ハボローネでは2020年以降、日本人を含む外国人を狙った強盗・住居侵入が増加傾向にあります。在ボツワナ日本国大使館の安全の手引き、外務省「安全対策基礎データ」、大使館の直近の注意喚起PDFを並べると、共通点が3つ見えてきます。集団化(10名以上)、計画化(電線盗→侵入の2段階)、外国人標的化(アジア人夫婦殺害)。日本人がイメージする「強盗」とは規模もスタイルも違うので、出発前に手口を頭に入れておくことが防御の第一歩になります。
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事件1: 2026年4月 Fields Mall付近・若年層10名以上の集団強盗
在ボツワナ日本国大使館の注意喚起(令和8年4月13日付)が記録している事案を引用します。
4月4日(土)午後6時40分頃、ハボローネ市内 CBD 地区(Fields Mall 付近の歩道上)において、邦人が複数名の集団による強盗被害に遭う事案が発生した。被害者が徒歩で移動中、前方及び側方にいた若年層の集団(10名以上)により取り囲まれ、刃物の様なものを突きつけられるなどして制圧され、所持品(バッグ、スマートフォン等)を強奪された。
事件のポイントは3つ。
- 時間は夕方6時40分: 真夜中の人気のない路地ではなく、日没前後の人通りがあるはずの時間帯
- 場所はFields Mall付近の歩道: ハボローネ最大級のショッピングモールから歩いてすぐ
- 規模は10名以上の集団: 前方と側方を同時に塞がれる構造で、逃げ場がない
大使館は「ハボローネ市内では盗難・強盗事件が増加傾向にある。複数人による集団的な犯行や、刃物等を用いた事案も報告されており、外国人を標的とした犯行も発生している」と書いています。「夕方のモール帰り」というのは、観光客にとっても在留邦人にとっても日常動線そのもの。「夕方ならまだ明るいから歩いても大丈夫」という日本式の判断は通用しません。
事件1.5: 2025年4月 Fieldsモール内・銃器武装3人組の携帯ショップ強盗
2026年4月のCBD集団強盗の約1年前にも、同じFieldsショッピングモールで別の事件が起きています。外務省「安全対策基礎データ」によると、2025年4月にFieldsモール内の携帯電話ショップに銃器で武装した3人が強盗に入り、駆けつけた警察官に逮捕された事件が発生しています。犯行グループは多国籍メンバーで構成されていたことがわかっており、当局は警戒を強めています。
モール周辺の歩道だけでなく、モール内部の店舗でも銃器を使った強盗が起きている点が重要です。「モールの中に入れば安全」とは言い切れないことを示す事案です。
事件2: 2024年3月 アジア人夫婦・自宅で殺害
「安全対策基礎データ」が記録している、もう一つ重要な事案。2024年3月にアジア人が自宅で2人組の押し入り強盗に殺害されたケースです。外務省は「ボツワナ人は日本や日本人に対しては概ね好意的なイメージを持っているが、外国人富裕層が主なターゲットとされる事件で日本人が間違われて襲われるケースも考えられる」と書いており、「親日的な国民性」と「外国人富裕層への襲撃」は両立します。中国系・韓国系含む「アジア人」がまとめてターゲットにされたとき、日本人だけが除外されるわけではありません。Airbnbや一軒家の長期滞在を選ぶ場合は、敷地のセキュリティ(警備員常駐・電気フェンス・パニックボタン)を出発前にホスト/管理会社に確認する価値があります。
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事件3: 2023年2月 Village地区・徒歩200mで3人組強盗
C2-handbook(在ボツワナ日本国大使館「安全の手引き」)が記録している在留邦人の被害事例。
在留邦人夫婦2名が、ハボローネ市内の Village 地区内にある自宅から買い物のため徒歩で外出したところ、自宅から約200m離れた路上で3人組の男に襲われた。犯人は、殴る、蹴る、踏みつける等の暴行を加えたうえ、持っていたナイフで脅し、被害者のリュックサック、スマートフォン、財布等を奪い、待機していた車に乗り込み逃走した。
自宅から200m。「ちょっとそこのスーパーまで」の距離です。Village地区は外務省の「危険地区」名指しリストには入っていないエリアですが、それでも徒歩200mで集団強盗に遭っています。「危険地区を避ければ安全」ではなく「ハボローネ全域で短距離徒歩がリスク」という前提に切り替えてください。
事件4: 2026年2月 電線盗→1週間後に侵入の2段階手口
直近の住居侵入で最も特徴的なのが、大使館注意喚起(令和8年3月5日付)で報告された2段階手口です。
2月14日(土)朝、邦人が自宅で電気が使用できないことに気付いた。同日、関係者が確認したところ、自宅へ引き込まれている電線が切断され盗まれていることが判明した。電柱付近のフェンスの一部が破壊されており、そこから敷地内に侵入し電線を切断して持ち去ったものとみられる。
ここで終われば「電線盗」事件ですが、続きがあります。
2月22日(日)昼、同住宅に帰宅したところ、玄関のバーグラーフェンスに穴が開けられ、南京錠が破壊されていることが確認された。キッチン及び寝室を中心に荒らされており、カメラ等の家財が盗難被害に遭うとともに、スーツケースの鍵が破壊されるなどの被害が確認された。
電線を切って警報装置と夜間照明を無効化してから、約1週間後に侵入。下見と無防備化が前提で、計画的に行われた手口です。Airbnb・長期滞在ホテル・サービスアパートメントを使う旅行者も、停電が起きたときに「電気代が払われていないのかな」と片付けず、まず警備会社・大家・管理会社に通報して原因を確認する判断が必要です。
事件5・6: 住居侵入未遂2件(2024年)
C2-handbookが記録している未遂事案。
- 2024年2月: ハボローネ郊外の自宅で寝室にいた際、番犬が吠えた直後にガラスが割れる音。翌朝、キッチンの窓ガラスが割れていることを確認。煉瓦で窓ガラスを破壊して侵入を試みた痕跡
- 2024年10月: アパート敷地内のエレクトリックフェンスを切って侵入。住人がパニックボタンを押して警備員が駆けつけ未遂で終了
番犬・電気フェンス・パニックボタンが効いた事例なので、住宅セキュリティの基本(警備員常駐・電気フェンス・敷地内での緊急ボタン)は一定の防御効果があるとわかります。観光客でもAirbnbや一軒家の宿を選ぶときは、これらの設備の有無を確認しておくこと。
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走行中の「車に異常がある」声かけ襲撃
外務省「安全対策基礎データ」が記録している走行中のもう一つの手口は、路上の見知らぬ男から「車からオイルが漏れている」と声をかけられ、降車して車体を確認しているところを複数の男達に羽交い締めにされて所持品を奪われるというもの。「タイヤがパンクしてる」「バンパーが取れかけてる」と並走車・歩行者から声をかけられて停車するパターンも同系統です。降車して車体を確認している間に複数人に囲まれて羽交い締めにされます。
防御は1つだけ。並走車・歩行者の声かけには応じない。本当に異常を感じても、最寄りのガソリンスタンド・大型モール駐車場・警察署までは走り続けて、安全な場所で確認してください。
スマッシュ・アンド・グラブと駐車場の車上狙い
外務省「安全対策基礎データ」は、「スマッシュ・アンド・グラブ」(路上の交差点等で減速中または停車した車両を襲い所持品を奪う手口)と駐車場での車上荒らしが多発していると書いています。この手口は隣国南アフリカでも「日本人旅行者の被害が最も多い手口の一つ」として外務省が名指ししています。信号待ちで車のガラスを割って、助手席のバッグや携帯電話を奪うのが典型。これは助手席に物を置かないだけで防げます。後部座席・トランクに移すか、最初から肩から下ろさずに身体に密着させたまま乗ること。
危険エリア — 「現地人も避ける」オールドナレディとカーリーヒル
外務省「安全対策基礎データ」が要注意エリアとして名指ししているのはブロードハースト、エリア27、ハボロネウェストフェーズ2(BTV付近)、モホディツァネ、オリエンタルプラザ、オールドナレディ、カーリーヒル周辺、ハボローネダムなどで、特にひと気の少ない時間帯は避けるよう書かれています。とりわけ大使館注意喚起ページは、オールドナレディ地区は「夜間は現地の人間でも避ける地区」と踏み込んで書いていて、カーリーヒル付近でも強盗事案が多発しているため少人数での登山は控えるよう警告しています。地図アプリの最短ルートで「オールドナレディ」を通り抜けることが起きうるので、目的地までのルートを事前に確認しておくのが基本。カーリーヒルは「ハイキング・展望」で旅行者が訪れやすいスポットですが、単独・少人数では行かないこと。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
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手口早見表
| 手口 | 発生場所 | キーワード |
|---|---|---|
| 集団強盗(10名以上) | CBD・モール付近の歩道 | 夕方・刃物・前後左右を塞ぐ |
| 銃器武装強盗(多国籍組織) | モール内店舗 | 2025年4月・携帯ショップ・逮捕 |
| 路上3人組強盗 | 自宅近くの路上 | 徒歩200m・待機車両で逃走 |
| 住居侵入(電線盗→1週間後) | 自宅敷地 | 電線切断・警報無効化・計画犯 |
| 走行中声かけ襲撃 | 幹線道路・交差点 | 「車に異常」「オイル漏れ」 |
| スマッシュ・アンド・グラブ | 信号待ちの車内 | ガラス割り・助手席の貴重品 |
出発前にできること
- 徒歩移動の予算を「夕方以降ゼロ」に切り替える: ホテル〜レストラン・モール〜駐車場の数百メートルも配車アプリ/ホテル手配タクシー
- 集団に取り囲まれる前にモール内へ: 歩道で若者集団が前方・側方に同時に出現したら即座に最寄りの店舗・モール・銀行に避難
- 車内に貴重品を見せない: ダッシュボード・助手席・後部座席シートにバッグ・スマホ・PCを置かない
- 自宅・宿の停電は無防備化のサイン: 電気が止まったら、まず警備会社・大家・ホスト・管理会社へ。原因確認を1人でしない
- ホテルは敷地ゲート管理が厳格な宿: 24時間警備員常駐・電気フェンス・パニックボタンの3点セットを確認
- 暗証番号は4桁すべて独立: ATM強要時に口頭で伝えやすいよう誕生日・電話番号と無関係なPINに
- 緊急番号を口頭で覚える: スマホを奪われても警察(999)と大使館(391-4456)が言える状態に
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭ったら
抵抗しないことが鉄則。10名以上の集団・刃物携行・走り去り用の車両待機という前提で犯行が組まれています。所持金・カード・スマートフォン・パスポートはすべて諦めて、生命の安全を最優先に。
逃れた/解放された直後にすべきこと。
- 安全な場所(最寄りの店舗・モール・ホテル・警察署)に駆け込む
- 警察(999)に通報。被害届を提出(保険請求の必須書類)
- 在ボツワナ日本国大使館(391-4456/国外から +267-391-4456)に連絡
- 奪われたクレジットカードを止める。ATM暗証番号を聞き出されている可能性があるため最優先
- パスポートを奪われたら大使館で渡航書の発給手続き
- 怪我があれば私立病院へ。支払い保証金が必要なので保険会社のキャッシュレス連絡を平行して進める
医療費・搬送費の桁感はハボローネの感染症・医療リスクで確認してください。保険の備えはアフリカの海外旅行保険ガイドへ。
ハボローネ全体の動線はハボローネの治安、ボツワナ全体の治安はボツワナの治安まとめを参照してください。
よくある質問
ハボローネで日本人が集団強盗に遭った事件は実際にあった?
在ボツワナ日本国大使館が2026年4月13日付の注意喚起で、4月4日午後6時40分頃にハボローネ市内CBD地区(Fields Mall付近の歩道)で邦人が若年層10名以上の集団に取り囲まれ、刃物のようなものを突きつけられて制圧され、バッグ・スマートフォン等を強奪された事案を報告しています。
「ボツワナは比較的安全」というイメージは間違い?
全土レベル指定こそ出ていませんが、外務省「安全対策基礎データ」は2020年から2025年まで毎年のように日本人が被害に遭った具体事例を列挙しています。集団化・計画化が進んでいるのが直近の特徴で、安全マップで色がついていないからといって警戒を緩めるのは危険です。
電線が切られていたら何の合図?
2026年2月の大使館注意喚起で、邦人宅で電線が切断・盗難されてから約1週間後に住居侵入される事件が報告されています。電線盗は「電源・夜間照明・警報装置を無効化してから侵入する」2段階手口の前段階の可能性があり、停電の原因を確認する前に必ず警備会社・大家に通報することが推奨されます。
ホテル滞在の旅行者でも集団強盗のリスクはある?
集団強盗の発生場所はCBDの歩道・モール周辺・自宅前の路上が中心です。ホテル内ではなく、ホテルから店・モールへの徒歩移動中が最も危険です。徒歩200m程度の短距離でも襲われた事例があるため、夜間や夕方の徒歩移動は配車アプリ・ホテル手配タクシーに切り替えるのが安全です。
抵抗してもいい?
犯人は刃物を携行しており集団で行動しています。所持品をすべて諦めて生命の安全を優先するのが鉄則です。被害後は警察(999)と在ボツワナ日本国大使館(391-4456)に通報し、被害届の控えを保険請求の証拠として保管してください。