悪くなったらどこに行く?

旅行者は「Legevakt」(公立救急病院)か私立救急病院(Volvat等)を受診します。Oslo Legevaktの所在地はTrondheimsveien 233。電話相談は全国共通116117、緊急時は113で救急車を呼べます。在ノルウェー大使館「医療」ページに明記されています。

116117と113の違いは?

116117は「救急受診の電話相談(全国共通)」。119の医療相談版のような窓口で、症状を伝えて受診の必要性を判断してもらえます。113は緊急時の救急車要請番号。一刻を争う状況(意識消失・大量出血・激しい胸痛等)は迷わず113。それ以外は116117で相談、というのが基本ルールです。

ノルウェーは医療費が高いって本当?

外務省・安全対策基礎データに「ノルウェーの医療水準は高水準ですが、医療機関における診察・治療費用は高額」と明記されています。ノルウェー専用の保険会社支払事例はありませんが、同じ西欧水準のイギリスでは急性虫垂炎の手術だけで1,549万円、硬膜下血腫で1,242万円という事例があります。

持病の薬は持って行ける?

大使館「医療」ページに記載されている通り、医薬品の大部分は処方箋なしで購入できないため、持病の常備薬は日本から持参が必須です。EU/EEA域外から最長3か月分まで持込み可。処方箋など使用目的・成分を説明する書類を用意することが推奨されています。

冬の旅行で気をつけることは?

大使館「安全の手引き」が「冬季は日照時間が短く横断歩道が見づらい時間帯が長い」「大雪後は屋根から雪や氷が落ちることもあるので頭上にも注意」と警告しています。気温はマイナス20度以下になることもあり、防寒装備と滑り止めのある靴底は必須です。

海外旅行保険はいくら必要?

治療救援費1,000万円以上が目安です。北欧借用のイギリス事例で急性虫垂炎の手術が1,549万円、硬膜下血腫で1,242万円のケースがあります。クレジットカード付帯保険の上限(300万〜500万円)では足りないケースが普通にある水準です。詳しくはヨーロッパの海外旅行保険ガイドへ。

出典

NEXT READS · オスロ