ロンドンの詐欺はスリと違って「自分から渡してしまう」のが怖いところです。在英大使館の四半期レポートでは、四半期あたり6-12件の詐欺被害が報告されています。偽の警察官にカードと暗証番号を教えてしまう、子供に「送金するから現金を」と500ポンドを渡してしまう。冷静に考えればおかしいのに、現場では従ってしまう巧みな手口です。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
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偽警察官詐欺 — 暗証番号まで教えてしまう5ステップ
在英大使館「安全の手引き」がわざわざ5ステップで解説している手口です。
ステップ1: 人通りの少ない場所で、旅行者を装った犯人の仲間が「写真を撮って」「駅への行き方を教えて」と話しかけてくる。
ステップ2: そこへ私服警察官を名乗る人物(警備員の服装のケースも)が「麻薬捜査だ」と現れ、まず仲間に財布やカードの提示を要求し、暗証番号も聞く。仲間は素直に応じる。
ステップ3: 次に被害者にも同じ要求をする。仲間が先に応じたのを見ているので、自分も従ってしまう。
ステップ4: 「捜査は終わった」と財布を返却。目の前で開いて札を抜く様子もないので、被害者は安心してしまう。
ステップ5: 後から財布を開くと、現金もカードもなくなっていて、カードは不正使用済み。
警察官に限らずクレジットカードの暗証番号を尋ねることはありません。警察官を名乗る人物に対して抵抗しがたいという場合は、周囲の人に助けを求める
覚えておくべきことは1つ。暗証番号を聞く人間は全員偽物。スペインのマドリード・バルセロナでも同じ偽警官の手口が横行しています。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
「オンライン送金するから現金を」は100%詐欺
グリーンパーク付近で10代の子供に「カードが使えなくて今日の宿泊代が払えない」と言われました。スマホの画面で4万円相当のオンライン送金を見せられたので同額の現金を渡したんですが、後で確認したら送金されてませんでした。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在英国日本国大使館 英国安全対策情報(2025年7-9月期))
大使館の四半期レポートには同じパターンの被害が繰り返し載っています。
- セント・ジョンズ・ウッド駅付近: 15歳くらいの白人少年2人組に「お金を盗られて帰宅できない。オンラインで送金するから現金500ポンドを」。オンライン送金を確認して500ポンドを渡したが、後刻送金されておらず連絡も取れず
- トッテナムコートロード駅付近: 20代前後の白人男性に「マンチェスターに帰る20ポンドが必要」。了承後「誤って750ポンド送金した」として750ポンドの返金を要求。ATMで引き出して渡したが送金は確認できず
共通点は「スマホの画面で送金を見せて安心させる」こと。スマホ画面の送金確認は偽装できます。路上で知らない人に現金を渡す理由はありません。子供でも詐欺の実行犯です。
投資詐欺・特殊詐欺は在英邦人も被害
SNSで知り合った人に仮想通貨投資を勧められて8,000ポンドを支払ったんですが、その後まったく連絡が取れなくなりました。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在英国日本国大使館 英国安全対策情報(2025年7-9月期))
短期旅行者だけでなく在英邦人も被害に遭っています。四半期レポートの事例をいくつか。
- アプリで知り合った仲間と株投資の勉強会に参加。未公開株の購入を勧められ利益が出たので現金化しようとしたら、アプリが使えなくなり仲間とも連絡が取れなくなった
- 京都府警を名乗る人物から「マネーロンダリングに加担している疑い。早急に対応しないと資産差し押さえ」と脅され、指示に従って200万円を日本の銀行口座に送金
- 中国警察を名乗る人物から「逮捕する」と脅され、旅券のコピーを送付してしまった
在英大使館の「安全の手引き」は、金融機関や弁護士事務所を名乗る人物から「英国で亡くなった高額所得者の遺産を引き継ぐ権利がある」というメールで手数料を振り込ませる手口も警告しています。一度払うと「異なる費用が発生した」と複数回にわたって計数百万円を搾り取られるパターンです。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
ETA偽サイトに注意
2026年2月からETAが必須になったことに便乗し、公式サイトに似せた偽サイトが出回っています。高額な手数料を要求するサイトやフィッシング詐欺サイトがあるため、申請は必ず英国政府の公式サイトから行ってください。申請料は20ポンド。これより高い金額を要求するサイトは偽物の可能性が高いです。
手口早見表
| 手口 | 典型的な場所 | 被害額の目安 |
|---|---|---|
| 偽警察官(麻薬捜査名目) | 人通りの少ない路地 | カード不正使用で上限なし |
| 現金融通(子供・若者) | 駅付近・公園 | 500-750ポンド(10-15万円) |
| 投資詐欺(SNS・アプリ) | オンライン | 8,000ポンド〜(160万円〜) |
| 特殊詐欺(警察なりすまし) | 電話 | 200万円の事例あり |
| 遺産詐欺(メール) | オンライン | 数百万円(複数回搾取) |
| ETA偽サイト | オンライン | 申請料上乗せ〜個人情報窃取 |
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
こう防ぐ
- 暗証番号を聞かれたら偽物。警察官も銀行員も絶対に暗証番号を聞かない
- 路上で知らない人に現金を渡さない。子供でも、スマホの送金画面を見せられても
- SNSで知り合った人からの投資話は全て詐欺と思え。利益が出ているように見えてもアプリごと消える
- ETA申請は公式サイトのみ。20ポンド以上請求されたら偽サイト
- 「警察」「銀行」を名乗る電話で振込を指示されたら詐欺。一度切って大使館に相談
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭ったら
- 警察に届け出る(緊急: 999、非緊急: 101)
- カード不正使用が疑われる場合、直ちにカード会社に連絡して利用停止
- 在英国日本国大使館(領事班: 020-7465-6565)に連絡
- 海外旅行保険に加入していれば保険会社にも連絡
よくある質問
ロンドンの偽警察官詐欺ってどんな手口?
まず旅行者を装った犯人の仲間が「写真を撮って」「道を教えて」と話しかけてきます。そこへ私服警察官を名乗る人物が「麻薬捜査だ」と現れ、財布とカードの提示を要求。仲間が先に素直に応じて見せることで安心させ、被害者にも暗証番号を言わせてカードを盗みます。
子供がお金を貸してと言ってきたら詐欺?
大使館の四半期レポートには、15歳くらいの少年2人組が「帰宅できないからオンラインで送金するので現金を貸して」と500ポンド(約10万円)を騙し取った事例が載っています。10代の子供でも詐欺の実行犯である可能性があります。スマホ画面の送金確認は偽装できるので信用しないでください。
警察官が暗証番号を聞くことはあるの?
絶対にありません。在英大使館「安全の手引き」は「警察官に限らずクレジットカードの暗証番号を尋ねることはありません」と明記しています。暗証番号を聞かれたら偽物と判断し、周囲の人に助けを求めてください。