カトマンズで日本人が遭う詐欺・ぼったくりは、「空港・陸路のビザ不正請求」「トレッキング代理店の悪質契約」「ガイド・サドゥー装いの声かけ詐欺」の3系統。いずれも外務省と在ネパール日本国大使館が具体事例として記録しているもので、土地勘のない到着直後ほど狙われやすい構造です。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
1. トリブバン空港アライバルビザ不正請求
外務省「日本人の被害例」より。
○ ネパール入国時、トリブバン空港アライバルビザ代金支払窓口(金融機関)において、ビザ代金を支払おうとした際、「日本人は、日本円でしか受け付けていない。」と窓口職員に言われ、正規の代金より多く請求された。
正規料金は外務省に明記されています。
2024年7月1日現在、申請料は滞在期間15日で30米ドル、30日50米ドル、90日125米ドル、9歳以下の幼児・児童は無料です。
「日本人は日本円のみ」はデタラメ。USDで正規額を支払えばそれで済みます。現地レートで不利な円計算をされるだけでなく、そもそも水増し請求されているパターンなので、USDで支払うのが鉄則。
対策
- 米ドル(小額紙幣)を事前に用意して到着する
- 「日本円のみ」と言われたら一度引いて別の窓口を確認、または他の支払い方法(カード)を申し出る
- レシートを必ず確認、金額に疑問があればその場で指摘
- 窓口の係員名・時間・金額を記録しておく(大使館相談時の証拠)
2. 陸路入国時のビザ不正請求(インド国境)
○ インドから陸路で入国しようとした旅行者が、入国審査を受けるためと付近の建物に連れて行かれ、査証(ビザ)申請料として多額の支払いを要求された。
インドから陸路でネパールに入国するルート(スノウリ、ラクサル、カカルビッタ等)で、「入国審査はあの建物で」と案内されて別場所に連れて行かれるのが手口の入口。正規の入国管理事務所ではないので、そこで請求される「申請料」は全額ぼったくり。
対策
- 入国手続きは必ず正規の入国管理事務所で。「案内する」と近づく人物についていかない
- 事前に陸路ゲートの位置と建物の外観を写真・地図で確認しておく
- 不審な請求を受けたらその場で払わず一度引く、大使館に確認
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
3. タメル地区のトレッキング代理店・悪質契約
外務省の書き方はまっすぐ。
法外な料金でトレッキング等の契約を結ばせ、旅行者が、料金が高すぎるとして解約あるいは返金を要求すると、高額なキャンセル料を要求する業者がいます。
そして具体的な対処ステップを外務省が示しています。
- トレッキング等の手配は、ネパール渡航前に信頼できる旅行会社を通じて行う。
- 現地でトレッキング手配を申し込む場合は、複数の旅行会社から料金やサービス内容を聞き、慎重に比較検討する。その際、料金やキャンセル料を十分に確認する。
- 契約時に旅行会社の説明を記録し、その説明と契約書の内容が同じであることを確認する。契約書がネパール語で書かれている場合は、必ず英文等理解可能なものを要求する。
- 契約を巡って旅行会社とトラブルになった場合は、ツーリストポリス(観光警察)に被害届等を提出する。
タメル地区にはトレッキング代理店が軒を連ねていて、価格もサービス内容もバラバラ。到着直後の高揚感と「他の店より安い」の一言で即決すると、出発後のキャンセル料でハメられるリスクがあります。同様の契約トラブルはデリーの詐欺・ぼったくりの旅行代理店事例でも記録されています。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「ネパール 安全対策基礎データ」)
対策
- 現地で即決しない。ホテルで一晩置いて考える
- 複数社(3〜5社)で見積もり比較。ネット評価(Google/TripAdvisor)も確認
- 契約書は必ず英文で要求。説明と書面の一致を確認
- キャンセル料・日程変更料・保険加入の有無を契約前に明文化
- 渡航前に日本で信頼できる代理店を押さえておくのがベスト
4. ガイド・サドゥー装いの声かけ詐欺
外務省「日本人の被害例」の複合型。
○ ホテルで従業員を装った人物や観光地でガイドを装った人物に話しかけられ、対応中に当該人物の仲間に貴重品を盗まれた。 ○ サドゥー(ヒンドゥー教の修行僧)が額につける赤い印(ティカ)をつけてやると話を持ちかけてきた人物に応対している間に、その人物の仲間に財布等を盗まれた。
「詐欺」と「窃盗」の境目にある手口。声かけで注意を引き、仲間が別方向から盗むという2人組以上のチーム構造です。詳細はカトマンズのスリ・ひったくりでも扱ってます。
対策
- 観光地で立ち止まらずに歩き続ける
- ティカは本物のサドゥーに頼みたいならホテル経由で信頼できる案内の下で
- ホテル内で「従業員です」と部屋に来る人物はフロントに電話で確認
5. 2025年9月抗議デモ時の便乗詐欺リスク
2025年9月15日付の大使館注意喚起。
治安情勢は改善しつつありますが、引き続き注意は必要です。また、刑務所を襲撃する事案などが発生し、報道などによれば、ネパール全体で1万3千人以上(うちカトマンズ盆地内で3千人以上)が刑務所から脱走したとのことです。
大使館は直接「詐欺が増えた」と書いていませんが、脱獄者の市中潜伏と治安回復の遅れは、便乗型の詐欺・犯罪の温床になり得ます。2025年9月以降にカトマンズを訪れる場合は、渡航直前の大使館サイト確認が必須です。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
外貨・ネパールルピーの不正両替
大使館「安全の手引き」と外務省データから。
入国時に5,000米ドル相当額を超える外貨を持ち込む場合は、申告が必要です。ネパール・ルピーの国外持出しは禁止されていますので、使い残したネパール・ルピーは出国時に空港内の銀行等で、外貨に交換してください。
タメル地区の両替店はレートがバラバラで、計算過程で札を隠す/誤魔化す手口も古典的に存在します。レート提示と計算をスマホの電卓で自分でやる、大きな金額は一度に両替せず複数回に分ける、が基本。ATM利用時のDCC(現地通貨選択)の罠はATM DCCの仕組みにまとめてます。
カトマンズ市内の路上喫煙罰金
詐欺とは違うが「知らないうちに罰金」系のリスクとして。
カトマンズ市内では、路上喫煙が禁止されています。違反した場合は、100〜100,000ネパール・ルピーの罰金が科せられます。
罰金の幅が広いのが怖いところで、警察官の裁量で高額を吹っかけられるリスクがあります。屋外で吸わないのが無難。各国の罰金相場は罰金マップにまとめてます。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
手口早見表
| 手口 | 場所 | 被害額規模 | 対処の肝 |
|---|---|---|---|
| アライバルビザ不正請求 | トリブバン空港窓口 | 数十USD水増し | USDで正規額払う/窓口変える |
| 陸路ビザ不正請求 | インド国境の非正規建物 | 数十〜数百USD | 正規事務所以外で払わない |
| トレッキング代理店キャンセル料 | タメル地区 | 数万〜十数万円 | 英文契約/複数社比較/現地即決しない |
| ガイド・ティカ装い | 観光地 | 財布・現金 | 立ち止まらない/歩き続けて断る |
| 両替時の金額ごまかし | タメル両替店 | レート分+上乗せ | 自分で計算/小口に分ける |
| 路上喫煙罰金ふっかけ | カトマンズ市内路上 | 100〜10万ルピー | そもそも屋外で吸わない |
予防策まとめ
- 現地で即決しないが原則。高額契約は一晩置く
- USDの小額紙幣を到着前に用意しておく
- トレッキング契約は英文で書面確認、キャンセル料を契約前に明文化
- 観光地では立ち止まらない。声かけは歩きながら断る
- 両替は金額を自分で計算、大口は分割
- 路上喫煙しない/気になる場合はそもそも屋外で吸わない
- 渡航前に大使館サイトの最新注意喚起を確認
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭ったら
- 観光関連トラブルはツーリスト・ポリス(1144/5347041)にまず相談
- 一般警察は100、カトマンズ警察署は4290800
- 被害届(Police Report)を必ず発行してもらう
- 大使館領事班(01-4426680)に連絡
- カード不正利用の疑いがある場合は即座にカード停止
- 高額キャンセル料はその場で払わず、まず大使館・ツーリストポリスに相談
カトマンズの他の手口はスリ・ひったくり・睡眠薬強盗・感染症・医療に。ネパール全体の治安はネパールの治安トップ、南アジア保険は南アジアの海外旅行保険ガイド。
よくある質問
トリブバン空港のアライバルビザで多く請求された、どうすれば?
正規料金は15日30米ドル、30日50米ドル、90日125米ドル(2024年7月時点・9歳以下無料)と外務省に明記されています。「日本人は日本円のみ」はデタラメなので、USDで正規額を支払うか、一度引いて別の窓口を探してください。被害に遭ったら大使館(01-4426680)に相談を。
タメル地区のトレッキング代理店で契約すべき?
現地で即決しないのが基本です。外務省は「法外な料金で契約させ、解約時に高額なキャンセル料を要求する業者」を名指しで警告しています。渡航前に信頼できる旅行会社を通す、現地では複数社を比較する、契約書は英文で内容を確認する、の3点を徹底してください。
ガイドやサドゥー(修行僧)を名乗る人の声かけはどう対処?
歩き続けながら断るのが基本です。ティカ(赤い印)をつけてやるという持ちかけは、応じている間に仲間が財布を盗む手口として外務省に記録されています。観光地では立ち止まらず、必要があればホテル経由で政府登録ガイドを手配してください。
不正請求・詐欺被害の被害届はどこで出す?
ツーリスト・ポリス(本部1144、5347041)に観光関連のトラブルは相談できます。一般警察は100。被害届(Police Report)は保険金請求・カード不正利用の異議申立てに必要なので、必ず発行してもらってください。