2024年、オーストリア全体の窃盗は64,122件。前年から8.9%増で、強盗も2,450件(+10.9%)と増えています。ウィーンは国内最大の観光都市で、スリ・置き引きの現場がそのまま観光ルートに重なっている街です。「ヨーロッパの中では治安がいいほう」とよく言われるけど、窃盗に関してはしっかり増加傾向にあるので油断は禁物。
Travel Alert 01
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シュテファン寺院と目抜き通り、写真を撮る瞬間が狙い目
外務省がピンポイントで名指ししているのがシュテファン寺院周辺。写真撮影に夢中になっている間にバッグのファスナーを開けられ、気づいたら中身が消えているパターンです。
シュテファン寺院等の人が多く集まる観光地での写真撮影中や目抜き通りを歩行中に、気づいたらバッグを開けられ、貴重品を抜き取られていた。
ケルントナー通りやグラーベンのような目抜き通りも同じ構造。人が密集していて、スマホで撮影に集中する瞬間は背中のリュックが完全に無防備になります。撮るときはバッグを体の前に回す、これだけで被害率は変わります。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 安全対策基礎データ(オーストリア)観光地でのスリ事例を基に構成)
地下鉄の乗り降りで押されたら、それは手口
ウィーンの地下鉄(U-Bahn)や路面電車(トラム)で特に多いのが、乗り降りの瞬間を狙ったスリ。大使館の「安全の手引き」は2つのパターンを具体的に書いています。
ひとつは乗車時に後ろから押す手口。押すと同時にズボンの後ろポケットやバッグから財布を抜く。もうひとつは車内で数名の集団に囲まれる手口。時間を尋ねてきたり話しかけてきたりして注意をそらし、その間にバッグから貴重品を盗みます。鋭利な刃物でバッグの底を切り裂いて中身を落とすケースもあるとのこと。
U1やU3のシュテファンスプラッツ駅、カールスプラッツ駅あたりは観光客の乗降が多い分、犯行グループも待ち構えやすいポイントです。後ろからぶつかられたり押されたりしたら、まず貴重品に手を当てる。これを反射的にやれるかどうかが分かれ目。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在オーストリア日本国大使館「安全の手引き」2025年3月版 地下鉄でのスリ手口を基に構成)
Travel Alert 02
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ホテルの朝食会場、席を立った3分で消える
意外に多いのがホテル内の置き引き。ビュッフェ式の朝食で席にバッグを置いたまま料理を取りに行く、あの3分間が狙われています。
チェックインカウンターも同じ構造で、書類を書くのに気を取られている間に足元のバッグが消える。さらに駅のホームやロビーで見知らぬ人に突然話しかけられ、会話に引き込まれている隙に足元の荷物を持ち去るパターンも報告されています。
対策はシンプルで、席を立つときは貴重品をポケットに入れて立つ。チェックインでは荷物をカウンターと自分の体の間に挟んで足で触れておく。「ホテルの中なら安心」は通用しません。
国際列車と夜行列車、寝ている間に全部持っていかれる
ウィーンは中欧のハブで、ブダペスト・プラハ・ミュンヘン行きの国際列車が発着します。大使館は「国際列車を含む長距離列車内での荷物の盗難事件が発生しています」と邦人被害を報告しています。
手口は2つ。網棚や足元に置いたバッグを停車駅で持ち去るパターンと、夜行列車で寝ている間に貴重品を抜かれるパターンです。声をかけて注意をそらしてからやる分業型もあります。
長距離夜行列車内で、寝ている間に貴重品を盗られた。
夜行を使うなら貴重品はウエストポーチに入れて身につけたまま寝る。座席車の場合は荷物をチェーンロックで座席の脚に固定しておくのも有効です。
Travel Alert 03
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リュック切り裂きとグループ犯行、単独犯とは限らない
「安全の手引き」が繰り返し強調しているのが、スリは単独犯とは限らないという点です。
スリ・置き引きは単独とは限らず、グループで行動して一人が被害者に声をかけて注意をそらしている間に他の者が貴重品を盗みとる例も多くあります。
人混みの中で背中のリュックやショルダーバッグから抜く手口に加えて、刃物でバッグの底を切るケースも報告されています。グループの「声かけ」は偽警官やケチャップ強盗の入口にもなる。リュックを背中に背負ったまま観光地を歩くのは、ウィーンではかなり危険。体の前に抱えるか、ファスナーにカラビナ等の簡易ロックをつけておくだけでも狙われにくくなります。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 安全対策基礎データ(オーストリア)レストランでの置き引き事例を基に構成)
手口早見表
| 手口 | 多発場所 | 対策 |
|---|---|---|
| 写真撮影中にバッグ開封 | シュテファン寺院・目抜き通り | 撮影時はバッグを体の前に |
| 乗降時の押し・囲みスリ | 地下鉄U1/U3・トラム車内 | 押されたら即貴重品に手を当てる |
| ビュッフェ朝食の置き引き | ホテル朝食会場 | 席を立つなら貴重品はポケットへ |
| 声かけ注意そらし型 | 駅ホーム・ホテルロビー | 話しかけられたら荷物を抱える |
| 長距離列車の網棚盗難 | 国際列車・夜行列車 | 荷物は足元かチェーンロック |
| リュック切り裂き | 観光地・人混み | リュックは前抱え、ファスナーにロック |
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
やられたらどうする
- 警察(133)に通報して被害届を提出。受理証明書(Anzeigebestätigung)を必ずもらう。パスポート再発給にも保険請求にもこの書類が必要
- クレジットカードを即停止 --- 日本のカード会社の緊急連絡先に電話。番号はスマホのメモアプリに控えておくこと
- パスポートを盗まれた場合は在オーストリア日本国大使館(+43-1-531920)に連絡。帰国のための渡航書または新パスポートを申請。領事部窓口は平日9:00-12:00、13:30-16:30
- ホテルで盗難に遭った場合もまず警察。ホテルのフロントに相談するだけでは被害届は出せない
- ウィーンの都市ページとオーストリアの国ページに緊急連絡先をまとめています
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
出発前にやっておくこと
- パスポートと現金・カードを分散して持つ: 全部リュックに入れて背負うのが一番危ない。パスポートはウエストポーチか宿の金庫、カードは2枚を別の場所に
- リュックは前抱えを習慣にする: 観光地と地下鉄では背中に背負わない。切り裂き対策にファスナーロックも効果あり
- ホテル朝食では貴重品を身につけて立つ: 「すぐ戻るから」の3分で消える
- 夜行列車は貴重品を身につけて寝る: ウエストポーチかセキュリティポーチが必須
- 海外旅行保険に加入: オーストリアは救急車1回790ユーロ、入院1日2,500ユーロ超。盗難だけでなく医療費でも保険は必須。ヨーロッパの海外旅行保険で備えを
よくある質問
ウィーンでスリはどれくらい多い?
オーストリア全体で2024年の窃盗は64,122件、前年比8.9%増加。犯罪全体の53.4万件のうち窃盗と強盗が特に増えています。ウィーンは最大都市で観光客も集中するため、件数の多くがウィーン市内で発生しています。
ウィーンで一番スリに遭いやすい場所は?
外務省と大使館が名指ししているのは、シュテファン寺院などの観光地、地下鉄・路面電車の車内(特に乗降時)、ホテルのロビーと朝食会場、駅のホーム、長距離列車内です。写真撮影中にバッグを開けられるパターンが定番です。
グループ犯行ってどんな手口?
大使館「安全の手引き」によると、1人が声をかけて注意をそらし、その間に別の者が貴重品を盗む分業型が多発しています。地下鉄車内では数名の集団に囲まれて時間を尋ねられている間にバッグから抜かれるケース、鋭利な刃物でバッグを切り裂いて中身を盗むケースも報告されています。
ホテルの朝食会場でも盗まれるの?
はい。ビュッフェ式の朝食で席にバッグを置いたまま料理を取りに行っている間に持ち去られる手口が外務省の安全対策基礎データに明記されています。ホテルのチェックイン中やロビーでの置き引きも同様に多発しています。
被害に遭ったらまず何をすればいい?
まずオーストリアの警察(電話133)に届け出て被害届の受理証明書をもらいます。パスポートを盗まれた場合は在オーストリア日本国大使館(+43-1-531920)に連絡し、帰国のための渡航書か新パスポートを申請してください。クレジットカードは日本のカード会社に即連絡して停止します。