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ロンドンのスリ 地下鉄グループ犯と旅券盗難多発【2026】

ロンドンのスリ・置き引きの手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.23 KAIGAI-RISK

在英国日本国大使館の四半期レポートを見ると、2025年4-6月期だけで窃盗44件、うち旅券盗難30件。7-9月期は46件に増えて旅券盗難は39件。つまり夏のロンドンでは、ほぼ毎日どこかで日本人がスリに遭っている計算です。しかも大使館に届け出ない人も多いので、実際の被害はもっと多い。

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地下鉄の車内と駅構内が最大の被害ポイント

ロンドンのスリは地下鉄の車内と駅が主戦場。在英大使館「安全の手引き」はこう指摘しています。

スリ・置き引きは一般的にどの場所においても発生が報告されていますが、特に混雑した地下鉄やバスの車内、デパートでの買い物中、混んだ観光スポット、パブやレストランでの被害が多発しています

犯人はグループで動くのが基本です。1人が地下鉄の路線図を広げて視界を遮ったり、話しかけて注意を引いている間に、仲間がポケットやバッグから財布やパスポートを抜き取る。子供を使うケースも少なくありません。

四半期レポートの駅での実例:

  • キングスクロス駅: オイスターカードのチャージ中、数人のグループに気を取られ足元の鞄を盗まれた
  • パディントン駅: タクシー乗り場で「一緒に乗る」ような動きをした女性に突き飛ばされ、旅券入りポーチを盗まれた
  • ピカデリーサーカス駅付近: 通行人から「リュックのファスナーが開いてる」と指摘され、確認すると旅券がなかった
  • ルートン: ショッピングセンターで両替のため旅券を出した後、エスカレーターで旅券入り財布を盗まれた

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観光地で写真に夢中になった瞬間を狙われる

TESTIMONY · 旅行者A

アビーロードの横断歩道で写真を撮ろうとして、鞄を道路端に置いた瞬間でした。ビートルズのポーズを決めてる間に鞄ごと消えてた。パスポートも財布も全部入ってたのに。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在英国日本国大使館 英国安全対策情報(2025年7-9月期)

バッキンガム宮殿付近のカフェでは2人組が「隣の席いいか」と話しかけ、軽く体をぶつけてから立ち去ると鞄が消えていた。ノッティングヒルのマーケットでは歩行困難なほどの混雑の中、鞄から旅券を抜かれた。観光地では鞄は体の前に抱える、地面に置かないが鉄則です。

パブやレストランでの置き引きが止まらない

TESTIMONY · 旅行者B

ソーホーのレストランで食事していたら、椅子の横に置いた鞄がいつの間にか別の鞄にすり替えられていました。気づいた時にはもう遅くて、財布もパスポートも全部。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在英国日本国大使館 英国安全対策情報(2025年4-6月期)

チェルシーのパブでは椅子の背にかけた鞄がトイレに行った数分で消え、ハムステッドのパブでは2人組がスマホを落として気を取られた隙に鞄を盗まれています。ロンドンブリッジ駅付近のレストランでは出口付近の席に座っていた客が、入ってきた2人組の男にそのまま鞄をひったくられた事例も。

レストランやパブでは、鞄は膝の上に置くか、椅子の脚に通して体で挟む。背もたれにかけるのは絶対にやめましょう。

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夜間のバイクひったくりは追いかけない

ウォータールー駅前で午後11時にスマホで地図を見ていたら、自転車に乗った黒ずくめの人物が背後から接近してスマホを奪取。ポートベロー通りでは午後6時半に店を出たところから4人組の男に付け回され、ふくらはぎを蹴られた事例も報告されています。

後ろから来たバイク・電動スクーターが追い越しの際にスマートフォンを奪い去る事案が発生しているので、昼間でも歩道を歩く際は建物側を歩く

追いかけると暴行を受けるリスクがあります。マナーパークで午後9時にスマホをひったくられ追いかけたところ、暴行を受けて救急車で搬送された事例が報告されています。盗まれたら追わない。安全を確保してから警察に連絡するのが正解です。

手口早見表

手口場所狙い
複数犯の取り囲み・注意そらし地下鉄車内・駅財布・パスポート
椅子横・背もたれの鞄すり替えレストラン・パブ鞄ごと
写真撮影中の置き引き観光地(アビーロード等)地面に置いた鞄
バイク・スクーターでの追い越しひったくり路上(夜間多い)スマホ
「ファスナー開いてる」と指摘駅付近リュック内の貴重品
ATM背後からの声かけATMカード・暗証番号

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出発前にできること

  • パスポートはホテルのセーフティボックスに保管し、コピーを携行する。旅券盗難が窃盗被害の6-8割を占めている
  • 現金は最小限にしてカード中心で動く。英国居住者が少額しか現金を持たない国で、多額の現金を持ち歩くこと自体がリスク
  • 財布・カード・現金を分散して持つ。1か所にまとめると一度に全部失う
  • バッグは体の前に抱える。リュックは前に背負うか、ファスナーに南京錠をつける
  • レストランでは鞄を膝の上か椅子の脚に通す。床に置かない、背もたれにかけない
  • スマホは建物側で使う。歩道の車道側で操作していると、バイクひったくりの格好のターゲットになる

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被害に遭ったら

  1. 追いかけない。暴行リスクあり
  2. 警察に届け出る(緊急: 999、非緊急: 101)。Crime Reference Number を取得
  3. パスポート盗難の場合は在英国日本国大使館に連絡(領事班: 020-7465-6565
  4. クレジットカード会社に連絡して利用停止
  5. 海外旅行保険に加入していれば保険会社にも連絡

よくある質問

ロンドンでスリに遭いやすい場所はどこ?

在英大使館の四半期レポートで名指しされている場所は、地下鉄(キングスクロス、パディントン、ピカデリーサーカス、ウォータールー各駅)、アビーロード、バッキンガム宮殿付近、ノッティングヒル、ロンドンブリッジ、ソーホー、チェルシーなど。地下鉄車内と観光地に集中しています。

なぜ日本人がロンドンでスリに狙われやすいの?

外務省のデータによると、英国居住者は通常少額の現金しか携行しないのに対し、日本人旅行者は多額の現金を持ち歩いていると見られており標的にされやすい傾向があります。キャッシュレス化が進んだ英国で現金を多く持つこと自体がリスクです。

ロンドンでパスポートを盗まれたらどうすればいい?

まず警察に届け出てCrime Reference Number(盗難証明番号)を取得し、在英国日本国大使館(020-7465-6565)に連絡します。再発給には盗難証明、6か月以内の戸籍謄本原本、パスポート用写真2枚が必要です。旅券盗難は大使館認知の窃盗被害の6-8割を占めており、再発行で旅程が大幅に崩れます。

ロンドンのスリ対策で一番大事なことは?

在英大使館は「パスポートはホテルのセーフティボックスに保管し、コピーを携行する」「財布とカードは分散して持つ」「レストランやパブでは鞄を体から離さない」ことを推奨しています。話しかけられたり体をぶつけられたら「まず荷物を押さえる」が鉄則です。

出典

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