ハボローネのスリ・置き引き・車上荒らしは、観光地イメージの「賑やかな路上で財布を抜かれる」よりも、動きが大きくて派手です。集団で取り囲んだり、車のガラスを割ったり、駐車場の鍵穴を破壊したり、ATM周辺で暗証番号を盗み見たり。被害が起きる場面は4つ。徒歩動線・モール駐車場・ATM・カード決済の現場です。それぞれの典型例を頭に入れておけば、防御の優先順位が見えてきます。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
場面1: Bus Station周辺の徒歩動線 — 握手スリ
C2-handbook(在ボツワナ日本国大使館「安全の手引き」)が記録している、典型的な邦人被害事例。
2023年5月、在留邦人がハボローネ市内の Bus Station と Fields Mall の間の高架下(出店が数件並ぶ道路上)を歩行中、男性に話しかけられた。男性は、邦人の同僚の友人であると語り握手を求めた。邦人は、握手に応じ会話していると、別の男性が不自然に背後に立っていた。会話を終え、男性と別れた後、バスに乗り、ジャケットの右ポケット内の携帯を確認したところ無いことに気が付いた。
手口の構造を分解するとこうなります。
- 接近の口実: 「あなたの同僚の友人だ」と職場の人脈を語る
- 注意の固定: 握手と会話で意識を正面に向けさせる
- 共犯の配置: 別の男性が「不自然に背後」に立つ
- 引き抜き: ジャケットのポケット(観光客ならズボンの後ろポケット)から携帯電話を抜く
- 発覚遅延: バスに乗ってから気づくため、その場で犯人を追えない
防御のポイントは、握手・会話の場面で背後を意識することに尽きます。「日本人の知り合いだ」「同僚の友人だ」と日本語混じりで近づいてくる時点で、ほぼ確実に手口の入口です。会話するなら身体を半身に構えて背後が見える角度を保つ、貴重品はジャケットのポケットではなく身体に密着するボディバッグかインナーポケットへ移しておくのが基本。
場面2: モール駐車場 — 連続車上荒らし
外務省「安全対策基礎データ」が直近で3回連続で記録している事例。
○2024年10月、11月および2025年2月、ハボローネ市内のショッピングモール駐車場において車上荒らしの被害。
連続発生中という点が重要です。観光客がレンタカーで来訪する場合に最もリスクが高い動線です。C2-handbookには、リバーウォークモール(ABSA銀行付近の駐車場)で1時間駐車している間に運転手側ドアの鍵穴を破壊された事例も記録されています。
2023年8月、在留邦人が、ハボローネのリバーウォークモール内の駐車場(ABSA銀行付近)に駐車し、約1時間後に車両に戻ったところ、運転手側ドアの鍵穴が壊されていた。
防御は3点セット。
- 車内に物を置かない: ダッシュボード・助手席・後部座席シートを完全に空に。トランクに移しても外から「何かありそう」とわかれば狙われる。降車時にトランクに移す姿を見られないことも大事
- 駐車場所の選び方: 警備員が巡回している屋根付き駐車場・モール本館に近い場所・防犯カメラが見える区画
- 滞在時間の短縮: モールで長時間買い物する場合は、車内に何も残さない。短時間でも油断しない
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
場面3: ATM・銀行 — 声かけと暗証番号盗み見
外務省「安全対策基礎データ」は、ATM利用客に声をかけて注意を引きつけ、暗証番号を盗み見し、巧みにキャッシュカードを奪って不正に現金を引き出す手口を報告しています。声かけ→注意散漫→暗証番号盗み見→カード奪取→不正引き出し、の連鎖。声をかけてくる相手は、最初は親切そうに見えます。「機械の調子がおかしいから別のATMに行った方がいい」「両替してあげる」「カードが詰まってる」など。
ATMを使う条件を出発前に決めておくのが楽です。
- ホテル併設または銀行支店内のATMを使う
- 日中の人通りがある時間帯に使う
- 声をかけられたら一旦中止してATMから離れる
- 暗証番号は反対の手で覆い隠す
- 引き出し直後にカードと現金を即収納して、駐車場・宿への動線で携帯を見ない(注意散漫を作らない)
- 高額の引き出しは複数回に分ける(盗難時の損害最小化)
場面4: カード決済 — アナログ式スキミングとフィッシング
外務省は「クレジットカードやデビットカードのデータを不正に読み取って多額の引き落としを謀るスキミングが頻発し、日本人も被害に遭っている」「銀行口座等に関する偽のメッセージで個人情報を盗むフィッシング詐欺も発生」と警告しています。レストラン・小売店でカードを店員に渡して視界から外す瞬間が、スキミングのリスクが最も高い場面。席まで持ってきてもらえる携帯端末で決済するか、自分でレジに行ってICチップ取引を選ぶように切り替えてください。磁気ストライプを通すよう求められたら、別の店を使うか現金払いに切り替える判断もあり。
出発前にやっておくこと。
- 海外利用通知メール/プッシュ通知を全カードでオン
- 海外利用上限額を必要最低限に絞る
- メインカードと予備カードを物理的に別の場所(財布とパスポートケース)に分ける
- 不正利用検知時の連絡先を日本の電話番号と紙でも控える
フィッシング詐欺は、ボツワナ滞在中に届く「銀行口座が凍結された」「カード情報を再確認してください」等のSMS・メール経由。リンクをタップしないでブラウザから直接銀行サイトに行くのを徹底してください。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
場面5: 走行中の車内 — スマッシュ・アンド・グラブ
「スマッシュ・アンド・グラブ」(路上の交差点等で減速中または停車した車両を襲い、所持品を奪う手口)や駐車場での車上荒らしなどがあります。
信号待ちの数十秒でガラスを割って助手席の物を奪う手口。南アフリカやナミビアでも同じ手口が頻発していて、南部アフリカ全域で定番化しています。被害に遭うのはほぼ「助手席にバッグ・携帯電話を置いた瞬間」です。レンタカーや配車アプリ利用時は、貴重品を助手席・ダッシュボードに置かないだけで防げます。
- バッグは膝の上か後部座席の足元
- 携帯電話は通話・地図確認以外はポケット・バッグに収納
- 後続車との車間距離を確保(信号待ちで挟まれると逃げ場がない)
- 窓は全閉、ドアロックは走行中も施錠
手口早見表
| 場面 | 手口 | 防御の要点 |
|---|---|---|
| Bus Station周辺の徒歩 | 「同僚の友人」握手スリ | 背後に共犯・身体半身に構える |
| モール駐車場 | 鍵穴破壊・車上荒らし | 車内空・短時間でも油断しない |
| ATM・銀行 | 声かけ→暗証番号盗み見 | ホテル併設・反対の手で隠す |
| レストラン・小売店 | アナログ式スキミング | カードを視界から外さない・ICチップ |
| SMS・メール | フィッシング詐欺 | リンクタップしない・直接ブラウザ |
| 信号待ちの車内 | スマッシュ・アンド・グラブ | 助手席・ダッシュボードに置かない |
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
出発前にできること
- 貴重品の収納場所を決めておく: 携帯電話・財布・パスポートはジャケットの外ポケット禁止。身体密着型のバッグかインナーポケットへ。選び方はスリ対策グッズ比較を参考に
- ダミー財布を用意: 強奪時に出すための小銭・期限切れカード入りの財布。本物のカードは別の場所に
- クレジットカード会社に出発前連絡: ボツワナ滞在期間と利用上限を伝えておく。海外利用通知はプッシュ通知でオン
- 暗証番号は4桁すべて独立: 誕生日・電話番号と無関係なPIN
- 緊急番号を口頭で覚える: スマホを奪われても警察(999)と大使館(391-4456)が言える状態に
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭ったら
抵抗しないこと。スリは気づいた時点で犯人は移動済み、強盗は刃物を携行している前提です。
その場で/後でやること。
- 安全な場所(最寄りの店舗・モール・ホテル・警察署)に移動
- 警察(999)に通報、被害届を取得(保険請求の必須書類)
- クレジットカード会社に連絡してカードを停止。ATM暗証番号を聞き出された可能性があれば最優先
- 在ボツワナ日本国大使館(391-4456)に連絡。パスポート紛失時は渡航書発給手続き
- 携帯電話の遠隔ロック・データ消去(出発前に「探す」機能を有効化しておく)
- 保険会社に連絡、携行品損害の請求準備(被害届控え・購入証明・写真)
集団強盗・住居侵入の手口はハボローネの集団強盗・住居侵入で詳しくまとめています。医療費の桁感はハボローネの感染症・医療リスク、保険の備えはアフリカの海外旅行保険ガイドを参照。
ハボローネ全体の動線はハボローネの治安、ボツワナ全体の治安はボツワナの治安まとめを確認してください。
よくある質問
ハボローネで日本人がスリに遭った具体的な事例は?
在ボツワナ日本国大使館「安全の手引き」が、2023年5月にBus StationとFields Mallの間の高架下を歩行中の在留邦人が「同僚の友人」を名乗る男性に握手を求められ、会話中に背後の共犯者にジャケットの右ポケットから携帯電話を抜かれた事例を記録しています。
モール駐車場の車上荒らしはどのくらい多い?
外務省「安全対策基礎データ」が、2024年10月、11月、2025年2月と3回連続でハボローネ市内のショッピングモール駐車場で日本人が車上荒らしの被害に遭ったことを記録しています。リバーウォークモール駐車場(ABSA銀行付近)では1時間駐車中に運転手側ドアの鍵穴を破壊された事例もあります。
ATMで現金を下ろしても大丈夫?
外務省「安全対策基礎データ」が、ATM利用客に声をかけて注意を引きつけ、暗証番号を盗み見してキャッシュカードを奪い不正引き出しする手口を報告しています。ホテル併設・銀行支店内のATMを日中に使い、暗証番号入力時は手で隠し、声をかけられたら一旦中止してください。
クレジットカードのスキミング被害が多いって本当?
外務省は「クレジットカードやデビットカードのデータを不正に読み取って多額の引き落としを謀るスキミングが頻発しており、日本人も被害に遭っています」と書いています。レストラン・小売店でカードを店員に渡したまま視界から外さない、ICチップ取引を選ぶ、海外利用通知を出発前にオンにしておくのが基本です。
信号待ちで車のガラスを割られるって何?
「スマッシュ・アンド・グラブ」と呼ばれる手口で、路上の交差点等で減速中または停車した車両のガラスを割って助手席のバッグ・携帯電話を奪うものです。助手席・ダッシュボードに貴重品を置かない、後部座席かトランクに移す、肩から下ろさず身体に密着させて乗るのが防御策です。